履歴書に押す印鑑は、朱肉を使う「認印」が正解です。シャチハタや実印は避け、押印欄がない履歴書なら基本的に押す必要はありません。手元の印鑑で大丈夫か、押し損じたら書き直しになるのかと、提出直前に手が止まる方もいます。印鑑の選び方から押印が不要なケース、失敗したときの判断基準まで、採用担当者が実際に見ているポイントを交えてまとめました。
履歴書の印鑑はどれを使う?結論は「朱肉で押す認印」
結論:認印を使い、シャチハタ・実印は避ける
履歴書には、朱肉をつけて押すタイプの認印を使います。認印とは、役所に登録していない日常用の印鑑のことです。宅配便の受け取りなどに使う、100円ショップや文具店で買える三文判も認印に含まれます。
印鑑の種類ごとの向き・不向きは次のとおりです。
| 印鑑の種類 | 履歴書に使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 認印(三文判を含む) | ◎ 使う | 朱肉で押すため印影が長持ちし、紛失しても悪用のリスクが小さい |
| シャチハタ(インク浸透印) | × 避ける | ゴム製で印影が変わりやすく、インクが時間とともに薄れることがある |
| 実印 | △ 避ける | 役所に登録した大切な印鑑。応募書類に押すと印影が多くの人の目に触れる |
| 銀行印 | △ 避ける | 口座の届出印。実印と同じく、印影を外に出さないほうが安全 |
実印や銀行印を押したからといって不採用になるわけではありません。ただ、応募書類は社内で複数の担当者が見るうえ、不採用時に返却されないこともあります。大切な印鑑の印影は、出さないに越したことはありません。
サイズ・形・書体の選び方(楕円や下の名前の印鑑は?)
認印であれば細かな決まりはありませんが、迷ったときは次の基準で選ぶと失敗しません。
- サイズ:直径10.5〜12mm前後。認印として一般的な大きさで、押印欄からはみ出しにくい
- 形:丸形が一般的。楕円の印鑑でも、名字がはっきり読めれば使って問題ありません
- 書体:楷書体・行書体・古印体など、ひと目で読める書体。実印に多い篆書体(てんしょたい)など判読しにくい書体は認印向きではありません
- 彫られている名前:名字の印鑑が無難。下の名前だけの印鑑は、履歴書の氏名と照合しにくいため避けたほうが安心です
採用担当者はここを見ている
- 印鑑の種類そのもので合否が決まることはほぼない。見ているのは「様式や指示どおりに書類を整えられる人か」という点
- 押印欄があるのに空欄、印影がにじんで読めない、といった状態は「確認が雑な人」という印象につながりやすい
- 逆に、まっすぐ鮮明に押された印影は書類全体の丁寧さとして伝わる

履歴書に印鑑はいる?押す・押さないの判断基準
そもそも履歴書に印鑑が必要かどうかは、「押印欄があるか」と「応募先から指示があるか」の2点で決まります。
| ケース | 押印 | 押す場所 |
|---|---|---|
| 押印欄がある | 押す | 押印欄(「印」の表示がある枠) |
| 押印欄がなく、指示もない | 不要 | - |
| 押印欄はないが、押印の指示がある | 押す | 氏名の右側 |
| メール・PDFで提出する | 原則不要 | 指示がある場合のみ応募先の方法に従う |
| Web応募フォームで入力する | 不要 | - |
印鑑欄がない履歴書は押さなくていい
押印欄がない履歴書には、印鑑を押す必要はありません。令和3年4月に厚生労働省が公表した履歴書様式例にも、押印欄は設けられていません。いまは押印欄のない履歴書が主流です。
これから用紙を選ぶなら、厚生労働省の様式例に沿った履歴書テンプレートを使うと、印鑑の要否で迷うことがなくなります。
なお、押印欄がない履歴書に自分の判断で押してしまった場合も、書き直す必要はありません。それだけでマイナス評価になることはないためです。
押印欄がないのに押印を指示されたときの押す位置
募集要項などで「履歴書に押印のこと」と指示されている場合は、押印欄がなくても押します。位置は氏名の右側です。名前と印影が重ならないよう、氏名を書く前に右側へ印鑑1つ分の余白を残しておくのがコツです。
良い押し方(押印欄がない場合)
