派遣のスキルシートは、基本的には派遣会社の担当者が作成し、あなたは経歴やスキルの情報を伝えるだけで完成します。ただしIT・エンジニア系の常駐案件では自分で作成を求められることもあります。この記事では職務経歴書との違い、記入項目、職種別の記入例を、コーディネーター視点でまとめます。
スキルシートは自分で書く?派遣会社が作る?書き方の結論
結論:基本は派遣会社が作成、IT・エンジニア系は自分で用意するケースも
一般事務や軽作業などの派遣登録では、面談時に伝えた経歴や得意なOAスキルをもとに、営業担当やコーディネーターがスキルシートを作成するのが一般的です。求職者側で一から書式を用意する必要はありません。
一方、IT・エンジニア職の派遣(客先常駐型のSES案件など)では、案件ごとに求められる技術要件が細かく、求職者自身が使用言語・開発環境・担当フェーズを整理したスキルシートを用意し、そのまま提出用フォーマットとして使う流れが多くなっています。どちらのケースでも、内容の正確さは選考結果を左右します。
採用担当者はここを見ている
- 派遣会社作成のケースでも、面談時の申告内容とスキルシートの記載が食い違っていないか
- 自分で作成するケースでは、経験年数と担当業務の粒度が案件要件と合っているか
- 直近の稼働状況(即日〜/要調整)が明記されているか
【職種別】スキルシートの記入例
職種によって重視される項目が異なるため、事務・オフィスワーク系とIT・エンジニア系の2パターンで記入例を紹介します。
事務・オフィスワークの場合
良い例文
【OAスキル】Word・Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル可)、PowerPoint/【業務経験】受発注処理・請求書発行・電話応対(月平均300件のデータ入力を正確に対応)/【就業可能日】即日〜週5日フルタイム可
NG例
【OAスキル】パソコン得意/【業務経験】一般事務。「得意」「一般事務」だけでは対応できる業務範囲が伝わらず、コーディネーターが派遣先に提案しづらくなります。
事務職の記入項目をより詳しく整理したい場合は、事務の職務経歴書テンプレートの項目立ても参考にしてください。
IT・エンジニアの場合
良い例文
【言語・環境】Java、Spring Boot、MySQL/【担当工程】要件定義〜結合テスト(EC系Webアプリの機能追加をリーダー補佐として担当)/【経験年数】3年/【就業可能日】1ヶ月後〜
NG例
【言語・環境】Java、Python、PHP、Ruby、Go/【担当工程】一通り経験あり。扱える技術を並べるだけで担当フェーズや実務レベルが不明だと、案件要件との照合ができません。
スキルシートと職務経歴書の違い
スキルシートと職務経歴書は、どちらも経歴をまとめた書類ですが、記載できる情報の範囲と提出先が異なります。混同して同じ内容を出すと、選考で不利になることがあります。
個人情報の扱いが違う(特定行為の禁止)
労働者派遣法第26条では、派遣先企業が派遣労働者を事前に特定する行為(面接の実施や履歴書の送付要求など)が禁止されています。スキルシートに技術・技能の水準(資格や経験年数など)を記載して派遣元から派遣先へ送ること自体は問題ありませんが、氏名・会社名・顔写真など個人を特定できる情報は原則として記載しません。
NG例
「〇〇株式会社にて△△業務を担当」のように前職の社名をそのまま書くと、経歴の組み合わせから個人が特定される可能性があります。社名は「同業界の中堅メーカー」のように抽象化して記載します。
提出先・見る人が違う
| 項目 | スキルシート | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 派遣・客先常駐の案件マッチング | 転職(正社員・契約社員)の選考 |
| 見る人 | 派遣先の現場担当者・コーディネーター | 応募先の採用担当者 |
| 個人情報 | 氏名・社名は原則伏せる | 氏名・社名を記載する |
| 内容の中心 | 技術スタック・対応可能業務 | 社会人としてのキャリアの軌跡 |
スキルシートとあわせて派遣用の職務経歴書を準備する場合は、派遣の職務経歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。未経験に近い方が経験の書き方に迷う場合は、下記の記事も参考になります。

