グラフィックデザイナーの職務経歴書は、経験年数・デザイン領域・制作実績を数値で職務要約にまとめ、良い例文を土台に自分の経歴へ置き換えるのが正解です。ポートフォリオがあるから文章は簡潔でいい、と考えている方ほど書類選考で見落とされがちです。この記事では、採用担当者が最初の30秒で確認しているポイントと、通過率を上げる職務要約・実績・スキルの書き方を例文つきで解説します。
グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方と例文【結論】
結論|書類選考を通過させる3つのポイント
グラフィックデザイナーの職務経歴書で書類選考を通過させるには、次の3点を押さえてください。
書類選考を通過させる3つのポイント
- 職務要約に「経験年数・デザイン領域・制作規模」を300文字以内で凝縮する
- 職務経歴は「何を作ったか」ではなく「どの規模でどのスピードで作れるか」を数値で示す
- スキル欄はソフト名だけでなく習熟度・用途を1行添える
この3点は、採用担当者がポートフォリオを開く前に職務経歴書だけで「採用して大丈夫か」を判断するための材料です。以下、それぞれの書き方を例文つきで見ていきます。
職務要約の例文(良い例・NG例)
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く3〜5文程度の紹介文です。採用担当者はここを最初に読むため、この数行が書類選考の第一印象を決定づけます。盛り込むべき情報は次の4つです。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 経験年数とデザイン領域 | グラフィックデザイン業務に○年従事、広告・パッケージデザインを専門とする |
| 主な制作物のジャンル | チラシ・フライヤー・パッケージ・Webバナー・展示会ブース用ツール |
| 規模感と実績の概要 | 年間○本以上の制作対応、大手食品メーカー・アパレルブランドの案件経験あり |
| 応募先への一言 | 今後はブランドの世界観構築に長期的に携わる仕事を希望 |
良い例文
グラフィックデザイナーとして6年間、主に広告・パッケージデザインを担当してまいりました。食品・アパレル・化粧品メーカーを中心に年間120本以上の制作に携わり、Illustrator・Photoshopを使ったゼロベースの制作から印刷入稿まで一貫して対応しています。前職では社内デザイナー3名のリード役を担い、クライアントとの直接折衝にも対応してきました。貴社では培ったブランド設計の視点を活かし、より長期的な視野でのクリエイティブ戦略に携わりたいと考えています。
NG例
グラフィックデザイナーとして6年間働いてきました。Illustrator・Photoshop・InDesignを使用できます。さまざまなデザイン業務に携わり、幅広い経験を積んできました。「幅広い経験」「さまざまな業務」は採用担当者には何も伝わりません。制作ジャンル・規模・本数の具体情報がなければ実務レベルを判断できず、選考を先に進めにくくなります。
職務要約の型が決まったら、経歴を時系列で書く「職務経歴」欄に進みます。ゼロから組み立てるのが不安な場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを土台に、ここまでのポイントを当てはめていく方法もあります。
職務経歴(業務内容・実績)の例文
職務経歴欄には、在籍した会社ごとに担当した業務内容・制作物・実績を具体的に記載します。「制作本数」「納期遵守」「リピート率」などの数値を1〜2個添えるだけで説得力が変わります。
良い例文(職務経歴欄)
【株式会社○○ デザイン部 グラフィックデザイナー 2019年4月〜2024年12月】
食品・飲料・アパレルメーカー向けの広告・パッケージデザインを担当。Illustratorを使用したゼロベースの制作から印刷入稿まで一貫対応。月平均18本の制作を担当し、緊急対応案件を含む全件で納期遅延ゼロを維持。2022年よりデザイナー3名のリード役を担い、ディレクターとのブリーフィング同席・修正方向の意思決定も担当。担当クライアントのリピート受注率は92%。
