転職の履歴書に書く志望動機は、自分の経験と「なぜこの会社か」を結びつけて具体的に書くのが正解です。この記事では同業種・未経験・異業種・第二新卒・ブランクあり・キャリアアップなど15パターンの例文に加え、採用担当者が書類選考で実際に落とす志望動機の特徴と、選考を通過するための書き方のコツをまとめて紹介します。
転職の志望動機 例文15選と書き方の結論
結論:経験と「なぜこの会社か」を結びつける
転職の志望動機で通過率を上げる書き方はシンプルです。これまでの経験の中から応募先で活かせるものを1つ選び、応募先企業でなければならない理由と結びつけて書く。これだけで、他の応募者と横並びにならない志望動機になります。
逆に、経験の棚卸しをせずに「成長したい」「貢献したい」という言葉だけで埋めてしまうと、企業名を入れ替えても成立する内容になり、書類選考で見抜かれます。まだ履歴書自体を用意していない場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと書式に迷わず、志望動機欄の作成に集中できます。
以下では、よくある転職状況ごとに例文を2パターンずつ紹介します。そのまま使うのではなく、企業名・職種・自分の実績数値に置き換えて使用してください。
【例文①②】同業種・同職種への転職(経験を活かす)
現職と同じ業界・職種に転職するケースは、即戦力性を明確に示すことが最大のポイントです。「経験があります」ではなく、「これだけの実績を、御社でこう活かす」という具体性が採用担当者の目を引きます。営業職の職務経歴書をあわせて整理したい場合は、営業の職務経歴書テンプレートが実績の書き方の参考になります。
例文① 営業職から同職種への転職
前職では5年間、IT系ソリューションの法人営業を担当し、3年目以降は年間売上目標120%超を継続してきました。貴社の〇〇分野における市場シェア拡大の取り組みと、顧客単価より顧客数を伸ばす戦略は、私がこれまで実践してきた面展開型の営業スタイルと高い親和性があります。貴社でチームリーダーとして成果の再現性を高めていきたいと考え、応募しました。
例文② 経理職から同職種への転職
現職では中規模メーカーの経理担当として月次・年次決算と税務申告を一貫して担当し、昨年は業務改善により決算処理期間を5日短縮しました。貴社は連結子会社が多く、グループ会計の専門性が求められる環境です。Excelマクロを用いたデータ集計の自動化経験を活かし、将来的には貴社の管理会計体制の強化に貢献したいと考えています。
採用担当者はここを見ている
- 実績を数字で示しているか(「頑張ってきました」より「120%達成」「5日短縮」の方が信頼性が高い)
- 入社後の具体的な貢献イメージが書かれているか
【例文③④】未経験職種へのチャレンジ
未経験職種への転職でよくある失敗は、「〇〇に興味があります」という動機だけで終わることです。「なぜ今の経験が活かせるか」という接点を示さないと、単なる思いつきとみなされます。
例文③ 営業からマーケティング職へ
前職では法人営業として3年間、顧客の課題を掘り起こし提案型の営業を行ってきました。その経験を通じて「なぜこの商品が売れるのか」という問いへの関心が高まり、マーケティングの視点から商品設計に関わりたいと考えるようになりました。貴社はデータドリブンなマーケティング手法で業界内の先進事例として注目されており、営業現場で培った顧客視点を商品企画に活かしたいと考えています。
例文④ 事務から人事・採用職へ
現在は一般事務として勤務していますが、入退社手続きのサポートや社内研修の運営補助を通じて、人の成長を支える仕事への関心が高まりました。前職での業務改善経験(社内マニュアルの整備・入力フォームの統一)を活かし、採用フローや制度設計の効率化にも貢献できると考えています。貴社は若手社員の育成に力を入れていると伺い、成長を支える仕組みを作る側として貢献したいと思い応募しました。
事務職からのキャリアチェンジで職務経歴書の書き方に迷う場合は、事務の職務経歴書テンプレートを使うと、担当業務の整理から始められます。
【例文⑤⑥】異業種への転職(業界を変える)
業界を変える転職で採用担当者が疑問に持つのは「なぜ業界を変えるのか」です。前職の不満ではなく、応募先業界との具体的な接点を示すことで、業界未経験というハンデを減らせます。
例文⑤ 製造業から不動産業界へ
