ワーホリ帰国後の履歴書は、職歴欄に「渡航」と「帰国」を1行ずつ書き、期間を空白にしないのが基本です。1年間が空欄のままだと、採用担当者は「何をしていたのか」を確かめようがありません。退職して渡航した人・卒業後すぐ渡航した人それぞれの記載例と、現地アルバイトを職歴にできる条件、自己PR・資格欄の書き方までまとめました。
ワーホリ帰国後の履歴書の書き方【結論と記載例】
結論:職歴欄に「渡航」と「帰国」を1行ずつ書く
ワーホリの書き方は、法律や公的な様式で決まっているわけではありません。そのうえで迷ったときは、職歴欄の時系列の中に「ワーキング・ホリデー制度を利用し〇〇へ渡航」「帰国」の2行を入れる書き方を選んでください。
ワーホリは学校への入学でも企業への就職でもないため、学歴欄には書けません。一方で職歴欄から完全に外すと、退職から帰国後までの期間が説明のない空白になります。渡航と帰国の事実を職歴欄に書いておけば、採用担当者は期間の理由をひと目で把握できます。
- 渡航した年月:「ワーキング・ホリデー制度を利用しオーストラリアへ渡航」と国名まで書く
- 現地での活動:渡航行のすぐ下に1行で補足する(勤務先の業種や語学学校の在籍期間など)
- 帰国した年月:「帰国」とだけ書く。理由の説明は自己PRや面接に回す
退職してワーホリに行った場合の記載例
社会人経験のある方が退職して渡航したケースです。前職の退職行と渡航行の年月がつながっているため、空白期間がないことが一目で伝わります。
良い書き方(退職後に渡航した場合)
職歴
2021年 4月 株式会社〇〇 入社
営業部にて法人営業を担当
2023年 3月 一身上の都合により退職
2023年 4月 ワーキング・ホリデー制度を利用しオーストラリアへ渡航
シドニーのカフェにて接客スタッフとして勤務(アルバイト)
2024年 3月 帰国
以上
NG例
2021年 4月 株式会社〇〇 入社
2023年 3月 一身上の都合により退職
2023年 4月 ワーホリでオーストラリアへ
「ワーホリ」は略称です。正式名称の「ワーキング・ホリデー」を使い、「渡航」まで書いて文を完結させてください。帰国年月が抜けていると、いつから日本で働けるのかも読み取れません。
職歴欄の行数が足りない場合は、職歴欄の広い転職用の履歴書テンプレートを使うと、渡航中の補足行まで無理なく収まります。
卒業後すぐワーホリに行った場合の記載例
大学や専門学校を卒業してすぐ渡航した方は、正社員としての職歴がありません。この場合も「職歴」の見出しを立て、渡航と帰国を書きます。「職歴なし」とだけ書くより、卒業後の1年間に何をしていたかが伝わります。
良い書き方(卒業後すぐ渡航した場合)
学歴
2019年 4月 △△大学 外国語学部 英米語学科 入学
2023年 3月 △△大学 外国語学部 英米語学科 卒業
職歴
2023年 4月 ワーキング・ホリデー制度を利用しカナダへ渡航
語学学校に3か月在籍後、バンクーバーのレストランにて勤務(アルバイト)
2024年 3月 帰国
以上
卒業から3年以内であれば、新卒枠で応募できる企業もあります。厚生労働省は、卒業後少なくとも3年間は新卒として応募できるようにすることを企業に求めているためです。新卒枠で応募するなら、学歴欄・職歴欄の構成が新卒向けに整った新卒用の履歴書テンプレートを使うと書きやすくなります。
学歴欄にワーホリや語学学校を書かない理由
学歴欄に書けるのは、原則として学位や卒業資格につながる教育機関の在籍歴です。ワーホリ中に数か月通う語学学校はこれにあたらないため、学歴欄に入れると「学歴欄のルールを知らない人」と受け取られるおそれがあります。
採用担当者はここを見ている
- 欄の使い分け:学歴欄と職歴欄を正しく書き分けているかで、書類作成の基本が身についているかを見ている
- 年月のつながり:退職から渡航、帰国までの年月が途切れていないかを確認している
- 語学学校の扱い:在籍の事実は、職歴欄の補足行か自己PRで伝わっていれば十分と考える担当者が多い

ワーホリ中の現地アルバイトを職歴として書く3つの条件
ワーホリ中の仕事は、日本でのアルバイトと同じく、条件を満たせば職歴として書けます。ただし、短期の仕事をすべて並べると、かえって「どの仕事も長続きしない人」に見えます。次の3つにあてはまる仕事だけを選んでください。
- 応募先の仕事と関連がある:接客職に応募するならカフェやホテルの勤務、事務職なら現地オフィスでの勤務など
- 3か月以上続けた:数週間のファームの仕事を転々とした場合は、職歴として1件ずつ並べない
- 担当した業務を具体的に書ける:「レジと英語での注文対応を担当」のように、業務内容を1行で説明できる
勤務先名は、現地の店名や会社名を英語表記のまま書いてかまいません。国名・都市名と「(アルバイト)」を添えると、正社員としての職歴と区別できます。