この書き方の背景にある「採用担当者がどこを見ているか」を理解すると、他のセクションもぶれずに書けるようになります。作成をサポートするツールを使い、フォーマットに迷わず効率よく仕上げる方法も選択肢のひとつです。

採用担当者はポートフォリオより先に職務経歴書のどこを見ているのか
採用担当者がグラフィックデザイナーの書類を確認するとき、ポートフォリオと職務経歴書はそれぞれ異なる役割を担っています。この違いを理解しないまま書くと、どちらも「中途半端」な書類になってしまいます。
職務経歴書とポートフォリオの役割分担
採用担当者がグラフィックデザイナーを評価するとき、まず「この人を採用して大丈夫か」を職務経歴書で判断し、「どんなデザインができるか」をポートフォリオで確認します。この2段階の確認において、前者をパスしなければ後者を開いてもらえません。
| 書類 | 証明すること | 採用担当者が確認する内容 |
|---|---|---|
| 職務経歴書 | 「採用して大丈夫か」 | 実務年数・制作規模・チームでの役割・数値実績・ツール習熟度 |
| ポートフォリオ | 「どのレベルで作れるか」 | デザインの質・スタイル・表現の幅・案件ジャンルの広さ |
ポートフォリオを開く前に、採用担当者は必ず職務経歴書を確認します。ここで「実務レベルが把握できない」と判断された場合、ポートフォリオを確認してもらえないまま選考が終わることもあります。職務経歴書の役割は「ポートフォリオを見てもらうための通行証」だと理解してください。
採用担当者が最初の30秒で確認する3つのポイント
採用担当者は1日に数十件〜数百件の書類を確認します。最初の30秒で次の3点が伝わらなければ、詳細を読んでもらえない可能性があります。
採用担当者が最初の30秒で確認すること
- どのデザイン領域(広告・パッケージ・Web・印刷物など)で何年経験があるか
- 主な制作物の種類・規模・本数が具体的に記載されているか
- Adobe CCなどの使用ソフトと習熟度が明示されているか
実績を「作った物」ではなく数値で語る7つの切り口
「何を作ったか」だけでは落ちる理由
職務経歴欄に「チラシ・ポスター・バナーのデザインを担当」とだけ書いた場合、採用担当者には次のことが一切伝わりません。
- 1ヶ月に何本の制作を担当していたか(業務量・スピード感)
- 1人で完結していたか、複数人チームだったか(役割・自律性)
- クライアントとのやり取りを直接担っていたか(コミュニケーション力)
- その制作物は何人規模のターゲットに届いたか(インパクトの大きさ)
採用担当者が知りたいのは「作った物の名前」ではなく、「この人を採用したら、どんな規模の仕事をどのスピードでこなせるか」です。制作物の名前だけを並べた職務経歴書は、実力があってもポートフォリオを開いてもらう前に選考が終わってしまうリスクを持っています。
実績を数値で示す7つの切り口
「数値実績がない」と感じている方でも、切り口を変えれば必ず数字を出せます。以下の7つの切り口から、自分の経験に当てはまるものを選んで記載してください。
| 切り口 | 記載例 |
|---|---|
| 制作本数 | 月平均15本の制作物を担当 |
| 案件規模 | 全国500店舗展開チェーンの販促物を一手に担当 |
| 納期遵守 | 緊急対応含む月30件以上のリクエストに対して納期遅延ゼロ |
| リピート率 | 担当クライアントのリピート受注率90%以上を維持 |
| チーム規模 | デザイナー5名チームのリードとしてディレクションを担当 |
| 初稿承認率 | 初稿承認率が平均70%(社内平均50%) |
| 配布・閲覧数 | 作成したフライヤーが全国○万枚配布 |
すべての項目を埋める必要はありません。自分の経験に当てはまる2〜3項目を選び、職務経歴欄に組み込むだけで説得力が大きく変わります。
スキル・使用ツールの書き方
スキル欄は採用担当者が「即戦力かどうか」を素早く判断するために必ず確認するセクションです。ここで差をつけられる候補者と、そうでない候補者の違いは書き方の一工夫だけです。
ソフト名を並べるだけではNG
「Illustrator / Photoshop / InDesign」とだけ書いた場合、採用担当者には次のことが伝わりません。
- どのレベルまで使えるのか(業務レベルか独学レベルかの違い)
- 印刷用途かWeb用途か(カラープロファイル・解像度の知識の有無)
