この記事では、医療事務の資格を履歴書に正しく書く方法を解説します。診療報酬請求事務能力認定試験・メディカルクラーク®など主要6資格の正式名称と記載例を一覧にまとめ、採用担当者が書類選考で実際に確認するポイントも紹介します。
採用担当者が資格欄で見ている3つのこと
医療事務の採用担当者は、資格欄を「何を持っているか」だけで見ているわけではありません。書き方そのものに、候補者のスキルが見え隠れします。
①正式名称の正確さが「事務処理能力」の証明になる
医療事務の仕事は、カルテの読み取りや診療報酬明細書(レセプト)の作成など、一字一句の正確さが直接業務品質に影響する職種です。採用担当者は資格欄の書き方を見て、「この人は正確な書類処理ができるか」を無意識に判断しています。
たとえば「メディカルクラーク取得」と書いた履歴書を想定してみてください。正しくは「医療事務技能審査試験(医科) 合格」と書くべきで、①正式名称ではなく称号名で書いている、②「取得」ではなく「合格」を使うべき、という2点が誤っています。採用担当者からすれば、「自分が受けた試験の正式名称を確認していない人」という印象を持たれます。
採用担当者はここを見ている
- 資格名が正式名称かどうか(略称・通称のみになっていないか)
- 「合格」と「取得」の使い分けが正しいか
- 主催団体名が記載されているか(名称が似た資格が多いため)
②「合格」か「取得」か——意外と間違えやすい使い分け
医療事務の資格は「免許証が発行されるもの(=取得)」ではなく、「検定試験・認定試験に合格するもの(=合格)」です。この性質の違いが「合格」と「取得」の使い分けを左右します。
| 資格のタイプ | 記載する語 | 例 |
|---|---|---|
| 検定試験・認定試験 | 合格 | 医療事務技能審査試験(医科) 合格 |
| 免許証が発行されるもの | 取得 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
医療事務に関連する資格はほぼすべて「検定試験」または「認定試験」に該当するため、「合格」が基本です。「メディカルクラーク取得」のように書くのは誤りですので注意してください。
③複数資格の並び順で志望度を読んでいる
資格欄に書かれている順番からも、採用担当者は候補者の優先度を読み取ります。先頭に「診療報酬請求事務能力認定試験 合格」と書いてあれば、医療事務としての専門性が一目で伝わります。先頭が英検や普通免許だった場合、「医療事務にどれだけ本気か」が伝わりにくくなります。
保存版!医療事務資格の正式名称一覧と記載例
医療事務の資格は名称が似ているものが多く、主催団体もさまざまです。以下の表で自分が取得した資格の正式名称を確認してください。
| 資格名 | 主催団体 | 履歴書の記載例 |
|---|---|---|
| 診療報酬請求事務能力認定試験 | 公益財団法人 日本医療保険事務協会 | 診療報酬請求事務能力認定試験(医科) 合格 |
| 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®) | 一般財団法人 日本医療教育財団 | 医療事務技能審査試験(医科) 合格 |
| 医療事務認定実務者®試験 | 全国医療福祉教育協会 | 医療事務認定実務者試験 合格 |
| 医科医療事務管理士®技能認定試験 | 技能認定振興協会(JSMA) | 医科医療事務管理士技能認定試験 合格 |
| 医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®) | 一般財団法人 日本医療教育財団 | 医師事務作業補助技能認定試験 合格 |
| 医療事務(医科)能力検定試験 | 公益社団法人 日本医療事務協会 | 医療事務(医科)能力検定試験 ○級 合格 |
※資格名は必ず資格証や主催団体の公式サイトで確認のうえ記載してください
診療報酬請求事務能力認定試験(最難関・最高峰)
医療事務系資格のなかで最も難易度が高く、業界での評価も高い資格です。合格率は例年30%前後で、医療事務を本格的に目指す人がキャリアアップの証として取得する上位資格です。主催は公益財団法人 日本医療保険事務協会で、医科と歯科に分かれています。
良い記載例
令和○年○月 診療報酬請求事務能力認定試験(医科) 合格
NG例
令和○年○月 診療報酬請求能力認定試験 取得
「事務」が抜けており、「取得」も誤り。正式名称を一字でも間違えると、事務書類の精度への不安につながる。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務資格のなかで最も認知度が高く、受験者数も多い資格です。「メディカルクラーク®」は合格者に付与される称号であり、資格名としては「医療事務技能審査試験」が正式名称です。医科と歯科に分かれているため、受験した区分を必ず明記します。主催は一般財団法人 日本医療教育財団です。
