この記事では、Webデザイナーの職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。職務要約・スキル欄・職務経歴詳細の例文付きで紹介するほか、ポートフォリオとの使い分け方、よくあるNGと改善例、未経験からの転職向けの書き方まで網羅しています。
Webデザイナーの職務経歴書が採用選考を左右する理由
Webデザイナーの採用選考では、ポートフォリオが評価の中心になると思いがちです。しかし採用担当者の立場では、ポートフォリオとは別に、職務経歴書が重要な判断材料になります。ポートフォリオは「デザインの質とセンス」を示す資料です。対して職務経歴書は「どのような規模・役割でビジネスに貢献してきたか」を伝える書類で、この2つは目的がまったく異なります。
ポートフォリオがあっても職務経歴書が必要なわけ
採用担当者がポートフォリオを確認するのは、書類選考を通過させると判断した後のことが多いです。つまり、職務経歴書でまず「会ってみたい」と思わせなければ、どれだけ優れた作品を持っていてもポートフォリオを見てもらえません。
| 職務経歴書 | ポートフォリオ | |
|---|---|---|
| 伝えること | 経験・役割・成果・スキルレベル | デザインの質・センス |
| 判断タイミング | 書類選考の段階(最初) | 面接前〜面接時 |
| 形式 | 文字中心のビジネス書類 | 作品集・ビジュアル |
| 採用担当者の見方 | 30秒でスキャン | じっくり確認 |
採用担当者が最初の30秒で確認する3か所
採用担当者が職務経歴書を読む時間は、1件あたり平均30秒程度と言われています。この30秒で「面接に呼ぶかどうか」を判断する際、無意識に3か所をスキャンしています。
採用担当者はここを見ている
- 職務要約(冒頭3〜5行):専門領域・経験年数・コーディング対応可否が書かれているか
- スキル・ツール欄:使用ツールのレベルと経験年数が明記されているか
- 職務経歴詳細:プロジェクト規模と成果の数値が読み取れるか
Webデザイナーの職務経歴書の基本構成と各項目の書き方
職務経歴書は「職務要約」「職務経歴詳細」「スキル・ツール欄」「自己PR」の4つの構成が基本です。それぞれの書き方と、採用担当者に通過させたくなる例文をセットで紹介します。
職務要約の書き方
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く200〜300文字の文章で、採用担当者が最初に読む箇所です。ここに盛り込むべき情報は3つです。
- 専門領域と経験年数(コーポレートサイト?ECサイト?何年担当?)
- 使用ツールと対応範囲(デザインのみ?コーディングまで対応可能?)
- 代表的な成果(数値で示せるものを1つ)
良い例文
Web制作会社にて5年間、コーポレートサイトおよびECサイトのUIデザインを担当しました。Figmaを主軸に、クライアントヒアリングからビジュアルデザインの納品まで一貫して担当しています。HTML/CSSのコーディングにも対応可能で、デザインと実装の両面から提案できます。担当サイトの直帰率を平均15%改善した実績があります。
NG例
Webデザイナーとして長年働いてきました。デザインが好きで、さまざまな案件に携わりました。PhotoshopやIllustratorが使えます。クライアントの要望に応じて柔軟に対応してきました。
経験年数・プロジェクト規模・成果・コーディング対応の有無がすべて不明です。「さまざまな」「柔軟に」という表現は、採用担当者には何も伝わりません。
職務経歴詳細の書き方(プロジェクト別記載)
職務経歴詳細は、在籍企業ごとにまとめ、担当したプロジェクトをプロジェクト別に記載します。1案件につき必ず以下の4要素を揃えることで、採用担当者がスキャンしやすい構成になります。
- プロジェクト概要と規模(コーポレートサイト?月間PVはどれくらいの規模?)
- 自分の役割(UIデザイン全般?コーディングも担当?ディレクション含む?)
