この記事では、教員の履歴書 職歴欄の書き方を公立・私立・非常勤の別に、採用担当者の視点から解説します。「採用」か「入社」か、「退職」か「退社」か——用語の使い分けから担当教科や実績の数値化、よくあるNG例と改善方法まで例文付きで紹介します。
教員の履歴書 職歴欄は「用語の使い方」で差がつく
履歴書の職歴欄で教員がもっとも間違えやすいのは、雇用関係を示す動詞の選択です。民間企業への転職では「入社」「退社」が標準ですが、公立学校の教員は地方公務員であるため、「採用」「退職」と書かなければなりません。この使い分けを誤ると、採用担当者に「基本的な社会常識が身についていない」と判断される原因になります。
公立・私立・非常勤講師で用語が異なる理由
教員の雇用関係は勤務先によって法律上の位置づけが異なります。公立学校の正規教員は地方公務員法の適用を受ける地方公務員、私立学校の教員は学校法人との雇用契約を結ぶ一般労働者です。非常勤講師は雇用形態によってさらに細分化されます。以下の表で自分の雇用形態を確認してください。
| 雇用形態 | 雇用主 | 採用時の表記 | 退職時の表記 |
|---|---|---|---|
| 公立学校 正規教員 | 都道府県(市区町村)教育委員会 | 採用 | 退職 |
| 公立学校 臨時採用・非常勤 | 都道府県(市区町村)教育委員会 | 任用 | 任期満了により退任 |
| 私立学校 専任教諭 | 学校法人○○学園 | 入社 | 退社(または退職) |
| 塾・予備校 | 株式会社○○ | 入社 | 退社 |
雇用主の正式名称と記載方法
公立学校(教育委員会が雇用主)の場合
公立学校の教員は、各学校が雇用主になるのではなく、都道府県または市区町村の教育委員会が正式な雇用主です。職歴欄には「○○県教育委員会 採用」と記載し、その次の行に配置された学校名を書きます。採用試験を受けたのが都道府県の場合は「○○県教育委員会」、政令指定都市の場合は「○○市教育委員会」と書きます。
「○○小学校 入社」とだけ書いてしまうのは雇用関係の誤りです。採用担当者の立場から見ると、学校名を雇用主として書いてくる候補者は「公的機関の組織構造を理解していない」と受け取られかねません。書類の正確性を問われる前に、この点を必ず確認してください。
私立学校・学校法人の場合
私立学校では、雇用主は「学校法人○○学園」です。履歴書には「学校法人○○学園 入社」と記載し、次の行に「○○高等学校 勤務 英語科担当」のように学校名と担当を添えます。私立学校は法人名と学校名が異なる場合があるため、入職時の雇用契約書や源泉徴収票の差出人名で正式名称を確認してください。
塾・予備校の場合
塾や予備校は通常の民間企業です。「株式会社○○ 入社」「△△校 講師 英語・数学担当」と書きます。チェーン展開している塾では、本部の会社名を雇用主として記載し、勤務した校舎名はその次の行に添えるのが正確な書き方です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →担当教科・学年・指導実績をどう書くか
職歴欄に書ける情報は雇用関係だけではありません。採用担当者が次のステップで確認するのは「この人は何ができる教員なのか」という点です。担当教科・学年・クラス数・部活動などを職歴欄に添えることで、教員としての専門性と実績が伝わります。
採用担当者はここを見ている
- 担当教科と学年の記載があるか(中学・高校なら「国語科」「数学科」、小学校なら「学級担任・全教科」など)
- クラス数・生徒数など規模を示す数字があるか(「30〜35名×3クラス担当」など)
- 学年主任・学年リーダーなどのマネジメント経験が記載されているか
- 部活動や特別活動の指導実績と成果(地区大会出場・進学率向上など)が具体的に書かれているか
数値化できる実績はどう表現するか
教員経験は「授業をしていた」という事実だけでは採用担当者に伝わりません。転職先で役立つ能力として翻訳する必要があります。具体的な数値を使うのが最も効果的です。以下のような書き方を参考にしてください。
- 「担任として30名のクラスを運営(3年間)」
- 「学年主任として100名・4学級の進路指導を統括」
- 「吹奏楽部顧問として県大会金賞入賞を達成(在任中3回)」
- 「ICT活用授業の校内研修を企画・運営(参加者約50名)」
