履歴書の大学欄は、大学名・学部・学科を省略せず正式名称で書くのが基本ルールです。略称や自己流の書き方をしてしまうと、内容以前の部分で印象を落としかねません。この記事では基本ルールに加え、卒業見込み・中退・浪人・大学院進学など状況別の例文と、採用担当者が実際にどこを見ているのかを解説します。
履歴書の大学欄の書き方|結論と基本ルール5つ
大学欄で押さえるべきルールは5つだけです。どれも「知らなかった」では済まされない基礎知識として、採用担当者は当然のように確認しています。
ルール①:大学名は正式名称で書く(略称・法人名は不要)
「早大」「慶大」「東大」のような通称は、日常会話では自然でも履歴書では不適切です。正式名称をフルで記載するのが絶対ルールになります。
良い例文
| 正しい書き方 | NGな書き方 |
|---|---|
| 早稲田大学 政治経済学部 経済学科 | 早大 政経学部 |
| 慶應義塾大学 法学部 法律学科 | 慶大 法学部 |
| 明治大学 商学部 商学科 | 明大 商学部 |
「学校法人〇〇大学」のように法人名まで書く必要はなく、大学名から書き始めれば十分です。国立大学の場合も「国立」の表記は不要です。
ルール②:学部・学科・専攻まで省略しない
大学名だけでは不十分です。学部・学科(専攻・コース)まで正式名称で記載することで、何を専門的に学んだかが伝わります。
- 大学名:〇〇大学
- 学部名:〇〇学部(経営学部、理工学部など)
- 学科・専攻名:〇〇学科/〇〇専攻(マーケティング学科、電気電子工学科など)
コースや専攻まで存在する場合は、記載すると丁寧な印象になります。スペースが限られる場合は学科名までで問題ありません。
ルール③:入学と卒業は必ず別の行に書く
「〇〇大学 入学・卒業」と1行にまとめるのは誤りです。入学と卒業(または卒業見込み)は別の行に分けて記載します。
良い例文
2021年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2025年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
NG例
2021年4月〜2025年3月 〇〇大学 〇〇学部 入学・卒業
波線でまとめた1行記載は、書類選考でマイナス評価につながることがある。
ルール④:和暦・西暦はどちらかに統一する
年号は和暦・西暦のどちらでも構いませんが、履歴書全体で表記を統一する必要があります。生年月日が「昭和60年」、学歴が「2020年」のように混在すると、読み手を混乱させてしまいます。書き始める前にどちらで統一するかを決めておきましょう。
ルール⑤:学歴欄の最後は右寄せで「以上」
学歴(と職歴)の記載を終えたら、最終行の右端に「以上」と記入します。「この書類の情報はここまでで過不足ない」という意思表示であり、抜けていると記載漏れを疑われる可能性があるため必ず書き添えてください。
採用担当者が大学欄で本当に見ているポイント
大学欄は「ルール通りに書けているか」だけがチェックされているわけではありません。採用担当者は、書き方の奥にある応募者の姿勢まで読み取っています。
採用担当者はここを見ている
- 正式名称で書けているか:略称のままだと、社会人としての基礎マナーを疑われ、内容を読む前に評価が下がる
- 年月の計算が合っているか:入学年と卒業年のズレが不自然だと、事実と異なる記載ではと疑念を持たれる
- 学部・学科が志望職種とつながっているか:文系学部から営業職、理系学科からエンジニア職など、学びと志望動機のストーリー性を確認している
- 表記に一貫性があるか:和暦と西暦の混在や「入学」「入学する」といった表記ゆれは、丁寧さの欠如と受け取られる
採用担当者が「詳しく話を聞いてみたい」と感じるのは、学歴と志望職種が自然につながって見えるときです。大学欄は単なる事実の記録ではなく、これまでの学びを伝える最初の接点でもあります。
在学中の就活生へ|「卒業見込み」の正しい書き方と例文
就活中の大学3〜4年生が最も迷うのが、まだ卒業していない状態をどう書くかという点です。答えは明確で、「卒業見込み」と明記するのが正しい書き方になります。
良い例文(在学中の就活生)
2020年4月 〇〇高等学校 入学
2023年3月 〇〇高等学校 卒業
2023年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2027年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業見込み
