銀行の職務経歴書は、数字による実績の見える化と正確な表記が通過率を左右します。窓口・個人営業・法人営業・融資など職種によって書き方のポイントは異なり、未経験からの転職では前職の経験をどう言い換えるかが評価の分かれ目になります。この記事では、職務要約から自己PRまでの書き方を、採用担当者が実際に重視するポイントと職種別の例文であわせて紹介します。
銀行の職務経歴書の書き方と例文
結論:数字と正確性が通過の分かれ目
銀行の職務経歴書で評価されるのは、抽象的な表現ではなく、融資実行額・預かり資産増加率・達成率などの具体的な数字で語られた実績です。あわせて、会社名・年月・肩書きの表記に誤りがないかという正確性も、資産を扱う銀行業界では特に厳しく見られます。まずはこの2点を押さえたうえで、以下の基本項目に沿って書き進めましょう。
職務経歴書の基本項目と書き方
銀行向けの職務経歴書は、以下5つの項目で構成するのが基本です。項目ごとに何をどこまで書くかを整理しておくと、書き進めやすくなります。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 経歴と強みを3〜4行で要約。銀行業務との関連性を意識する |
| 職務経歴 | 在籍企業の概要(事業内容・規模)と担当業務を時系列で記載 |
| 活かせる経験・知識 | 数字管理力・折衝力・コンプライアンス対応など銀行業務に直結するスキル |
| 資格・免許 | 取得済み資格に加え、勉強中の資格も記載可 |
| 自己PR | 具体的な数値エピソードで強みを裏付ける |
基本項目を埋める前に土台を用意したい場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。
正確性を軸にした書き方の型を確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【個人営業・リテール職の場合】実績例文
個人営業・リテール職では、担当顧客数や預かり資産の増加率など、成果が数字で伝わる書き方が評価されます。
良い例文
個人顧客への資産運用商品・住宅ローンの提案営業に従事。担当顧客数は約180名、預かり資産残高を前年比115%まで伸長し、支店内営業成績で上位20%を達成した。
NG例
個人のお客様に対して窓口や渉外業務を担当し、営業活動に取り組んだ。担当件数や達成率などの数字が一切なく、業務の規模や実力が採用担当者に伝わらない。
採用担当者はここを見ている
- 担当顧客数・預かり資産額など、業務規模がわかる数字が入っているか
- 「達成」だけでなく達成率や順位など比較可能な指標があるか
【法人営業・融資業務の場合】実績例文
法人営業・融資業務では、融資実行額や新規開拓件数など、企業への貢献度が伝わる数字を中心に構成します。
良い例文
中小企業向け融資担当として法人30社を担当。年間融資実行額は約4.2億円、新規開拓は年間8社で、いずれも支店目標を上回る実績を残した。
NG例
法人顧客への融資提案や新規開拓を担当し、企業の資金ニーズに応えてきた。「応えてきた」という抽象表現のみで、融資額や開拓件数が書かれていないため実力が伝わらない。
法人営業としての経歴をまとめる際は、営業の職務経歴書テンプレートも参考になります。
銀行の職務経歴書で採用担当者が最初に見る3つのポイント
銀行は顧客の資産を預かる業種のため、職務経歴書の読み方も他業界とは異なります。採用担当者が最初に確認している視点を押さえておくと、書くべき内容の優先順位が明確になります。
採用担当者はここを見ている
- 数字で語れているか:担当件数・達成率・実行額など、比較可能な実績があるか
- 正確性とコンプライアンス意識:会社名・年月の誤記や表記ゆれがなく、細部まで作り込まれているか
- 応募先の銀行タイプに合った実績か:メガバンクか地銀か信金かで求められる強みが異なる
この3点のうち、特に見落とされやすいのが3つ目です。実績自体は十分でも、応募先の銀行が重視する方向性とずれていると評価が伸びにくくなります。次の章で、銀行タイプごとの違いを具体的に見ていきます。
銀行タイプ・職種別の書き方の違い
同じ「銀行」でも、メガバンク・地方銀行・信用金庫では採用担当者が求める人物像が異なります。応募先のタイプに合わせて、職務経歴書で強調するポイントを調整しましょう。
| 銀行タイプ | 求める人物像 | 職務経歴書で押さえるポイント |
|---|---|---|
| メガバンク | グローバルな視野・高い専門性 | 国際業務や大型案件の実績、専門資格 |
| 地方銀行・第二地銀 | 地域への貢献意識・長期的な関係構築力 | 地元企業や個人との継続的な取引実績 |
| 信用金庫・信用組合 | 地域密着・コミュニティとの関わり | 中小事業者支援や地域行事への関与 |
未経験から銀行を目指す人の職務経歴書の書き方
異業種から銀行への転職では、銀行での実務経験がないことを不利に感じる方も少なくありません。しかし採用担当者が見ているのは、前職の経験を銀行業務に置き換えて語れているかという一点です。経験の言い換えができれば、業界未経験でも評価の対象になります。
