この記事では、職務経歴書のパソコン作成方法と、PCスキル欄の書き方を採用担当者の視点から解説します。Word・Excelの基本設定やPDF化の手順に加え、「Wordが使えます」だけでは採用担当者に響かない理由、初級〜上級のレベル別・職種別PCスキル例文まで紹介します。
職務経歴書はパソコン作成が基本
採用担当者が1日に確認する応募書類の数は、企業規模によって数十〜数百件に及ぶことがあります。職務経歴書はパソコン作成が転職市場の標準であり、採用担当者が前提として期待しているケースがほとんどです。
手書きとパソコン、採用担当者の本音
「手書きの方が熱意が伝わる」という話を耳にすることがありますが、職務経歴書については当てはまりません。採用担当者が確認するのは文字の丁寧さより内容の中身です。読みにくい文字や修正テープの跡が目立つと、内容を読む前に書類の印象が下がります。
採用担当者はここを見ている
- 書類全体の読みやすさ(レイアウトの整理・フォントの統一)
- 経歴・スキルが一目で把握できる構成になっているか
- PDF送付の場合、相手の環境でレイアウトが崩れていないか
- 修正テープ・二重線などの手書き修正が入っていないか
手書きが許容されるのは、採用側が明示的に「手書きで」と指定している場合だけです。特に指定がなければパソコン作成で提出するのがマナーです。
パソコン作成を選ぶ5つの理由
- 修正が容易:書き間違いをすぐに直せる。誤字修正のテープ痕が残らない
- 見た目を整えやすい:フォント・行間・余白を揃えることで読みやすさが大幅に向上する
- 再利用できる:テンプレートとして保存しておけば、応募先ごとにカスタマイズできる
- メール添付に対応:PDF化すれば、オンライン応募でも紙と同様の形式で提出できる
- ページ調整がしやすい:1枚に収めるか2枚にするかを段階的に調整できる
パソコンで職務経歴書を作るときの設定の正解
パソコンで職務経歴書を作成する際、どのソフトを使うか・フォントをどう設定するかを把握しておかないと、採用担当者の手元でレイアウトが崩れて届く可能性があります。基本設定を押さえておきましょう。
使うソフトはWordが無難
職務経歴書作成でよく使われるソフトはMicrosoft Word・Excel・Googleドキュメントの3種類です。それぞれの特徴と注意点を比較しました。
| ソフト | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| Microsoft Word | 文書作成に特化しており、採用担当者も受け取りやすい形式 | バージョンの差でレイアウトが崩れることがある。PDF化を推奨 |
| Microsoft Excel | 表・数字の整理がしやすく、スキル一覧を見やすく配置できる | 印刷設定が複雑になりがち。行・列の固定に注意 |
| Googleドキュメント | 無料で使える。クラウド保存・共有が便利 | フォントの互換性に注意。提出前のPDF変換が必須 |
メール添付で送る場合は必ずPDF形式に変換してから送付してください。Word・Excelのまま送ると、相手の環境によってフォントや改行が崩れることがあります。
作成の手間を省きたい場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用する方法もあります。AIが入力内容をもとに書類を生成するため、構成に迷う時間を大幅に短縮できます。

フォント・文字サイズ・余白の設定
「とりあえずパソコンで打った」だけの書類と、フォントや余白を正しく設定した書類では、採用担当者が受ける印象に差が出ます。以下の設定を基本として押さえてください。
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4縦(1〜2枚が目安) |
| フォント(本文) | 明朝体(游明朝・ヒラギノ明朝が定番) |
| フォント(見出し) | ゴシック体でも可。本文と統一感を持たせること |
| 文字サイズ(本文) | 10.5〜11pt |
| 文字サイズ(標題) | 14〜16ptで「職務経歴書」と明記 |
| 余白 | 上下左右25〜30mm |
| 行間 | 1.2〜1.5倍。詰めすぎると読みにくい |
フォント選びは職務経歴書と履歴書で共通のルールがあります。なぜ明朝体が採用書類の基本とされるのかは以下の記事で詳しく解説しています。

また、手書きとPC作成でフォントの選び方がどう変わるかは、書体の選び方の記事も参考にしてください。PC作成時のNGフォントと、採用担当者が印象を下げると判断するポイントもまとめています。

提出前にPDF化する理由
WordやExcelで作成した書類をそのままメールに添付するのは避けましょう。PDF化することで次の3つの問題を防げます。
- 相手のパソコン環境でフォントが置き換わり、文字化けやレイアウト崩れが起こる
- Wordのコメント・変更履歴が残っていると相手にそのまま見えてしまう
- 「このファイルを信頼しますか」という警告が表示され、開封が後回しにされる場合がある
WordからPDFへの変換は「名前を付けて保存」→「PDFまたはXPS」を選択するだけです。MacのPreviewやGoogleドキュメントからも同様の手順で変換できます。
職務経歴書のパソコンスキル欄の書き方
職務経歴書の「スキル欄」や「活かせる能力欄」に記載するPCスキルは、多くの応募者が書き方を誤っています。「WordとExcelが使えます」だけでは採用担当者に何も伝わっていません。その理由と、採用担当者に響く正しい書き方を解説します。
職務経歴書全体の構成や項目の書き方については、職務経歴書の書き方の基本解説もあわせて確認してください。書類で落とされる人が見落としている共通の問題点を採用担当者視点で解説しています。

