退職届はパソコンで作成しても法律上・マナー上まったく問題ありません。就業規則で手書きが指定されていない限り、本文はパソコンで作り、署名だけ手書きにするのが実務上もっとも無難な方法です。この記事では、パソコンで退職届を作るときの正しい手順と、人事担当者が実際に見ているポイントを紹介します。
退職届はパソコンで作成してもいい?結論と正しい作り方
結論
退職届をパソコンで作成することを禁止する法律はありません。会社の就業規則に「手書きで提出すること」といった指定がなければ、パソコンで本文を作成して問題ないというのが結論です。実際に多くの企業で、パソコン作成の退職届が問題なく受理されています。
ただし、氏名の署名部分だけは印刷後に手書きするのが一般的です。本文はパソコンの読みやすさを活かし、署名で本人の意思を明確に示すという使い分けが、効率と誠意のバランスが取れた方法として広く定着しています。
良い例文(本文パソコン+署名手書き)
良い例文
退職届
私儀
この度、一身上の都合により、令和8年9月30日をもって退職いたします。
令和8年8月18日
営業部 山田太郎(ここだけ手書きで署名)
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇殿
NG例(署名までパソコン印字)
NG例
退職届
私儀
この度、一身上の都合により、令和8年9月30日をもって退職いたします。
令和8年8月18日
営業部 山田太郎(氏名までパソコン印字)
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇殿
採用担当者はここを見ている
- パソコン作成そのものより「署名が手書きかどうか」で本人の意思確認をしている
- テンプレートの日付や宛名を書き換え忘れていないかは意外とチェックされている
- フォントサイズや行間が崩れていると「急いで作った」印象を与えてしまう
パソコンで作るメリットと知っておきたいデメリット
パソコンで退職届を作る最大のメリットは、誰が書いても読みやすい仕上がりになることです。手書きに自信がない人でも、体裁の整った書類を短時間で用意できます。
| 観点 | パソコン作成 | 手書き |
|---|---|---|
| 読みやすさ | 誰が作っても均一に整う | 字の癖が出やすい |
| 作成時間 | 短い(テンプレ活用可) | 清書のやり直しが発生しやすい |
| 修正のしやすさ | 簡単に直せる | 書き損じたら最初から |
| 印象 | 会社によっては「事務的」と映る場合も | 「誠意が伝わる」と評価されることがある |
一方で、会社の風土によっては「退職届くらいは手書きで」という価値観が根強く残っている場合もあります。パソコン作成が不利になるかどうかは、会社の文化次第という点は押さえておく必要があります。
「非常識」と思われないために確認すべき会社のルール
パソコンで作った退職届が非常識に映るかどうかは、会社ごとのルールと過去の慣例に左右されます。提出前に次の3点を確認しておくと、余計な誤解を避けられます。
確認しておきたい3つのポイント
- 就業規則の記載:退職届の様式が指定されていないか、社内規定を確認する
- 過去の退職者の対応:総務や先輩社員に、これまでどちらの形式が多かったか聞いておく
- 直属の上司との関係性:形式にこだわる上司であれば、念のため手書きも検討する
これらを確認せずに自己判断でパソコン作成を選んでしまうと、後になって「うちは手書きが当たり前」と指摘され、出し直しになるケースもあります。数分の確認で防げるトラブルなので、提出前に必ず済ませておきましょう。
手書きでの提出を求められた場合の書き方や注意点は、以下でまとめて確認できます。

パソコンで退職届を作る手順|書式・フォント・縦書きと横書き
パソコンで退職届を作る流れは、次の5ステップです。順番通りに進めれば、書式で迷うことはありません。
- 就業規則を確認し、様式の指定がないかチェックする
- ワードなどの文書作成ソフトで、縦書きか横書きかを選ぶ(迷えば会社の書式に合わせる)
- フォントは明朝体、文字サイズは12〜14pt程度で統一する
- 本文を入力し、氏名の欄だけ空白にしておく
- A4またはB5の用紙に印刷し、氏名欄に黒のボールペンで署名・捺印する
縦書きはワードの設定変更が必要になるため、操作に不慣れな場合は横書きを選んでも失礼にはあたりません。会社が縦書きを慣例としている場合のみ、あわせておくと安心です。
退職届と同じタイミングで転職活動を進める場合は、履歴書や職務経歴書もパソコンで作成することになります。用途に合ったテンプレートを先に確認しておくと、書類準備がまとめて終わります。転職活動全般で使える転職用の履歴書テンプレートや、公的機関の書式に合わせたい場合の厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、ハローワーク経由での応募を予定している場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
状況別の判断基準|新卒・中途・派遣・アルバイトの場合
雇用形態や社歴によって、パソコン作成が向いているかどうかの目安は変わります。自分の状況に近いケースを参考にしてください。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 新卒入社1〜3年目 | 社歴が浅く前例を確認しにくいため、総務や先輩に事前確認してから決める |
| 中途入社・社歴が長い | 社内の慣例を把握できている場合が多く、慣例に合わせればパソコンでも問題ない |
| 派遣社員 | 派遣元・派遣先どちらに提出するかで書式が変わるため、派遣元の担当者に確認する |
| アルバイト・パート | 正社員より簡易な書式で受理されることが多く、パソコン作成で十分なケースが大半 |
迷ったときは、パソコンで本文を作りつつ手書き版も準備しておくと、当日どちらを求められても対応できます。
こんな退職届はNG|評価を下げる失敗パターン
NG
- 氏名の署名まですべてパソコンで印字してしまう
- ネットのテンプレートをそのまま使い、日付や会社名を書き換え忘れる
- 印刷後の署名に消えるボールペン(フリクションなど)を使う
- 会社の様式指定を確認せず、自己判断で作成方法を決めてしまう
これらはいずれも「パソコン作成そのもの」が原因ではなく、確認不足や仕上げの雑さが評価を下げています。手順通りに作れば、パソコン作成でも十分丁寧な印象を残せます。
印刷した退職届をどの用紙に印刷するか迷う場合は、こちらで便箋とコピー用紙の違いを確認できます。

作成後は封筒への入れ方や表書きも重要なマナーです。あわせて確認しておきましょう。

まとめ
- 退職届はパソコン作成でも法律上・マナー上問題ない
- 本文はパソコン、署名だけ手書きにするのが実務上の定番
- 提出前に就業規則と会社の慣例を確認しておくと安心
迷ったら会社に一言確認するだけで、パソコン作成への不安は解消できます。
退職届のパソコン作成に関するよくある質問
- 退職届は全部パソコンで作成しても失礼にあたりませんか?
-
本文をパソコンで作成すること自体は失礼にあたりません。ただし氏名の署名だけは印刷後に手書きするのが一般的です。全項目をパソコン印字にすると、事務的な印象を与えやすいため避けましょう。
- パソコンで作った退職届に印鑑は必要ですか?
-
法律上の必須ではありませんが、日本の商習慣として捺印を求められるケースが多くあります。会社の慣例が不明な場合は、念のため認印を押しておくと安心です。
- パソコンで作成した退職届が受理されないことはありますか?
-
就業規則で手書きが明確に指定されている場合は、パソコン作成では受理されない可能性があります。提出前に就業規則や総務担当者への確認を済ませておくと、出し直しの手間を防げます。
- スマホだけで退職届のパソコン作成はできますか?
-
スマホの文書作成アプリでも本文を作成し、コンビニ等で印刷すれば対応可能です。パソコンがなくても、手順自体は同じ流れで進められます。

