退職届にハンコは、法律上は押さなくても効力に変わりありません。ただし多くの企業では慣習として押印を求められるため、認印を氏名の下(縦書き)か右(横書き)に押すのが基本です。シャチハタは避けるべきとされており、押し忘れた時や印鑑がない時の対処法、書き損じた場合の直し方まで具体的にまとめました。
退職届にハンコは必要?結論と使う印鑑
結論|法的義務はないが、提出先の慣習に従うのが無難
民法では退職の意思表示に押印という形式を求めていません。口頭で意思が伝わればそれだけで効力は生じるため、退職届にハンコがなくても法律上は無効になりません。
ただし実務ではハンコを押して提出するのが一般的です。就業規則で押印を求めている会社もあり、押印のない退職届を受け取った総務担当者が「本人の意思確認が取れない」と感じて再提出を求めるケースもあります。トラブルを避けたいなら、指定がなくても押しておくのが安全です。
押す印鑑の種類と位置の見本
使う印鑑は認印が基本です。押す位置は、縦書きなら氏名の真下、横書きなら氏名の右側にそろえます。
良い例文
縦書きの退職届で、氏名「山田太郎」の文字のすぐ下に、文字と重ならない位置で認印をまっすぐ押す。朱肉を使い、印影がはっきり読める濃さで押印されている。
NG例
氏名から離れた余白に押す、傾いたまま押す、シャチハタのゴム印を使う。印影が薄い・曲がっていると、本人が押したものか判別しづらく、再提出を求められる原因になる。
採用担当者はここを見ている
- 押印そのものより「氏名の位置と正しく対応しているか」を見ている
- 印影が不鮮明だと、後日の確認作業が増えるため敬遠される

退職届の印鑑で失敗しないための比較|シャチハタ・実印・拇印はなぜNGか
認印以外の印鑑を使うと、それぞれ別の理由で不都合が生じます。押す前に種類ごとの可否を確認しておきましょう。
| 印鑑の種類 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 認印 | 推奨 | 日常的な意思確認に使う印鑑で、退職届の押印として最も自然 |
| シャチハタ | NG | ゴム印は力加減や経年で印影が変形し、同型が大量に出回るため本人確認に不向き |
| 実印 | 非推奨 | 法的効力を持つ重要な印鑑のため、退職届のような書類で使うと紛失・悪用のリスクが上がる |
| 拇印 | 非推奨 | 印鑑が用意できない緊急時の代用という印象が強く、準備不足と受け取られやすい |
NG例
手元にあったからという理由でシャチハタを押して提出し、総務から「認印で押し直してほしい」と差し戻された。書類自体を書き直す二度手間になってしまった。
採用担当者はここを見ている
総務担当者は「重すぎず、軽すぎない印鑑を選べているか」も見ています。実印を持ち出すと大げさに映り、シャチハタでは軽く見られる。三文判クラスの認印がちょうどよいというのが実務上の共通認識です。
退職届にハンコを押し忘れた・印鑑がない時の対処法
会社で押し忘れに気づいた場合
提出直前に押し忘れに気づいたら、その場で押せる印鑑がないか確認します。総務や人事に一言断って認印を借りられる会社もありますし、押印なしでいったん受け取ってもらい、後日追加で押す形を認めてもらえることもあります。
自宅に印鑑がない場合
実家に置いてきた、そもそも持っていないという場合は、100円ショップや文房具店で三文判の認印を購入すれば十分です。急いでいるからといって拇印やシャチハタで代用するより、数百円で認印を用意するほうが後々の手間を防げます。
良い例文
「本日は印鑑を持ち合わせておりませんでした。後日改めて押印いたします」と一言添えて提出し、翌日中に押印済みの状態を確認してもらう。
NG例
押印欄を空欄のまま何も言わずに提出し、後日「押し忘れています」と指摘されてから慌てて対応する。一言断りを入れるかどうかで印象が大きく変わる。
採用担当者はここを見ている
押印漏れそのものより、気づいた後の対応スピードと一言があるかどうかを見ています。自分から状況を説明できる人は、退職の手続き全体もスムーズに進む傾向があります。

押印を失敗した(薄い・曲がった)場合の直し方
印影が薄い、傾いている、二重に押してしまったといった失敗は、基本的に書き直しで対応します。退職届は形式ばった書類のため、印影の乱れがそのまま「雑な人」という印象につながりやすいためです。
良い例文
押印を失敗した用紙は使わず、本文から新しい用紙に書き直して、あらためて丁寧に押印し直す。予備の用紙を1〜2枚用意しておくと安心です。
NG例
修正液や二重線で印影を消して、その上から押し直す。改ざんを疑われる原因になり、書類としての信頼性も下がる。訂正印での対応はやむを得ない場合の最終手段にとどめる。

退職届のハンコで見落としやすい注意点
- 認印は三文判で構わない。彫刻やブランドにこだわる必要はない
- 会社の様式に押印欄がない場合は、氏名の下や右にスペースを作ってから押す
- 電子申請・データ提出の退職届では押印自体を求められないことが多いため、まず会社のフォーマットを確認する
- 迷ったら人事・総務に「押印は必要ですか」と一言確認するのが最も確実
退職届を出したあとは、次の転職活動の準備も並行して進めておくと落ち着いて動けます。応募先に応じて、次のようなテンプレートを先に用意しておくと書式で迷わずに済みます。
- 書式に迷いたくない場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、項目の抜け漏れを気にせず本文の中身に集中できます
- 転職エージェント経由で応募を進める予定なら転職用の履歴書テンプレートを先に用意しておくと、面談から応募までの流れがスムーズです
- ハローワークでの求職活動も検討しているならハローワーク用の職務経歴書テンプレートを事前に確認しておくと、指定様式への書き直しに慌てずに済みます
まとめ
退職届にハンコがなくても法律上の効力は変わりませんが、実務では認印を氏名の下(縦書き)か右(横書き)に押して提出するのが一般的です。シャチハタや実印は避け、印鑑がない・押し忘れた場合は一言断りを入れて後日対応する形にすれば、大きなトラブルにはなりません。押印を失敗した用紙は無理に修正せず、書き直しを選びましょう。
退職届のハンコに関するよくある質問
- 退職届にハンコを押さないとどうなりますか?
-
法律上の効力に問題はありませんが、就業規則で押印を求める会社では再提出になる場合があります。指定がなくても押しておくと手続きがスムーズです。
- 退職届にシャチハタを使ってはいけない理由は何ですか?
-
ゴム印は力加減や経年で印影が変形しやすく、同型のものが広く出回っているため本人確認に不向きとされています。認印を使いましょう。
- 退職届の印鑑はどこで買えますか?
-
100円ショップや文房具店で購入できる三文判の認印で十分です。彫刻や実印を新しく用意する必要はありません。
- 押印を間違えたらどうすればいいですか?
-
修正液や二重線で消して押し直すのではなく、新しい用紙に書き直すのが基本です。改ざんを疑われる訂正は避けましょう。