前職では大手メーカーで品質管理を担当し、製品の品質基準の策定・検査フローの最適化を行ってきました。住宅や建物は「品質が人の暮らしを守る」という点で製造業と共通しており、不動産業界での仕事に強い関心を持つようになりました。貴社は中古物件のリノベーション提案を強みとしており、品質管理の視点から物件のコンディション評価や顧客提案に貢献できると考えています。
例文⑥ 小売業からIT業界へ
小売業での5年間の勤務を通じて、データに基づいた在庫管理や売上分析を手掛けてきました。業務効率化の必要性を感じる中でプログラミングを独学で学び始め、Pythonを用いた簡易な在庫分析ツールを作成・社内で運用した経験があります。貴社はリテール向けのDXソリューションを提供しており、現場視点とITスキルの両面から顧客の課題解決に貢献できると考え、応募しました。
【例文⑦⑧】第二新卒での転職(社会人経験3年未満)
第二新卒の志望動機でよくある失敗は「今の職場が合わない」という消極的な理由が透けて見えることです。「最初の職場で何を得て、次のステップとして何を求めているか」を明確に示すことが重要です。
例文⑦ 第二新卒・同職種への転職
現在は新卒入社2年目で、法人向けSaaS製品の営業を担当しています。入社当初からの目標であった年間目標達成を昨年初めて達成し、次のステップとして組織規模の大きい環境でのノウハウ習得を考えるようになりました。貴社はSaaS営業の組織化・プロセス設計に先行しており、個人の成果だけでなくチームの仕組みを作る側として早期にチャレンジできる環境を求めて応募しました。
例文⑧ 第二新卒・職種チェンジ
現職では学習塾の講師として2年間、中高生の指導を担当してきました。生徒一人ひとりの理解度を細かく観察し、最適な指導方法を考える経験を通じて、教育コンテンツの設計・改善に携わりたいという希望が明確になりました。貴社は教育DX分野でコンテンツ制作から学習効果の検証まで一貫した取り組みをされており、現場経験を持つ人材として貢献できると考えています。
【例文⑨⑩】ブランクあり・育児・療養後の転職
ブランクがある場合、採用担当者が気にするのは「ブランクの理由」よりも「復帰後に即戦力として働けるか」です。ブランク期間中にどんな準備をしてきたかを加えると、採用担当者の不安を解消できます。
例文⑨ 育児のブランク後の転職
出産・育児のため2年間離職しており、現在は職場復帰を検討しています。離職前は経理担当として月次・年次決算を担当しており、復帰後もその経験を活かした業務を希望しています。ブランク期間中は日商簿記の復習と会計ソフトの操作確認を継続し、実務への準備を怠りませんでした。貴社のフレックスタイム制とリモートワーク制度は育児との両立を実現しながら専門性を高められる環境として、応募いたしました。
例文⑩ 療養後の転職
病気療養のため1年間休職・退職しており、現在は健康を回復し就職活動を再開しています。前職では医療事務として5年間、外来受付・診療報酬請求業務を担当していました。療養期間中も診療報酬の改定情報を継続的に確認し、実務への影響把握に努めてきました。貴社のクリニックでは医師事務作業補助の募集をされており、専門知識を活かしてすぐに貢献できると考え応募しました。
【例文⑪⑫】スキルアップ・キャリアアップ目的の転職
「成長できる環境を求めて」という志望動機は採用担当者が最もよく見るパターンです。この表現で通過するには、「現職で得たもの」と「応募先でしか得られないもの」の両方を具体的に示す必要があります。
例文⑪ マネジメントへのステップアップ
現職では営業チームのサブリーダーとして、チームメンバー4名の進捗管理と商談サポートを担当しています。次のステップとして、より大きなチームのマネジメントと組織づくりに携わりたいと考えています。貴社は営業組織の急拡大期にあり、マネジャー候補を積極採用されていると伺いました。現場経験を持ちながらマネジメントを本格的に学べる環境として、貴社を志望しています。
例文⑫ 専門性の深化を目的とした転職
現職では中堅SIerでシステム開発のエンジニアとして5年間勤務し、主にJavaを使った業務系システムの開発を担当しています。クラウドネイティブなアーキテクチャへの移行が業界全体で進む中、AWS・Kubernetesを用いたインフラ設計のスキルを本格的に身につけたいと考えています。貴社はクラウドインフラの設計・移行支援を主力とされており、技術的に最前線で成長できる環境と確信し応募しました。

採用担当者が志望動機で「実際に見ていること」
ここまでの例文を自分の状況に当てはめる前に、採用担当者がどこを見ているかを把握しておくと、置き換える箇所の精度が上がります。この視点を持たずに例文を転用すると、どれだけ丁寧に書いても書類選考を通過しません。