スキルシートに書く項目一覧
職種によって多少項目は変わりますが、基本となる記載項目は共通しています。派遣会社から作成用のヒアリングシートを渡された場合も、この項目を意識しておくと回答がスムーズです。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 業務経歴の概要 | 担当してきた業務内容・役割を時系列でまとめたもの |
| OAスキル・使用ツール | Word/Excel/PowerPointの習熟度、業務システムの使用経験 |
| 専門スキル・開発環境 | IT系なら使用言語・フレームワーク・担当工程 |
| 保有資格 | 業務に関連する資格。取得予定も記載可 |
| 自己PR・対応可能業務 | 強みと、対応できる業務範囲の要約 |
| 就業可能日・希望条件 | 稼働開始時期、勤務時間・曜日の希望 |
コーディネーターは項目が埋まっているかどうかより、「自己PR・対応可能業務」欄の具体性を優先して確認します。空欄が多くても、この欄だけは必ず埋めてください。
経理職の派遣を希望する場合は、経理の職務経歴書テンプレートの項目立てもスキルシート作成の参考になります。
コーディネーター・派遣先担当者が見ているポイント
スキルシートは、派遣先企業が受け入れを判断する一次情報です。コーディネーターはこの内容をもとに案件を提案するため、書き方ひとつで紹介される案件の幅が変わります。
採用担当者はここを見ている
- 数値化された実績があるか(処理件数・担当人数・売上比率など)
- 担当した業務の中での役割(担当者なのかリーダー補佐なのか)が明記されているか
- 資格やスキルの記載が、実務経験の裏付けとセットになっているか
- 直近のブランクや稼働条件について、正直に記載されているか
資格やスキルを並べるだけでは、コーディネーターも派遣先へどう推薦すればよいか判断できません。「何を」「どの程度の規模で」「どんな役割で」担当したかまで書くことで、はじめて案件とのマッチングが具体的に進みます。
スキルに自信がない人・未経験に近い人のスキルシートの書き方
専門スキルや資格が少ない場合でも、スキルシートを空欄のまま提出する必要はありません。これまでの業務で培った対応力を、具体的な行動として書き出すことで内容は埋まります。
- 専門資格がない場合は、Word・Excelの操作レベル(関数の使用可否など)を具体的に書く
- 実務経験が短い場合は、対応できた業務量や期間を数字で添える
- 未経験の分野は「対応可能」ではなく「学習中」「対応意欲あり」と正直に書く
- ブランクがある場合は、期間中に取り組んだこと(資格学習など)を一言添える
派遣就業が複数社にわたり、経歴の整理に迷う方は派遣が多い場合の履歴書の書き方で職歴のまとめ方を確認しておくと、スキルシートの経歴欄も整理しやすくなります。

エンジニア職で技術スキルの見せ方に迷う場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートの項目構成もあわせて確認してください。自己PRの書き方で悩む場合は下記の記事も役立ちます。

まとめ
- スキルシートは基本的に派遣会社が作成するが、IT・エンジニア系は自分で用意するケースもある
- 職務経歴書と違い、氏名や社名など個人が特定される情報は原則記載しない
- 記入項目は業務経歴・OAスキル・専門スキル・資格・自己PR・就業条件が基本
- 数値化した実績と担当した役割まで書くことで、案件とのマッチング精度が上がる
スキルシートは、コーディネーターがあなたを派遣先に紹介するための材料です。担当業務を数字と役割で具体的に書き、事務職・IT職それぞれの記入例を参考に整理してみてください。
スキルシートと派遣に関するよくある質問
- スキルシートは必ず自分で作成しないといけませんか?
-
いいえ。一般事務や軽作業などの派遣登録では、面談で伝えた内容をもとに派遣会社の担当者が作成するのが一般的です。IT・エンジニア職の常駐案件では自分で用意するケースが多くなりますが、必須かどうかは登録先の派遣会社に確認してください。
- スキルシートに前職の会社名を書いてもいいですか?
-
労働者派遣法の特定行為の禁止に関わるため、社名は伏せて「同業界の中堅メーカー」のように抽象化して記載するのが基本です。社名の記載可否に迷う場合は、派遣会社の担当者に確認すると確実です。
- スキルシートと職務経歴書は両方とも用意する必要がありますか?
-
派遣登録の場面ではスキルシートのみで足りることが多いですが、正社員採用への応募を並行している場合は、氏名・社名を含めた職務経歴書も別途用意しておくと、応募先が変わっても対応しやすくなります。
- 専門資格がなくてもスキルシートは通りますか?
-
資格の有無だけで判断されるわけではありません。Word・Excelの操作レベルや対応できた業務量を具体的に書くことで、実務対応力は十分伝わります。未経験分野は「学習中」「対応意欲あり」と正直に書くことも大切です。

