退職届を英語で書く際は、日付・宛名・退職の意思表示・最終出社日・感謝・署名の6要素を押さえれば十分です。外資系企業や外国人上司のもとで働く場合、直訳調ではなく感謝を伝えるトーンで書くことが評価されます。この記事ではそのまま使えるテンプレートと状況別の例文、日本語版との使い分け方をまとめました。
英語の退職届の書き方と基本テンプレート
結論|押さえるべき6つの要素
英語の退職届(Resignation Letter)には、日本語版のような「私儀」や縦書きの作法を持ち込む必要はありません。ビジネスレターとして以下の6要素が入っていれば、形式としては十分です。
- 日付:文書作成日(英語表記は「Month Day, Year」の順)
- 宛名:直属の上司または人事責任者の氏名・役職
- 退職の意思表示:冒頭で明確に「退職します」と伝える一文
- 最終出社日:具体的な日付で明記する
- 感謝の言葉:在籍中の経験への謝意を1〜2文添える
- 結びと署名:「Sincerely,」等の結語とフルネームの署名
英語の退職届テンプレート(基本形)
以下のテンプレートに氏名・日付・部署名を当てはめれば、そのまま提出できる形になります。
良い例文(基本テンプレート)
[Date]
[Manager’s Name]
[Company Name]
Dear [Manager’s Name],
I am writing to formally notify you of my resignation from my position as [Job Title], effective [Last Working Day].
I am grateful for the opportunities I have had during my time at [Company Name], and I will do everything I can to ensure a smooth transition before my departure.
Sincerely,
[Your Full Name]
日本語訳:[日付][上司名][会社名]宛。[役職]としての退職を正式にお伝えします。最終出社日は[日付]です。[会社名]で得た経験に感謝しており、退職までの引き継ぎに全力を尽くします。[氏名]
NG例
「I am very sorry to have to inform you that I must leave the company due to various circumstances…」のように謝罪の言葉から書き始めると、英語圏のビジネスマナーではかえって違和感を与えます。退職は個人の権利であり謝る必要はないため、感謝を軸にした文面に書き換えてください。
なぜこの書き方が正解なのか|英語ビジネスレターのマナー
日本語の退職届では「一身上の都合により」と婉曲的に書くのが定番ですが、英語のビジネスレターでは遠回しな表現よりも簡潔で前向きな言い回しが好まれます。理由を細かく説明する必要はなく、感謝と今後への意欲を伝える方が印象に残ります。
| 項目 | 日本語の退職届 | 英語の退職届 |
|---|---|---|
| 押印 | 認印・角印が一般的 | 不要。フルネームの署名で十分 |
| 用紙の向き | 縦書きが一般的 | 横書きが標準 |
| トーン | 「一身上の都合により」と婉曲的に書く | 感謝と前向きな姿勢を軸にした簡潔な文面 |
| 提出形式 | 手渡しが原則 | メール添付でも問題ないケースが多い |
人事・上司はここを見ている
- 最終出社日が一文で明確に読み取れるか(曖昧だと引き継ぎ計画が立てられない)
- 感謝の言葉が形式的でなく、具体的な経験に触れているか
- 翻訳ソフトの直訳のような不自然な言い回しになっていないか
なお、英語で書く場合も「退職届(Resignation Letter)」と「退職願」の性質の違いは日本語版と変わりません。撤回できるかどうかで使い分けたい場合は、先に違いを確認しておくと迷いません。

日本語版も必要?外資系・グローバル企業での使い分け
英語の退職届だけで手続きが完了するかどうかは、会社の人事体制によって変わります。日本人の人事担当者が労務手続きを行う場合は、日本語版もあわせて提出しておくと確実です。判断に迷う場合は、以下の基準を目安にしてください。
| 状況 | 対応の目安 |
|---|---|
| 上司も人事担当者も外国人、就業規則も英語のみ | 英語版のみで問題ない |
| 上司は外国人だが人事担当者は日本人 | 英語版に加えて簡易な日本語版も添付する |
| 日本の労働基準法に基づく正式な手続きが必要 | 日本語版を正式書類とし、英語版は上司への通知用に添える |
| 会社規定で提出書式が指定されている | 規定のフォーマットを優先し、英訳を追記する |
どちらの言語で提出しても、退職の法的効力そのものは変わりません。民法627条により、意思表示から2週間が経過すれば退職は成立します。言語は会社とのコミュニケーション上の配慮であり、法的な必須要件ではないという点を押さえておくと、書式選びで迷いにくくなります。
日本語版を用意する場合は、退職理由の書き方にも注意が必要です。会社都合か自己都合かで失業保険の受給条件が変わるため、安易に「一身上の都合により」とだけ書いてしまうと不利になるケースもあります。

