派遣の職歴は派遣元(派遣会社)と派遣先(就業先企業)を分けて記載するのが正解です。「入社」「退社」ではなく「登録」「就業」「派遣期間満了につき退職」という言葉を使うだけで、書類の完成度が大きく変わります。派遣先が複数あって書き方に迷っている方に向けて、状況別の記載例と採用担当者が実際に見ているポイントをまとめました。
派遣の職歴の書き方|結論と基本の記載例
結論:派遣元と派遣先は必ず分けて書く
派遣社員として働いた経歴を職歴欄に書くとき、最初に押さえるべきルールは1つだけです。雇用契約を結んでいる「派遣元」と、実際に働いていた「派遣先」を分けて記載すること。この2社を区別せずに書くと、採用担当者は雇用形態を正しく読み取れません。
給与の支払いや社会保険の手続きを行うのは派遣元です。派遣先は業務の指示を出すだけで、あなたと雇用契約を結んでいるわけではありません。この関係を職歴欄でも忠実に再現する必要があります。
基本の記載例(派遣元1社・派遣先1社の場合)
良い例文
令和4年4月 株式会社〇〇スタッフィングに登録
令和4年5月 △△株式会社に派遣社員として就業(経理部にて請求書処理・データ入力を担当)
令和5年3月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和4年5月 △△株式会社 入社
令和5年3月 一身上の都合により退職
派遣先だけを書き、派遣元の記載がありません。直接雇用の正社員だったと誤解され、経歴詐称を疑われる典型例です。「入社」という表記も派遣では使いません。
「入社・退社」ではなく「登録・就業・派遣期間満了」を使う
派遣の職歴では、正社員とは異なる言葉遣いのルールがあります。以下の3つの言葉を覚えておけば、記載でつまずくことはほとんどありません。
| 用語 | 使うタイミング |
|---|---|
| 登録 | 派遣会社(派遣元)に登録したとき(「入社」は使わない) |
| 就業 | 派遣先で実際に働き始めたとき |
| 派遣期間満了につき退職 | 契約期間を終えて辞めたとき |
会社側の都合で契約が終わった場合は「会社都合により退職」、自分の意志で契約を更新しなかった場合は「一身上の都合により退職」と使い分けます。「派遣期間満了」は自己都合退職ではないため、当てはまる場合は積極的に明記しましょう。
採用担当者はここを見ている|派遣の職歴で差がつくポイント
派遣経験が多い履歴書を受け取ったとき、採用担当者が最初に確認するのは「職歴の一貫性」と「退職理由」の2点です。派遣先の数そのものが評価を下げることはありません。気にされているのは、書き方から実態が読み取れるかどうかです。
採用担当者はここを見ている
- 派遣元と派遣先が両方明記され、雇用形態が正確に読み取れるか
- 同じ職種・業界の派遣が続いているか(スキルの蓄積が見えるか)
- 「派遣期間満了」など、契約上の区切りで辞めたことが分かるか
- 業務内容が具体的に書かれ、応募職種との関連が見えるか
書類で止まりやすいのは、退職理由の記載がなく「なぜ毎回辞めたのか」を採用担当者が読み取れないケースです。1行加えるだけで解消できる疑問なので、先回りして埋めておくと通過率が変わります。
【パターン別】派遣の職歴の書き方と例文
派遣の経歴は人によって形が違います。よくある4つの状況ごとに、そのまま使える書き方の型を整理しました。自分に近いパターンを当てはめてください。
派遣元1社・派遣先が複数の場合
1つの派遣会社に登録したまま、複数の企業へ順番に就業してきたケースです。派遣元を最初に一度書き、あとは派遣先ごとに「就業〜退職」を時系列で並べます。
良い例文
2021年4月 〇〇人材サービス株式会社に登録
2021年4月 △△株式会社に派遣社員として就業(データ入力・書類整理等の一般事務を担当)
2022年3月 派遣期間満了につき退職
2022年4月 □□株式会社に派遣社員として就業(経理補助・請求書処理を担当)
2023年9月 派遣期間満了につき退職
派遣元も派遣先も複数ある場合
複数の派遣会社に登録しながら、それぞれから異なる企業へ就業してきた場合は、派遣会社ごとに「登録〜就業〜退職」のブロックを分けて記載します。職種の軸がぶれていないことを示す一言を添えると、経験がバラバラに見えるのを防げます。
NG例
〇〇派遣 登録→退職
××派遣 登録→退職
●●派遣 登録→退職
業務内容も職種の一貫性も書かれておらず、何をアピールしたいのか採用担当者に伝わりません。同じパターンの繰り返しは読む気を失わせる原因になります。
短期・単発派遣が多く書ききれない場合
すべてを1行ずつ並べる必要はありません。同じ業種・職種の経験をまとめ、「ほか〇社に従事」と件数を添えることで、欄を節約しながら経験の傾向を伝えられます。
良い例文(まとめ書き)
2021年4月〜2022年3月 〇〇株式会社ほか、事務・データ入力職として複数企業へ派遣就業(計6社)
2022年3月 一連の派遣期間満了につき退職
それでも収まらない場合は、履歴書には要点だけを書き、末尾に「詳細は職務経歴書に記載」と添える方法もあります。業務内容や成果は派遣の職務経歴書テンプレートを使って整理すると、読み手に伝わりやすくなります。
常用型(無期雇用)派遣・紹介予定派遣の場合
同じ派遣でも、雇用形態によって派遣会社への書き方が変わります。登録型派遣と常用型(無期雇用)派遣、紹介予定派遣の違いを押さえておきましょう。
