体調良好とは、病気がまったくない状態ではなく、通常の業務を続けるうえで支障がない状態を指します。花粉症や軽い腰痛があっても「良好」と書いて構いません。この記事では、履歴書の健康状態欄で良好と書ける基準、持病や通院がある場合の例文、そして欄そのものがない履歴書への対応までまとめます。
体調良好とは「業務に支障がない状態」を指す言葉
「良好」と書ける基準は健康さではなく業務への影響
健康状態欄の「良好」を、健康診断でオールA判定という意味だと受け取ると、書ける人はほとんどいなくなります。採用の場面での「良好」はもっと実務的な言葉です。判断軸は一つだけ、応募した仕事を通常どおり続けられるかどうかです。
この軸で考えると、判定はかなりシンプルになります。
| 状態 | 健康状態欄の書き方 |
|---|---|
| 持病も通院もなく、業務に影響がない | 「良好」のみ |
| 持病や既往歴はあるが、業務に影響がない | 「良好」のみ(病名を書く必要なし) |
| 業務はできるが、通院で定期的に休みが必要 | 「良好」+通院頻度の補足 |
| 業務内容に一部制限がある | 制限内容+できる業務を明記 |
迷ったときは「入社初日から3か月後まで、求人に書かれた仕事を予定どおりこなせるか」と自分に問い直してください。答えがはいなら良好です。
そのまま使える健康状態欄の記載例
問題がないケースの正解は、驚くほど短い一言です。
良い例文
良好
健康状態欄はもともと記入スペースが狭く、二文字で完結するのが本来の使い方です。付け足すべき事情がないなら、これ以上書く必要はありません。
NG例
良好です。体力には自信があり、これまで一度も会社を休んだことはありません。健康管理には人一倍気を配っております。
健康状態欄は自己PR欄ではありません。ここで熱意を語ると、狭い欄に文字が詰まって読みづらくなるうえ、志望動機欄との重複で「書く場所を選べない人」という印象が残ります。
採用担当者はここを見ている
- 空欄かどうか。未記入は「書き忘れ」か「隠している」のどちらかに見え、確認の手間が発生する
- 配慮が必要な事情の有無。企業には安全に働ける環境を整える義務があるため、必要な配慮は事前に知っておきたい
- 記載量のバランス。ここだけ文章量が多い履歴書は、他の欄との温度差が目立つ
花粉症・腰痛・高血圧があっても「良好」でよい理由
投薬や通院で日常生活が回っている状態は、業務への影響という物差しで測れば影響なしに分類されます。次のような症状は、書かなくても不誠実にはあたりません。
- 季節性の花粉症、アレルギー性鼻炎
- 慢性的な肩こり、軽度の腰痛
- 服薬でコントロールできている高血圧、慢性胃炎
- 矯正で支障のない視力低下
- 完治して再発リスクも通院もない過去の病気やケガ
むしろ問題になりやすいのは、書かなくてよい既往歴を丁寧に書きすぎることです。応募先が知りたいのは病歴のリストではなく、配慮が必要かどうかの一点だけ。項目ごとの記入ルールをまとめて確認したい場合は、転職用の履歴書テンプレートで全体像をつかんでから記入すると迷いが減ります。
【状況別】体調良好と書けないときの健康状態欄の書き方と例文
通院や業務制限がある場合も、書き方さえ整えれば選考でマイナスにはなりません。共通する型は「できないこと」より「できること」を長く書くことです。制限だけを書くと、読んだ側は業務範囲を想像できず、判断を保留します。
通院のため配慮を希望する場合
良い例文
良好(業務に支障はありませんが、経過観察のため3か月に1回、半日の休暇取得を希望いたします)
頻度と必要な時間が数字で示されているため、受け取った側はシフトや業務配分をその場で計算できます。判断材料が揃っている応募書類は、確認の往復が発生しません。
NG例
持病があり、ときどき病院に通っています。ご迷惑をおかけするかもしれません。
頻度が「ときどき」では判断ができません。週1回なのか年2回なのかで人員配置の話は変わります。加えて謝罪の一文は、実際より負担が大きいという印象だけを残します。
業務内容に一部制限がある場合
良い例文
腰部の負担軽減のため10kgを超える運搬業務は控えておりますが、立ち仕事・接客・レジ業務・PC入力はいずれも制限なく従事できます
制限が一行、できる業務が四つ。この比率が読み手の印象を決めます。応募先の求人票にある業務を具体的に拾って書くと、さらに伝わりやすくなります。
