退職願は横書きで書いても法律上・マナー上の問題はなく、受理されないということもありません。ただし一般的には縦書きの方が丁寧な印象を与えるとされ、会社によっては書式を指定しているケースもあります。「退職願い」と入力される方も多いですが、正式には「退職願」と書きます。横書きで作成する際の正しい書き方と例文、封筒への入れ方まで具体的にまとめました。
退職願は横書きでも大丈夫?結論と書き方の例文
結論:横書きはマナー違反ではないが、縦書きより印象は下がりやすい
退職願を横書きで作成しても、書類として無効になることはありません。パソコンで作成する場合はもちろん、手書きで横書きにしても効力は同じです。ただし一般的には、縦書きの方が読む側に丁寧な印象を与えるとされており、横書きは事務的に見られやすい面があります。
会社によっては退職願の書式をあらかじめ指定している場合もあります。横書きにするか迷ったときは、まず就業規則や総務担当者への確認から始めると失敗を避けられます。
横書きの退職願 例文
良い例文
退職願
私事、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇部〇〇課 佐藤 花子
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
横書きでは、用紙上部の中央に「退職願」という表題を置いてから本文に入ります。日付・数字は算用数字で統一し、提出日と所属・氏名は本文の下に順番に書き添えれば体裁が崩れません。
NG例|横書きでやってしまいがちな失敗
NG例
退職願
私儀
このたび一身上の都合により、令和八年九月一日をもって退職いたします
令和八年九月一日
〇〇部〇〇課 佐藤 花子
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
「私儀」は縦書きで右上に小さく添える前提の言葉のため、横書きでそのまま使うと配置に迷いが生じます。横書きでは「私事」に置き換えるのが一般的です。日付を漢数字のまま書いている点、「退職いたします」という退職届向けの断定表現になっている点もNGです。退職願は「お願い申し上げます」という依頼形で締めます。
採用担当者はここを見ている(横書き提出時)
採用担当者はここを見ている
- 会社指定のフォーマットを確認したうえで作成しているか
- 「お願い申し上げます」という依頼形の文言になっているか
- 数字の表記(算用数字)や日付の配置が統一されているか
横書きと縦書き、退職願はどちらを選ぶべきか
縦書きが「丁寧」とされる理由
退職願は本来、目上の相手に提出する書状の形式を受け継いだ書類です。縦書きは日本語の伝統的な書状の書き方であり、受け取る側に礼儀を尽くした印象を与えやすいとされています。手書きで時間をかけて仕上げる分、誠意が伝わりやすいという見方も根強くあります。
横書きを選んでも問題ないケース
- 会社が書類のデジタル化を進めており、横書きでの提出が一般的になっている
- 字に自信がなく、読みやすい書類をパソコンで用意したい
- 提出期限が迫っており、清書に時間をかけられない
いずれのケースでも、会社の慣習に反していないかを一度確認しておくと安心です。
| 比較項目 | 縦書き | 横書き |
|---|---|---|
| 一般的な印象 | より丁寧とされる | 事務的に見えやすいが問題はない |
| 作成のしやすさ | 手書きで時間がかかる | パソコンでも手早く作れる |
| 向いている人 | 伝統や慣習を重視する会社向け | 指定がなく、時間を優先したい人向け |
| 注意点 | 「私儀」の位置・漢数字表記 | 表題の位置・算用数字・依頼形の文言 |
採用担当者や人事の中には、封筒の様式や社内フォーマットとの整合性まで細かく見る人もいます。横書きを選ぶ場合は、体裁だけでなく会社の慣習に合っているかどうかも判断材料にしてください。
退職願と退職届の違いや、退職願全体の書き方の基本から確認したい場合は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