数字が一切ない職歴欄は印象が薄くなります。担当クラス数・生徒数・在職期間・受け持った学年数など、覚えている数値を積極的に活用してください。
公立教員の職歴の書き方と例文
採用から在職中の基本パターン
最も多いケースである、1校目で採用されて現在も在職している(または退職した)公立教員のパターンです。
良い例文(公立・正規採用)
20○○年 4月 ○○県教育委員会 採用
○○県立△△高等学校 赴任
国語科担当(1〜3年生、各2クラス 計6クラス)、学級担任
20○○年 3月 一身上の都合により退職
「○○高等学校 入社」「○○高校 就職」などと書いてしまう誤りが多く見られます。公立学校の場合、雇用主は学校ではなく教育委員会です。学校名は「赴任」で表現するのが正確な書き方です。
人事異動(複数校勤務)があった場合
公立教員は数年ごとに人事異動があります。異動の都度、学校名と着任の事実を記載します。「採用」と「退職」は最初と最後の1回だけ書けばよく、途中の異動は「転任」と表記するのが一般的です。
良い例文(複数校・人事異動あり)
20○○年 4月 ○○市教育委員会 採用
○○市立△△中学校 赴任
理科担当(1〜3年生)、部活動顧問(科学部・生徒20名)
20○○年 4月 ○○市立□□中学校に転任
理科・技術担当(1〜3年生 各2クラス)、学年主任
20○○年 3月 一身上の都合により退職
異動の多い教員は「短期で辞めたのでは?」と誤解される心配があります。「○○年に転任」と書いておけば、自発的な離職ではなく行政の都合による異動だと採用担当者に正確に伝わります。公務員の職歴書き方について詳しくは、公務員の職歴 履歴書の書き方も参考にしてください。

私立学校・塾講師の職歴の書き方と例文
私立学校(学校法人)の場合
私立学校の専任教諭は、学校法人との雇用契約を結ぶ労働者です。採用・退職の用語は一般企業と同じく「入社」「退社(または退職)」を使います。職歴欄では学校法人名を雇用主として先に書き、学校名は次の行に添えます。
良い例文(私立学校・専任教諭)
20○○年 4月 学校法人△△学園 入社
△△高等学校 英語科専任教諭
(高1〜高3 英語・英語表現担当、計6クラス)
20○○年 4月 進路指導部主任 兼務
20○○年 3月 一身上の都合により退社
「△△高等学校 入社」と書いてしまう人がいますが、正確には「学校法人○○学園 入社」が雇用関係を示す記載です。学校名はその次の行で「○○高等学校 勤務(または着任)」と表現します。
塾・予備校の場合
塾や予備校は民間企業であるため、在籍中に担当した生徒数・コマ数など数字を盛り込むのが効果的です。主任講師や担当エリアの拡大など、役職・業務範囲の変化があれば積極的に記載してください。
良い例文(塾・予備校)
20○○年 4月 株式会社○○教育 入社
○○学習塾 △△校 配属
中学生向け数学・英語担当(週20コマ、在籍生徒30〜40名)
20○○年 10月 △△校 主任講師 就任
20○○年 3月 一身上の都合により退社
非常勤講師・臨時採用教員の職歴の書き方
非常勤講師や臨時採用教員の職歴は、正規教員よりも記載のルールが複雑です。自分の雇用形態がどれに当たるかを確認してから記載してください。非常勤勤務の経験がある方は、履歴書 非常勤の書き方も合わせて参照してください。

非常勤講師が複数校をかけ持ちした場合
非常勤講師として複数の学校を担当した場合、すべての学校を記載するのが原則です。かけ持ち期間が重複する場合は、担当校を並べて書き「同時期担当」と添えると採用担当者が状況を把握しやすくなります。
良い例文(非常勤講師・複数校かけ持ち)
20○○年 4月 ○○県教育委員会 非常勤講師として任用
○○県立△△高等学校(英語 週8コマ)
○○県立□□高等学校(英語 週6コマ) 同時期担当
20○○年 3月 任期満了により退任
会計年度任用職員・臨時採用教員の書き方
会計年度任用職員や臨時的任用教員は、年度単位で雇用契約を更新する地方公務員です。「任用」「任期満了により退任」が正式な表現で、「入社」「退社」は使いません。複数年度にわたって更新している場合は、最初の任用年月と現在(または退任)の年月を記載し、「年度更新・継続」と補足するとわかりやすくなります。
良い例文(会計年度任用職員)
20○○年 4月 ○○市教育委員会 会計年度任用職員(学習支援員)として任用
○○市立△△小学校 勤務
3〜6年生の算数・理科の授業補助(年度更新により20○○年3月まで継続)
