履歴書に逮捕歴は書かなくていい|賞罰欄の正しい書き方と前科との違いを徹底解説

履歴書に逮捕歴は書かなくていい|賞罰欄の正しい書き方と前科との違いを徹底解説

逮捕歴は、履歴書の賞罰欄に書く必要はありません。記載の対象になるのは有罪判決が確定した「前科」だけです。逮捕されただけ、不起訴になった、裁判中という段階であれば、賞罰欄に書く義務は生じません。この記事では、書く必要があるケースとないケースの線引き、賞罰欄の実際の書き方、そして多くの人がつまずく空白期間の伝え方までを整理します。

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目次

履歴書に逮捕歴を書く必要はありません

書く義務があるのは「有罪判決が確定した前科」だけ

履歴書の賞罰欄にある「罰」とは、刑事裁判で有罪判決が確定した記録を指します。拘禁刑・罰金・拘留・科料がこれにあたります。

逮捕は、捜査機関が身柄を確保する手続きにすぎません。逮捕された時点では有罪が確定していないため、逮捕歴そのものは賞罰欄の記載対象になりません。日本の刑事事件では逮捕された人のうち相当数が不起訴処分となり、その場合は前科がつきません。

賞罰欄に書く必要がないもの

  • 逮捕されたが不起訴処分になった
  • 起訴猶予になった
  • 裁判で無罪判決が確定した
  • 現在裁判中で、判決が確定していない
  • 交通違反で反則金を納付した(行政処分のため)
  • 少年時の保護処分・補導歴

賞罰欄の書き方【良い例・NG例】

賞罰欄がある履歴書を使い、記載すべき前科がない場合は「賞罰なし」と明記します。空欄で提出すると、書き忘れなのか意図的に伏せたのか、採用担当者には区別がつきません。

良い例文(記載すべき前科がない場合)

賞罰なし
                  以上

「なし」だけでも問題ありません。書き終えたら右詰めで「以上」を入れ、欄の終わりを示します。

NG例

(賞罰欄を空欄のまま提出する)

空欄は記入漏れと同じ扱いを受けます。他の欄が丁寧に埋まっているほど、ここだけ空いていることが目に留まります。書くことがないなら「なし」と書くのが正解です。

NG例(記載義務のない事柄を自分から書く)

令和6年5月 ○○の疑いで逮捕(不起訴処分)

正直であろうとして書いてしまう人がいますが、これは書く義務のない情報を自分から不利に開示している状態です。不起訴処分は前科ではありません。誠実さは、書かなくてよいことを書くことではなく、聞かれたことに正確に答える姿勢で示すものです。

そもそも賞罰欄がない履歴書なら触れる必要はありません

現在流通している履歴書の多くには、賞罰欄そのものがありません。厚生労働省が示す様式例も、賞罰欄を設けていません。欄がなければ記載する場所がなく、わざわざ項目を追加する必要もありません。

応募先から様式の指定がないなら、厚生労働省の様式例に沿った履歴書を使うのが無難です。一方、賞罰欄が残っている書式もあるため、JIS規格に沿った履歴書を使う場合は欄の有無を確認してから記入してください。

採用担当者はここを見ている

  • 賞罰欄の記載そのものより、職歴の年月に不自然な断絶がないか
  • 書類と面接での説明が食い違っていないか
  • 空欄・未記入が複数ないか(書類作成の丁寧さの指標として見ています)

逮捕歴・前歴・前科の違いを整理する

この3つは日常会話では混ざりがちですが、履歴書の判断では区別が決定的に効いてきます。

用語意味賞罰欄への記載
逮捕歴捜査機関に逮捕された経歴。有罪かどうかは未確定不要
前歴捜査対象になったが前科に至らなかった記録(不起訴・嫌疑不十分など)不要
前科刑事裁判で有罪判決が確定した記録(拘禁刑・罰金・拘留・科料)必要(賞罰欄がある場合)

