履歴書は氏名や学歴・職歴といった基本情報を正確に伝える書類、職務経歴書は担当業務や実績を具体的にアピールする書類です。同じ内容をそのまま書き写すと、使い回しの印象を与えてしまいます。この記事では、履歴書と職務経歴書それぞれの書き方を、項目別の記入例つきで解説します。初めて作成する方でも、順番通りに読めば迷わず書き上げられます。
履歴書と職務経歴書の書き方の結論|まず押さえる3つのポイント
結論:役割の違いを理解してから書き始める
履歴書は「どんな経歴を持つ人物か」を採用担当者が事実として確認するための書類です。一方、職務経歴書は「入社後に活躍できる根拠」を示すための書類で、担当業務や実績を数字とともに詳しく記載します。この役割の違いを先に理解しておくと、どの欄に何を書けばいいか迷わなくなります。
書く順番に迷ったら、情報量の多い職務経歴書から着手するのがおすすめです。担当業務や実績をすべて洗い出したあとに履歴書の職歴欄や自己PRへ要約すると、内容の一貫性を保ちやすくなります。
【比較表】履歴書と職務経歴書 記入項目の違い
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 氏名・住所・連絡先 | 記載する | 記載しない |
| 学歴 | 記載する | 基本的に記載しない |
| 職歴 | 会社名・在籍期間のみ | 業務内容・実績を詳しく記載 |
| 資格・免許 | 正式名称ですべて記載 | 業務との関連づけを添えて記載 |
| 志望動機 | 200〜300字で簡潔に | 欄がある場合は300〜400字で詳しく |
| 自己PR | 150〜250字で要点のみ | 数字とエピソードを添えて詳しく |
| フォーマット | 定型様式が基本 | 自由形式 |
| 枚数の目安 | A4 1〜2枚 | A4 2〜3枚 |
履歴書と職務経歴書 記入項目の比較
【記入例】履歴書の職歴欄の書き方
履歴書の職歴欄は「事実の年表」として扱います。会社名・在籍期間・入退社のみを時系列で記載し、担当業務の説明は不要です。
良い例文
2019年4月 〇〇株式会社 入社
2023年3月 一身上の都合により退社
NG例
「〇〇株式会社(株)入社」のように会社名を略す、退職理由を省略する。正式名称を省略すると準備不足の印象を与えます。
【記入例】職務経歴書の職務経歴の書き方
職務経歴書の職歴は「成果の証明」です。担当エリアや規模、達成率など数字と具体性を盛り込み、採用担当者が成果をイメージできるように書きます。
良い例文
〇〇株式会社 営業部(2019年4月〜2023年3月)
担当:法人向けルート営業(関東圏)、担当社数30社
実績:3年目に新規開拓20社達成、売上達成率3期連続115%超
NG例
職務経歴書にも「〇〇株式会社 入社・退社」とだけ記載する。履歴書と同じ内容だけでは職務経歴書を提出する意味がありません。
なぜ書き分けが必要なのか|採用担当者が見ているポイント
多くの採用担当者は、まず履歴書で応募者をスクリーニングし、通過した候補者の職務経歴書を詳しく読むという順序で書類を確認します。履歴書で基準を満たしているかを判断し、職務経歴書で自社に合っているかを見極めるのが一般的な流れです。
つまり履歴書の段階で印象を落とすと、どれだけ優れた職務経歴書を書いても読まれない可能性があるということです。両方の書類を同じ熱量で仕上げる必要があります。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書:学歴・職歴の空白期間がないか、在籍期間に矛盾がないか
- 職務経歴書:業務内容や実績が具体的な数字で書かれているか
- 両書類を突き合わせて、在籍期間や担当業務にズレがないか

履歴書の書き方【項目別】
基本情報・学歴欄
氏名は戸籍どおりに、姓と名の間を1マス空けて記載します。住所は都道府県から番地・建物名まで省略しません。学歴は高校入学から書くのが一般的で、入学・卒業をそれぞれ1行ずつ記載します。
フォーマットに迷う場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートやJIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、項目の並びで迷わず記入を進められます。転職活動であれば、転職用の履歴書テンプレートも職務経歴書とあわせて活用しやすい様式です。
採用担当者はここを見ている
- 空欄が多い履歴書は「準備不足」「志望度が低い」と受け取られやすい
- 住所やふりがなの記載ミスは、細部への注意力を疑われる原因になる

資格・免許欄
取得年月が古い順に、正式名称で記入します。「普通自動車第一種運転免許」のように略さず書くのが基本です。
- 資格名は通称ではなく正式名称で記載する
- 取得年月は西暦・和暦のどちらかに統一する
- 応募職種に関係する資格を優先して並べる
志望動機・自己PR欄(簡潔版)
履歴書の志望動機は200〜300字、自己PRは150〜250字を目安に、要点だけをコンパクトにまとめます。採用担当者がスクリーニング時に30秒程度で読める分量に収めるのがポイントです。詳しい書き方や状況別の例文は、以下の記事も参考にしてください。