- バージョンはどの世代か(古いバージョン前提だと入稿トラブルになることがある)
習熟度と用途を1行添えるだけで、採用担当者の見え方が大きく変わります。スキル欄は「使えるかどうか」ではなく「どこまで使えるか」を伝える場所です。
グラフィックデザイナーのスキル一覧記載例
スキル欄の記載例
| ツール・スキル | 習熟度・用途 |
|---|---|
| Adobe Illustrator CC 2024 | 業務レベル(印刷入稿・アウトライン化・特色設定まで対応) |
| Adobe Photoshop CC 2024 | 業務レベル(写真補正・合成・Web用書き出し) |
| Adobe InDesign CC 2024 | 中級レベル(カタログ・冊子の組版・EPUB書き出し) |
| Adobe Premiere Pro | 基礎レベル(SNS動画広告の簡易編集) |
| Figma | 基礎〜中級(Webバナー・UIデザイン素材作成) |
| 色彩検定2級 | 取得済み(配色・カラーマネジメントの基礎知識) |
自己PRの書き方|デザインセンスを書かなくていい理由
職務経歴書の自己PR欄で「デザインへの情熱」や「センスの良さ」をアピールする方が多いですが、採用担当者の視点からするとこれは優先度の低い情報です。理由を理解することが、自己PRの質を引き上げるはじめの一歩になります。
職務経歴書の自己PRで本当に伝えるべきこと
採用担当者が自己PR欄で確認したいのは「この人が入社したら、どう組織に貢献できるか」です。デザインセンスの高さはポートフォリオで判断するため、自己PR欄で「センスがあります」と書いても採点対象になりません。
採用担当者が自己PRに求めていること
- 締め切りやタスク管理への姿勢(納期厳守・マルチタスク対応力)
- クライアントや社内メンバーとのコミュニケーション方法
- フィードバックへの対応力・修正対応のスピード
- 新しいツールや表現手法への学習姿勢
「なぜデザインが好きか」ではなく、「自分の仕事の進め方がチームにどう貢献できるか」を具体的なエピソードで書くことが自己PRの本質です。
自己PRの例文(良い例・NG例)
良い例文
ディレクターとのブリーフィング段階から「何を伝えたいか」の解像度を上げることを意識しており、初稿承認率は社内平均比1.4倍を維持しています。月30件以上のリクエストが重なる繁忙期にも納期遅延をゼロに抑えたことで、複数のクライアントから継続依頼をいただきました。次のステップでは、クライアントとの初回ブリーフィングから参加できる環境で、ブランドの長期的なコンセプト設計に携わりたいと考えています。
NG例
デザインが大好きで、常に新しいトレンドを取り入れることを心がけています。細部へのこだわりと高いデザインセンスが強みです。「デザインが大好き」「センスが高い」は自己評価であり、採用担当者には検証できません。センスの判断はポートフォリオに委ねてください。職務経歴書の自己PRには、数字や具体的なエピソードを添えることが必要です。
自己PR欄の内容は、転職エージェントに添削を依頼することで客観的なフィードバックを得られます。第三者に見てもらう方法も検討する価値があります。

状況別:こんなときの職務経歴書の書き方
グラフィックデザイナーとして転職活動をする場合、経歴の特殊な事情によって書き方の工夫が求められることがあります。よくある2つのケースをまとめます。
転職回数が複数回ある場合
転職回数の多さそのものよりも、採用担当者が気にするのは「なぜ短期で辞めたのか」と「継続的に成長できる人材か」の2点です。
- 職歴の羅列ではなく「成長の文脈」で整理する:各職場でスキルや経験がどう積み上がったかを職務要約で説明する
- 1年未満の在籍には「何を得たか」を必ず添える:短期在籍を隠すのではなく、その期間に習得したスキルや担当した案件を具体的に記す
- 志向の一貫性を示す:業種や会社が変わっても「グラフィックデザイン」という軸が一貫していることを職務要約の冒頭で示す
アルバイトから制作補助として経験を積み、正社員デザイナーへとキャリアを移してきた場合は、アルバイト用の職務経歴書テンプレートの書式も参考にしながら、経験の積み上げ方を整理してください。複数社の経歴がある場合は、それぞれの在籍期間で得たスキルを一貫した軸で説明できるように整理しておくと安心です。