氏名 山田 太郎 (印)
名前の最後の文字から少し離し、氏名欄の枠内に収める。印影はまっすぐ、上下の向きをそろえる。
NG例
氏名 山田 太(印)郎
印影が名前の文字に重なり、氏名が読めなくなっている。枠線をまたいで押すのも、はみ出して見えるため避けます。

メール・PDFで提出する履歴書に印鑑はいらない
パソコンで作った履歴書をメールやPDFで送る場合、押印は原則不要です。押印欄つきのテンプレートを使った場合も、空欄のまま送って問題ありません。
- 押印の指示がない:押さずにそのまま送る
- 押印の指示がある:印刷して押印し、スキャンしてPDFにするなど、応募先が求める方法に合わせる
- 電子印鑑(印影の画像):指示がない限り貼り付けない。見た目を整える目的で入れる必要はありません
シャチハタ・実印が履歴書の印鑑に向かない理由
シャチハタ(インク浸透印)を避ける理由
シャチハタに代表されるインク浸透印は、朱肉なしで押せる手軽さが魅力です。一方で、正式な書類には向かないとされています。理由は大きく3つです。
- 印影が変わりやすい:印面がやわらかいゴム製で、押す力によって形が変わる
- インクが薄れることがある:時間がたつと色があせたり、水分でにじんだりする場合がある
- 手軽さが裏目に出る:役所の手続きなどで「シャチハタ不可」とされることが多く、ビジネス書類の慣習を知らない印象を持たれるおそれがある
この扱いは新卒の就職活動でも同じです。学生だから許される、ということはありません。手元にシャチハタしかない場合は、数百円の認印と朱肉を用意してから押すほうが確実です。
実印・銀行印を避ける理由
実印は不動産の契約や公正証書の作成などに使う、法的な効力の強い印鑑です。銀行印は預金の引き出しに使います。どちらも印影が悪用されると被害が大きいため、多くの人の手に渡る応募書類には押さないのが防犯上の基本です。
「認印を持っていないから実印で」という方は、この機会に履歴書用の認印を1本用意しておくと、内定後の書類手続きにもそのまま使えます。
押印欄にサインで代用してもいい?
押印欄がある履歴書に、印鑑の代わりにサインを書くのは避けてください。押印欄は印鑑を押すための枠で、氏名はすでに氏名欄に書いてあるためです。
印鑑が手元にないときの対処
- 提出まで時間がある:100円ショップや文具店で名字の認印を買って押す
- 今から別の用紙に書ける:押印欄のない履歴書を使えば、押印自体が不要になる
- どうしても間に合わない:応募先に事情を伝え、押印なしで提出してよいか確認する
【転職・新卒・アルバイト別】履歴書の印鑑の注意点
転職の場合
転職の履歴書は、押印欄のない様式を選べば押印で悩む必要がありません。パソコンで作ってメールや応募フォームで送るケースも多く、押印を求められる場面は減っています。
職歴欄が広い転職用の履歴書テンプレートを使えば、印鑑の要否だけでなく経歴の書きやすさでも迷いません。
印鑑が必要になるのは、むしろ選考の後半です。面接の交通費精算書や、内定後の雇用契約書・入社書類で押印を求められることがあります。最終面接の日は認印をかばんに入れておくと、その場で慌てずに済みます。
新卒の場合
新卒の就職活動では、大学指定の履歴書や市販の就活用履歴書に押印欄が残っていることがあります。押印欄があれば、認印を押すのが基本です。
- シャチハタは新卒でも避ける
- 大学指定の様式に押印欄がある場合は、空欄にせず押す
- 同じ企業に複数の書類を出すときは、同じ印鑑で押す
指定の様式がなければ、新卒用の履歴書テンプレートで自己PRや学業の欄が広いものを選ぶと書きやすくなります。
アルバイト・パートの場合
アルバイトやパートの履歴書も、押印欄がなければ押す必要はありません。ただし面接で採用が決まると、その場で雇用契約書への押印を求められることがあります。面接には認印を持って行くと安心です。
これから書くなら、アルバイト用の履歴書テンプレートが希望勤務時間などを書き込みやすくておすすめです。

履歴書の印鑑をきれいに押す手順と失敗したときの対処
押す手順:印鑑は「書く前」に押す
手書きの履歴書で一番もったいないのは、全部書き終えたあとに押印で失敗し、最初から書き直すことです。押印欄がある履歴書は、本文を書く前に印鑑を押すと、失敗しても用紙1枚の損で済みます。
