海外営業の職務経歴書は、担当市場・実績数値・語学力の3点を明示した完成サンプルをベースに書くと、選考通過率が上がります。この記事では商社・メーカー実績者版、駐在なし出張型版、未経験からのキャリアチェンジ版という3パターンの完成サンプルを掲載し、採用担当者が実際に確認しているポイントもあわせて解説します。
【完成例】海外営業の職務経歴書サンプル|商社・メーカー実績者版
結論:担当市場・実績数値・語学力を冒頭に集約する
海外営業は同じ肩書きでも会社によって業務の中身が大きく異なる職種です。採用担当者がまず知りたいのは、担当していた地域・商材・顧客タイプ、実績の数値、語学力の実務レベルの3点であり、この3点を職務要約の冒頭に集約するだけで書類の伝わり方は大きく変わります。
以下は、そのまま骨組みとして使える完成サンプルです。自分の経験に置き換えてご活用ください。書式に迷う場合は営業の職務経歴書テンプレートに沿って項目を埋めると、抜け漏れを防げます。
完成サンプル全文(商社・メーカー実績者版)
職務経歴書サンプル
職務要約
精密部品メーカーにて、東南アジア・欧州向けの海外営業を6年間担当。現地代理店の新規開拓から既存代理店の育成まで一貫して経験し、担当売上を3年間で1.6倍に拡大した実績があります。英語での価格交渉・技術プレゼンが可能で、TOEIC810点を保有。
職務経歴
株式会社〇〇(20XX年4月〜現在) 海外営業部 海外営業担当
- 東南アジア(タイ・ベトナム・インドネシア)および欧州(ドイツ・フランス)向け精密部品の営業活動
- 現地代理店8社の新規開拓および既存代理店の関係構築・育成
- 価格交渉、貿易条件(FOB/CIF)の調整、信用状(L/C)ベースの決済対応
- 年6回程度の海外出張による現地商談・展示会出展
実績
- 担当エリアの売上を3年間で1.6倍(前年比124%を3年連続で達成)
- 新規代理店3社の開拓(着任から2年間)
- 既存顧客からの追加受注を年間320万円分獲得
活かせる知識・スキル
貿易実務全般(貿易条件・L/C決済・輸出入書類作成)/英語でのビジネス交渉・技術プレゼンテーション(TOEIC810点)/Excelを使った売上分析・実績管理
資格
TOEIC Listening & Reading Test 810点(20XX年X月取得)/普通自動車第一種運転免許
自己PR
現地代理店との信頼関係構築を通じて、担当エリアの売上を継続的に伸ばしてきました。価格交渉の場面では、本社の意向と現地の商習慣の両方を踏まえた着地点を探ることを意識しています。貴社でもこれまでの経験を活かし、新規市場の開拓に貢献したいと考えております。
採用担当者はここを見ている
採用担当者はここを見ている
- 職務要約の冒頭2〜3行だけで、担当市場・実績・語学力の全体像がつかめるか
- 実績が売上額だけでなく達成率や順位など相対値でも示されているか
- 自己PRが職務経歴の実績と結びついた具体的な内容になっているか
【状況別サンプル】駐在経験なし(出張・国内対応型)の完成例
海外営業といえば現地駐在のイメージが強いため、出張ベースや国内対応型の経験しかないと不利に感じる方は少なくありません。採用担当者が見ているのは駐在の有無ではなく、海外顧客との折衝を実際にどう動かしたかという実務の中身です。
完成サンプル(出張・国内対応型)
職務要約
産業機械メーカーの国内営業部にて、海外顧客からの引き合い対応と価格交渉を3年間担当。駐在経験はないが、年4回のアジア圏出張(タイ・ベトナム)で技術者に同行し現地商談を実施。英語でのメール対応・見積作成を週次で行い、担当顧客からの追加受注率を32%から48%に改善。
職務経歴
株式会社〇〇(20XX年4月〜現在) 国内営業部 海外顧客担当
- 海外顧客(主にアジア圏)からの引き合い対応、見積作成、価格交渉