NG例
腰椎椎間板ヘルニアのため重い物が持てません。
病名は詳しいのに、何kgまでなら大丈夫なのか、他の業務はできるのかが不明です。健康状態欄で求められているのは診断名ではなく業務範囲の説明だと考えてください。
治療を終えて経過観察中の場合
良い例文
良好(治療は昨年終了し、現在は年1回の定期検診のみで業務遂行に支障はございません)
治療が終わった時期、現在の通院頻度、業務への影響。この三点が揃っていれば、病名を伏せても内容は十分に伝わります。
過去の病気やケガが完治している場合
完治していて、通院も再発リスクもなく、業務にも影響しないなら「良好」だけで問題ありません。書かないことが隠し事にあたるのではと不安になりますが、業務に無関係な既往歴は、そもそも企業が収集を控えるべき情報として扱われています。
ただし療養のために前職を離れ、職歴に空白が生じている場合は事情が変わります。空白期間の説明は健康状態欄ではなく職歴欄や本人希望欄で扱うほうが自然です。
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採用担当者が健康状態欄で見ている3つのポイント
健康状態欄は、志望動機や自己PRに比べて読まれる時間が短い欄です。その短い時間で確認されているのは、次の3点に絞られます。
| 見ている点 | 確認したい理由 |
|---|---|
| 想定業務を継続できるか | 採用後すぐ長期離脱となると、募集そのものをやり直すことになる |
| 必要な配慮があるか | 企業は労働契約法第5条により、安全に働ける環境を整える義務を負っている |
| 説明の仕方が具体的か | 自分の状態を客観的に伝えられる人は、入社後の報告や相談も期待できる |
三つ目は見落とされがちですが、実務では大きな意味を持ちます。健康状態欄は、体調というデリケートな話題を仕事の言葉に翻訳して伝える練習台のような欄です。ここで「腰痛のため10kg以上は控える/それ以外は制限なし」と整理して書ける人は、入社後に体調を崩したときも早めに具体的に相談してくれるだろうと期待されます。
通過しやすくなる書き方のコツ
- 病名ではなく必要な配慮を書く(診断名は面接や内定後で足りる)
- 頻度・時間・重量など数字を入れる
- 制限を書いたら、必ずできる業務を続けて書く
- 謝罪や言い訳を添えない。事実を淡々と書くほうが安心感が出る
履歴書に健康状態欄がない場合はどうするか
手元の履歴書に健康状態欄が見当たらず、探し回った経験がある方もいます。それは印刷ミスでも略式版でもありません。現在の標準的な履歴書様式に、健康状態欄はもともと存在しないためです。
長く標準とされてきたJIS規格の履歴書様式例は、2020年7月に日本規格協会が様式例全体を削除したことで役割を終えました。これを受けて厚生労働省が2021年4月16日の労働政策審議会安定分科会で新しい様式例を公表しています。この厚労省様式例に含まれる項目は次のとおりです。
- 氏名・ふりがな・生年月日
- 性別(任意記載欄。未記載も可)
- 現住所・連絡先・電話
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど
- 本人希望記入欄
健康状態欄はここに入っていません。旧JIS様式にも同様に健康状態欄はなく、厚労省様式で新たに削除されたのは「配偶者」「扶養家族数」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」の4項目です。つまり健康状態欄は、市販の履歴書用紙や企業独自の応募用紙が独自に設けている欄ということになります。
この背景を知っておくと、対応の判断がぶれません。様式ごとの違いは厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートとJIS規格に沿った履歴書テンプレートを見比べると一目でわかります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 健康状態欄がなく、伝える事情もない | 何も書かない。欄を手書きで追加する必要はない |
| 健康状態欄がないが、配慮を伝えたい | 本人希望記入欄に簡潔に記載する |
