履歴書と職務経歴書は、原則どちらも提出が必要な別々の書類です。履歴書は基本情報、職務経歴書は実績やスキルを伝える役割に分かれています。同じ内容をそのまま両方に書いてしまい、情報が薄いと判断されるケースも少なくありません。項目ごとの書き分け方と、採用担当者が実際にチェックしているポイントを紹介します。
履歴書と職務経歴書は両方提出が必要|書き分けの結論
結論:基本情報は履歴書、実績・スキルは職務経歴書
企業から特に指示がない限り、履歴書と職務経歴書は両方セットで提出するのが基本です。履歴書には氏名・住所・学歴・職歴(会社名と在籍期間)・資格といった客観的な事実を記載し、職務経歴書には担当業務の内容や実績、身につけたスキルを具体的に記載します。
片方だけでは応募者の情報として不十分になるため、二種類の書類で役割を分担していると考えてください。使用する履歴書のフォーマットに迷う場合は、転職用の履歴書テンプレートを確認しておくと、記載項目の抜け漏れを防げます。
一目でわかる書き分け早見表
| 項目 | 履歴書に書く内容 | 職務経歴書に書く内容 |
|---|---|---|
| 氏名・連絡先 | 記載する | 原則記載しない |
| 学歴 | 年月とともに記載 | 原則記載しない |
| 職歴 | 会社名・在籍期間のみ | 業務内容・実績を詳しく記載 |
| 資格 | 取得年月とともに一覧で記載 | 業務に関連するものを実績と紐づけて記載 |
| 志望動機 | 簡潔に記載 | 具体的な背景と貢献意欲を記載 |
| 自己PR | 簡潔に記載(欄がある場合) | エピソードを交えて詳しく記載 |
良い書き分け例/NG例
良い例文
履歴書(職歴欄)
2020年4月 株式会社〇〇 入社(現在に至る)
職務経歴書
株式会社〇〇にて法人営業を担当。新規開拓から既存顧客のフォローまで一貫して対応し、新規契約件数を前年比130%に伸ばしました。
NG例
履歴書の職歴欄に「法人営業として新規開拓から既存フォローまで対応し、新規契約件数を前年比130%に伸ばした」と職務経歴書とまったく同じ文章を書いてしまうケースです。履歴書の限られたスペースに詳細を詰め込むと読みづらくなるうえ、職務経歴書と内容が重複し「書類を使い回している」という印象を与えます。
履歴書と職務経歴書、それぞれの役割の違い
履歴書の役割|基本情報と人物像の一貫性を伝える書類
履歴書は、応募者が「どんな人物か」を採用担当者に伝えるための書類です。氏名・住所・学歴・職歴・資格・通勤時間といった項目を決まった様式で記載するため、複数の応募者を同じ基準で比較しやすいという特徴があります。
採用担当者は履歴書から、学歴と職歴の年月に矛盾がないか、転職回数や在籍期間に不自然な点がないかを確認します。ここで記載する内容は後から出てくる職務経歴書の内容と一致していることが前提になります。
職務経歴書の役割|実績とスキルをプレゼンする書類
職務経歴書は、履歴書だけでは伝わらない「何ができる人か」を詳しく説明するための書類です。担当業務の範囲、身につけたスキル、成果を具体的に記載し、応募先の企業でどう貢献できるかを提案する役割を持ちます。
様式が自由なぶん、書き手の力量が結果に出やすい書類でもあります。フォーマットの選び方に迷う場合は、以下の記事で職種別の型を確認できます。

採用担当者はここを見ている
- 履歴書と職務経歴書で、在籍期間や会社名の記載にズレがないか
- 履歴書の職歴だけが不自然に省略され、空白期間が隠れていないか
- 職務経歴書の実績が、履歴書に書かれた在籍期間と矛盾していないか
項目別|履歴書と職務経歴書の書き分け方
職歴欄の書き分け方
履歴書の職歴欄は「会社名」「入社・退社の年月」のみを時系列で記載します。業務内容には触れず、事実だけを簡潔に並べるのが基本です。
良い例文(履歴書の職歴欄)
2018年4月 株式会社〇〇 入社
2026年3月 株式会社〇〇 一身上の都合により退社
資格欄の書き分け方
履歴書の資格欄には、取得したすべての資格を取得年月順に記載します。一方、職務経歴書では応募職種に関連する資格だけを選び、その資格を実務でどう活かしたかまで書き添えると説得力が増します。
志望動機の書き分け方
履歴書の志望動機欄はスペースが限られているため、応募理由を3〜4行程度に要約します。職務経歴書側では、これまでの経験と応募先の事業をどう結びつけて貢献したいかを、具体的なエピソードとともに詳しく展開します。
書き出しに迷う場合は、以下の記事で状況別の例文を確認できます。