良い記載例
令和○年○月 医療事務技能審査試験(医科) 合格
NG例
令和○年○月 メディカルクラーク 取得
称号名を資格名として使っている。「医科」「歯科」の区分もなく情報が不正確。「取得」も誤り。
医療事務認定実務者®試験
受験資格に制限がなく、未経験から取得しやすい入門レベルの資格です。主催は全国医療福祉教育協会で、ニチイやソラストなどの通信講座を受講した方が多く受験しています。難易度は低めで、合格率は80%以上です。
良い記載例
令和○年○月 医療事務認定実務者試験 合格
医科医療事務管理士®技能認定試験
技能認定振興協会(JSMA)が主催する資格で、合格者には「医科 医療事務管理士®」の称号が与えられます。「医療事務管理士」という称号が広く知られていますが、履歴書には試験の正式名称で記載するのがルールです。
良い記載例
令和○年○月 医科医療事務管理士技能認定試験 合格
NG例
令和○年○月 医療事務管理士® 取得
称号名を試験名として書いており正確でない。「取得」も誤り。
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)
医師の事務作業を補佐する「医師事務作業補助者」向けの資格で、主催は一般財団法人 日本医療教育財団です。一般的な窓口業務やレセプト作成とは業務の性格が異なり、医師の指示の下で診断書や処方箋の補助作成を行う業務に直結します。医師事務作業補助の求人に応募する際は特にアピール力が高い資格です。
良い記載例
令和○年○月 医師事務作業補助技能認定試験 合格
複数の資格を持っているときの書き方と優先順位
医療事務の資格を複数取得している場合、記載する順番と選び方が採用結果に影響します。
医療事務関連資格を最初に記載する
資格欄に記載できるスペースが限られている場合でも、応募先の業務に直結する資格を最初に配置するのが基本です。医療事務職に応募するなら、医療事務関連の資格をMOSや英検・普通免許よりも前に記載します。
採用担当者は多数の履歴書を短時間で確認します。資格欄の先頭に「診療報酬請求事務能力認定試験(医科) 合格」と書いてあれば専門性が即座に伝わりますが、先頭がMOSや英検だった場合は「医療事務への本気度が弱い」という第一印象を持たれる可能性があります。
難易度が高い資格を先に並べる
同じ医療事務系の資格を複数持っている場合は、業界での評価が高い順(難易度が高い順)に並べると、スキルの高さが伝わりやすくなります。
| 推奨順位 | 資格名 | 難易度目安 |
|---|---|---|
| 1位 | 診療報酬請求事務能力認定試験 | 高(合格率約30%) |
| 2位 | 医科医療事務管理士®技能認定試験 | 中〜高(合格率50〜60%) |
| 3位 | 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®) | 中(合格率60〜70%) |
| 4位 | 医療事務認定実務者®試験 | 低〜中(合格率80%以上) |
医療法人やクリニックへの応募では、資格欄と合わせて志望動機・自己PRも重要な判断材料になります。医療業界固有の表記ルールも含めた履歴書全般の書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。
医療法人の履歴書の書き方も合わせて確認してください。

資格なし・勉強中の場合の書き方
医療事務の資格がない状態で応募する方も少なくありません。資格欄の書き方次第で採用担当者への印象は変わります。
資格がない場合——欄を空欄にしてはいけない
医療事務の資格がないからといって、資格欄を空白のまま提出するのは避けてください。採用担当者は空欄を「記入漏れ」と判断する可能性があります。医療事務と直接関係しなくても、持っている資格・免許はすべて記載するのが基本です。
- 普通自動車第一種運転免許(通勤・訪問系業務に対応できることを示せる)
- 日商簿記検定(数字処理の正確さのアピールになる)
- MOS(Microsoft Office スペシャリスト)(PC操作スキルの証明)
- 介護職員初任者研修 修了(医療・福祉の理解があることを示せる)
これらを記載した上で、志望動機や自己PRで「現在○○を勉強中」と補足すると、学習への意欲が具体的に伝わります。
資格取得見込みの正しい書き方
試験に向けて学習中の場合は、受験予定の資格を「合格見込み」として記載できます。ただし、確実に受験・合格できる見通しがある場合のみ記載してください。面接で「いつ受験予定ですか」「現在の進捗は」と聞かれた際に具体的に答えられる状態にしておくことが前提です。
良い記載例(取得見込み)
令和○年○月(予定) 医療事務技能審査試験(医科) 合格見込み
NG例
医療事務の勉強中