PCスキルはどの欄に書く?
職務経歴書の構成は企業から特に指定がない限り自由ですが、一般的なフォーマットにはPCスキルを記載する場所が2か所あります。
- 「スキル・能力」欄:職務経歴書の末尾付近に設けることが多い。PCスキルのほか、語学・資格も一緒に記載する
- 「職務内容」欄の末尾:各職務ごとに、その仕事で使ったPCスキルを付記する方法。職種との関連性が明確になる
ITエンジニアやデザイン職など、PCスキルが選考の主な判断材料になる職種では「スキルシート」として独立させるケースもあります。
採用担当者がPCスキル欄で確認していること
採用担当者がPCスキル欄を確認するとき、「使ったことがあるソフト名の一覧」を見ているわけではありません。
採用担当者はここを見ている
- 業務でどのレベルまで使えるか(「ピボットテーブルが使える」「マクロが組める」など)
- 志望職種に必要なスキルが含まれているか
- 「使えます」だけでなく、実際の業務との結びつきが示されているか
「Excelが使えます」と書くのと「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブルを使った売上集計)を日常業務で使用」と書くのでは、採用担当者が受け取る情報量がまったく異なります。後者は具体的な業務イメージが湧くため、選考の判断材料になります。
NG例
「WordとExcelが使えます」
「使えます」の羅列は採用担当者にとって情報ゼロと同じです。何をどこまで使えるのかが不明で、判断できません。
良い例
Word(議事録・報告書作成)、Excel(VLOOKUP・ピボットテーブルを使った売上管理・グラフ作成)、PowerPoint(社内プレゼン資料20枚程度の作成経験)
レベル別|PCスキルの書き方と例文
自分のPCスキルのレベルに合った書き方を選ぶことで、採用担当者に正確なスキルセットを伝えられます。初級レベルでも正直に書いて問題ありません。大切なのは「使えます」で終わらせず、業務との関連性を示すことです。
初級レベル(日常業務での基本操作)
メール作成・文書の入力・簡単な表の作成ができるレベルです。PC作業が主業務でない職種(接客・現場作業など)でも、このレベルを正確に記載することで採用担当者に安心感を与えられます。
初級レベルの例文
Word(文書・報告書の作成・編集)、Excel(データ入力・基本的な関数を使った集計)、メール(Outlookによる日常業務のやりとり)
初級であることを隠す必要はありません。応募先が求めるスキルに対して過大に申告した場合、入社後にギャップが生まれるのは本人にとっても大きなリスクです。
中級レベル(関数・集計・プレゼン資料作成)
ExcelのVLOOKUPやピボットテーブルを使いこなせる、PowerPointで資料を一から作成できる、といったレベルです。事務職・営業職・管理職への転職では、このレベルから採用担当者の評価が明確に変わります。
中級レベルの例文
Excel(VLOOKUP・COUNTIF・ピボットテーブルを活用した月次売上集計・在庫管理)、PowerPoint(経営会議向けプレゼン資料30枚程度の作成経験)、Word(社内規程・契約書類のフォーマット作成)
上級レベル(マクロ・VBA・専門ツール)
ExcelマクロやVBAで自動化処理ができる、Adobe製品を使ったデザイン業務経験がある、といったレベルです。IT職・経理職・クリエイター職では書類選考の大きな差別化ポイントになります。専門ツールを使っている場合は、ツール名・用途・使用期間まで記載することが採用担当者に伝わる書き方の基本です。
上級レベルの例文
Excel(マクロ・VBAによる業務自動化処理、約200行のコード作成実績)、Access(売上管理DBの構築・運用)、PowerBI(社内KPIダッシュボードの作成)
職種別|職務経歴書のPCスキルの書き方例文
PCスキルの書き方は、志望職種によって優先するソフトや強調すべきスキルが変わります。採用担当者は「この職種に必要なスキルが揃っているか」を見ているため、職種に合わせた表現を選ぶことが重要です。
事務・総務・経理
文書作成・表計算・メール管理が主なPC業務です。採用担当者は「即戦力として通常業務に入れるか」を確認しています。Excelのスキルは具体的な関数名まで書くことが評価につながります。会計ソフトの経験がある場合は積極的に記載してください。
事務・総務・経理の例文
Word(各種議事録・業務マニュアルの作成)、Excel(VLOOKUP・SUMIF・ピボットテーブルを使った経費集計・月次報告書作成)、Outlook(社内外メール・スケジュール管理)、弥生会計(日常入力・月次試算表の作成補助)
営業・販売
提案資料の作成・顧客管理・実績報告がメインです。PowerPointでの資料作成スキルと、SalesforceなどCRM系ツールの経験があれば積極的に記載しましょう。「プレゼン資料の規模感(枚数)」を添えることで、業務の具体像が採用担当者に伝わります。
営業・販売の例文
PowerPoint(顧客向け提案書・サービス紹介資料の作成、20〜30枚規模)、Excel(顧客データ管理・訪問実績の集計)、Salesforce(リード管理・商談進捗の入力・レポート作成)
IT・エンジニア・クリエイティブ
専門ツールの種類・バージョン・使用年数まで具体的に記載することが求められます。「Photoshopが使えます」より「Photoshop CC(画像加工・バナー制作・5年間使用)」の方が採用担当者に伝わります。プログラミング言語・フレームワークがある場合は、言語ごとに経験年数と使用用途を明記しましょう。
ITエンジニア・デザイナーの例文
【開発環境】VSCode、Git/GitHub、Docker(3年使用)
【言語・フレームワーク】Python(Webスクレイピング・データ分析)、JavaScript(React)
【デザインツール】Adobe Photoshop CC・Illustrator CC(Webバナー・LP制作・5年使用)、Figma(UIデザイン・プロトタイプ作成)
PCスキルをアピールできる資格
PCスキルを客観的に証明したい場合は、資格取得が有効です。特にスキルの自己評価が難しいと感じる方や、未経験職種に転職する方には、資格が選考の根拠になります。
| 資格名 | 対象スキル | 向いている職種 |
|---|---|---|
| MOS(Microsoft Office Specialist) | Word・Excel・PowerPoint各ソフトの操作 | 事務・営業・管理職全般 |
| ITパスポート | IT基礎知識・セキュリティ・ネットワーク | IT業界への転職・IT部門のある企業 |
| 基本情報技術者試験 | プログラミング・システム開発の基礎 | ITエンジニア・SE志望 |
| 日商PC検定(文書作成・データ活用) | Word・Excelの実務スキル | 事務・総務・経理 |
| Googleアナリティクス認定資格 | Webアクセス解析・マーケティングデータ | Webマーケター・EC・広告運用 |
資格は取得日を必ず記載してください。「MOS Word 2019取得(2024年3月)」のように、ソフトのバージョンと取得年月まで明記することで、スキルの現役性を示せます。
まとめ
- 職務経歴書はパソコン作成が基本。採用担当者は読みやすさと内容で判断している
- 使うソフトはWordが無難。メール送付の場合は必ずPDF形式に変換して送付する
- フォントは明朝体・文字サイズ10.5〜11pt・余白25〜30mmが基本設定
- PCスキル欄は「使えます」だけで終わらせず、業務での使用内容を具体的に書く
- 初級レベルでも正直に書いて問題なし。過大申告は入社後のミスマッチにつながる
- 資格(MOS・ITパスポート等)があれば、スキルを客観的に証明できる
書類選考は採用担当者が短時間で判断します。PCスキルを「どう書くか」ひとつで、書類の印象が大きく変わります。完成した書類の内容に不安がある場合は、採用のプロによる添削サービスを活用する方法もあります。
有料の職務経歴書添削サービスでは、採用担当者経験者や転職エージェントの担当者が書類を確認します。書き方の方向性に迷っているなら、プロの目を入れることで選考通過率を高める近道になります。

