病院の事業内容は「病院運営(施設の種別/病床数/主な診療科)」を1〜2行にまとめるのが正解です。一般企業向けのテンプレートにある資本金や売上高の枠が埋まらず手が止まる方に向けて、急性期・回復期・クリニックなど施設別の記載例と、病床数がわからないときの調べ方をまとめました。
病院の事業内容の書き方と記載例【そのまま使える型】
結論:3つの要素を1〜2行に圧縮する
職務経歴書の会社概要欄にある「事業内容」は、勤務先がどんな組織かを採用担当者に一瞬で伝えるための欄です。病院の場合、次の3要素を入れれば必要十分です。
- 施設の種別:急性期/回復期リハビリテーション/療養型/精神科/大学病院/クリニック(診療所)など
- 病床数:「〇〇床」。無床の診療所なら「無床」と書く
- 主な診療科または地域での役割:診療科数、救急指定、地域包括ケア病棟の有無など
この3つが揃うと、採用担当者は「どんな環境で何年働いた人か」を数秒で把握できます。逆にどれか1つでも欠けると、経歴全体の解像度が一気に下がります。
基本の記載例と、落とされる書き方
良い例文
事業内容:病院運営(急性期一般病院/病床数280床/内科・外科・整形外科など18診療科)。二次救急指定を受け、24時間の救急受入に対応。
NG例
事業内容:医療業
規模も機能も何ひとつ伝わりません。「医療業」は業種分類であって事業内容ではないため、19床のクリニックでも800床の大学病院でも同じ表記になってしまいます。
採用担当者はここを見ている
- 同じ「看護師5年」でも、200床の急性期と19床の有床診療所では任されていた業務量も判断の重さも違う。事業内容はその差を測る物差しになる
- 自院と病床規模・機能が近いほど「入職後すぐ動ける人」と判断されやすい
- 事業内容が空欄・一言だけの応募書類は、職務内容欄の実績まで割り引いて読まれる
書式に迷う場合は医療業界向けの職務経歴書テンプレートを使うと、会社概要欄の並び順から迷わずに済みます。
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施設タイプ別|病院の事業内容の記載例
同じ「病院」でも、急性期と療養型では働き方がまったく違います。自分の勤務先に近い型をそのまま流用してください。
| 施設タイプ | 事業内容の記載例 |
|---|---|
| 急性期一般病院 | 病院運営(急性期一般病院/280床/18診療科/二次救急指定) |
| 大学病院・特定機能病院 | 病院運営(大学附属病院/850床/30診療科/高度医療・臨床研究および研修医教育を実施) |
| 回復期リハビリ病院 | 病院運営(回復期リハビリテーション病院/120床/リハビリテーション科・整形外科/在宅復帰支援を中心に実施) |
| 療養型病院 | 病院運営(医療療養病棟を有する療養型病院/150床/内科・リハビリテーション科/長期療養者の受入) |
| 精神科病院 | 病院運営(精神科病院/300床/精神科・心療内科/精神科急性期治療病棟および作業療法を実施) |
| ケアミックス病院 | 病院運営(ケアミックス型病院/199床/一般病棟・地域包括ケア病棟・療養病棟を併設) |
| 有床診療所 | 診療所運営(有床診療所/19床/整形外科・内科/日帰り手術および外来診療) |
| クリニック(無床) | 診療所運営(無床クリニック/内科・小児科/1日平均外来患者数80名) |
| 健診センター | 健診事業の運営(人間ドック・企業健診/年間受診者数約2万人) |
クリニックのように病床数がない場合は、代わりに1日あたりの外来患者数を入れると規模感が伝わります。「無床だから書くことがない」と空欄にする必要はありません。
採用担当者はここを見ている
- 応募先と同じ機能(急性期→急性期、回復期→回復期)の経験者は、教育コストが低いと判断される
- 異なる機能から応募する場合こそ事業内容を丁寧に書く。「療養型から急性期へ」の背景がわかると、志望動機の説得力が変わる
介護老人保健施設や特別養護老人ホームを併設していた場合は、その旨も1文添えます。介護分野へ応募するなら介護業界向けの職務経歴書テンプレートの様式に合わせるほうが読み手に親切です。
職種別|事業内容で強調すべき情報は変わる
事業内容の3要素は共通ですが、どこに重心を置くかは職種で変わります。自分の仕事の価値が伝わる情報を優先してください。
| 職種 | 優先して入れる情報 |
|---|---|
| 看護師・准看護師 | 病床数、配属病棟の種別、看護配置(7対1など) |
| 医療事務・受付 | 1日平均外来患者数、レセプト件数、電子カルテの導入状況 |
| リハビリ職(PT・OT・ST) | 回復期/維持期の別、リハビリ部門の人数、実施単位数 |
| 薬剤師 | 病床数、院内処方か院外処方か、無菌調剤室の有無 |
| 臨床検査技師・放射線技師 | 検査件数、保有する主要機器(CT・MRIの台数など) |
| 介護職・看護助手 | 病床数、療養病棟や介護施設の併設状況 |
良い例文(医療事務の場合)
事業内容:病院運営(ケアミックス型病院/180床/内科・整形外科など9診療科)。1日平均外来患者数250名、月間レセプト件数約3,000件。電子カルテおよびレセプトコンピュータを導入。
NG例(医療事務の場合)
事業内容:受付業務、会計業務、レセプト点検業務を行っています。
これは事業内容ではなく職務内容です。勤務先が何をしている組織かではなく、自分が何をしていたかを書いてしまう取り違えは非常に多く、下段の職務内容欄と丸ごと重複します。
看護職として応募する場合は看護師の職務経歴書テンプレート、調剤経験を伝えるなら薬剤師の職務経歴書テンプレートのように、職種に合った様式を選ぶと事業内容と職務内容の書き分けが自然にできます。
病床数や診療科がわからないときの調べ方