- 印面の汚れや朱肉のかすを、ティッシュなどで軽く拭き取る
- メモ用紙に試し押しをして、上下の向きと濃さを確認する
- 履歴書の下に捺印マットを敷く(なければ厚めの雑誌やノートで代用)
- 朱肉は押しつけず、軽くポンポンと数回たたいて均一につける
- 紙を片手で押さえ、印鑑をまっすぐ下ろして押す。力を入れたまま「の」の字を描くように重心を移すと、ムラなく写る
- 真上に持ち上げ、朱肉が乾くまで触らない
書き直すべき失敗・そのままでいい失敗
押し損じたときに書き直すかどうかは、名前が読めるかどうかで判断します。
| 印影の状態 | 対応 |
|---|---|
| わずかなかすれ・少しの傾き | そのまま提出してよい |
| 二重にぶれた・大きく欠けた | 書き直す |
| にじんで名前が読めない | 書き直す |
| 上下逆さ・大きく傾いた | 書き直す |
NG例
失敗した印影の上に重ねて押し直す/修正液や修正テープで消して押し直す
修正の跡は印影より目立ち、書類全体が雑に見えます。書き直しが必要な失敗は、新しい用紙で作り直してください。
押印欄があるのに押し忘れて提出したとき
提出後に押し忘れに気づいたら、そのままにせず応募先へ連絡し、指示を仰ぎます。押印漏れだけで不採用が決まることは多くありません。再提出や面接時の押印で済むケースがほとんどです。
押し忘れを伝えるメール例文
件名:履歴書の押印漏れについて(氏名)
株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者様
〇月〇日に〇〇職へ応募いたしました〇〇です。先日お送りした履歴書の押印欄に、押印が漏れていたことに気づきました。確認不足でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。再提出などご指示をいただけましたら、すぐに対応いたします。何卒よろしくお願いいたします。
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まとめ
- 使う印鑑は認印:朱肉で押す名字の認印。三文判でもよく、シャチハタ・実印・銀行印は避ける
- 押印欄がなければ不要:厚生労働省の様式例にも押印欄はない。メール・PDF提出も原則不要
- 指示があれば押す:押印欄がない場合は氏名の右側に、名前と重ならないように押す
- 書く前に押す:失敗しても用紙1枚で済む。名前が読めない失敗は新しい用紙で作り直す
- 押し忘れは連絡:気づいた時点で応募先に伝え、指示に従う
押印欄のない様式を選ぶだけで、印鑑の悩みはほぼなくなります。浮いた時間を志望動機や自己PRの見直しに回してください。
履歴書の印鑑に関するよくある質問
- 履歴書の印鑑は100円ショップの三文判でもいいですか?
-
問題ありません。三文判も朱肉を使う認印なので、履歴書に使えます。名字がはっきり読める書体のものを選んでください。
- 下の名前だけが彫られた印鑑は履歴書に使えますか?
-
使えないわけではありませんが、名字の印鑑のほうが無難です。履歴書の氏名と印影を照合しやすく、ほかの応募者と同じ見え方になるためです。名字の認印が手元にない場合は、押印欄のない履歴書を使う方法もあります。
- 押印欄がある履歴書に、押さずに提出しても大丈夫ですか?
-
押印欄がある場合は押して提出してください。空欄のままだと記入漏れと受け取られることがあります。印鑑を用意できないときは、押印欄のない履歴書に書き換えるのが確実です。
- 押印欄がない履歴書に印鑑を押してしまいました。書き直すべきですか?
-
書き直す必要はありません。押印欄がない履歴書に印鑑が押してあっても、それだけで評価が下がることはないためです。名前と印影が重なって読めない場合だけ作り直してください。
- 履歴書以外で、転職活動中に印鑑が必要になる場面はありますか?
-
面接時の交通費精算書や、内定後の雇用契約書・入社書類などで押印を求められることがあります。最近は雇用契約を電子化する企業もありますが、紙の書類を使う企業もあるため、最終面接以降は認印を持参すると安心です。