横書きの退職願に書く項目とレイアウトの順番
横書き特有の項目順
横書きの退職願は、縦書きとは項目の並べ方が少し異なります。順番どおりに配置すれば、迷わず整った体裁に仕上げられます。
| 項目 | 位置の目安 |
|---|---|
| ①表題 | 用紙上部の中央に「退職願」 |
| ②起首 | 本文の書き出しに「私事」 |
| ③本文 | 退職理由(一身上の都合)と退職希望日 |
| ④提出日 | 本文の下、行を変えて記載 |
| ⑤所属・氏名 | 提出日の下 |
| ⑥宛名 | 氏名の下、会社名と代表者名 |
縦書きでは「私儀」を右上に小さく添える形式が一般的ですが、横書きでは表題「退職願」の直後に本文を続けるのが自然な流れです。この違いを押さえておくと、横書き特有の配置に迷わなくなります。
手書きで横書きにする場合の注意点
横書きは必ずしもパソコン作成を意味しません。手書きで横書きにしたい場合は、横罫の便箋を用意します。文具店では「横書き用」と明記された退職願用の便箋も販売されているため、探してみると選びやすくなります。
- 便箋:横罫の白無地便箋(罫線入りでも可)
- 筆記具:黒の万年筆かボールペン(消せるタイプは避ける)
- 数字:算用数字(1、2、3)で統一する
パソコンで横書きにする場合の注意点
パソコンで作成する退職願は横書きが基本になります。本文は明朝体を選び、氏名の署名と押印だけは印刷後に自筆で行うと、体裁だけでなく中身でも安心して提出できます。氏名まで印字のまま提出すると、事務的に処理された書類という印象を与えかねません。フォントや余白の細かい調整まで確認したい場合は、次の記事で具体的な手順を解説しています。

横書きの退職願、封筒はどうする?
封筒の表書きは縦書きのままでいい理由
中身の退職願を横書きで作成しても、封筒の表書きは縦書きにするのが一般的なマナーです。「退職願」という表書きと氏名は封筒の中央に縦書きで記載し、中身の向きに合わせて封筒まで横書きにする必要はありません。
中身が横書きでも失礼にならない入れ方
横書きの用紙は、文字が読める向きのまま三つ折りにして封筒に入れます。開封した相手が上から読み進められるよう、封筒の表側から見て文章の書き出しが上にくる向きで入れるのが基本です。採用担当者は、折り方や向きが崩れていないかという細部にも意外と目を留めます。折り方や封筒選びに迷う場合は、以下の記事で表書き・裏書きの見本まで確認できます。

状況別|横書きの退職願の例文
正社員の場合
良い例文(正社員の場合)
退職願
私事、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
営業部 佐藤 花子
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
パート・アルバイトの場合
良い例文(パート・アルバイトの場合)
退職願
私事、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇店 鈴木 一郎
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
パートやアルバイトも、正社員と同じ書式で横書きの退職願を作成できます。所属先は部署名の代わりに店舗名や勤務先名を書けば問題ありません。
契約社員(契約満了)の場合
良い例文(契約社員の場合)
退職願
私事、このたび一身上の都合により、契約期間満了となる令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
製造部 高橋 健
契約更新のタイミングで退職を願い出る場合は「契約期間満了となる」の一文を加えると、退職理由が伝わりやすくなります。採用担当者は、雇用形態に応じた一文が添えられているかどうかで、状況を正しく理解しているかを判断しています。
退職後の求職活動に向けて
退職願が受理されたら、次の職場探しの準備も並行して進めておくと、退職後の空白期間を短くできます。応募先や雇用形態に合わせて、履歴書のテンプレートを活用してください。
- 正社員として転職する場合は転職用の履歴書テンプレートが使えます
- 次の応募先が決まっていない段階では志望動機なしの履歴書テンプレートで骨組みだけ作っておく方法もあります
- アルバイトに切り替える場合はアルバイト用の履歴書テンプレートを参考にしてください
- パートを検討している場合はパート用の履歴書テンプレートが対応しています
まとめ
- 退職願を横書きで書いてもマナー違反にはならないが、縦書きより印象で損することがある
- 横書きでは表題「退職願」を先頭に置き、算用数字と依頼形の文言で統一する
- 封筒の表書きは中身の向きに関わらず縦書きが一般的
会社から書式の指定がなければ、横書きでも十分に通用します。就業規則や職場の慣習を確認したうえで、書きやすい方法を選んでください。
退職願の横書きに関するよくある質問
- 退職願を横書きで書くと、非常識だと思われますか?
-
横書き自体が非常識にあたることはありません。ただし縦書きの方が丁寧な印象を与えるとされているため、会社の慣習に指定がなければ、迷ったときは縦書きを選ぶ方が無難です。
- 手書きで横書きの退職願を書いてもいいですか?
-
問題ありません。横罫の便箋を用意し、黒のボールペンか万年筆で記入すれば、パソコンを使わなくても横書きの退職願を作成できます。
- 横書きの退職願を入れる封筒も横書きにするべきですか?
-
封筒に合わせる必要はありません。中身が横書きでも、封筒の表書きは縦書きで「退職願」と氏名を記載するのが一般的です。
- 「退職願い」と「退職願」、どちらの表記が正しいですか?
-
正式な表記は送り仮名のない「退職願」です。「退職願い」と入力・記入してしまうケースも多いですが、実際に提出する書類では「退職願」と表記してください。