職務経歴書の書き方【項目別】
職務要約
冒頭に3〜4行で経歴の全体像をまとめます。経験業界・職種・年数・得意分野を簡潔に示し、採用担当者が続きを読みたくなる導入にします。
良い例文
大学卒業後、〇〇株式会社にて4年間法人営業に従事。新規開拓と既存顧客のフォローを両立し、3期連続で売上目標を達成。関係構築力と課題発見力を強みとしています。
職務経歴(担当業務・実績)
在籍した会社ごとに、会社概要・在籍期間・担当業務・実績を分けて記載します。業務内容やプロジェクトごとにまとめる書き方にすると、時系列にこだわりすぎず強みから伝えられます。
- 会社概要:事業内容・資本金・従業員数(分かる範囲で)
- 在籍期間・雇用形態
- 担当業務:役割・規模・関わったプロジェクト
- 実績:数字で示せる成果(売上・改善率・件数など)
ハローワーク経由の応募であれば、様式が指定されていることがあります。ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと、項目の抜け漏れを防ぎながら記入できます。
活かせる知識・スキル
応募先の業務に直結するスキルを優先し、箇条書きで簡潔に示します。並べすぎると何を強みにしたいのかがぼやけるため、3〜5項目程度に絞るのが目安です。
自己PR(詳細版)
「結論(強み)→ エピソードと数字 → 入社後の再現性」の順で書きます。履歴書の自己PRを拡張したものと位置づけると、内容がぶれません。
良い例文
私の強みは、課題を数字で捉えて改善する力です。前職では発注方法を見直し、廃棄ロスを前年比で約20%削減しました。貴社の在庫管理業務でも同様の改善力を発揮したいと考えています。
NG例
「誰とでもすぐ仲良くなれます」「何事も前向きに取り組みます」だけで終わる自己PR。数字とエピソードがないと再現性が伝わりません。
状況別|書く材料が少ないときの工夫
実績・スキルに自信がない場合
華やかな実績がなくても、日々の業務で工夫した点や任された役割を具体的に言語化すれば材料になります。「感謝された」「任された」場面を書き出し、共通する行動パターンを強みに置き換えるとスムーズです。
転職回数が多い場合
転職回数そのものより、経歴の一貫性のなさが懸念されます。職務経歴書の冒頭で「これまでの経験がどうつながって今回の応募に至ったか」を一言添えると、印象が変わります。各社での経験を無理にすべて詳述せず、応募先に関連する経験を厚めに書くのがコツです。
NG例
転職理由をすべて「一身上の都合」で済ませ、経歴のつながりに触れないまま提出する。深掘りされたときに説明できず、面接で不信感を持たれやすくなります。
提出前の最終チェックポイント
提出前に確認したいポイント
- 在籍期間が履歴書と職務経歴書で月単位まで一致しているか
- 資格の取得年月が両書類で食い違っていないか
- 志望動機の核心となるメッセージが両書類で揃っているか
- 誤字脱字がないか、印刷またはPDFで最終確認したか
提出時のマナーや矛盾チェックをさらに詳しく確認したい場合は、以下の記事も参考になります。
まとめ
- 履歴書は事実を伝える書類、職務経歴書は実績をアピールする書類という役割の違いを理解する
- 職務経歴書から書き始めると、履歴書の記載内容と一貫性が保ちやすい
- 職歴・志望動機・自己PRは同じ核心を保ちながら、文字数と具体性で書き分ける
- 提出前は在籍期間・資格取得年月・志望動機の内容に矛盾がないか確認する
両書類の役割分担を理解して項目ごとに書き分ければ、初めての作成でも迷わず仕上げられます。
履歴書・職務経歴書の書き方に関するよくある質問
- 履歴書と職務経歴書はどちらを先に書くべきですか?
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職務経歴書を先に書くのがおすすめです。担当業務や実績を先にすべて洗い出しておくと、その要約を履歴書の職歴欄や自己PRに反映しやすくなり、書く順番に迷いません。
- 履歴書と職務経歴書は同じ内容を書いてもいいですか?
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在籍した会社名や期間などの事実は一致させる必要がありますが、内容をそのまま使い回すのは避けてください。履歴書は簡潔な事実の記載、職務経歴書は具体的な実績の記載と、深さを変えるのが基本です。
- アルバイトやパートの応募でも職務経歴書は必要ですか?
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企業から指定がなければ、アルバイト・パートの応募で職務経歴書の提出を求められることは多くありません。ただし正社員登用を前提とした求人や、職歴が複数ある場合は提出を求められることがあります。
- 履歴書と職務経歴書はそれぞれ何枚くらいが目安ですか?
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履歴書はA4サイズ1〜2枚、職務経歴書はA4サイズ2〜3枚程度が一般的な目安です。職歴が多い場合でも、要点を絞ってA4用紙3枚以内にまとめると読みやすくなります。