具体的な試験名・受験日程が書かれておらず、採用担当者には進捗が伝わらない。何の試験かも不明。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が気にする資格欄のNG例5つ
書き方の細かいミスで書類選考を通過できないのはもったいないことです。以下の5つのNGパターンを事前に確認しておいてください。
NG①:略称・通称だけで書く
「メディカルクラーク」「診療報酬検定」など、通称や略称のみで記載すると採用担当者が資格の種類を正確に判断できません。また、医療事務の資格は似た名称が多く、同じ略称で異なる資格を指しているケースもあります。必ず正式名称で記載してください。
NG②:「取得」と「合格」を混用する
「診療報酬請求事務能力認定試験 取得」のように、検定試験に「取得」を使うのは誤りです。資格の性質を正確に把握していないという印象を与えます。
NG③:主催団体名を省く
医療事務系の資格は名称が似ているものが複数あります。スペースが許す限り、主催団体名を添えることで採用担当者が資格の内容を正確に把握できます。特に面接担当者が医療事務に詳しくない場合(人事担当者が面接する場合など)は、主催団体名の記載が有効です。
NG④:医療事務と無関係な資格を先に書く
医療事務職への応募で、先頭に英検や普通自動車免許が来ている場合、医療事務としての専門性が伝わりにくくなります。応募先の業務に関連する資格は必ず先頭に配置してください。
NG⑤:資格欄を空欄のまま提出する
医療事務の資格がなくても、他の資格・免許があれば記載してください。完全に資格がない場合は「特になし」と記入し、欄を空白のまま提出することは避けます。「現在○○の取得に向けて学習中」と記載するだけで、前向きな姿勢が伝わります。
資格欄だけでは伝わらない——志望動機でのアピール方法
資格欄に書けるのは資格名と取得日だけです。「なぜその資格を取ったのか」「資格取得を通じて何を学んだか」は志望動機か自己PRで伝えることで、採用担当者に候補者の動機と専門性が初めて伝わります。
- 資格取得に至った動機:医療業界に興味を持ったきっかけ、取得を決めた理由
- 学習を通じて得た知識の具体例:レセプト作成の流れ、診療報酬点数の基礎知識など
- 入職後の活かし方:窓口対応からレセプト業務まで即日対応できることを示す
医療機関の志望動機には「貴院」「入職」など医療業界固有の表現ルールがあります。志望動機の書き方を詳しく確認したい方は以下の記事も参照してください。
医療法人の志望動機の書き方と例文で、未経験・経験者別の例文も確認できます。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 医療事務の資格は「合格」が基本(検定試験のため「取得」は誤り)
- 正式名称は略称・称号名ではなく試験の正式名称で記載する
- 主催団体名を添えると採用担当者が資格の内容を正確に把握できる
- 複数の資格は難易度の高い順・医療事務関連を先頭に配置する
- 資格がない場合は他の資格を記載し、志望動機で学習意欲を補足する
資格欄の正確な記載は、採用担当者に「この人は正確な書類処理ができる」という第一印象を与える最初の機会です。医療事務の正式名称を確認した上で、丁寧に記載してください。
医療事務の資格 履歴書の書き方に関するよくある質問
- 「メディカルクラーク」と「医療事務技能審査試験」はどちらを履歴書に書けばいいですか?
-
履歴書には「医療事務技能審査試験(医科)」と書くのが正解です。「メディカルクラーク®」は合格者に付与される称号であり、試験の正式名称ではありません。資格欄には必ず試験の正式名称を記載してください。
- 医療事務の資格がない場合、資格欄には何を書けばいいですか?
-
普通自動車免許・日商簿記・MOSなど、持っている資格はすべて記載してください。資格が一切ない場合は「特になし」と記入し、欄を空白のままにしないことが重要です。志望動機や自己PRで「現在○○を勉強中」と学習意欲を補足すると、採用担当者への印象が改善されます。
- 資格取得見込みはいつから書いていいですか?
-
受験日が決まっており、現在学習中で合格の見通しがある状態であれば記載できます。「令和○年○月(予定) 医療事務技能審査試験(医科) 合格見込み」のように記載し、面接で試験日程や学習状況を聞かれた際に具体的に答えられる準備をしておきましょう。受験申込みもしていない段階での記載は避けてください。
- 医療事務の資格は主催団体名まで書く必要がありますか?
-
必須ではありませんが、記載することをおすすめします。医療事務の資格は名称が似ているものが複数あり、主催団体名があることで採用担当者が資格の内容を正確に判断できます。スペースに余裕がある場合は「○○ 合格(主催:□□)」と記載するか、主催団体名を括弧内に添えてください。


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