エントリーシートの語尾は、である調ではなく敬語のですます調に統一するのが正解です。とはいえ、見出しや箇条書きとの併用ルールや、文字数が厳しい設問での対処法まで理解している人は多くありません。である調との違いを例文で比較しながら、採用担当者が実際に評価しているチェックポイントまで整理します。
エントリーシートは「ですます調」に統一するのが正解【結論】
迷ったら敬体(ですます調)を選ぶ
エントリーシートの文末は「ですます調(敬体)」「である調(常態)」のどちらを使っても、それ自体でマイナス評価になることはありません。企業が本当に見ているのは語尾の種類ではなく、最後まで文末が統一されているかどうかです。判断に迷う場合は、どの業界・職種にも合わせやすいですます調を選んでおけば失敗しにくくなります。
良い例文(文末が統一されている)
私の強みは、課題の原因を分解して仮説を立てる力です。大学のゼミでアンケートの回収率が伸び悩んだ際、配布方法と設問文の両方に原因があると考え、配布場所の変更と設問数の削減を行ったところ、回収率が32%から58%に改善しました。この課題分解力は、貴社の業務でも活かせると考えています。
NG例(語尾が混在している)
私の強みは、課題の原因を分解して仮説を立てる力である。大学のゼミでアンケートの回収率が伸び悩んだ際、配布方法と設問文の両方に原因があると考えました。「〜である」と「〜考えました」が同じ段落内に混在しているため、書き手が文体を意識していない印象を与えてしまいます。
採用担当者はここを見ている
- 語尾の種類そのものより、最初から最後まで統一されているかを見ている
- 文体の乱れは「見直しをしていない」という印象に直結しやすい
- ですます調を選んでいる応募者が多いため、である調は良くも悪くも目立つ
エントリーシートと履歴書の役割の違いから整理したい場合は、あわせて確認しておくと書類全体の一貫性を保ちやすくなります。

「ですます調」と「である調」の違いを例文で比較
同じ内容でも、語尾を変えるだけで読み手が受け取る印象は大きく変わります。ここでは同じ自己PRを「ですます調」「である調」の両方で書き分け、実際の見え方を比較します。
ですます調の自己PR例文
良い例文
私の強みは、飲食店のアルバイトで培った状況把握力です。人手不足で欠員が出るたびに店長が個別に電話をかけていたため、希望シフトを事前に提出できる仕組みを作りました。結果として欠員対応にかかる時間を週5時間から1時間に減らすことができ、貴社の業務でも同じように改善の視点を活かしたいと考えています。
である調の自己PR例文
良い例文
私の強みは、飲食店のアルバイトで培った状況把握力である。人手不足で欠員が出るたびに店長が個別に電話をかけていたため、希望シフトを事前に提出できる仕組みを作った。結果として欠員対応にかかる時間を週5時間から1時間に減らすことができ、貴社の業務でも同じように改善の視点を活かしたい。
である調は文末が短くなる分、同じ文字数でもより多くの情報を詰め込めるという特徴があります。一方でですます調は、読み手に対する丁寧さが伝わりやすく、面接での話し方とのギャップも生まれにくくなります。採用担当者は、例文の内容そのものより先に、面接で本人と話したときの印象と文体が矛盾していないかを見ています。志望動機の例文と合わせて確認したい場合は、下記の記事も参考にしてください。

ですます調のメリット・デメリット
ですます調を選ぶ場合、メリットとデメリットの両方を把握しておくと、書き進める中で迷いにくくなります。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 読み手に不快感を与えにくく、丁寧な印象になる |
| メリット | 面接での話し方と文体のギャップが生まれにくい |
| メリット | 多くの応募者が選ぶ文体のため、悪目立ちしない |
| デメリット | 文末が単調になりやすく、読み返すと同じリズムが続きがちになる |
| デメリット | 語尾が長くなる分、同じ内容でも文字数を消費しやすい |
| デメリット | 敬語の使い方を誤ると、かえって不自然な印象になる |
文末が単調になりやすいというデメリットは、体言止めや箇条書きを本文と組み合わせることで解消できます。採用担当者は、同じ語尾が延々と続く文章を「見直しをしていない」と捉えることがあるため、リズムの調整は評価にも関わってきます。この組み合わせ方は後述の「見出し・箇条書き・体言止めとの併用ルール」で詳しく取り上げます。
である調のメリット・デメリットと向いているケース
である調は、ですます調と比べて文末が短くなる分、限られた文字数で内容を詰め込みやすい文体です。ただし選び方を誤ると、読み手に威圧的な印象を与えてしまうリスクもあります。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 文末が短く、字数制限の中でも多くの内容を書ける |
| メリット | 言い切る文体のため、説得力を持たせやすい |
| デメリット | 上から目線に受け取られるリスクがある |
| デメリット | 堅い印象になりやすく、社風によっては浮いて見える |
である調が比較的受け入れられやすいのは、論理構成力を重視するコンサルティング業界や、簡潔さが評価される研究職・技術職の設問です。反対に、接客業や人材業界など対人の柔らかさを重視する業界では、ですます調の方が安全な選択になります。中途採用で応募書類を並行して整える場合は、履歴書の書式も揃えておくと迷いにくくなります。
転職活動と並行してエントリーシートの提出が発生する場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと、書類ごとの体裁を揃えやすくなります。新卒の方は、新卒用の履歴書テンプレートで履歴書とエントリーシートの書式を揃えておくと、提出直前に慌てずに済みます。
文字数制限があるときの使い分け方
「ですます調にすると文字数がオーバーしてしまう」という悩みは、実は珍しくありません。指定文字数と文体の相性を見極めることで、内容を削らずに収められるケースが多くあります。
である調を検討していいケース
- 指定文字数が100〜150字程度と短く、要点だけを言い切る必要がある設問
- 研究概要やスキルの列挙など、事実の説明が中心になる項目
- である調が文化として根づいている業界・職種への応募
併用する場合の注意点(統一が原則)
設問ごとに文体を変えること自体は問題ありませんが、同じ設問の中で語尾を混在させないことが前提です。「自己PR欄はですます調、研究概要欄はである調」のように設問単位で使い分けるのは自然ですが、1つの設問の途中で切り替えると、見直し不足という印象を与えてしまいます。
用紙サイズや提出形式など、字数以外の書式ルールも合わせて確認しておくと、提出直前の見落としを防げます。

