秘書の志望動機で通過を分けるのは、「秘書という仕事」ではなく「その企業」を選んだ理由を自分の言葉で語れているかです。この記事では、経験者・未経験者それぞれの例文と、採用担当者が思わず落としたくなる共通点を、実際の書き方に沿って解説します。
秘書の志望動機はこう書く|結論と経験者・未経験者の例文
結論:「その企業を選んだ理由」を自分の言葉で伝える
秘書の志望動機は、以下の3点を順番に盛り込むと採用担当者に伝わりやすくなります。
- 秘書という仕事を選んだ理由(サポート業務への適性・関心)
- 数ある企業の中でその会社を選んだ理由(事業内容・経営方針への共感)
- 入社後にどう貢献できるか(自分の経験・スキルとの接続)
この3点のうち、多くの応募者が抜け落ちるのが2番目の「その企業を選んだ理由」です。秘書業務への意欲だけを語ると、他社にも出せる文章になってしまいます。事業内容や経営陣の発信を踏まえ、自分の言葉で企業への関心を書くことが、通過する志望動機の土台になります。
秘書経験者の志望動機例文
良い例文
前職では役員秘書としてスケジュール調整、来客対応、出張手配を担当し、突発的な予定変更にも優先順位を判断して対応する経験を積んできました。貴社を志望した理由は、海外展開を積極的に進めている点に魅力を感じたためです。前職では英語での来客対応や資料作成の機会もあり、この経験を活かして貴社の国際的な業務をサポートしたいと考えています。
NG例
秘書として3年の経験があり、スケジュール管理や来客対応が得意です。人をサポートする仕事にやりがいを感じるため、貴社でも秘書として活躍したいと考えています。この文章は経験の説明だけで終わっており、なぜその企業なのかが一切書かれていません。同じ文面をどの企業にも送れてしまう内容です。
採用担当者はここを見ている
- 経験のアピールだけで終わらず、企業研究に基づく志望理由まで書けているか
- 前職の経験と、応募先企業の事業内容・特徴が具体的に結びついているか
未経験から秘書を目指す場合の志望動機例文
未経験者は「なぜ秘書に向いているか」の根拠を、これまでの職務経験から具体的に示す必要があります。
良い例文(営業事務からの転職)
営業事務として3年間、複数の営業担当者のスケジュール調整や資料作成を並行して対応してきました。相手の状況を先回りして確認し、期限より前に資料をそろえることで「助かる」と言われる機会が多く、サポート業務への適性を実感してきました。貴社が掲げる「社員一人ひとりの力を最大化する」という方針に共感し、この経験を役員秘書として活かしたいと考えています。
NG例
秘書という仕事に憧れがあり、人を支える仕事にやりがいを感じます。未経験ですが、コミュニケーション能力には自信があるので頑張りたいです。「憧れ」「自信がある」という主観的な言葉だけで、根拠となる経験が示されていません。採用担当者は再現性のある行動を知りたがっています。
採用担当者はここを見ている
- 「向いている」という主張の裏付けとなる具体的なエピソードがあるか
- 前職の業務内容が秘書業務のどの部分と重なるかを説明できているか
履歴書全体のフォーマットに迷う場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと、志望動機欄の分量やレイアウトに合わせて書き進められます。未経験からの転換を志望動機でどう表現するかをさらに深掘りしたい場合は、下記もあわせてご覧ください。

