この記事では、教員採用に応募するときの履歴書に添える送付状の書き方を、採用担当者の視点で解説します。教育委員会・学校法人・校長宛での「御中」と「様」の使い分けや、公立と私立での違い、そのまま使える例文・テンプレートまでまとめました。
教員の応募で履歴書に送付状は必要か
教員採用試験や私立学校・塾の求人に履歴書を郵送する場合、送付状(添え状)は同封するのが基本です。教育現場でも、書類のやり取りでは社会人としての文書マナーが見られています。一枚添えるだけで「誰が・どこに・何を送ったか」が一目で伝わり、応募書類を扱う事務担当者の手間を減らせます。
ただし、教員の応募は送り先が公立か私立かで宛先の考え方が変わります。送付状そのものの形式は共通でも、宛名の書き方が応募先によって異なる点が、一般企業向けの解説記事だけでは判断しづらいところです。
公立(教育委員会経由)の応募の場合
公立学校の教員採用試験は、各都道府県・政令市の教育委員会が窓口です。出願書類の提出先も教育委員会になるため、送付状の宛先は学校ではなく教育委員会になります。要項で「○○課宛」と部署が指定されていれば、その部署名まで正確に書き写してください。
公立の出願は、所定の様式や提出方法が要項で細かく決められているケースが多いです。送付状の有無まで指定されることは少ないものの、添えておいて減点されることはありません。要項に「同封不要」と明記がある場合のみ、指示に従います。
私立学校・塾・予備校の応募の場合
私立学校や塾・予備校への応募は、一般企業の中途採用に近い扱いになります。運営母体である学校法人や運営会社、または学校長・採用担当者が送り先です。求人票や募集ページに記載された宛先をそのまま使い、書かれていない場合は応募先へ確認するのが確実です。
公立と私立で違う点
- 公立:宛先は教育委員会(指定の課・係まで記載)。様式は要項に従う
- 私立・塾:宛先は学校法人・運営会社・校長など。求人票の指定を優先
送付状を入れる封筒のマナーや「履歴書在中」の書き方は、郵送時の封筒の書き方をまとめた記事もあわせて確認しておくと安心です。

教員の送付状に書く基本構成と並び順
送付状はA4用紙1枚に収め、上から決まった順番で要素を並べます。教員の応募でも構成自体は一般的なビジネス文書と同じです。次の順で配置すると、過不足なくまとまります。
| 並び順 | 項目 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 1 | 日付 | 投函する日付(履歴書と和暦・西暦をそろえる) |
| 2 | 宛名 | 教育委員会/学校法人/校長など応募先の正式名称 |
| 3 | 差出人 | 自分の氏名・住所・電話番号・メールアドレス |
| 4 | 表題 | 「応募書類送付のご案内」など |
| 5 | 頭語・時候の挨拶 | 「拝啓 ○○の候〜」 |
| 6 | 応募の経緯 | どの求人・試験に応募したか |
| 7 | 結びの挨拶・結語 | 面接のお願い+「敬具」 |
| 8 | 同封書類の一覧 | 履歴書・職務経歴書などの種類と枚数 |
差出人の氏名・住所は宛名より少し下げて右寄せにし、本文より小さめに書くと読みやすくなります。日付は履歴書に書いた日付と表記をそろえてください。和暦と西暦が書類ごとにバラついていると、それだけで雑な印象を与えます。
【最重要】教員の送付状の宛名の書き方(御中と様の使い分け)
教員の送付状で最もつまずきやすいのが宛名です。送り先が「組織」なのか「個人」なのかで敬称が変わり、ここを外すと書類全体の印象が下がります。基本ルールはシンプルです。組織や団体には「御中」、特定の個人には「様」を使い、両方を重ねて書きません。
教育委員会に送る場合
公立の出願で教育委員会へ送る場合、宛先は組織なので「御中」を使います。担当部署が要項に書かれていれば、部署名まで含めて記載してください。
- ○○県教育委員会 御中
- ○○市教育委員会 教職員課 御中(部署指定がある場合)
学校法人・私立学校に送る場合
私立学校は運営する学校法人が送り先になることがあります。法人名は「学校法人○○」と正式名称で書き、省略しません。宛先が組織であれば「御中」、理事長や事務局長など個人が指定されていれば「様」を使います。
- 学校法人○○学園 御中
- 学校法人○○学園 ○○高等学校 事務局 御中
校長・採用担当者個人に送る場合
校長や採用担当者など個人が宛先のときは「様」を使います。ここで多いのが「校長先生様」という二重敬称です。「先生」自体が敬称にあたるため、「様」と重ねるのは誤りになります。校長個人に送るなら役職と氏名のあとに「様」を付けるのが正解です。
- ○○高等学校 校長 ○○○○ 様
- ○○学園 採用ご担当者様(担当者名が不明な場合)
NG例
○○高等学校 校長先生様
→「先生」と「様」の二重敬称でマナー違反。「校長 ○○○○ 様」または「校長先生」のどちらかにする。
○○県教育委員会 御中 ○○課長様
→「御中」と「様」の併用は誤り。個人宛なら「御中」を外す。
採用担当者はここを見ている
- 組織宛か個人宛かを正しく判断し、敬称を使い分けているか
- 学校名・法人名を省略せず正式名称で書けているか
- 要項や求人票で指定された宛先を正確に書き写しているか
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →そのまま使える教員の送付状 例文・テンプレート
応募先のパターン別に例文を用意しました。日付・宛名・差出人・志望先を自分の状況に置き換えれば、そのまま使えます。教員の送付状は、志望動機を長々と書くより簡潔にまとめる方が好印象です。熱意は履歴書や面接で伝える前提で、送付状は事務的に整えてください。
良い例文(公立・教育委員会宛)
令和○年○月○日
○○県教育委員会 御中
(右寄せ)
住所:○○県○○市○○町○-○-○
氏名:○○ ○○
電話:090-0000-0000
メール:sample@example.com
応募書類送付のご案内
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、令和○年度○○県公立学校教員採用候補者選考試験に出願いたします。応募書類を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。ご多用のところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
敬具
記
一、履歴書 1部
一、その他出願書類 各1部
以上
良い例文(私立学校・校長宛)
令和○年○月○日
○○高等学校
校長 ○○ ○○ 様
(右寄せ)
住所:○○県○○市○○町○-○-○
氏名:○○ ○○
電話:090-0000-0000
メール:sample@example.com
応募書類送付のご案内
拝啓 貴校ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴校の専任教諭(○○科)の募集を拝見し、応募いたします。履歴書および職務経歴書を同封いたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。面接の機会を頂戴できましたら幸いです。
敬具
記
一、履歴書 1部
一、職務経歴書 1部
以上
NG例
「私は子どもの頃から教師に憧れており、貴校で必ず生徒に寄り添う指導を実現したいと考えています。私の強みは…」と志望動機を長文で書く。
→送付状に熱意を詰め込みすぎるのは逆効果。要点だけ簡潔に書き、志望動機は履歴書・職務経歴書に回す。
送付状をスマホで作ってコンビニで印刷したい場合は、スマホで作成してコンビニ印刷する手順を参考にすると、自宅にプリンターがなくても用意できます。

