アクチュアリーの職務経歴書は、資格試験の合格状況を軸に、担当領域と数理手法を数値で示すことが評価の分かれ目です。正会員・準会員・科目合格中のいずれであっても、書き方次第で専門性はしっかり伝わります。ここでは資格ステータス別の記載例と、採用担当者が実際に見ているポイントを解説します。
アクチュアリーの職務経歴書の書き方と例文
結論|資格の合格状況を軸に、担当領域と使用手法を数値化して書く
アクチュアリーの職務経歴書で最初に見られるのは、資格試験の合格状況です。正会員・準会員・研究会員のどのステータスでも、担当領域と使用した数理手法を数字で示せば専門性は十分に伝わります。曖昧な業務説明よりも、具体的な数値と手法名を並べることを優先してください。
【正会員・専門科目合格】の記載例
良い例文
年金数理コンサルティング部にて、確定給付企業年金の財政再計算業務を担当。約80社の年金制度について、将来給付債務の算出、掛金率の設定、財政検証資料の作成に従事しました。Excel VBAによる計算モデルの自動化を主導し、算出工数を従来比40%削減しています。
NG例
年金数理コンサルティング部にてアクチュアリー業務全般を担当しました。企業年金の数理計算やコンサルティング業務に幅広く従事し、お客様のご要望に丁寧に対応してきました。
採用担当者はここを見ている
- 「業務全般」「幅広く従事」だけでは、実際に何を計算し、どんな成果を出したのか判断できません
- 担当した制度数・削減した工数・使用ツールなど、数字と固有名詞で語られている職務経歴書のほうが実務レベルが伝わります
【準会員・科目合格中】の記載例
良い例文
生命保険会社の商品開発部にて、医療保険の保険料率算定業務に従事。アクチュアリー試験基礎科目5科目合格(数学・生保数理・損保数理・年金数理・会計経済投資理論)。実務では死亡率・罹患率データの分析を担当し、料率改定案の作成に携わりました。
NG例
アクチュアリー試験に一部合格しています。保険数理の勉強をしながら、日々の業務に取り組んでいます。今後も資格取得を目指して頑張ります。
採用担当者はここを見ている
- 「一部合格」ではなく、合格した科目名を具体的に列挙してください。基礎科目・専門科目のどちらの何科目かで実務理解度の目安が変わります
- 「頑張ります」という抽象的な意欲表明よりも、実務でどのデータをどう扱ったかの記述を優先してください
【未経験・候補生】の記載例
良い例文
保険会社のアクチュアリー候補生として入社し、基礎科目「数学」「生保数理」に合格。配属前研修でExcel・SQLを用いたデータ集計業務を担当し、既存データベースの整合性チェックを完了させました。
NG例
アクチュアリー候補生として入社しましたが、実務経験は浅く、大きな成果は出せていません。今後の成長に期待していただければと思います。
採用担当者はここを見ている
実務経験が浅い段階でも、研修や小さな業務で扱ったツール・データの種類は書けます。「経験が浅い」で終わらせず、扱った範囲を具体的に示すことで、ポテンシャルが伝わりやすくなります。
アクチュアリーの職務経歴書に必ず書くべき5項目
アクチュアリーの職務経歴書には、以下5つの項目を最低限含めてください。抜けがあると、採用担当者が実務レベルを判断できません。
- 職務要約:これまでのキャリアを3〜4行で要約する
- 所属部門・担当領域:生保数理/損保数理/年金数理/リスク管理などの区分
- 業務内容と使用手法:生命表分析、料率算定、財政再計算など具体的な計算業務
- 使用ツール・スキル:Excel VBA、SAS、R、Python、SQLなど
- 資格状況:正会員・準会員・研究会員の別と合格科目
職務経歴書とあわせて履歴書も用意する場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと、記載項目の抜け漏れを防げます。
資格試験の合格状況はどう書く?正会員・準会員・研究会員の違い
アクチュアリー試験は、基礎科目(1次試験)と専門科目(2次試験)に分かれており、合格状況によって呼称が変わります。書き方は以下の表を参考にしてください。
| ステータス | 定義 | 職務経歴書の記載例 |
|---|---|---|
| 正会員 | 基礎科目・専門科目すべてに合格 | アクチュアリー試験 正会員 |
| 準会員 | 基礎科目5科目すべてに合格 | アクチュアリー試験 基礎科目5科目合格(準会員) |
| 研究会員 | 基礎科目の一部に合格 | アクチュアリー試験 基礎科目2科目合格(数学・生保数理) |
資格欄の書き方に迷う場合は、履歴書の資格が書ききれない人へ|採用担当者が見る取捨選択の基準を徹底解説もあわせてご覧ください。