- 使用ツール(Figma・Photoshop・Adobe XD等)
- 成果または貢献(数値・クライアント評価・社内指標の改善等)
良い例文
【在籍会社】株式会社○○(Web制作会社) 2019年4月〜2024年3月
事業内容:Webサイト制作・UI/UXデザイン
【主要案件①】ECサイトUIリニューアル(月間PV 50万〜200万規模)
担当:UIデザイン全般・Figmaでのワイヤーフレーム〜ビジュアルデザイン・コーダーへの仕様共有
成果:カート移行率12%改善、直帰率を平均15%削減(SPレイアウト最適化による)
【主要案件②】中小企業コーポレートサイト新規制作(15社以上担当)
担当:ヒアリング〜サイトマップ設計〜ビジュアルデザイン〜HTML/CSS実装
スキル・ツール欄の書き方
ツール名を並べるだけのスキル欄は、採用担当者に「どの程度使えるのか」が伝わりません。ツール名にレベルや経験年数を必ずセットで記載することが重要です。
| ジャンル | ツール・スキル | レベル・経験年数 |
|---|---|---|
| デザイン | Figma | 業務使用3年(ワイヤーフレーム〜ビジュアルデザイン対応) |
| デザイン | Photoshop / Illustrator | 業務使用5年(バナー・LP・バナーバリエーション制作) |
| コーディング | HTML / CSS | 基本的な実装対応可(コーダーへの仕様共有含む) |
| コーディング | JavaScript | 簡単なDOM操作レベル |
| その他 | Adobe XD | クライアント提案資料の作成まで使用経験あり |
自己PRの書き方
自己PRで「デザインが好き」という感情だけを書いても、採用担当者の評価は変わりません。採用担当者が知りたいのは「どういう課題をどうデザインで解決してきたか」という思考プロセスと、チームや職場でどう動ける人材かです。
良い例文
ユーザーの行動データを読み、デザインの仮説を立てて検証するサイクルを一貫して意識してきました。ECサイトのリニューアルでは、ヒートマップ分析でユーザーが離脱しているポイントを特定し、CTAボタンの配置とサイズを変更した結果、カート移行率を12%改善しました。「見た目を整える」だけでなく、数値が動くデザインを意識して業務に取り組んでいます。コーダーとの仕様共有も積極的に担当し、デザインと実装の齟齬が起きにくい進め方を心がけています。
数値がなくても成果を伝えるWebデザイナー職務経歴書の書き方
担当した制作物のPVデータや転換率データを持っていない場合でも、成果を伝える方法があります。採用担当者は「数値がない=成果がない」とは判断しません。数値がない状態でも評価される代替表現があります。
採用担当者が評価する「数値なし」の成果表現
- 「クライアントから追加発注をいただいた」(継続依頼は品質の証明)
- 「社内デザインレビューで修正なし・1回承認で通過した」(質の高さの証明)
- 「リニューアル後、問い合わせ件数が増えたとクライアントから報告があった」(定性的な成果)
- 「担当デザインが社内の優秀事例として紹介された」(外部評価)
数値がゼロということはほぼありません。制作の過程を振り返ることで言語化できる実績が必ず見つかります。職務経歴書の作成に行き詰まった場合は、自動作成ツールで骨格を作ってから肉付けする方法も有効です。

状況別・Webデザイナーの職務経歴書の書き方と例文
未経験・スクール卒業者の書き方
前職でWebデザインの実務経験がない場合でも、職務経歴書で評価される書き方があります。採用担当者が未経験者に求めるのは、完成したデザインスキルよりも「仕事への取り組み方」と「学習の本気度」です。
- スクールや独学での制作実績を職務経歴に含める(スクール制作物・卒業制作も可)
- 前職のビジネス経験とWebデザインへの転身理由を明確に記載する
- ポートフォリオのURLを必ず記載し、制作物で実力を補完する
良い例文(未経験者の職務要約)
前職ではEC系販売スタッフとして3年間、商品のポップ作成や店舗ディスプレイのレイアウトを担当しました。顧客の動線を意識したレイアウト設計に興味を持ちWebデザインの学習を開始し、Figma・HTML/CSSを6か月継続して習得しました。スクールの卒業制作として架空のECサイト(ポートフォリオ掲載)を制作し、商品詳細ページのUI設計を担当した経験があります。前職の接客経験から、ユーザー目線でのデザイン提案を強みにしたいと考えています。
フリーランス経験者が正社員転職する場合
フリーランスや副業として案件を受けてきた経歴は、正社員転職の職務経歴書に記載できます。クライアントワークの実績は、企業採用においても有効なアピール材料になります。
採用担当者はここを見ている
- 案件の規模感を明記する(個人ブログ1ページ〜法人サイト複数ページ等)
- クライアント名が非公開の場合は「Webメディア運営企業(非公開)」と記載可