| 雇用形態 | 派遣会社への書き方 | 退職理由の書き方 |
|---|---|---|
| 登録型派遣(有期雇用) | 登録 | 派遣期間満了につき退職 |
| 常用型派遣(無期雇用) | 入社 | 一身上の都合により退職 |
| 紹介予定派遣 | 登録(紹介予定派遣として就業) | 正社員として登用/期間終了 |
常用型派遣は派遣会社と無期雇用契約を結ぶため「入社」と書き、退職理由も通常の退職と同じ書き方になります。紹介予定派遣で直接雇用に切り替わった場合は、「紹介予定派遣として就業」の一言を必ず添えてください。採用担当者はこの記載を見て、最初から直接雇用を前提とした採用プロセスを経た人材だと判断します。
派遣の職歴で読者が抱えやすい不安と対処法
派遣先を書けない場合(守秘義務)
金融機関や官公庁関連の案件では、派遣元と派遣先の間で秘密保持契約が結ばれ、社名を外部に開示できないことがあります。この場合、社名を空欄にするのではなく、書けない理由を一言添えるのが正しい対応です。
良い例文(守秘義務がある場合)
2022年10月 株式会社〇〇ワークスに登録
2022年10月 金融機関にて事務職として就業(守秘義務のため社名の記載を控えます)
2025年3月 派遣期間満了につき退職
社名を伏せても、業種・規模・職種の3点を書けば就業環境はほぼ再現できます。書けるかどうかの判断に迷う場合は、履歴書を出す前に派遣元の担当者へ確認すると確実です。
空白期間に見えてしまわないか
派遣元への登録期間と派遣先での就業期間がずれていると、その差が空白期間として読まれることがあります。省略した契約の期間も、派遣元への登録としては継続しているケースがほとんどです。年月が途切れて見える職歴欄は、それだけで面接での質問対象になります。登録から退職まで、期間が連続するように書きましょう。
正社員経験がないことのマイナス評価が心配な場合
「なぜ正社員ではなく派遣だったのか」は、採用担当者が必ず気にする疑問です。この疑問に先回りして答えることで、書類の段階で懸念を解消できます。本人希望欄や職務経歴書の冒頭に、派遣を選んだ理由を前向きに一文添えておきましょう。
良い例文(派遣を選んだ理由)
「業界・職種ごとの業務知識を広く習得するため、複数の職場を経験できる派遣を選択してきました。経験を活かし、正社員として腰を据えて貢献できる環境を希望します。」
正社員としての転職活動に進む方は、職歴欄の行数を優先した転職用の履歴書テンプレートを使うと、複数の派遣経歴もすっきり収められます。行数が足りない場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートも検討してみてください。
職務経歴書と使い分けて評価を上げるコツ
履歴書の職歴欄は「いつ・どこで働いたか」の骨格を示す場所です。業務内容の詳細やスキル、実績は職務経歴書に任せるという役割分担を意識すると、書類全体が読みやすくなります。
採用担当者はここを見ている
- 職歴欄は骨格だけで十分。詳細は職務経歴書で確認する
- 派遣先が多くても、主要な3〜4社に絞って「他〇社」とまとめてよい
- 業務内容・担当プロジェクト・スキルは職務経歴書で読み取る
職務経歴書の書式に迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートのようなシンプルな型から始めると整理しやすくなります。履歴書と職務経歴書で記載内容が食い違わないように、社名・期間の表記は揃えておきましょう。
まとめ
- 派遣の職歴は派遣元(派遣会社)と派遣先(就業先企業)を必ず分けて書く
- 「入社・退社」ではなく「登録・就業・派遣期間満了につき退職」を使う
- 派遣先が複数・書ききれない場合は業種・職種でまとめ、詳細は職務経歴書へ回す
- 守秘義務がある場合は理由を一言添え、業種・規模・職種で情報を補う
派遣の職歴は、正しい書き方さえ押さえれば十分に評価される経歴です。今の職歴欄を見直し、採用担当者に伝わる記載に整えてください。
派遣の職歴の書き方に関するよくある質問
- 派遣の職歴に「入社」と書いてはいけませんか?
-
派遣先への就業では使いません。派遣会社には「登録」、派遣先へは「就業」、契約終了時は「派遣期間満了につき退職」と書きます。「入社」と書くと直接雇用だったと誤解され、入社手続きの段階で食い違いが生じます。
- 派遣先が多く職歴欄に収まらない場合はどうすればいいですか?
-
すべてを1行ずつ書く必要はありません。同じ業種・職種の経験を「〇社に派遣就業(計〇社)」とまとめ、詳細は職務経歴書に回すと読みやすくなります。省略によって空白期間が生じる場合は、短くても記載してください。
- 派遣先の会社名を守秘義務で書けない場合はどうすればいいですか?
-
「守秘義務のため社名の記載を控えます」のように理由を一言添え、業種・規模・職種は書ける範囲で記載します。書けるかどうか迷う場合は、履歴書を提出する前に派遣元の担当者へ確認すると確実です。
- 派遣が多いと採用で不利になりますか?
-
派遣経験の数そのものが不利になるわけではありません。不利に見えるのは、業務内容や退職理由が書かれず経験の一貫性が読み取れない場合です。応募先につながる業務を具体的に書き、「派遣期間満了につき退職」と契約上の区切りを明記すれば印象は変わります。
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