整理すると、賞罰欄の判断を分けるのは「逮捕されたかどうか」ではなく有罪判決が確定したかどうかの一点です。前歴は捜査機関の内部記録として残りますが、一般企業が照会できるものではありません。

なお、罰金刑も前科にあたります。「罰金を払って終わりにしたから前科ではない」と考えている人がいますが、略式命令による罰金も有罪判決の一種です。ここは誤解の多いところなので、自分がどの処分を受けたのかを正確に把握しておいてください。

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【ケース別】履歴書に書く必要があるかの判断一覧

自分の状況がどこにあたるかを確認してください。前提として、いずれも賞罰欄がある履歴書を使う場合の話です。

あなたの状況記載理由
逮捕されたが不起訴不要前科がつかない
起訴猶予不要起訴されておらず前科ではない
無罪判決が確定不要有罪ではない
現在裁判中不要判決が確定していない
罰金・科料を納付した必要有罪判決の確定にあたる
執行猶予期間中必要有罪判決が確定している
執行猶予期間が満了した不要刑の言渡しが効力を失う
実刑を終えて10年経過不要刑の消滅(後述)
交通違反の反則金不要行政処分であり刑事罰ではない
少年時の保護処分不要刑事処分ではない

交通違反については、反則金の納付は行政処分なので記載不要です。ただし、飲酒運転や無免許運転などで刑事裁判にかけられ罰金刑を受けた場合は前科にあたります。青切符と赤切符では扱いが変わると理解しておいてください。

前科があっても「刑の消滅」で書く義務はなくなります

前科があるからといって、生涯にわたって申告し続けなければならないわけではありません。刑法には、一定期間が過ぎれば刑の言渡しが効力を失うという規定があります。

刑法34条の2が定める「刑の消滅」の要件

刑法34条の2は、刑の執行を終えた人が、その後罰金以上の刑に処せられずに一定期間を過ごしたとき、刑の言渡しが効力を失うと定めています。

受けた刑効力を失うまでの期間起算点
拘禁刑以上10年刑の執行終了または執行免除を得た日
罰金以下5年同上

刑の言渡しが効力を失えば、市区町村が管理する犯罪人名簿からも情報が抹消されます。この状態になれば、賞罰欄に記載する義務はなくなります

2025年6月1日から条文の表記が変わりました

令和7年(2025年)6月1日施行の改正刑法により、懲役と禁錮が廃止され「拘禁刑」に一本化されました。刑の種類が変わるのは、明治40年に刑法が施行されて以来はじめてのことです。

これに伴い、刑法34条の2の文言も「禁錮以上の刑」から「拘禁刑以上の刑」に改められています。10年・5年という期間そのものに変更はありません。ネット上には旧表記のまま更新されていない解説が多く残っているため、条文を確認する際は改正後のものかどうかに注意してください。

執行猶予は期間満了で効力を失います

執行猶予がついた判決は、猶予を取り消されることなく期間を経過すれば、刑の言渡しが効力を失います(刑法27条)。実刑のように「執行終了から10年」を待つ必要はありません。

ただし2025年6月の改正で、執行猶予に関する規定にも見直しが入りました。猶予期間中に新たな罪で起訴された場合、猶予の取消しが確定しない間は言渡しの効力が続くという趣旨の規定が設けられています。「猶予期間が終われば自動的に何もなくなる」と単純化するのは避けたほうが安全です。

判断に迷ったら専門家に確認を

この記事は制度の一般的な説明です。自分の処分がどれにあたるか、刑がすでに消滅しているかは、事件の内容や日付によって結論が変わります。判断に不安が残る場合は、担当した弁護士や法テラスに個別に確認してください。曖昧なまま自己判断で書類を出すのが、いちばん不利になります。

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逮捕歴を書かないと経歴詐称になるのか

書く義務のないことを書かなくても経歴詐称にはあたりません

経歴詐称とは、申告すべき事項について事実と異なる内容を伝えることです。そもそも記載義務のない逮捕歴や前歴を書かなかったことは、詐称にはあたりません。賞罰欄のない履歴書を選ぶことも問題ありません。