教員の送付状で採用担当者が見ているポイントとよくある失敗
送付状そのもので合否が決まるわけではありません。それでも、最初に書類を手に取る管理職や事務担当者は、社会人としての基本ができているかをここで判断しています。教育現場は保護者対応や公的な文書のやり取りが多く、文書の正確さがそのまま信頼につながるためです。
採用担当者はここを見ている
- 宛名の敬称が正しく、学校名・法人名に誤字がないか
- 同封書類の一覧と実際の中身が一致しているか
- 志望先を取り違えた使い回しの文面になっていないか
とくに多い失敗が、他校に出した送付状を学校名だけ書き換えて使い回し、本文中に前の応募先の名前が残ってしまうケースです。複数校に応募するときほど、送る前に宛名と本文の学校名を声に出して読み合わせてください。同封書類の一覧は、封をする直前に現物と照らし合わせて確認します。
送る前のチェックリスト
- 宛名は組織なら御中、個人なら様になっているか
- 学校名・法人名・部署名は要項どおりの正式名称か
- 日付の和暦・西暦が履歴書とそろっているか
- 同封書類の一覧と中身が一致しているか
教員の送付状は手書き?パソコン?用紙・封筒のマナー
送付状は手書きでもパソコン作成でも問題ありません。読みやすさと作成効率からパソコンで作る人が増えていますが、履歴書を手書きで仕上げた場合は送付状も手書きにそろえると統一感が出ます。どちらを選んでも、内容と宛名が正確であることが最優先です。
| 項目 | パソコン作成 | 手書き |
|---|---|---|
| 向き | 横書き | 縦書き(横書きも可) |
| 用紙 | A4・白の無地 | A4・白の便箋(無地〜薄罫) |
| 書体・筆記具 | 明朝体やゴシック体 | 黒のボールペンか万年筆 |
| 向いている人 | 複数校に応募する人 | 履歴書を手書きにした人 |
送付状は履歴書・職務経歴書の一番上に重ね、封筒の表から見て正面になる向きで入れます。封筒や「履歴書在中」の書き方、白封筒の入手先で迷ったときは、封筒の選び方と書き方をまとめた記事も確認しておくと、郵送全体のマナーを一通り押さえられます。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 教員の応募でも送付状は同封が基本。公立は教育委員会、私立は学校法人・校長が宛先
- 宛名は組織なら「御中」、個人なら「様」。「校長先生様」のような二重敬称はNG
- 志望動機は盛り込みすぎず、送付状は簡潔に。熱意は履歴書・面接で伝える
- 送る前に宛名・学校名・同封書類の一覧を現物と照らし合わせる
宛名の敬称と簡潔さの2点を押さえれば、教員の送付状はそのまま通用します。手が止まっているなら、まず応募先が公立か私立かを確認し、本記事の例文に当てはめるところから始めてください。
教員の履歴書・送付状に関するよくある質問
- 教員採用試験の出願でも送付状は必要ですか?
-
必須ではありませんが、添えておくのが無難です。教育委員会へ書類を郵送する際に送付状があると、何の書類を送ったかが一目で伝わります。要項に「同封不要」と明記がある場合のみ、その指示に従ってください。
- 宛名は「校長先生様」と書いてよいですか?
-
「先生」が敬称にあたるため、「様」と重ねるのは誤りです。校長個人に送るなら「校長 ○○○○ 様」と役職・氏名のあとに「様」を付けます。氏名がわからない場合は「校長先生」または「採用ご担当者様」とします。
- 送付状に志望動機は書くべきですか?
-
長く書く必要はありません。送付状は応募書類を送ったことを伝える文書なので、応募の経緯を一文添える程度で十分です。志望動機の詳細は履歴書や職務経歴書、面接で伝えてください。
- 手書きとパソコン、どちらで作るのがよいですか?
-
どちらでも問題ありません。複数校に応募するならパソコンが効率的です。履歴書を手書きで仕上げた場合は、送付状も手書きにそろえると統一感が出ます。手書きの場合は黒のボールペンか万年筆を使います。


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