| 前職での経験 | 銀行業務での言い換え |
|---|---|
| 小売・販売の目標達成経験 | 数値目標に対する粘り強い取り組み・提案力 |
| 経理・事務の正確な処理経験 | 正確性・コンプライアンス意識 |
| コールセンターでの対応経験 | 顧客対応力・クレーム対応での傾聴力 |
良い例文(未経験からの転職の場合)
アパレル販売員として月間売上目標に対し、3年連続で達成率110%以上を記録。個人の数値目標に対して粘り強く取り組む姿勢と、顧客の要望を一つずつ確認しながら聞き取る力を、銀行の個人営業業務でも発揮したいと考えている。
NG例
銀行の業務経験はないが、一生懸命頑張りたい。人と接することが好きなので、営業や窓口業務でも活躍できると思う。前職の経験と銀行業務の接点が示されておらず、意欲だけが伝わる内容になっている。
未経験からの転職で経験をどう言い換えるかは、以下の記事の視点も参考になります。

雇用形態を問わず職歴を整理したい場合は、パート用の職務経歴書テンプレートの項目立ても参考にできます。
銀行経験者が転職する際の職務経歴書の書き方
銀行から銀行へ、あるいは銀行から異業種へ転職する場合は、「入行・退行」など業界特有の用語の使い分けが必要です。応募先によって使う言葉を変えることで、読み手に自然な印象を与えられます。
| 機関の種類 | 入職時の表記 | 退職時の表記 |
|---|---|---|
| 銀行 | 入行 | 退行 |
| 信用金庫・信用組合 | 入庫 | 退庫 |
| 異業種(一般企業)への転職時 | 入社 | 退社 |
銀行から異業種へ転職する場合は「入行・退行」ではなく「入社・退社」を使うと、読み手にとって自然な表現になります。あわせて、合併・統合を経た銀行に在籍していた場合は、当時の名称と現在の名称を併記すると正確です。
良い例文(銀行間転職の場合)
株式会社〇〇銀行 入行。〇〇支店にて法人営業を担当し、中小企業向け融資の新規開拓を年間8社実施。令和〇年3月、同行を退行。
NG例
株式会社〇〇銀行に入社し、営業を担当。銀行間転職なのに「入社・退社」を使っており、業界の慣習を理解していない印象を与える。
雇用形態を問わず在職期間や異動歴を正確に書き分けたい場合は、派遣の職務経歴書テンプレートの書式も参考になります。
職務経歴書のNGパターンと通過しない理由
ここまでの内容と重複する部分もありますが、銀行の書類選考で特に見落とされやすいNGパターンを一覧にまとめます。提出前の最終チェックに活用してください。
- 業務内容が曖昧:「営業活動に従事」だけで、担当規模や成果が書かれていない
- テンプレートの丸写し:他業種向けの例文をそのまま使い、銀行特有の用語や視点が抜けている
- 過剰なアピール:実態と乖離した誇張表現は、面接での深掘り質問で矛盾が露呈する
- 待遇面を志望理由に含める:「安定しているから」という記載は、職務経歴書では不要
採用担当者はここを見ている
銀行の書類選考では、内容の魅力以前に基本を守れているかどうかがスクリーニングの基準になります。誤字脱字や表記ゆれが1つあるだけで、それが原因で通過が難しくなるケースもあります。
提出前は時間を置いてから読み返すと、誤字や表記ゆれに気づきやすくなります。業務内容の曖昧さが原因で評価を落とすケースは、以下の記事でも詳しく触れています。

まとめ
- 実績は担当件数・達成率・金額など具体的な数字で表現する
- 会社名・年月・用語の表記は正確に統一する
- 応募先の銀行タイプ(メガバンク・地銀・信金)に合わせて強調するポイントを変える
- 未経験者は前職の経験を銀行業務の言葉に言い換えて伝える
- 銀行間転職では「入行・退行」、異業種転職では「入社・退社」を使い分ける
職務経歴書は一度書いたら終わりではなく、応募先ごとに数字とアピールポイントを見直すことで通過率が変わります。第三者に読んでもらい、伝わりにくい箇所がないか確認するのも一つの方法です。
職務経歴書 銀行に関するよくある質問
- 職務経歴書は手書きとパソコンのどちらがいいですか?
-
どちらでも選考上の有利・不利は基本的にありません。ただし修正のしやすさや読みやすさの観点から、パソコンでの作成を選ぶ方が銀行業界では一般的です。
- 職歴欄は「入行」と「入社」、どちらを使えばよいですか?
-
応募先が銀行・金融機関の場合は「入行・退行」を使うのが自然です。異業種への転職で銀行経験を記載する場合は「入社・退社」を使っても問題ありません。
- 未経験から銀行の職務経歴書を書く際に気をつけることはありますか?
-
前職の経験を銀行業務に置き換えて説明することがポイントです。数値目標への取り組みや正確性を要する業務経験があれば、具体的なエピソードとして記載しましょう。
- 職務経歴書に資格はどのように書けばよいですか?
-
証券外務員やファイナンシャルプランナー(FP)など銀行業務に直結する資格は取得年月とあわせて記載します。取得済みでない資格も「取得に向け勉強中」と書けば意欲が伝わります。