フリーランス・業務委託経験がある場合
フリーランスや業務委託での経験は、職務経歴書に正式に記載できます。ただし書き方を誤ると「実績があるように見えない」または「雇用実態が不明瞭」と判断されるリスクがあります。
フリーランス経験の記載ポイント
- 「フリーランス(グラフィックデザイナー)」と明記し、個人事業として活動していたことを示す(隠す必要はない)
- 主なクライアントの業種・案件規模・担当本数を記載する(守秘義務がある場合は「食品メーカー系クライアント多数」など業種のみの記載でも問題ない)
- 請求・スケジュール管理・クライアントとの直接折衝を自分で行っていた場合は、自己管理力・折衝力として明記する
フリーランス期間中の制作実績は、ポートフォリオとセットで提示すると説得力が増します。派遣契約に近い形で働いていた場合は派遣の職務経歴書テンプレートの記載順も参考になります。職務経歴書に記載した案件と、ポートフォリオに掲載した作品が対応するように整理しておくと、採用担当者が確認しやすくなります。
まとめ
グラフィックデザイナーの職務経歴書では、ポートフォリオへの依存を避け、採用担当者が「採用して大丈夫か」を職務経歴書だけで判断できるだけの情報量を盛り込んでください。
- 職務要約:経験年数・デザイン領域・制作規模・ツールを300文字以内で凝縮する
- 職務経歴:「何を作ったか」ではなく「どの規模でどのスピードで作れるか」を数値で示す
- スキル欄:ソフト名だけでなく習熟度・用途を1行添える
- 自己PR:デザインセンスではなく「仕事の進め方がチームに貢献できること」をエピソードで示す
職務経歴書と一緒に提出する履歴書のフォーマットに迷う場合は、転職用の履歴書テンプレートもあわせて活用すると、書類全体の準備を効率よく進められます。
グラフィックデザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- グラフィックデザイナーの職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
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経験年数にもよりますが、1〜2枚が一般的です。経験3年未満であれば1枚、それ以上の場合でも2枚以内にまとめることを目安にしてください。ページ数を増やすより、1〜2枚の中に読み応えのある具体情報を凝縮することを優先してください。
- ポートフォリオがあれば職務経歴書は簡潔でよいですか?
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ポートフォリオがあっても職務経歴書を簡略化するのは避けてください。採用担当者はポートフォリオを開く前に職務経歴書で「実務経験の規模・役割・スキル」を確認します。職務経歴書が薄いと「実績が少ない候補者」と判断され、ポートフォリオを確認してもらえない場合があります。
- フリーランス期間の実績は職務経歴書に書けますか?
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書けます。「フリーランス(グラフィックデザイナー)20XX年XX月〜20XX年XX月」と明記した上で、主なクライアント業種・制作物の種類・担当本数を記載してください。守秘義務のある案件は業種のみの記載でも問題ありません。
- 使えるソフトはすべて書いた方がよいですか?
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業務で使用したことのあるソフトのみ記載することをおすすめします。「少し触ったことがある」レベルのツールを記載すると、採用後のスキルミスマッチにつながる場合があります。記載する場合は「基礎レベル(独学)」などの補足を添えて正確に伝えてください。
- 職務経歴書に写真は必要ですか?
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職務経歴書に写真欄はありません。写真が必要なのは履歴書のみです。ただし応募先から特定のフォーマット指定がある場合は、そのフォーマットに従ってください。