退職して数年経っていると、病床数をうろ覚えのまま書いてしまいがちです。数字は面接で確認されることがあるため、推測で埋めずに次の順番で確認してください。
- 勤務先の公式サイト:「病院概要」「施設案内」のページに病床数・診療科・沿革が載っています
- 医療情報ネット(ナビイ):厚生労働省が令和6年4月から運用する全国共通の検索システムです。医療機能情報提供制度に基づき、診療科目や病床の種別・許可病床数が公表されています
- 都道府県の医療機能情報提供システム:地域単位でより詳しい情報が出ている場合があります
見落としやすい注意点
書くのは在籍していた当時の情報です。退職後に病棟再編で病床数が変わっている病院は珍しくありません。現在の数字を書くと、実際の経験とズレた印象を与えます。当時の数字が確認できない場合は「約〇〇床」と幅を持たせる書き方で構いません。
統廃合や閉院で確認手段がないときは、無理に数字を作らず「一般病棟を有する中規模病院」のように機能だけを書きます。数字の正確さより、虚偽を書かないことが優先されます。
資本金・売上高・従業員数の欄はどう埋めるか
市販の職務経歴書テンプレートは株式会社を前提にしているため、病院勤務者が最も詰まるのがこの部分です。結論としては、埋まらない項目は削除して構いません。
| 欄 | 病院の場合の扱い |
|---|---|
| 資本金 | 医療法人には株式会社のような資本金がないため、項目ごと削除してよい |
| 売上高 | 医業収益が公表されていれば記載可。不明なら空欄でなく項目ごと削除 |
| 従業員数 | 「職員数〇〇名(うち看護職〇〇名)」と書き換える。不明なら病床数で代替 |
| 設立 | 公式サイトの沿革にある開設年を記載 |
| 上場区分 | 削除する |
項目名を残したまま「不明」「なし」と書き並べると、調べる手間を惜しんだ印象になります。埋まらない枠は消し、代わりに病床数と診療科で規模を語るのが病院勤務者にとっての正解です。
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病院の事業内容でやりがちなNGパターン
書類選考で減点につながりやすいのは、次の5つです。
- 公式サイトの理念をそのままコピー:「地域に信頼される医療を提供し…」は事業内容ではなく理念。組織の実像が伝わらない
- 所属部署を事業内容として書く:「整形外科病棟」は配属先。事業内容は法人・病院単位で書く
- 職務内容との混同:自分の担当業務は下段の職務内容欄に書く
- 患者や症例が特定できる記述:守秘義務に触れる。「著名な患者の対応経験」などは論外
- 主観的な評価語:「地域で一番の病院」「県内トップクラスの症例数」は根拠がないと逆効果
採用担当者はここを見ている
- 患者情報に触れる記述があると、スキル以前に「情報管理ができない人」として選考から外す判断材料になる
- 理念のコピーは即座に見抜かれる。同じ法人の応募者が複数いれば文面の一致で気づかれる
履歴書の職歴欄に病院の事業内容を書く場合
履歴書には独立した「事業内容」欄がないため、職歴欄の病院名の下、または括弧内に1行だけ添えます。行数が限られるので、職務経歴書よりさらに短く圧縮してください。
良い書き方(履歴書の職歴欄)
2019年4月 医療法人〇〇会 〇〇総合病院 入職
(急性期一般病院・280床/看護師として整形外科病棟に配属)
病院名は「医療法人〇〇会 〇〇病院」まで正式名称で記載します。法人名を省いて病院名だけにすると、同名の病院と混同されることがあります。用紙が窮屈で1行も入らない場合は、事業内容の記載は職務経歴書側に任せて構いません。
職歴欄の行数配分に迷うときは、転職用の履歴書テンプレートのように職歴欄が広い様式を選ぶと収まりやすくなります。
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まとめ
- 病院の事業内容は「病院運営(種別/病床数/診療科)」の1〜2行で書く
- 無床クリニックは病床数の代わりに1日平均外来患者数を入れる
- 病床数は公式サイトか医療情報ネット(ナビイ)で確認し、在籍当時の数字を書く
- 資本金・売上高の欄は削除し、職員数や病床数で規模を示す
- 理念のコピー、部署名、職務内容との混同、患者が特定できる記述は避ける
事業内容が2行整うだけで、その下に続く職務内容の読まれ方が変わります。まずは勤務先の病床数と診療科を確認するところから始めてください。
病院の事業内容の書き方に関するよくある質問
- 病院の事業内容は「医療業」と書いてはいけませんか
-
「医療業」は業種分類であり、規模も機能も伝わりません。「病院運営(急性期一般病院/280床/18診療科)」のように、施設の種別・病床数・診療科をセットで書いてください。
- クリニック勤務で病床数がない場合はどう書けばよいですか
-
「診療所運営(無床クリニック/内科・小児科/1日平均外来患者数80名)」のように、病床数の代わりに外来患者数を入れると規模が伝わります。無床であることは明記して問題ありません。
- 病床数がわからないときは空欄にしてよいですか
-
まず病院の公式サイトか、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)で確認してください。それでも不明な場合は推測で数字を書かず、「一般病棟を有する中規模病院」のように機能だけを記載します。
- 医療法人の資本金や売上高はどう書けばよいですか
-
医療法人には株式会社のような資本金がないため、その項目は削除して構いません。売上高も不明なら削除し、職員数や病床数で規模を示すほうが読み手に伝わります。
- 退職後に病床数が変わった場合はどちらを書きますか
-
在籍していた当時の数字を書きます。現在の数字だと、実際に経験した環境とズレた印象を与えます。面接で補足を求められたら「在籍当時は〇〇床でした」と説明できるようにしておいてください。