- 案件数・対応期間・主要担当領域を職務経歴詳細に含める
- 「全工程を一人で担当」「ヒアリングから納品まで対応」など、正社員との違いを明記する
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NG①:スキルを羅列するだけで成果がない
最も多いNGが、使用ツールを箇条書きで並べるだけのスキル欄です。採用担当者がスキル欄で知りたいのは「何ができるか」ではなく「何をどのレベルでできるか」です。
NG例
・Photoshop
・Illustrator
・Figma
・HTML/CSS
習熟度・経験年数・どんな業務に使えるかが一切わかりません。採用担当者はスキルを見ても判断できず、流し読みで終わります。
良い例文
・Figma:業務使用3年、ワイヤーフレームからビジュアルデザインまで対応
・Photoshop / Illustrator:業務使用5年、バナー・ランディングページ制作
・HTML / CSS:基本的な実装対応可(コーダーへの仕様共有含む)
NG②:プロジェクト規模・役割が不明
「Webサイトのデザインを担当しました」という記述は、採用担当者にほぼ何も伝わりません。担当したのがバナー1枚なのか、大規模ECサイトのUIリニューアルなのかで、評価は大きく異なります。
NG例
様々なWebサイトのデザインを担当。クライアントの要望に合わせて柔軟に対応しました。
規模・役割・担当範囲がまったく不明です。「様々な」「柔軟に」は情報ゼロに等しい表現です。
良い例文
ECサイトUIリニューアル(月間PV 100万規模)のUIデザインを一人で担当。Figmaでワイヤーフレームから最終デザインまで作成し、コーダーへの仕様共有まで対応しました。
NG③:ポートフォリオURLを記載していない
職務経歴書にポートフォリオのURLが記載されていない場合、採用担当者は「作品を確認するために連絡しなければならない」という手間を感じます。Webデザイナーの職務経歴書には、必ずポートフォリオのURLを明記してください。
採用担当者はここを見ている
- URLはスキル欄・自己PR欄・職務要約のいずれか1か所に必ず記載する
- URLにアクセスした際にすぐ確認できる形式にする(パスワードロック・表示速度が遅いサービスは避ける)
- 書類送付前に、URLが正しくアクセスできるか必ず確認する
職務経歴書の書き方に迷った場合や、一度プロに添削してもらいたい場合は、転職エージェントを活用する方法もあります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者が職務経歴書を読む時間は30秒程度。職務要約で専門領域・成果・コーディング対応の有無を先出しする
- スキル欄はツール名だけでなく「レベル・経験年数・どんな業務に使えるか」をセットで記載する
- 職務経歴詳細はプロジェクト別に「担当業務・規模・役割・成果」の4要素を揃える
- 数値がない場合は「定性的な成果・継続依頼・評価」の代替表現で補完できる
- ポートフォリオのURLを必ず職務経歴書に記載し、職務経歴書と連動させる
Webデザイナーの職務経歴書で差がつくのは、ツールの豊富さでも経験年数の長さでもありません。採用担当者が読んで「この人の仕事の解像度が高い」と感じられる記述が、書類選考を通過する職務経歴書を作ります。
Webデザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- Webデザイナーの職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
経験年数3年未満であれば1〜2枚、3年以上であれば2〜3枚を目安にしてください。枚数を合わせることより、「採用担当者が30秒でスキャンして必要な情報が取れるか」を優先して設計することが重要です。情報を詰め込みすぎず、プロジェクト別に整理された読みやすいレイアウトを心がけてください。
- 未経験でもポートフォリオがあれば職務経歴書は簡単でいいですか?
-
いいえ。採用担当者が書類選考でポートフォリオを確認するのは、職務経歴書で通過を判断した後が多いです。未経験の場合こそ、スクール制作の経緯・前職のビジネス経験・学習の本気度を職務経歴書で丁寧に伝えることが選考通過の鍵になります。ポートフォリオを読んでもらうためにも、職務経歴書の完成度を高めることが先決です。
- フリーランス・副業案件の経歴は職務経歴書に書けますか?
-
書けます。クライアントワークがある場合は職務経歴詳細に含め、案件の概要・担当業務・成果を記載してください。クライアント名が非公開の場合は「Webメディア運営会社(非公開)」のように記載できます。案件数・対応期間・使用ツールも明記し、実際の成果物はポートフォリオへのURLで補完するのが効果的です。


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