退職願はパソコンで作成しても法的な問題はありません。会社から手書きの指定がなければ、Wordやテンプレートを使って横書きで仕上げて問題ないため、字に自信がない人ほどパソコン作成を選ぶメリットがあります。ただし印刷して終わりにすると受理の際に指摘されやすいポイントがいくつかあります。フォントの選び方から印刷後に必ず自筆で行うべき箇所まで、失敗しない作り方を具体的に解説します。
退職願はパソコンで作成しても大丈夫【結論と例文】
結論:パソコン作成に問題はない
退職願を手書きで作成するかパソコンで作成するかについて、法律上の決まりはありません。会社の就業規則で書式が指定されている場合を除き、どちらの方法で作成しても退職の意思表示としての効力に差はありません。
パソコンで作成する最大の利点は、書き間違えても簡単に修正できる点と、誰が読んでも読みやすい体裁に仕上がる点です。一方で「手書きのほうが誠意が伝わる」と考える会社や上司も一部に存在するため、提出前に就業規則や過去の慣例を確認しておくと迷いがなくなります。
横書き例文(パソコン作成用)
良い例文
退職願
私事、このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇部〇〇課 山田 太郎
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
パソコンで作成する場合も、書く項目や文言の順序は手書きと変わりません。表題「退職願」を中央に置き、本文・提出日・所属氏名・宛名の順に配置すれば、体裁を崩さずに仕上げられます。
手書きの例文との違い
手書きの退職願は縦書きが一般的で、右上に「私儀」を小さく添える形式が主流です。パソコンで作成する場合は横書きが基本となり、冒頭に「退職願」というタイトルを置く点が異なります。
- 手書き:縦書きが基本、「私儀」を右上に添える
- パソコン:横書きが基本、冒頭に「退職願」の表題を置く
- 共通:退職理由・退職希望日・提出日・所属氏名・宛名の5項目は同じ
パソコンで退職願を作るときに失敗しない3つのポイント
パソコンで作成する退職願は、見た目が整っている分だけ細部の粗が目立ちやすくなります。以下の3点を押さえておけば、体裁だけでなく中身でも安心して提出できます。
フォントと文字サイズ
本文のフォントは明朝体を選ぶと、公式な書類らしい落ち着いた印象になります。文字サイズは本文を10.5〜12pt程度に統一し、表題の「退職願」だけをひと回り大きくすると視認性が上がります。ポップ体や装飾の強いフォントは避けてください。
余白・用紙サイズ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4(会社指定があればB5に合わせる) |
| 余白 | 上下左右とも25mm前後を確保 |
| 行間 | 1.5行程度でゆとりを持たせる |
余白を詰めすぎると窮屈な印象になり、逆に空きすぎると本文の分量に対して不自然な余白が目立ちます。印刷前に一度プレビューで全体のバランスを確認しておくと失敗しません。
印刷後に必ず自筆で行うこと(署名・押印)
パソコンで本文を作成しても、氏名の署名と押印だけは印刷後に自筆で行うのが基本です。氏名欄を空白のまま印刷し、書類を確認したうえで自分の手で署名・押印すると、本人が作成した書類であることが明確になります。
NG例
氏名欄までパソコンで印字し、押印もせずそのまま提出してしまう。氏名や日付をすべて印字で済ませると、事務的に処理された書類という印象を与えかねません。
採用担当者はここを見ている
- 署名・押印が自筆で行われているか
- 会社指定のフォーマットがある場合、それに沿っているか
- 期限内に提出できているか(書式より提出タイミングを重視する上司も多い)
状況別|パソコンで退職願を作る具体的な手順
会社指定のフォーマットがある場合
総務や人事があらかじめ退職願のフォーマットを用意している会社では、そちらを優先して使用します。独自に作成した書式と混在させると、記載項目の不足や書式違いで確認の手間が増えることがあるため、まずは総務担当者に指定書式の有無を確認するのが確実です。
契約社員・パートの場合
良い例文(契約社員・パートの場合)
私事、このたび一身上の都合により、契約期間満了となる令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
契約社員やパートも正社員と同じ書式でパソコン作成できます。契約期間の途中で退職を願い出る場合は、契約更新のタイミングか中途解約かを上司と事前にすり合わせたうえで日付を記入すると、手続きがスムーズに進みます。
テンプレートを使って手早く作る方法
ゼロから体裁を組むのが不安な場合は、Word形式の退職願テンプレートをダウンロードして氏名や日付だけを差し替える方法が手早く仕上がります。項目の抜け漏れも防げるため、初めてパソコンで作成する人ほどテンプレートの活用がおすすめです。
退職の意思表示に使う書類には退職届もあります。混同しやすい部分は次の記事で使い分けを確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

手書きとパソコン、結局どちらを選ぶべきか
| 比較項目 | 手書き | パソコン |
|---|---|---|
| 効力の違い | 差はない | 差はない |
| 修正のしやすさ | 書き直しが必要 | 簡単に修正できる |
| 所要時間 | 清書に時間がかかる | 短時間で仕上がる |
| 読みやすさ | 字の癖に左右される | 安定して読みやすい |
| 向いている人 | 会社の慣習を重視したい人 | 字に自信がない・時間がない人 |
効力に差がない以上、選ぶ基準は「会社の慣習に合わせたいか」「作成にかけられる時間」の2点に絞られます。就業規則に指定がなければ、自分が確実に仕上げられる方法を選んで問題ありません。
そもそも退職願と退職届の違いや、円満退職につながる出し方まで一通り確認したい場合は退職願の書き方と例文で全体像を押さえておくと迷いにくくなります。

作成した退職願を渡す際は封筒に入れて手渡すのが基本です。表書きや折り方は退職願の封筒の書き方にまとめています。

退職後の求職活動に向けて
退職願が受理されたら、次の職場探しの準備も並行して進めておくと、退職後の空白期間を短くできます。応募先の雇用形態に合わせて、以下のテンプレートを活用してください。
- 正社員として転職する場合は転職用の履歴書テンプレートが使えます
- 次の応募先が決まっていない段階では志望動機なしの履歴書テンプレートで骨組みだけ作っておく方法もあります
- パートでの再就職を検討している場合はパート用の履歴書テンプレートが対応しています
- 提出先の形式に迷ったときは厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートが失敗しない選択肢になります
まとめ
- 退職願はパソコンで作成しても法的な効力に差はない
- 本文は明朝体・A4サイズ・上下左右25mm前後の余白で整える
- 氏名の署名と押印だけは印刷後に自筆で行う
- 会社指定のフォーマットがあればそちらを優先する
パソコンでの作成は決してマナー違反ではありません。印刷後の署名という一手間を忘れなければ、誰でも安心して提出できます。
退職願のパソコン作成に関するよくある質問
- 退職願はパソコンで作成すると印象が悪くなりますか?
-
パソコン作成自体で印象が悪くなることはありません。会社から手書きの指定がなければ、読みやすく修正しやすいパソコン作成を選んで問題ありません。氏名の署名だけは印刷後に自筆で行ってください。
- パソコンで作った退職願に押印は必要ですか?
-
法律上は押印がなくても書類として成立しますが、氏名欄への押印は本人が作成したことを示す慣習として広く行われています。認印を用意し、氏名の署名とあわせて押しておくとトラブルを避けやすくなります。
- 縦書きと横書き、パソコンで作るならどちらが良いですか?
-
パソコンで作成する場合は横書きが一般的です。縦書き用のテンプレートも存在しますが、会社から指定がなければ作成しやすい横書きを選んで問題ありません。