また、書き方そのものより書く時間が確保できない場合は、職務経歴書の代行サービスを活用する選択肢もあります。転職エージェントのサポートを使えば無料で書類作成の支援を受けられます。

職務経歴書のパソコン作成に関するよくある質問
- 職務経歴書を作成するのに適したソフトはどれですか?
-
Microsoft Wordが最も一般的で、採用担当者も受け取りやすい形式です。ExcelやGoogleドキュメントでも作成できますが、送付前には必ずPDF形式に変換してください。フォントや改行が相手の環境で崩れるトラブルを防げます。
- パソコンスキルが初級レベルでも職務経歴書に書いていいですか?
-
はい、初級レベルでも記載して問題ありません。「WordとExcelが使えます」の一言で終わらせるのではなく、「Word(議事録・報告書作成)、Excel(データ入力・基本的な集計)」のように業務内容と合わせて具体的に書くことで、採用担当者に伝わる記載になります。
- PCスキルの欄に書く内容がわからない場合はどうすればいいですか?
-
日常業務で使っていたソフトを洗い出し、「何のために使っていたか」を一言添えるだけで十分です。メール・Excel・Wordはほぼすべての職種で記載できます。専門ツール(会計ソフト・CRM・デザインツール)を使っていた場合は積極的に追記してください。スキルに不安がある場合は、MOSなどの資格取得を検討するのも有効な選択肢です。
- 職務経歴書のフォントは何ポイントにすればいいですか?
-
本文は10.5〜11ptが標準です。標題(「職務経歴書」の文字)は14〜16ptで大きめに設定すると視認性が上がります。見出しは太字にするか12〜13ptにするとメリハリが出ます。余白は上下左右25〜30mmを確保してください。


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