「秘書ならどこでも良かった」と思われる志望動機の共通点
採用担当者が最も警戒するのは、「秘書という職種であればどこでもよかったのではないか」と読める志望動機です。書いている本人は意欲を伝えているつもりでも、結果的に企業選びの理由が抜け落ちてしまうケースが多く見られます。
「どこでも良かった」と感じられる志望動機の共通点
- 「サポートする仕事が好き」で理由が完結している
- 企業名を伏せても意味が通じてしまう内容になっている
- 秘書検定などの資格を並べるだけで、活かし方が書かれていない
- 企業の事業内容や経営方針に一切触れていない
この状態を避けるには、応募先の企業サイトやニュースリリース、代表者のインタビュー記事などを読み込み、その会社ならではの特徴を1つ以上、自分の言葉で拾い上げることが必要です。「成長段階のベンチャーで秘書業務の型を自分で作りたい」「創業50年の安定した組織で、長期的にサポート業務を極めたい」など、企業のフェーズによって刺さる理由は変わります。
差がつく志望動機に必ず入れる3つの要素
結論で触れた3つの要素を、それぞれどう膨らませるかを具体的に見ていきます。
その企業を選んだ理由
事業内容だけでなく、経営方針や社風、成長フェーズのどこに共感したのかまで書きます。「貴社の企業理念に共感しました」だけでは抽象的すぎるため、理念のどの部分に、なぜ共感したのかを一文加えると説得力が増します。
秘書という仕事を選んだ理由
「サポートが好き」という気持ちだけでなく、なぜ好きだと感じるのかを行動レベルで説明します。「相手の予定や状況を先読みして動くと感謝されることが多く、その瞬間にやりがいを感じる」のように、具体的な場面を1つ挙げると伝わりやすくなります。
入社後に貢献できる理由
自分の経験やスキルが、応募先の秘書業務のどの部分に活かせるかを具体的に書きます。「英語対応ができるので海外来客に対応できる」「経理の知識があるので経費精算まで一括してサポートできる」など、企業側が採用後をイメージできる書き方が有効です。
【状況別】秘書の志望動機で気をつけたいポイント
社長・役員秘書を目指す場合
社長・役員秘書は、経営層の意思決定を近くで支える立場です。単なる事務処理能力だけでなく、情報を外部に漏らさない守秘義務への意識を志望動機の中で示すと評価されやすくなります。「前職で経営会議の議事録作成を担当し、社外秘情報の取り扱いを徹底していた」といった実績があれば具体的に書きましょう。
医療秘書・医療事務からのキャリアチェンジの場合
医療秘書や医療事務の経験がある場合、患者・医師双方への配慮が求められる業務で培った気配りを、一般企業の秘書業務にどう転用できるかを書くと伝わりやすくなります。専門用語の扱いや、限られた時間での正確な事務処理といった強みは、業種を問わず評価されるポイントです。
営業事務・一般事務から秘書へ転職する場合
営業事務や一般事務からの転職では、複数人の予定管理や資料作成の経験がそのまま秘書業務に直結します。「特定の1人ではなく複数の担当者を支えてきた経験があるからこそ、優先順位の判断に慣れている」という切り口は、事務職からの転職者ならではの強みとして書きやすい内容です。
秘書検定などの資格は志望動機に書くべきか
結論として、秘書検定などの資格は志望動機に書いてよいですが、資格名を並べるだけでは評価されません。資格を通じて何を習得し、それを応募先でどう活かすのかまで書いて初めて意味を持ちます。
| 書き方 | 採用担当者の受け取り方 |
|---|---|
| 秘書技能検定試験2級を取得しています | 資格の有無を伝えるだけで印象に残りにくい |
| 秘書技能検定試験2級の学習を通じて来客対応のマナーを体系的に習得し、前職の受付業務で実践してきました | 資格と実務経験が結びつき、即戦力として伝わりやすい |
資格欄への正式名称の記載も、細部への注意力を示す材料になります。表記のルールで迷う場合は、資格欄の書き方を個別に確認しておくと安心です。

職務経歴書とあわせて秘書としての実績を伝えたい場合は、職務経歴書側の書き方も確認しておくと、志望動機と職務経歴書の内容に一貫性を持たせやすくなります。応募先が厚生労働省の様式を指定している場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと様式面での失敗を防げます。
反対に企業からJIS規格での提出を求められた場合は、JIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。

まとめ
- 秘書の志望動機は「その企業を選んだ理由」を自分の言葉で書けるかが最大のポイント
- 経験者は前職の実績と応募先の特徴を結びつけ、未経験者は前職の経験から適性の根拠を示す
- 「秘書ならどこでも良かった」と読める志望動機は、企業研究の一言を加えるだけで印象が変わる
- 秘書検定などの資格は、活かし方まで書いて初めてアピールになる
結論・企業選定理由・貢献できる理由の3点を押さえれば、経験の有無に関わらず自分だけの志望動機に仕上げられます。
秘書の志望動機に関するよくある質問
- 秘書未経験でも志望動機で評価されますか?
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評価されます。採用担当者は資格や実務経験の有無よりも、これまでの職務経験の中でサポート業務に近い行動を取れているかを見ています。前職での気配りや調整の経験を具体的なエピソードとして書けば、未経験でも十分アピールになります。
- 志望動機の文字数はどのくらいが目安ですか?
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履歴書の志望動機欄は200〜300文字程度が目安です。欄の大きさに合わせて調整しますが、「企業を選んだ理由」「秘書を選んだ理由」「貢献できる理由」の3点は文字数に関わらず必ず盛り込みましょう。
- 同じ志望動機を複数の企業に使い回してもよいですか?
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おすすめしません。「その企業を選んだ理由」の部分が使い回しだと採用担当者に伝わりやすく、「秘書ならどこでも良かった」という印象につながります。企業研究の部分だけでも応募先ごとに書き分けることが大切です。
- 秘書検定を持っていない場合、志望動機で不利になりますか?
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資格の有無だけで不利になることはありません。秘書検定は書き方次第でアピール材料になりますが、資格がなくても、前職での気配りや調整力を具体的なエピソードで伝えられれば評価の対象になります。