書類選考で採用担当者が確認する3つのポイント
採用担当者が志望動機を確認するとき、「この人は本当に自社に来たいのか」という視点で読んでいます。確認しているのは主に3つです。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ当社か」の答えが具体的にあるか:どの企業名にも入れ替えられる内容は、即座に見抜かれます
- 転職理由と志望動機に矛盾がないか:「前職を離れた理由」と「当社を選んだ理由」が噛み合っているかを確認します
- 入社後に何ができるかまで書かれているか:「貢献したい」で終わる志望動機は意志の弱い印象を与えます。具体的な貢献内容まで踏み込んだものが通過しやすくなります
5分で見抜かれる「通らない志望動機」の共通点
採用担当者は1日に何十通もの書類を確認します。その中で「使い回し」と判断される志望動機には共通した特徴があります。
- 企業名を変えれば他社にも送れる内容になっている
- 「御社の〇〇に惹かれました」とあるが、その〇〇が公式サイトの「会社概要」にある表現のコピーになっている
- 「成長したい」「スキルを磨きたい」など、受け身の動機が主体になっている
- 転職理由が「一身上の都合」「前向きなキャリアチェンジ」と書かれているのに、志望動機では全く別の方向性が書かれている
志望動機は「自分がこの企業を選んだ積極的な理由」を書くものです。前職への不満ではなく、応募先企業の何に価値を感じたかを具体的に示すことが書類通過の条件になります。志望動機欄と職務経歴書の内容が食い違うと、この矛盾はより目立ちます。

採用担当者が落とすNG例文と通過する例文の違い
以下では、実際に書類選考で落ちやすいNG例文と、それを修正した通過版を対比して紹介します。NG例文のどこに問題があるかを理解することが、例文を「自分の言葉」に変えるための近道です。
NG①:条件面だけを理由にした例文(通過例⑬)
NG例
御社は給与水準が高く、福利厚生も充実していると聞きました。また、リモートワークができる点も魅力に感じています。自分のスキルを活かして貢献したいと考え応募しました。
【なぜNG?】「御社」を別の企業名に変えても成立する内容です。条件面への言及は「条件が悪ければすぐ辞める」という印象を与えます。「貢献したい」とあるが、何をどう貢献するかが全く書かれていません。
例文⑬(改善版)
現在は法人向けサービスの営業として3年間勤務し、業界トップクラスの顧客対応実績を積んできました。貴社の〇〇分野でのサービス展開に強い関心があり、同様の課題を抱える企業に対する提案型営業で培った経験を貢献できると考えています。リモートワーク中心の勤務形態は、移動時間を顧客折衝と準備に充てられる点で業務集中度が高まると考えており、成果で応える環境として志望しています。
NG②:どこにでも使える内容(企業独自性ゼロ)(通過例⑭)
NG例
御社は業界内で高い評価を受けており、チームワークを大切にする文化があると伺いました。私もチームの一員として精一杯頑張りたいと思い志望しました。
【なぜNG?】「高い評価」「チームワーク」はどの企業にも言える表現です。採用担当者には「企業研究をほとんどしていない」と判断されます。「精一杯頑張る」という意気込みは伝わりますが、何ができるかが全く不明です。
例文⑭(改善版)
前職ではWebデザイナーとして3年間、受託案件のUI設計を担当しました。貴社はSaaSプロダクトのデザインシステム構築に注力されており、コンポーネント設計から一貫してデザインに関われる点に強く惹かれています。デザインと事業成果の接続を意識した仕事を経験してきた立場から、貴社のプロダクト品質向上に貢献できると考えています。
NG③:転職理由と志望動機が矛盾している例文(通過例⑮)
NG例
前職では職場環境が合わず退職しました。御社は急成長中の企業であり、成長できる環境が整っていると感じたため、ぜひ入社したいと思います。
【なぜNG?】「職場環境が合わず」という転職理由と「成長できる環境」という志望動機の接続が弱すぎます。採用担当者は「前職でも同じ理由でまた辞めるのでは」と疑います。転職理由を隠すより、一貫性のある言い換えが必要です。
例文⑮(改善版)
前職では小規模チームで業務範囲が限られており、より広い分野で専門性を高めたいという思いから転職を決意しました。貴社は〇〇分野での急成長フェーズにあり、採用プロセスや育成制度を0から構築する機会があると伺いました。人事担当として採用から定着まで一貫して関わりたいという目標と、貴社の成長段階が合致していると考えています。