| 企業指定の応募用紙に健康状態欄がある | 指定様式に従って記入する |
本人希望記入欄に書く場合は「貴社規定に従います」に続けて、配慮事項を一文添える形が収まりよくまとまります。パート応募で勤務条件とあわせて伝えたいときはパート用の履歴書テンプレートを使うと、希望シフトと配慮事項を並べて書けます。
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「良好」と書いて経歴詐称になるライン
持病があるのに良好と書いてよいのか。この不安の正体は、申告義務の範囲がわからないことにあります。線引きは応募先が労務管理の判断を誤る情報かどうかで決まります。
| ケース | 「良好」だけで書いてよいか |
|---|---|
| 服薬で安定し、勤務を通常どおり継続できる | 問題なし |
| 完治済み・通院なし・再発リスクなし | 問題なし |
| 月に複数回、勤務時間中の通院が必要 | 補足が必要 |
| 特定の業務が医師から禁止されている | 補足が必要 |
| 近く入院や長期休養の予定がある | 補足が必要 |
下三つを伏せて「良好」と書くと、実務上のリスクが生じます。多くの企業は内定後に健康診断書の提出を求めるため、記載内容と実態の食い違いはその時点で表面化します。裁判例でも、応募書類に虚偽の記載をして真実を隠していた場合には、企業が採用内定を解約しうるという判断が示されています。
申告は自分を守る手続きでもある
企業は労働契約法第5条により、従業員が安全に働けるよう配慮する義務を負っています。裏を返せば、配慮が必要な事情を伝えていない状態は、企業が配慮しようがない状態です。重量物の制限を伝えないまま運搬業務に配属され、症状が悪化しても、会社は知らなかったと主張できてしまいます。
伝えるべきことを伝えるのは、不利を招く行為ではなく、働き続けるための条件整備だと考えてください。
逆に、業務に関係のない既往歴まで細かく書く必要はありません。厚生労働省は公正な採用選考の考え方として、応募者の適性と能力に関係のない情報を採用選考で把握することを避けるよう企業に求めています。合理的な必要性がない健康情報は、そもそも収集される前提になっていないのです。
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まとめ
- 体調良好とは病気がないことではなく、業務を通常どおり続けられる状態を指す
- 花粉症・腰痛・服薬で安定した持病・完治した既往歴は「良好」の二文字で足りる
- 通院や制限がある場合は、頻度と時間を数字で示し、できる業務を続けて書く
- 厚労省様式例と旧JIS様式に健康状態欄はなく、欄があるのは市販・企業独自の様式
- 欄がなく配慮を伝えたいときは本人希望記入欄を使う
- 勤務時間中の定期通院や業務制限を伏せると、内定後の健康診断で食い違いが出る
病名を並べる欄ではなく、必要な配慮を一行で伝える欄。そう捉え直せば、書く内容は自然と決まります。
体調良好と履歴書の健康状態欄に関するよくある質問
- 健康状態欄を空欄で提出しても問題ありませんか
-
欄がある履歴書で空欄にするのは避けてください。書き忘れなのか、書きにくい事情があるのかが読み手に判別できず、確認の手間が生じます。伝えるべき事情がなければ「良好」と記入すれば十分です。
- 通院していることを書くと不採用になりますか
-
通院の事実だけで不採用が決まることは基本的にありません。判断されるのは想定業務を継続できるかどうかです。頻度と必要な時間を具体的に示し、対応できる業務を明記しておけば、配慮の可否を検討したうえで選考が進みます。
- うつ病など精神疾患の既往歴も書く必要がありますか
-
治療を終えていて通院も服薬もなく、業務に影響がないなら「良好」で構いません。通院が続いていて勤務時間の調整が必要な場合のみ、病名ではなく必要な配慮を記載してください。「良好(月1回の通院のため、半日休暇の取得を希望いたします)」という書き方で伝わります。
- 面接で病歴を詳しく聞かれたらどう答えればよいですか
-
業務遂行に関わる範囲で答えれば足ります。厚生労働省は、応募者の適性と能力に関係のない事項を採用選考で把握することを避けるよう企業に求めています。診断名を伏せ、勤務可能な条件と必要な配慮を説明する形で問題ありません。