採用選考の場面で、応募者が自分の不利な情報を進んで開示する義務までは負っていないと解されています。一方で、企業から質問を受けた場合に虚偽の回答をすることは別の問題になります。この線引きが、実務上いちばん重要なところです。

本当に危ないのは職歴の改ざんです

賞罰欄よりもリスクが高いのは、空白期間を埋めるために職歴の年月をずらしたり、在籍していない会社を書き足したりすることです。過去には、有罪判決が確定した前科を隠したうえで学歴も偽っていた事案で、懲戒解雇が有効と判断された最高裁判決もあります。

職歴の改ざんは、社会保険の加入履歴や源泉徴収票、前職への確認などから発覚しうるものです。入社後に発覚すれば、経歴詐称として懲戒処分の対象になる可能性があります。書かなくてよいことを書かないのと、事実でないことを書くのは、まったく性質が違います。

面接で聞かれたときの答え方【良い例・NG例】

面接で前科の有無を直接質問された場合、記載義務のある前科について虚偽を述べれば、後に問題化する余地が生まれます。聞かれていないことまで話す必要はありませんが、聞かれたことには正確に答えてください。

良い例文(空白期間について質問された場合)

「令和5年3月から令和6年8月までは離職しておりました。この期間に生活を立て直し、現在は○○の資格取得と週5日の勤務体制を整えています。ブランクの分は、入社後の立ち上がりの早さで返していきたいと考えています。」

事実を否定せず、現在の状態と今後の見通しに話の重心を置いているのがポイントです。過去の説明に時間を使いすぎないほうが伝わります。

NG例

「その期間は、知人の会社を手伝っていました」(実際には在籍していない)

とっさに口にしがちですが、後から確認された瞬間に信頼を一度に失います。就業実態のない経歴を口頭で足すのは、履歴書に嘘を書くのと同じ結果を招きます。

採用担当者はここを見ている

  • 空白期間の長さそのものより、説明の一貫性を見ています
  • 言い淀んだり話を変えたりすると、内容以上に不安が残ります
  • 過去より、いま安定して働ける状態にあるかを知りたがっています

逮捕・勾留による空白期間の書き方

実際に多くの人がつまずくのは、賞罰欄ではなくこちらです。勾留や服役で職歴が途切れた場合、その期間をどう扱うかを決めておく必要があります。

空白期間そのものは偽らない

職歴欄は、在籍した会社の入社・退社を事実どおりに書きます。空白期間があること自体は、書類上まったく問題ありません。空白期間の理由を職歴欄に書く義務もありません。

良い書き方(空白期間がある場合)

令和3年4月 株式会社○○ 入社
令和5年3月 一身上の都合により退職
令和6年9月 株式会社△△ 入社
令和8年6月 現在に至る

退職理由は「一身上の都合により退職」で足ります。空白の理由を職歴欄に書き込む必要はありません。年月を正確に書き、事実に反する記載をしないことが唯一の条件です。

NG例

令和3年4月 株式会社○○ 入社
令和6年8月 一身上の都合により退職(実際の退職は令和5年3月)

空白を消すために在籍期間を伸ばす書き方です。年金記録や雇用保険の被保険者期間と突き合わせれば食い違いが出ます。空白があること自体より、この改ざんのほうがはるかに重い問題として扱われます。

空白期間の具体的な書き方や、自己PR欄でどう補うかは、状況別の例文をまとめた記事も参考にしてください。アルバイトから再スタートする場合は、アルバイト用の履歴書のほうが記入項目が少なく扱いやすいこともあります。

採用担当者はここを見ている

  • 空白期間の年月と、面接での説明が一致しているか
  • 直近で就業に向けた動きがあるか(資格取得・短期就労・生活リズムの回復)
  • 長期のブランクがあっても、定着して働けそうかという一点に関心があります
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前科があると就けない職種があります