状況別の英語退職届の例文
基本テンプレートに状況別の一文を加えるだけで、自然な英文に仕上がります。以下の3パターンを参考にしてください。
転職の場合
良い例文
I have decided to pursue a new opportunity that aligns more closely with my long-term career goals. My last working day will be [Date].
日本語訳:長期的なキャリア目標により合致する新たな機会に挑戦することを決めました。最終出社日は[日付]です。
家庭の事情の場合
良い例文
Due to personal family circumstances, I need to step back from my current role. I truly appreciate your understanding and support.
日本語訳:家庭の事情により、現在の職務から退くことになりました。ご理解とご支援に感謝いたします。
キャリアアップの場合
良い例文
I am resigning to pursue further studies and expand my professional skill set in [Field]. Thank you for the growth I have experienced here.
日本語訳:[分野]でのさらなる学びとスキル向上のため退職いたします。ここで得た成長の機会に感謝しています。
NG例
「I’m quitting because I can’t stand working here anymore.」のように不満や感情的な理由をそのまま書くのは避けてください。円満退職の観点からも、転職先から推薦状(Reference)を求められる場面でも不利に働きます。
退職の見通しが立ったら、次の転職先に提出する応募書類も並行して準備しておくと安心です。転職用の履歴書テンプレートを使えば、退職手続きと並行しても書類作成に時間を取られずに済みます。
提出先が公的な様式を求める場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、レイアウトを整えたい場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと迷わずに済みます。
提出時期とマナー|Notice Periodの考え方
法律上は退職の意思表示から2週間(民法627条)で退職が成立しますが、実務上は1〜3ヶ月前に伝えるのが一般的とされています。英語圏で使われる「Notice Period」という考え方も、雇用契約に定められた通知期間を指し、日本の慣行と近い性質を持ちます。
- 法律上の最低ライン:意思表示から2週間(民法627条・無期雇用の場合)
- 実務上の目安:後任の採用・引き継ぎを考慮し1〜3ヶ月前
- 雇用契約書の確認:外資系企業では契約書に「Notice Period」が明記されている場合が多い
退職日までのスケジュールに迷いがある場合は、法律上の期限と円満退職までの逆算スケジュールを先に確認しておくと、切り出すタイミングを決めやすくなります。

まとめ
- 英語の退職届は日付・宛名・退職の意思表示・最終出社日・感謝・署名の6要素で書く
- 謝罪口調ではなく、感謝と前向きな姿勢を軸にした文面が英語圏では評価される
- 人事担当者が日本人の場合は、日本語版もあわせて用意しておくと確実
- 退職の法的効力は言語に左右されず、民法627条の2週間ルールが適用される
感謝を軸にした簡潔な文面であれば、英語の退職届は難しく考える必要はありません。テンプレートを土台に、自分の状況に合わせて一文を差し替えてください。
退職届の英語版に関するよくある質問
- 英語の退職届に押印は必要ですか?
-
不要です。英語圏のビジネスレターでは、フルネームの署名(サイン)があれば正式な書類として扱われます。日本のような認印・角印を求められることはほとんどありません。
- 退職理由は具体的に書くべきですか?
-
詳しく説明する必要はありません。「新しい機会に挑戦するため」程度の簡潔な表現で十分で、事情を詳しく書きすぎるとかえって不自然な印象を与えます。
- メールで送っても問題ありませんか?
-
会社の規定によりますが、外資系企業ではメール添付での提出が認められているケースが多くあります。事前に上司や人事担当者に提出方法を確認しておくと安心です。
- 日本語版がなくても法的に有効ですか?
-
有効です。退職の意思表示に使用言語の指定はなく、民法627条の要件を満たせば英語のみでも退職は成立します。ただし社内手続き上、日本語版の提出を求められる場合があります。