NG例
2027年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 在学中
「在学中」は現在の状態を示すだけで、卒業の意思が伝わらないため就活用の履歴書には不向き。
「在学中」はアルバイト応募など簡易な履歴書で使われる表現で、就活の場では「卒業見込み」を使うのが適切です。「卒業予定」も通用しますが、「見込み」のほうが単位取得の確実性が伝わりやすくフォーマルな印象になります。
状況別|大学の学歴欄の書き方と例文
標準的なケース以外にも、大学の学歴には浪人・中退・進学など多様な事情があります。「正直に書くべきか」「どこまで書けばいいか」で迷いやすいケースを状況別にまとめました。
浪人・留年した場合
浪人や留年の事実を隠す必要はありません。「浪人」「留年」という言葉自体を書く必要はなく、入学・卒業年月を正確に記載すればOKです。標準年数より1〜2年ずれていれば面接で理由を聞かれることもありますが、正直に答えられれば問題にはなりません。
良い例文(浪人経験がある場合)
2019年3月 〇〇高等学校 卒業
2020年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2024年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
大学を中退した場合
大学中退は、「退学」または「中途退学」と正直に記載するのが必須です。「卒業」と偽ると学歴詐称にあたり、入社後に発覚すれば解雇の可能性もあります。
良い例文(大学中退の場合)
2020年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2022年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学(一身上の都合により)
NG例
2022年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業(実際は中退)
虚偽記載は学歴詐称にあたり、発覚した場合は懲戒対象になり得る。
「一身上の都合により」は任意ですが、添えることで理由不明への疑念を和らげる効果があります。起業や留学、資格取得など前向きな理由であれば、面接で積極的に説明できる準備をしておくと安心です。中退後の就職活動全体の進め方は以下の記事も参考にしてください。

大学院に進学した場合
大学院進学では、学部の卒業と大学院の入学・修了(見込み)をすべて記載します。博士課程に進む場合は「博士前期課程」「博士後期課程」と明記しましょう。
良い例文(大学院進学の場合)
2020年4月 〇〇大学 工学部 機械工学科 入学
2024年3月 〇〇大学 工学部 機械工学科 卒業
2024年4月 〇〇大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程 入学
2026年3月 〇〇大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程 修了見込み
大学に編入した場合
短期大学や専門学校から4年制大学に編入した場合は、編入前の学校と編入後の大学を両方記載します。「編入学」という言葉を使って記載するのが正式な書き方です。
良い例文(大学編入の場合)
2020年4月 〇〇短期大学 〇〇学科 入学
2022年3月 〇〇短期大学 〇〇学科 卒業
2022年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 3年次編入学
2024年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
休学・留学した場合
病気・留学・長期インターンなどによる休学は、履歴書への記載は任意です。ただし卒業年月が標準より遅れている場合は、理由を示すために記載しておくのがおすすめです。留学であれば「休学のうえ、〇〇大学(国名)へ留学」と添えると印象がよくなります。
良い例文(留学経験がある場合)
2020年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
2022年9月 〇〇大学を休学し、〇〇大学(アメリカ)へ留学
2023年8月 帰国・復学
2025年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
私立大学の場合(「私立」は書く?)