20○○年 3月 任期満了により退任
会計年度任用職員や臨時採用としての勤務経験の書き方は、会計年度任用職員の履歴書の書き方と臨時職員の履歴書の書き方と記入例でより詳しく解説しています。


採用担当者が通過させたくなる職歴欄の仕上げ方
用語を正確に書くことは最低条件です。採用担当者が「この人に会ってみたい」と思う職歴欄には、もう一段階の工夫があります。
教員経験を「転職先でも活かせる言葉」に変える
教員からの転職で最もよく見られる壁は、「教員経験は教育現場でしか使えない」と思われるリスクです。職歴欄でこの誤解を払拭するために、教員の仕事をビジネス語に置き換える視点が必要です。
- 授業 → プレゼンテーション・研修の設計と実施
- 学級経営 → チームビルディング・メンバーマネジメント
- 保護者面談 → ステークホルダーとの関係構築・交渉
- 進路指導 → 個別面談の設計・キャリア支援
- 学校行事の企画・運営 → イベント企画・プロジェクトマネジメント
職歴欄にすべてを書く必要はありません。「この経験は応募先でも活かせる」と採用担当者が想像できる記述を1〜2カ所入れるだけで、書類の印象は大きく変わります。詳細な実績アピールは職務経歴書に譲り、職歴欄には「概要と数字」に絞って記載してください。
よくあるNG例と改善例
NG例
20○○年 4月 ○○小学校 入社
20○○年 3月 退社
改善例
20○○年 4月 ○○市教育委員会 採用
○○市立△△小学校 赴任
3〜4年生学級担任(各30名)、道徳科・特別活動を中心に担当
PTA役員との連携・通学路安全点検プロジェクトに参画
20○○年 3月 一身上の都合により退職
NGの例には致命的なミスが3つあります。公立教員なのに「入社」「退社」を使っている点、雇用主が学校名になっている点、担当内容と実績がゼロで採用担当者に何も伝わらない点です。改善例では雇用主・用語・担当内容・数字・実績をすべて盛り込んでいます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
教員の履歴書 職歴欄で押さえるべきポイントを整理します。
- 公立教員は「採用・退職」、私立・塾は「入社・退社(退職)」、非常勤は「任用・任期満了により退任」を使う
- 雇用主は「教育委員会」または「学校法人名」。学校名は赴任先として次の行に記載する
- 担当教科・学年・クラス数・生徒数などを数字で添えると採用担当者の目に止まりやすくなる
- 人事異動があった場合は「転任」と表記し、自主的な離職との区別を明確にする
- 教員経験をビジネス語に言い換えた記述を1〜2カ所入れると、転職先での活躍を採用担当者が想像しやすくなる
教員の履歴書 職歴書き方に関するよくある質問
- 教員免許は職歴欄に書くべきですか?
-
教員免許は職歴欄ではなく「免許・資格」欄に記載します。正式名称は「小学校教諭一種免許状」「中学校教諭一種免許状(○○)」のように書きます。職歴欄には担当教科・学年など勤務実態を記載し、免許の情報は資格欄に分けて書くことで採用担当者が情報を整理しやすくなります。
- 育休・産休を取得した場合、職歴欄にどう書けばよいですか?
-
育休・産休は記載してもしなくても構いませんが、取得した場合は「育児休業取得(○年○月〜○年○月)」と書いておくと在職期間中の空白に見られる心配がなくなります。公立教員の場合は「育児休業取得 復帰後△△小学校に転任」のように復帰後の動向も添えるとより明確です。
- 民間企業に転職する場合、職歴欄は手書きとパソコンどちらが良いですか?
-
どちらでも問題ありませんが、民間企業への転職ではパソコン作成の履歴書が一般的です。採用担当者が読みやすく、誤字の修正もしやすいためミスの少ない書類を提出できます。IT系・ベンチャー系の企業ではパソコン作成が標準です。応募先の社風に合わせて判断してください。
- 非常勤講師の期間が1学期のみと短い場合、職歴欄に書くべきですか?
-
原則としてすべての職歴を記載するのが正確な履歴書です。1学期程度の短期であっても、担当した教科・学年・生徒数を添えれば実績として機能します。在職期間が短い場合、採用担当者から理由を聞かれる可能性があります。任期満了・契約終了であれば「任期満了により退任」と明記しておくことで、早期退職との誤解を防げます。


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