良い書き方(現地アルバイトを職歴にする場合)
2023年 4月 ワーキング・ホリデー制度を利用しオーストラリアへ渡航
2023年 6月 〇〇 Hotel Sydney(オーストラリア・シドニー)入社(アルバイト)
フロントにて日本人宿泊客を含む英語・日本語での接客を担当
2024年 2月 ビザの期間満了に伴い退職
2024年 3月 帰国
NG例
2023年 5月 〇〇 Farm 入社(アルバイト)
2023年 6月 退職
2023年 7月 △△ Farm 入社(アルバイト)
2023年 8月 退職
1〜2か月の仕事を並べると、短期離職を繰り返したように見えます。応募先と関係のない短期の仕事は職歴に書かず、「現地の農園などで就労」と渡航行の補足にまとめてください。
採用担当者はここを見ている
- 現地の仕事でも、同じ職場で何か月働いたかから継続力を読み取っている
- 「接客を担当」より「英語での電話予約対応を担当」のほうが、入社後に任せられる仕事を想像しやすい
- 退職理由は「ビザの期間満了に伴い退職」と書けば十分で、それ以上の説明は求めていない
ワーホリは空白・職歴・自己PRのどれで書く?3パターンの比較
帰国した人の書き方は、大きく3パターンに分かれます。どれを選んでも避けたいのは、職歴欄に何も書かず期間を空白のまま残すことです。
| 書き方 | 向いている人 | 採用担当者の受け止め方 |
|---|---|---|
| 職歴欄に渡航・帰国を書く | ほぼすべての人(基本形) | 期間の理由がわかり、空白とは見なされない |
| 現地の仕事を職歴として書く | 応募先と関連する仕事を3か月以上続けた人 | 実務経験として評価の対象になる |
| 職歴欄に書かず自己PRだけで説明 | 職歴欄の行数が足りない人(渡航行だけは残す) | 自己PRまで読まないと空白の理由がわからない |
| 何も書かない(空白のまま) | おすすめしない | 「何をしていたのか」と警戒され、書類で落ちやすい |
ワーホリを「遊びに行っていたと思われそう」と心配して、あえて書かない方もいます。しかし、空白期間は書かないほうが疑われます。期間を書いたうえで、何をしていたかを自己PRで補うほうが、書類選考では有利です。

自己PRと志望動機でワーホリ経験を評価につなげる書き方
採用担当者が「遊びに行っていた」と受け取る自己PRの共通点
ワーホリ経験者の自己PRが評価されない原因は、ワーホリそのものではありません。「何をしたか」ではなく「どう感じたか」で終わっていることです。次の言葉だけで構成された自己PRは、どの応募者にも書けるため、採用担当者の記憶に残りません。
- 「視野が広がった」「価値観が変わった」
- 「たくさんの人と出会えた」
- 「英語が話せるようになった」(どの場面で、どの程度かがない)
評価につながるのは、現地で直面した困りごと → 自分がとった行動 → 結果の順で書いた自己PRです。最後に、その経験を応募先の仕事でどう使うかを一文添えます。
ワーホリ経験を使った自己PRの例文
良い例文(事務職に応募する場合)
ワーキング・ホリデーでオーストラリアに渡航し、シドニーのカフェで10か月間、接客スタッフとして働きました。勤務当初は早口の注文を聞き取れず、注文ミスが続いたため、よく出るメニュー名と言い回しを毎日ノートにまとめ、注文内容を必ず復唱して確認するようにしました。3か月目からはレジと電話での予約受付も任されるようになりました。聞き取った内容をその場で確認する習慣は、貴社の営業事務で受注内容を正確に処理する場面で活かせると考えています。
NG例
ワーホリで1年間海外生活を送り、たくさんの人と出会って視野が広がりました。英語も話せるようになったので、グローバルに活躍したいです。
現地で何をしたのか、英語をどの場面で使えるのかが書かれていません。応募先の仕事との接点もないため、「長い休暇だった」と受け取られます。
志望動機には「なぜ帰国して今この会社なのか」を書く
ワーホリ帰国者の志望動機で採用担当者が確かめたいのは、「またすぐ海外に行ってしまわないか」です。帰国後は日本で腰を据えて働くつもりであることを、応募先を選んだ理由と一緒に書いてください。
良い例文(インバウンド向けの旅行会社に応募する場合)
カナダのレストランで働く中で、日本への旅行を計画している常連客から、交通や宿泊について質問を受ける機会が何度もありました。その都度調べて伝えるうちに、海外の方が日本を旅する準備を手伝う仕事に就きたいと考えるようになりました。帰国後は日本を拠点に長く働きたいと考え、訪日旅行の手配に力を入れている貴社を志望しました。
ワーホリで身につけた語学力は資格欄で裏付ける