志望動機が書けないときの対処法
例文を見ても「自分の状況に当てはめられない」という場合、原因のほとんどは「転職理由の言語化が不十分」にあります。以下の2つのアプローチで整理してください。
ネガティブな転職理由をポジティブに転換する言い換えパターン
採用担当者に「この人は前向きに転職している」と伝わるよう、本音の転職理由を志望動機の言葉に変換する必要があります。
| ネガティブな本音 | 志望動機として伝わる言い換え |
|---|---|
| 給与が低い | より高い専門性で市場価値を上げ、成果に見合った評価を得たい |
| 残業・拘束時間が長い | メリハリのある環境で生産性を最大化し、質の高い仕事に集中したい |
| 上司・人間関係が合わない | 自分の判断や提案を活かせる職場環境でキャリアを積みたい |
| 会社の将来性が不安 | 成長分野・成長フェーズの企業で大きなインパクトを出す仕事がしたい |
| 仕事の幅が狭い・やりがいがない | 専門性を深め、キャリアの軸となるスキルを本格的に身につけたい |
注意点として、言い換えた内容と応募先企業の実態が合っている必要があります。「成長環境を求めた」と書くなら、応募先の成長性を示す具体的な根拠(業績・サービス展開・組織拡大)を添えてください。根拠のない褒め言葉は逆効果になります。どうしても言葉が出てこない場合は、志望動機欄自体がない志望動機なしの履歴書テンプレートを使い、職務経歴書側でアピールする方法もあります。
書き出しで手が止まったら使える3つのパターン
志望動機の書き出しで悩む場合は、以下の3つのパターンから自分の状況に合うものを選んでください。
- 経験×企業の独自性パターン:「〇〇(職種・業務)で培った△△(スキル)を活かし、貴社の〇〇(強み・取り組み)に貢献したいと考えています。」
- 転換点パターン:「〇〇の経験を通じて△△(新たな関心・視点)が生まれ、〇〇の分野でその力を発揮したいと考えるようになりました。」
- 課題解決パターン:「貴社の〇〇(事業・サービス)に強い関心があります。私は〇〇の経験から、この分野でのお役に立てると確信しています。」
書き出しが決まれば、あとは「根拠となるエピソード(具体的な経験・実績)」と「入社後の貢献イメージ」を加えて200〜300字にまとめるだけです。難しく考えるより、この順序で組み立てる方が採用担当者には伝わります。

まとめ
- 採用担当者が志望動機で見ているのは「なぜ当社か」「転職理由との一貫性」「入社後の貢献イメージ」の3点
- 例文を使い回す場合、企業名・職種・実績数値を自分のものに置き換え、「なぜ当社か」の部分は必ず企業ごとに書き直す
- ネガティブな転職理由は隠すのではなく、応募先企業への積極的な志望動機に言い換えて一貫性を持たせる
- 志望動機の文字数は200〜300字が目安。スペースを埋めるより、伝わる内容を200字でまとめる方が評価されやすい
転職の志望動機で最も大切なのは「この企業でなければならない理由」を示すことです。その一文が書けると、書類通過率は大きく変わります。
転職の志望動機に関するよくある質問
- 志望動機と転職理由は同じ内容を書いていいですか?
-
内容が重なる部分があっても問題ありませんが、書き方は異なります。転職理由は「前職を離れた理由」、志望動機は「この企業を選んだ積極的な理由」です。ネガティブな転職理由をそのまま書かず、応募先企業への前向きな志望動機に転換した形で書いてください。
- 履歴書の志望動機は何文字で書けばいいですか?
-
200〜300字が目安です。スペースを埋めることを意識するより、採用担当者に伝わる内容を200字程度にまとめる方が好印象を残します。文字数が少なすぎる(100字以下)と志望度が低く見られますが、逆に300字を大幅に超えると読みにくくなります。
- 志望動機を複数の企業に使い回してもいいですか?
-
構成の骨格(書き出しの方向性・エピソードの組み立て方)を共通にすることは問題ありません。ただし、「なぜ当社か」の部分は企業ごとに必ず変えてください。企業名だけを差し替えた使い回しは採用担当者に見抜かれやすく、志望度を疑われる原因になります。
- 「給与を上げたい」という本音は書いていいですか?
-
条件面のみを志望動機にすることは避けてください。「スキルを高めた結果として市場価値を上げたい」「貢献した成果が適切に評価される環境を求めた」という形で、条件改善を「結果」として位置づける書き方が適切です。給与や待遇に関する具体的な希望は、本人希望欄や面接での交渉段階で伝えるのが適切です。