自己PRの書き分け方
履歴書に自己PR欄がある場合は、強みを一言で表す見出し的な内容にとどめます。職務経歴書の自己PRでは、その強みを裏付ける具体的な行動と成果をセットで書くことで、履歴書の内容を補強する形にします。
内容が重複してしまう人が陥る失敗パターン
履歴書と職務経歴書の内容が重複してしまう背景には、多くの場合「二つの書類を似たもの」と誤解していることがあります。職歴の詳細をどちらにも書こうとした結果、片方が薄くなるか、両方が同じ内容になってしまうのです。
よくある失敗パターン
- 職務経歴書の文章をそのまま履歴書の職歴欄にコピーしてしまう
- 職務経歴書に力を入れるあまり、履歴書の職歴欄が会社名だけの一行で終わっている
- 志望動機や自己PRを一言一句同じ文章で使い回している
採用担当者から見て評価が高いのは、履歴書で「事実の一貫性」を、職務経歴書で「事実の意味づけ」を書き分けている応募書類です。同じ職歴について書くとしても、履歴書は在籍の事実、職務経歴書はそこで何を成し遂げたかという意味を担当させると、内容が重複しません。
職種別のテンプレートを土台にすると、この役割分担が自然にできる構成になっています。ハローワーク経由での応募を想定している場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを確認しておくと、項目の抜け漏れを防げます。
履歴書・職務経歴書を提出するときの注意点
履歴書と職務経歴書は、提出方法によって注意すべき点が異なります。郵送・メール・Web応募フォームのそれぞれで基本的なマナーを押さえておきましょう。
- 郵送の場合:履歴書と職務経歴書はクリアファイルに重ねて挟み、折らずにA4サイズの封筒に入れます
- メール添付の場合:それぞれPDF形式に変換し、ファイル名に氏名を入れて誤送信を防ぎます
- Web応募フォームの場合:指定された形式(PDF・Word等)を必ず確認し、文字化けがないか送信前に見直します
封筒での送付方法や同封する添え状のマナーは、以下の記事で詳しく解説しています。

厚生労働省が公開している様式を使いたい場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、これまで使い慣れたJIS規格の様式を探している場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートを参考にしてください。
採用担当者は郵送物の折り目やメールのファイル形式といった細部からも、応募者の丁寧さを見ています。内容がどれだけ良くても、提出方法のマナー違反だけで印象が下がることがあります。
まとめ
- 履歴書と職務経歴書は、企業から指示がない限り両方セットで提出する
- 履歴書は基本情報と事実の一貫性、職務経歴書は実績とその意味づけを担当する
- 職歴・資格・志望動機・自己PRは項目ごとに書く粒度を変えて重複を避ける
- 郵送・メール・Web応募それぞれの提出マナーを守る
二つの書類の役割を理解して書き分けるだけで、採用担当者に伝わる情報量は大きく変わります。
履歴書と職務経歴書に関するよくある質問
- 履歴書と職務経歴書はどちらも手書きで書く必要がありますか?
-
手書き指定がない限り、どちらもパソコンで作成して問題ありません。職務経歴書は特にパソコン作成が一般的です。企業から手書き指定があった場合のみ、履歴書を手書きで用意してください。
- 履歴書と職務経歴書で書く内容が少し重複してしまうのは問題ありませんか?
-
職歴や資格など、事実として両方に登場する項目自体は問題ありません。避けるべきなのは、同じ文章をそのまま使い回して、詳細度や粒度まで一致させてしまうことです。履歴書は簡潔な事実、職務経歴書は詳しい説明という役割分担を意識してください。
- 企業から職務経歴書の提出を求められなかった場合、用意しなくていいですか?
-
求人票や応募要項に記載がなければ、履歴書のみで応募できる場合もあります。ただし中途採用では、指定がなくても職務経歴書を任意で添付すると実績が伝わりやすくなり、選考で有利に働くことがあります。
- 履歴書と職務経歴書、採用担当者はどちらを先に確認しますか?
-
企業や担当者によって順序は異なりますが、履歴書で基本情報と年齢・経歴の概要を確認したうえで、職務経歴書で実務能力を詳しく見るケースが多い傾向にあります。どちらから読まれても内容が一致しているように準備しておくことが大切です。