- 技術者の海外出張(年4回・タイ/ベトナム)に同行し、現地商談・技術説明を補助
- 英語でのメール対応・議事録作成(週20件程度)
自己PR
駐在経験はありませんが、限られた出張機会の中でも現地担当者と直接顔を合わせ、信頼関係を築くことを意識してきました。国内にいながら英語でのやり取りを日常的に行ってきた経験を、貴社の海外営業業務でも活かしたいと考えております。
NG例
海外営業として、海外顧客とのやり取りを担当していました。駐在経験はありませんが、英語力を活かして貢献していきたいと考えています。駐在の有無を断り書きのように添えるだけでは、何をどこまで担当していたかが伝わりません。
【状況別サンプル】未経験・異業種から海外営業を目指す場合の完成例
海外営業の実務経験がなくても、語学力・異文化対応力・国内での折衝実績を組み合わせれば応募は可能です。採用担当者は実務経験の有無だけでなく、海外業務に対応できるポテンシャルを見ています。
完成サンプル(国内営業→海外営業 キャリアチェンジ版)
職務要約
国内メーカーの法人営業を4年間担当し、大手製造業向けの新規開拓・既存フォローを経験。TOEIC750点を保有し、直近1年は海外部門のサポートとして英語メールでの問い合わせ対応を担当。大学在学中に半年間の留学経験あり。
職務経歴
株式会社〇〇(20XX年4月〜現在) 法人営業部
- 国内大手製造業向けの新規開拓・既存顧客フォロー
- 直近1年は海外部門のサポート業務として、海外顧客からの問い合わせに英語メールで一次対応
実績
法人営業として3年連続で個人予算を達成/海外部門サポートで月平均15件の英語メール対応を実施
自己PR
国内営業で培った価格交渉力と、大学在学中の留学経験を、海外営業の業務に応用したいと考えています。現在もTOEICのスコアアップに向けて学習を継続しており、直近の目標は800点台です。
異業種からの転向でも、これまでの経験をどう「翻訳」して伝えるかが通過の鍵になります。

採用担当者が海外営業の職務経歴書で最初に確認する3つのポイント
採用担当者は海外営業の応募書類を受け取ったとき、まず担当市場・実績数値・語学力の3点を確認します。この3点が揃っているかどうかで、書類を読み進めるかどうかが決まります。
| 項目 | 記載内容 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験年数・担当市場・代表実績 | 3行程度で全体像が伝わるか |
| 担当業務 | 地域・顧客タイプ・商談スタイル | 業務範囲が具体的か |
| 実績 | 数値つきの成果 | 目標や前年との比較があるか |
| 語学力 | TOEIC・実務使用実績 | 即戦力レベルが判断できるか |
実績を数値で伝える書き方|為替や現地事情でも数値化できる
海外営業の実績は、現地通貨や為替変動の影響で正確な金額を出しにくいことがあります。ただし絶対値が難しい場合でも、達成率や伸長率、行動量であれば数値化できます。
| 数値の種類 | 記載例 |
|---|---|
| 達成率・伸長率 | 現地通貨ベースの売上を前年比124%に拡大 |
| 規模感 | 担当代理店8社の管理、年間出張6回 |
| スピード | 新規市場(フィリピン)着任から初受注まで6ヶ月 |
| 行動量 | 月間商談12件、英語メール対応 週20件程度 |
NG例
担当エリアの売上拡大に貢献しました。
良い例文
現地通貨ベースで担当エリアの売上を前年比124%に拡大し、新規代理店3社の契約を獲得しました(着任から2年間)。
語学力・TOEICの正しい書き方
語学力の記載が曖昧だと、採用担当者は実務での使用シーンを判断できません。TOEICスコアに加え、商談・メール・プレゼンなど実務での使用実績を組み合わせて記載してください。
| TOEICスコア | 評価目安 | 記載例 |