履歴書に書く義務があるかどうかとは別に、法律で就業そのものが制限される職種があります。これは申告の問題ではなく資格要件の問題なので、混同しないでください。

職種・資格制限の内容
警備員拘禁刑以上の刑を受け、執行終了から5年を経過しない者は就業できない(警備業法)
公務員拘禁刑以上の刑に処せられた者は欠格事由に該当
医師・薬剤師などの医療系国家資格各業法により、罰金以上の刑などが免許の欠格事由になりうる
弁護士・司法書士などの士業各法により登録の欠格事由が定められている
保育士・教員各法により欠格事由が定められている

欠格事由に該当する職種に応募する場合、採用側は資格要件として確認する立場にあります。この場面で虚偽の申告をすると、後で採用自体が覆る可能性があります。逆に言えば、欠格事由の対象外の職種であれば、記載義務のない情報を自分から開示する必要はありません。

制限期間が過ぎていれば、これらの職種にも就けます。応募前に、自分が受けた刑の種類と執行終了の時期を確認しておくと判断が早くなります。応募書類そのものは、転職用の履歴書で通常どおり作成して問題ありません。

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まとめ

  • 逮捕歴・前歴は履歴書の賞罰欄に書く必要がない。対象は有罪判決が確定した前科だけ
  • 不起訴・起訴猶予・無罪・裁判中・交通反則金・少年時の保護処分は、いずれも記載不要
  • 賞罰欄がない履歴書なら、そもそも触れる必要がない
  • 前科も、拘禁刑以上は執行終了から10年、罰金以下は5年で刑の言渡しが効力を失い、記載義務がなくなる
  • 書かなくてよいことを書かないのは詐称ではない。危ないのは職歴の年月を改ざんすること
  • 警備員など、法律で就業が制限される職種は申告の問題とは別に確認が必要

手が止まっているなら、まず自分の処分が前科にあたるのかを確定させてください。そこが決まれば、書類作成で迷う場面はほとんどなくなります。

履歴書と逮捕歴に関するよくある質問

逮捕歴は会社に調べられてバレますか?

一般企業が個人の前科・前歴を公的に照会する手段はありません。犯罪人名簿は市区町村が管理していますが、民間企業に開示されるものではありません。ただし報道された事件の場合、氏名検索で情報が出てくる可能性はあります。

罰金刑を受けました。賞罰欄に書く必要がありますか?

罰金刑は有罪判決の確定にあたるため、賞罰欄がある履歴書では記載対象になります。ただし、納付から5年が経過し、その間に罰金以上の刑を受けていなければ刑の言渡しが効力を失い、記載義務はなくなります。

賞罰欄がない履歴書をあえて選んでも問題ありませんか?

問題ありません。応募先から様式の指定がなければ、どの書式を使うかは応募者が選べます。厚生労働省が示す様式例にも賞罰欄はありません。

面接で「逮捕されたことはありますか」と聞かれたらどう答えますか?

記載義務のある前科について虚偽を述べると、後に経歴詐称として問題になる余地があります。事実を述べたうえで、現在の就業状況や再発防止のために取った行動を簡潔に添えるのが現実的です。個別の事情によって適切な対応は変わるため、判断に迷う場合は弁護士に相談してください。

キャリアアドバイザー 髙橋承輝 監修者
髙橋承輝
キャリアアドバイザー|履歴書・職務経歴書監修

人材紹介業界で5年間、キャリアアドバイザーとして数百名以上の転職支援に従事。面談を通じて求職者一人ひとりの経験やスキルを丁寧にヒアリングし、それぞれの強みが伝わる履歴書・職務経歴書の作成を数多くサポートしてきました。

この記事を書いた人

30,000名以上の転職支援実績を持つ株式会社レクリー(厚生労働大臣 許可番号 13-ユ-312147)が運営するキャリア情報メディア。
「一人ひとりの転機に、確かな選択肢を」をコンセプトに、全業界・全職種を網羅したエージェント比較や、キャリア形成に役立つ実用的な情報を発信しています。

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