「私立〇〇大学」と付けるべきか迷う人もいますが、基本的に「私立」は不要です。国立大学と名称が似ていて紛らわしい場合(大阪大学と大阪府立大学など)に限り、区別のために添えることもあります。迷ったら大学公式サイトで正式名称を確認するのが確実です。
大学欄と合わせて、履歴書の日付欄の和暦・西暦の使い分けも確認しておくと、書類全体の一貫性を保ちやすくなります。

【年号早見表】高校・大学の入学・卒業年を一覧でチェック
自分の入学・卒業年号を毎回計算するのは手間がかかります。以下の早見表を参考にしてください。
| 高校入学 | 高校卒業 | 大学入学 | 大学卒業(4年制) | 和暦(大学入学) |
|---|---|---|---|---|
| 2017年4月 | 2020年3月 | 2020年4月 | 2024年3月 | 令和2年4月 |
| 2018年4月 | 2021年3月 | 2021年4月 | 2025年3月 | 令和3年4月 |
| 2019年4月 | 2022年3月 | 2022年4月 | 2026年3月 | 令和4年4月 |
| 2020年4月 | 2023年3月 | 2023年4月 | 2027年3月 | 令和5年4月 |
| 2021年4月 | 2024年3月 | 2024年4月 | 2028年3月 | 令和6年4月 |
| 2022年4月 | 2025年3月 | 2025年4月 | 2029年3月 | 令和7年4月 |
※浪人・留年・休学がある場合は、実際の入学・卒業年に読み替えてください
大学院(修士課程・2年制)の場合は、大学卒業年の翌年4月が入学、さらに2年後の3月が修了(見込み)となります。学歴欄全体の書き方は以下の記事もあわせて確認すると、抜け漏れを防げます。

就活用に指定様式が必要な場合は新卒用の履歴書テンプレート、企業から厚生労働省規格を指定されている場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートが使えます。
転職活動で職歴とあわせて学歴を書き直す場合は転職用の履歴書テンプレート、応募企業からJIS規格を求められた場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートを利用すると、フォーマットに悩む手間を省けます。
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まとめ
- 大学名・学部・学科は正式名称で記載し、略称は使わない
- 入学と卒業(卒業見込み)は必ず別行に書く
- 和暦・西暦は履歴書全体で統一する
- 在学中の就活生は「卒業見込み」と記載する(「在学中」は不適切)
- 中退・浪人・留年・編入・休学は、事実を正直かつ正確に記載する
- 採用担当者は正確さ・一貫性・学歴のストーリー性を見ている
大学欄はルールを守れているかどうかで、採用担当者の第一印象が決まります。基本の5ルールと状況別の記載方法を押さえて、書類選考でつまずかない履歴書に仕上げましょう。
履歴書の大学の書き方に関するよくある質問
- 大学名に「国立」「私立」は書く必要がありますか?
-
基本的に不要です。大学の正式名称には「国立」「私立」は含まれないため、大学名そのものを記載すれば問題ありません。同名の大学と区別が必要な場合(大阪大学と大阪府立大学など)に限り、添えることがあります。
- 高校はどこから書けばいいですか?中学校も書く必要がありますか?
-
新卒・転職いずれの場合も、一般的には高校入学から書き始めれば問題ありません。中学校以前の学歴は省略してOKです。ただし一部の企業や業界では中学校入学からの記載を求められる場合もあるため、募集要項を確認しましょう。
- 大学を中退した場合、卒業と書いてもばれませんか?
-
ばれます。企業は採用時や入社後に学歴証明書の提出を求めることがあり、その段階で虚偽記載が発覚します。学歴詐称は懲戒解雇の理由になり得るため、必ず「中途退学」と正直に記載してください。
- 通信制大学の場合、履歴書にはどう書けばいいですか?
-
通信制大学も正式名称で記載し、「(通信教育課程)」を付け加えるとより正確です。例:「〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科(通信教育課程) 入学」。通信制であることを隠す必要はありません。
- 海外の大学を卒業した場合はどう書きますか?
-
海外大学はカタカナまたは英語表記で正式名称を記載し、国名と取得した学位(Bachelor of Artsなど)を添えるとわかりやすくなります。「〇〇大学(アメリカ) 〇〇学部 卒業」という形が一般的です。

