退職届の出し方は、退職の意思が承認されたあとに直属の上司へ手渡しするのが原則です。会社によって提出先や慣習が異なるため、誰に・いつ・どのように渡せばよいのか迷う方も少なくありません。この記事では基本の手渡し方から、手渡しできない場合の郵送・非対面での提出方法、受け取りを拒否された場合の対処法まで、円満退職につながる出し方を解説します。
退職届の出し方【結論】直属の上司に手渡しが基本
結論:口頭報告のあと、直属の上司に直接渡す
退職届は、まず口頭で退職の意思を伝え、上司との話し合いで退職日が固まってから提出するのが基本の流れです。いきなり退職届を渡すのではなく、事前の相談を経てから手渡しします。
提出先は直属の上司が原則です。人事部への直接提出を指定する会社もあるため、迷う場合は就業規則や社内規定を確認しておくと安心です。
手渡しの流れ
- 上司に「話したいことがある」と個別に時間をもらう
- 口頭で退職の意思と希望する退職日を伝える
- 退職日について合意が取れたら退職届を作成する
- 後日、あらためて時間をもらい退職届を手渡しする
良い例文(渡すときの一言)
良い例文
「先日お話しした件について、退職届をまとめてまいりました。ご確認いただけますでしょうか」
NG例
NG例
- 相談なしにいきなり退職届を渡す(既成事実として受け取られ、話し合いの余地がないと誤解される)
- 他の社員がいる前で渡す
- メールやチャットで済ませ、直接の会話を省略する
上司はここを見ている
上司はここを見ている
- 事前の相談を経ているか、それとも一方的な通告か
- 引き継ぎや退職日について柔軟に話し合う姿勢があるか
- タイミングと場所を選んで渡しているか(業務時間中の落ち着いた場面か)
誰に・いつ渡す?出し方を左右する3つの判断基準
誰に渡すか
提出先は会社の体制によって変わります。判断に迷う場合は、下記を目安にしてください。
| 状況 | 提出先 |
|---|---|
| 一般的な会社員 | 直属の上司 |
| 直属の上司が経営者本人 | 経営者に直接 |
| 就業規則で提出先が指定されている | 就業規則に従う(人事部など) |
| 上司との関係が悪化している | さらに上の役職者や人事部に相談 |
いつ渡すか
法律上は民法第627条により、退職の意思表示から2週間経過すれば退職の効力が生じます。ただし就業規則で「1か月前まで」などと定めている会社が多いため、法律より就業規則を優先して動くのが実務上のマナーです。
引き継ぎ期間を考えると、退職希望日の1〜2か月前に口頭で相談し、その後退職届を渡す流れが現実的です。

手渡しできないときの出し方|郵送・非対面での提出方法
体調不良や退職代行の利用など、直接渡すのが難しい事情がある場合は郵送でも問題ありません。ただし手渡しが原則であることに変わりはなく、郵送は例外的な手段として扱います。
郵送する場合の手順
- 可能であれば事前に電話で退職の意思を伝える
- 退職届と添え状を同封する
- 宛先は会社の住所・部署名・上司の個人名にする
- 配達記録が残る簡易書留などで送る

リモートワーク・非対面での提出方法
普段からリモートワーク中心で出社機会がない場合は、上司にその旨を伝えたうえで郵送するか、出社日を一度調整して手渡しするかを選びます。チャットやメールだけで完結させるのは避け、電話やオンライン面談で直接話す機会を作ってから書類を送るのが望ましい進め方です。

提出時によくある失敗と対処法
受け取ってもらえない場合
上司が受け取りを拒否したり、「考え直してほしい」とその場で突き返したりするケースがあります。退職届は本人の意思表示だけで法的効力を持つため、受理されなくても提出した事実は残ります。
受け取りを拒否されたときの対処法
- 日付入りの控えを自分の手元にも残しておく
- さらに上の役職者や人事部に直接相談する
- それでも進まない場合は、配達記録付きの郵送に切り替える
強い引き止めにあった場合
「後任が決まるまで待ってほしい」「給与を上げるから残ってほしい」といった引き止めは珍しくありません。退職の意思が固まっているなら、感情論に流されず、退職日を明確に伝え直しましょう。条件面の交渉に応じるかどうかは、あらためて冷静に判断してから返答してください。
退職代行を利用する場合の出し方
直接顔を合わせるのが難しい事情がある場合、退職代行サービスを通じて退職届を提出する方法もあります。この場合、代行業者が会社側と連絡を取り、退職届は郵送でやり取りするのが一般的な流れです。自分で交渉する必要がない分、別途費用がかかる点は把握したうえで検討してください。
退職届を渡す前に準備しておきたいこと
口頭での事前報告は省略しない
退職届はあくまで意思表示を書面化したものです。先に口頭で話をせず書類だけを渡すと、事務的で一方的な印象を与えてしまいます。関係を悪くしないためにも、まずは対話の機会を作りましょう。
就業規則を確認しておく
提出先・提出期限・様式の指定など、就業規則に退職の手続きが定められている会社もあります。渡す前に一度目を通しておくと、当日になって慌てずに済みます。
退職後の転職活動も並行して進める
退職届を提出したあと、そのまま転職活動に進む方も多いはずです。応募先ごとに慌てないよう、転職用の履歴書テンプレートを早めに用意しておくと退職日が決まり次第すぐに動けます。
応募書類の形式に迷う場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートのように公的な基準に沿ったものを選ぶと安心です。
ハローワークを通じて次の職場を探す場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと記載項目の抜け漏れを防げます。
まとめ
- 退職届はまず口頭で意思を伝え、直属の上司に手渡しするのが原則
- 提出先や期限に迷ったら就業規則を優先する
- 手渡しが難しい場合は添え状を添えて郵送する
- 受け取りを拒否されても提出した事実は残るため、控えを保管しておく
退職届の出し方は、形式よりも「誰に・いつ・どう伝えるか」の進め方が重要です。事前の相談を丁寧に行えば、提出そのものはそれほど身構える手続きではありません。
退職届の出し方に関するよくある質問
- 退職届は誰に提出すればいいですか?
-
原則として直属の上司に提出します。就業規則で人事部への提出が定められている場合はそちらに従います。
- 退職届は郵送で提出してもいいですか?
-
手渡しが難しい事情があれば郵送でも問題ありません。ただし手渡しが基本のため、可能な範囲で直接渡す方法を検討したうえで判断してください。
- 退職届を受け取ってもらえない場合はどうすればいいですか?
-
控えを手元に残したうえで、さらに上の役職者や人事部に相談します。それでも進まない場合は配達記録付きの郵送に切り替える方法もあります。
- 退職届はいつ渡すのがベストですか?
-
口頭での相談を経て退職日について合意が取れたあと、就業規則で定められた期限より前に渡すのが望ましいタイミングです。