科目合格中の人がやりがちなNG
科目合格中の人が最も陥りやすいのは、「一部合格」「勉強中」とだけ書いて具体的な科目名を省略してしまうことです。合格した科目名まで書くことで、実務にどこまで対応できるかの目安になります。習得済みの理論分野と、未取得の分野を分けて伝えると誠実な印象になります。
職種名や部署名の表記に迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートの書式も参考になります。
生保・損保・年金・コンサルで書き方はどう変わるか
アクチュアリーが活躍する分野によって、職務経歴書で強調すべき業務内容は異なります。
| 分野 | 主な業務 | アピールすべき内容 |
|---|---|---|
| 生命保険 | 保険料率算定、責任準備金算出、商品開発 | 死亡率・罹患率データの分析経験、新商品の収支検証 |
| 損害保険 | 保険料率算定、支払備金評価、リスク分析 | 事故発生率モデリング、自然災害リスクの定量評価 |
| 企業年金 | 財政再計算、掛金率設定、制度設計 | 担当制度数、財政検証資料の作成実績 |
| コンサルティング | 年金・保険関連のコンサルティング業務 | 提案資料作成、クライアント対応、複数プロジェクトの並行管理 |
経理・財務系の書き方と重なる部分もあるため、経理の職務経歴書テンプレートも参考にすると、担当範囲の書き分け方がイメージしやすくなります。

採用担当者はここを見ている|数字にしづらい数理業務の伝え方
数理業務は、営業職のように売上や契約件数で成果を語りにくい仕事です。だからこそ、「工数削減率」「担当制度数」「モデルの精度向上幅」など、業務プロセスの数字を使うことが差別化のポイントになります。
採用担当者はここを見ている
- 計算モデルの自動化やチェック体制の改善など、業務効率化への貢献も評価対象になります
- 「〇〇業務に従事」で終わらせず、扱ったデータの規模(対象者数・契約件数など)を添えると説得力が増します
- 資格取得に向けた学習計画を具体的に語れると、将来性の面でも評価されやすくなります
スキルの見せ方に悩む場合は、データサイエンティストの職務経歴書|スキル一覧で終わらない書き方を徹底解説も、数字が出しにくい専門職の書き方として参考になります。

アクチュアリー候補生・未経験から転職する場合の書き方の注意点
アクチュアリー候補生や、業界未経験からの転職では、実務経験の少なさをどう補うかが課題になります。研修や自主学習で扱ったデータ分析・統計の経験を、業務名や使用ツールに置き換えて言語化してください。意識したいのは以下の3点です。
- 大学・大学院で学んだ統計学・確率論の内容を、業務に活かせる形で記載する
- Excel・SQL・Pythonなどのツール経験を具体的に書く
- 基礎科目の合格状況を明記し、学習の継続性をアピールする
事務職からの転向など、異業種からの応募では事務の職務経歴書テンプレートの構成をベースに、数理系のスキルを追記する形も書きやすい方法です。履歴書は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、書式の不備を防げます。
まとめ
- 資格試験の合格状況は、正会員・準会員・研究会員の別まで具体的に書く
- 担当領域・使用手法・数字を組み合わせて実務レベルを伝える
- 分野(生保・損保・年金・コンサル)によってアピールポイントを変える
資格の進捗を隠さず、担当業務を数字で語ることが、アクチュアリーの職務経歴書の通過率を左右します。
アクチュアリーの職務経歴書に関するよくある質問
- アクチュアリー試験に一つも合格していなくても職務経歴書は書けますか?
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候補生や未経験からの応募であれば、試験合格の有無より研修や自主学習で扱った統計・データ分析の経験を具体的に書くことで、実務ポテンシャルが伝わりやすくなります。学習中である旨も前向きに記載してください。
- 準会員と研究会員はどちらが評価されやすいですか?
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一般的には合格科目数が多いほど実務理解度の目安になりますが、選考では担当業務の具体性も同じくらい重視されます。ステータスだけでなく、業務内容の記載を充実させてください。
- 数理業務の成果を数字で示せない場合はどうすればよいですか?
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売上のような成果指標がなくても、担当した制度数・データ件数・工数削減率・モデルの精度向上幅など、業務プロセスに関わる数字であれば示すことができます。