ですます調でよくある敬語ミスとNG例
ですます調そのものは選べても、敬語の使い方を誤ると評価を下げてしまいます。特に多いのが、丁寧にしようとするあまり敬語を重ねてしまう二重敬語です。
| 誤った表現 | 正しい表現 |
|---|---|
| 拝見させていただきました | 拝見しました |
| お伺いさせていただきます | 伺います |
| させていただければと思います | いたします |
| 貴社様 | 貴社 |
NG例
貴社様のホームページを拝見させていただき、事業内容に大変感銘を受けさせていただきました。「様」の重複と「させていただく」の連続が、丁寧さよりもくどさを先に感じさせてしまいます。
良い例文
貴社のホームページを拝見し、事業内容に感銘を受けました。無駄な敬語の重ねがない分、伝えたい内容がすっきりと読み手に届きます。
志望動機欄で書く内容に迷った場合、無理に別の理由を作る必要はありません。志望動機なしの履歴書テンプレートのように、他の項目で熱意を補う書式を参考にする方法もあります。
見出し・箇条書き・体言止めとの併用ルール
「本文はですます調で書いているのに、項目名や箇条書きが体言止めになっている」という状態に不安を感じる就活生は少なくありません。この点は、多くの解説記事でも触れられていない判断基準です。
結論として、設問見出しや箇条書きの項目名は体言止めのままで問題ありません。文体の統一が求められるのは、あくまで「文章として書く本文部分」です。以下の3パターンで判断基準を整理します。
統一とみなされる組み合わせ
- 見出し・項目名(体言止め)+ 本文(ですます調)
- 箇条書きの各項目(体言止め)+ 補足文(ですます調)
- 見出しなしで、本文の文章がすべてですます調
混在とみなされるNGな組み合わせ
- ある文章は「〜です」、別の文章は「〜である」で終わっている
- 同じ段落内で敬体と常態が入れ替わっている
採用担当者はここを見ている
見出しや箇条書きの体言止めは、文章構成上のテクニックとして認識されます。評価が下がるのは「文章として書いた部分」の語尾がぶれているときだけです。この線引きを知っているだけで、体裁面での不安をかなり減らせます。
まとめ
- エントリーシートの語尾は、迷ったらですます調に統一するのが基本
- である調は文字数が厳しい設問や、論理性を重視する業界で選択肢になる
- 見出しや箇条書きの体言止めは、本文の敬体と混在しているとはみなされない
- 二重敬語などの敬語ミスは、文体の選択以上に評価へ影響しやすい
語尾の選び方に正解は一つではありませんが、統一のルールと敬語の使い方を押さえておけば、文体面で評価を下げる心配はなくなります。
エントリーシートの文体に関するよくある質問
- エントリーシートの語尾はですます調とである調のどちらでも評価は変わりませんか?
-
語尾の種類そのものより、書類全体で文体が統一されているかどうかが評価に影響します。どちらを選んでも構いませんが、途中で切り替えないようにしてください。
- 設問ごとに文体を変えてもいいですか?
-
設問単位で文体を変えること自体は問題ありません。ただし、1つの設問の中で敬体と常態が混ざらないようにしてください。
- 見出しや箇条書きが体言止めになっていても文体は統一されていることになりますか?
-
統一されているとみなされます。文体の統一が求められるのは文章として書く本文部分であり、見出しや箇条書きの項目名は体言止めのままで問題ありません。
- 敬語に自信がない場合はどうすればいいですか?
-
まずは「させていただく」の多用と、二重敬語になっていないかを見直してください。書き終えた後、一文ずつ声に出して読み返すと、不自然な敬語表現に気づきやすくなります。