「1年間海外にいた」だけでは、採用担当者は英語力を判断できません。帰国後に語学試験を受けてスコアを資格欄に書くと、自己PRの内容に客観的な裏付けがつきます。資格欄には正式名称と取得年月を書きます。
| 試験 | 資格欄の書き方の例 |
|---|---|
| TOEIC | TOEIC Listening & Reading Test 〇〇〇点 取得 |
| IELTS | IELTS(Academic)オーバーオール〇.〇 取得 |
| 英検 | 実用英語技能検定〇級 合格 |
| 受験予定の場合 | TOEIC Listening & Reading Test 〇月受験予定 |
スコアを持っていない場合は、受験予定の試験名と受験月を書く方法があります。あわせて自己PRで「英語での電話予約対応を担当」のように使った場面を書けば、スコアがなくても語学力の目安が伝わります。
資格欄の行数が多い様式を使いたい場合は、厚生労働省の様式に沿った履歴書テンプレートが使えます。

ワーホリ帰国後の履歴書で落とされやすいNG例一覧
提出前に、次の6点を確認してください。どれも採用担当者が「書類作成に慣れていない」と判断しやすいポイントです。
| NG例 | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 「ワーホリ」と略す | 「ワーキング・ホリデー制度を利用し〇〇へ渡航」 | 履歴書では略称を使わない |
| 渡航期間を書かず空白にする | 渡航と帰国の年月を1行ずつ書く | 理由のない空白は警戒される |
| 語学学校を学歴欄に書く | 職歴欄の渡航行の補足か自己PRに書く | 学歴欄のルールから外れる |
| 短期の仕事をすべて並べる | 応募先と関連する仕事を1〜2件だけ書く | 短期離職を繰り返した印象になる |
| 「英語が話せます」とだけ書く | スコアか、英語を使った業務内容を書く | 英語力の程度がわからない |
| 西暦と和暦が混在している | どちらかに統一する | 注意力が低い印象を与える |
手書きで書き直すのが手間な場合は、行の追加や修正がしやすいJIS規格の履歴書テンプレートをパソコンやスマホで作成する方法もあります。
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まとめ
- 職歴欄に渡航と帰国を書く:「ワーキング・ホリデー制度を利用し〇〇へ渡航」「帰国」を1行ずつ入れ、空白を作らない
- 学歴欄には書かない:数か月の語学学校も学歴欄の対象外
- 現地の仕事は条件付きで職歴に:応募先と関連があり、3か月以上続けた仕事に絞る
- 自己PRは行動と結果で書く:「視野が広がった」で終わらせず、応募先での活かし方まで書く
- 語学力はスコアで裏付ける:スコアがなければ受験予定と英語を使った業務内容を書く
ワーホリの1年は、書き方しだいで空白ではなく経歴として伝わります。まずは職歴欄の2行から書き始めてください。
ワーホリ帰国後の履歴書に関するよくある質問
- ワーホリの期間が3か月ほどと短くても、履歴書に書くべきですか?
-
書いておくのがおすすめです。3か月程度でも、退職から次の就職までの期間が空いていれば、採用担当者は理由を知りたいと考えます。職歴欄に渡航と帰国の2行を入れておけば、期間の長さにかかわらず空白の理由が伝わります。
- ワーホリ中に旅行していた期間はどう書けばいいですか?
-
旅行期間を個別に書く必要はありません。渡航から帰国までをひとまとまりとして書き、現地での仕事や語学学校など、応募先に伝えたい活動だけを補足行に入れてください。面接で聞かれた場合は、旅行も含めて計画的に過ごしたことを説明できるようにしておくと答えやすくなります。
- 帰国してから就職活動が長引いています。帰国後の期間も書く必要がありますか?
-
職歴欄は「帰国」の行で終えて問題ありません。帰国から数か月たっている場合は、その間に取り組んでいること(語学試験の受験、資格の勉強など)を自己PRや資格欄で示すと、空白への懸念を和らげられます。
- 職務経歴書にもワーホリのことを書くべきですか?
-
書くべきです。職務経歴書では行数の制限が少ないため、現地での勤務先・期間・担当業務を詳しく書けます。応募先と関連する仕事をしていた場合は、職務経歴の1つとして業務内容や工夫した点を書くと、履歴書の自己PRとの一貫性も出ます。
- 現地の勤務先名は英語のまま書いてもいいですか?
-
英語表記のままで問題ありません。日本の採用担当者がどこの国の勤務先かわかるよう、「〇〇 Hotel Sydney(オーストラリア・シドニー)」のように国名と都市名を添えてください。業種が店名から伝わりにくい場合は、補足行に「ホテルのフロント業務を担当」と書くと伝わりやすくなります。