|---|---|---|
| 〜699点 | 限定的な英語使用が可能 | 英語:読み書きレベル(TOEIC 650点)。英語メールでの問い合わせ対応経験あり |
| 700〜799点 | ビジネスメール・電話対応が可能 | 英語:ビジネスレベル(TOEIC 760点)。商談議事録の作成・顧客メール対応が可能 |
| 800点以上 | 交渉・プレゼンテーションが可能 | 英語:ネゴシエーションレベル(TOEIC 820点)。価格交渉・技術プレゼンを英語で実施 |
NG例
英語:日常会話可
良い例文
英語:商談・価格交渉・プレゼンテーションが可能(TOEIC 820点)。中国語:現地工場スタッフとの品質確認で使用経験あり(HSK4級)

採用担当者が落とすNG例と改善パターン|貿易実務の専門用語
海外営業の職務経歴書では、貿易実務の専門用語や略語をそのまま書いてしまうケースが目立ちます。業界外の人事担当者が最初の選考を担当する場合、意味が伝わらなければ評価のしようがありません。
NG例
FOB・CIF条件での価格交渉、L/C対応が主な業務です。
良い例文
出荷条件(FOB:本船渡し/CIF:運賃保険料込み)の選定から価格交渉、信用状(L/C)ベースの決済対応まで貿易実務全般を担当しました。
略語の意味を括弧書きで補うだけで、業界外の読み手にも業務内容が伝わるようになります。貿易事務の視点からさらに具体例を知りたい方は、あわせてご覧ください。

履歴書もあわせて準備する場合は、職歴の記載内容を職務経歴書と揃えておくと面接時の食い違いを防げます。転職用の履歴書テンプレートを使うと、職歴欄の項目を職務経歴書と同じ形で整理できます。提出先から様式の指定がない場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを選ぶと、どの企業に提出しても違和感がありません。
まとめ
- 職務要約の冒頭に担当市場・実績数値・語学力の3点を集約すると伝わりやすい
- 駐在経験がなくても、出張頻度や商談での役割を具体的に書けば評価は下がらない
- 未経験・異業種からでも、語学力と国内での折衝実績を組み合わせれば応募できる
- 実績は絶対値だけでなく達成率や伸長率でも数値化できる
- 貿易実務用語は業界外の人事担当者にも伝わる表現に変換する
書類は面接に進めるかどうかを決める最初の判断材料です。自分の状況に近い完成サンプルを土台に、担当市場・実績・語学力の3点を具体的な言葉に置き換えてみてください。
海外営業の職務経歴書サンプルに関するよくある質問
- 海外営業のサンプルはそのままコピーして提出してもいいですか?
-
骨組みとしての利用はおすすめですが、そのままの提出は避けてください。担当地域・商材・実績の数字を自分の経験に置き換えることで、初めて説得力のある書類になります。文章表現だけを流用すると、面接での質問に答えられなくなるリスクがあります。
- 駐在経験がなくても書類選考は通りますか?
-
通ります。採用担当者が確認しているのは駐在の有無ではなく、海外顧客との折衝を実際にどう進めていたかという実務の中身です。出張頻度や商談での役割、対応言語を具体的に記載してください。
- 未経験から海外営業に応募する場合、どのサンプルを参考にすればいいですか?
-
異業種・国内営業からのキャリアチェンジ版サンプルを参考にしてください。実務経験がなくても、語学力・国内での折衝実績・留学経験などを組み合わせて、海外業務に対応できるポテンシャルを伝えることが重要です。
- 実績の数値を正確に覚えていない場合はどうすればいいですか?
-
概算でも問題ありません。給与明細のインセンティブ額や社内資料、当時のスケジュールから逆算し、「約」を付けて記載してください。面接で説明できる根拠を持っておくことが前提になります。

