この記事では、職務経歴書に2社分の職歴をまとめるときの具体的なテンプレートと採用担当者が実際に確認しているポイントを解説します。編年体・逆編年体・キャリア式の3フォーマット比較から1社目・2社目の分量バランス、書類選考で落とされるNG例と改善策まで紹介します。
職務経歴書 2社分の基本構成と全体像
2社分の職歴をまとめた職務経歴書は、1社分のものと基本的な構成は変わりません。ただし、2社の経歴を整理する際に「どこに何をどれだけ書くか」の判断が難しく、多くの人がここで手を止めてしまいます。
職務経歴書に含める5つの要素
2社分でも、盛り込む要素は以下の5つが基本です。
- 職務要約:2社での経歴を3行程度でまとめた概要(採用担当者が最初に読む箇所)
- 各社の職務経歴:在籍期間・業務内容・実績を会社ごとに記載
- 保有スキル・使用ツール:2社を通じて使用した技術・ソフトウェア・ツール等
- 資格・免許:取得した資格の正式名称と取得年月
- 自己PR:2社を通じて得た強みを200〜300字で記載
2社分は何枚にまとめるべきか
職務経歴書の適正枚数はA4用紙1〜2枚です。2社分の職歴がある場合は2枚が目安ですが、キャリアが比較的短い・業務内容がシンプルな場合は1枚に収めることも可能です。
採用担当者が書類1枚にかける時間は平均30秒前後といわれています。3枚以上になる場合は、各社の業務内容を箇条書きで整理するか、直近の経歴を優先してボリュームを圧縮してください。
1社目と2社目の分量バランスの考え方
2社の経歴をどの比率で書くかは、「現在の自分のアピールにどちらが直結しているか」で決まります。
| 状況 | 分量比率の目安(1社目:2社目) |
|---|---|
| 現職(2社目)の経験を前面にアピールしたい | 3:7 または 4:6 |
| 1社目の経験が応募ポジションに直結する | 6:4 または 7:3 |
| どちらも同程度にアピールしたい | 5:5 |
採用担当者はここを見ている
- 2社の記載ボリュームが大きく偏っていると「現職での成果を隠しているのでは」と疑われやすい
- 在籍期間が短い会社でも業務内容を省略せず、得たスキルを具体的に書くことで印象が変わる
- どちらの会社を「メイン」にアピールするか、意図的にコントロールした構成になっているかが問われている
職務経歴書 2社分テンプレート(3フォーマット対応)
2社分の職歴をまとめる職務経歴書には、大きく3つのフォーマットがあります。自分のキャリアのアピール方針に合わせて選ぶことで、採用担当者に伝わりやすい書類に仕上がります。
フォーマットの選び方:3種類を比較
| フォーマット | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年体式 | 1社目→2社目と時系列に記載 | 転職回数が少ない・キャリアに一貫性がある |
| 逆編年体式 | 2社目(現職)→1社目の順に記載 | 直近の経歴を前面にアピールしたい・外資系への応募 |
| キャリア式 | 職種・領域別にまとめて記載 | 2社の業種・職種が大きく異なる・専門性を軸にアピールしたい |
初めて職務経歴書を書く場合は、編年体式から始めるのが最も無難です。採用担当者が読み慣れているフォーマットであり、キャリアの流れを時系列で把握しやすい構成です。
【テンプレート①】編年体式(2社分)
最も一般的なフォーマットです。新卒から転職し2社目に在籍中の場合、または2社の経歴に時系列の流れがある場合に適しています。以下のテンプレートを参考に、各項目を埋めてください。
職務経歴書テンプレート(編年体式・2社分)
職務経歴書
○○○○年○月○日現在 氏名:
■ 職務要約
(2社の経歴を3行以内で要約する。「○○業界で○年間○○職として〜」の形式で書き、2社のキャリアがなぜつながっているかを最後の1文で示す)
■ 職務経歴
【1社目】
会社名:株式会社○○○○
事業内容:○○の製造・販売(業種・事業規模を一言で)
資本金:○億円 従業員数:○○○名
在籍期間:○○○○年○月〜○○○○年○月(○年○ヶ月)
雇用形態:正社員
【主な業務内容】
- 業務内容①(担当規模・頻度など具体的な情報を添える)
- 業務内容②
- 業務内容③
【主な実績・成果】
- 実績①(数字で表現:「○○を○%改善」「月間売上○○万円を達成」等)
- 実績②
【2社目(現職)】
会社名:株式会社△△△△
事業内容:△△サービスの提供
資本金:△億円 従業員数:△△△名
在籍期間:○○○○年○月〜現在(○年○ヶ月)
雇用形態:正社員
【主な業務内容】
- 業務内容①
- 業務内容②
- 業務内容③
【主な実績・成果】
- 実績①
- 実績②
■ 保有スキル・使用ツール
- PCスキル:Word・Excel(○○○レベル)、○○ツール
- 語学:TOEIC ○○○点(取得した場合)
■ 資格・免許
- ○○資格 ○○○○年○月取得
■ 自己PR
(2社を通じて得た強みを200〜300字で記載。単なる業務の繰り返しにならず、応募先にどう貢献できるかを最後の1文で示す)
【テンプレート②】逆編年体式(2社分)
逆編年体式は、直近の職歴から遡る形式です。現職(2社目)の経験が応募ポジションに最も近い場合、または外資系企業への応募時に使われることが多いフォーマットです。
逆編年体式テンプレート(2社目を先頭に)
■ 職務経歴
【現職:2社目】
会社名:株式会社△△△△
在籍期間:○○○○年○月〜現在
(業務内容・実績を先に詳しく記載する)
【前職:1社目】
会社名:株式会社○○○○
在籍期間:○○○○年○月〜○○○○年○月
(業務内容・実績をコンパクトにまとめる)
(職務要約・スキル・資格・自己PRは編年体式と同様)
逆編年体式では採用担当者が最初に目にするのが「現職の経歴」になるため、2社目の在籍期間が長い・または実績が豊富な場合に特に有効です。一方で、1社目での経験の方が応募ポジションに直結する場合は編年体式の方が伝わりやすい場合があります。
採用担当者が2社分の職務経歴書で見ている5つのポイント
テンプレートを埋めただけでは書類選考の通過は難しいです。採用担当者が実際に確認しているポイントを押さえて、内容に反映させることが通過率を上げる鍵になります。
ポイント①:職務要約で2社のキャリアを3行以内に示せているか
採用担当者が最初に読むのは職務要約です。ここで「どんなキャリアを持つ人か」が把握できれば、その後の詳細内容もポジティブな目線で読まれます。逆に、職務要約が薄い場合は残りを精読されずに終わることもあります。
NG例
「○○株式会社にて営業職として3年間勤務後、△△株式会社に転職し現在は企画職として2年間勤務しています。」職歴の羅列だけで、どんな強みがあるのかが伝わらない。採用担当者はこの時点でページをめくる意欲を失いやすい。
良い例
「新卒からメーカーの法人営業で3年間、主要顧客への提案営業と新規開拓を担当しました。現在は同業他社の商品企画部門に移り、営業現場の声を活かした製品コンセプト立案を担当しています。2社を通じて培った”現場視点で提案できる企画力”を、次のポジションで活かしたいと考えています。」
ポイント②:転職理由がネガティブな表現のままになっていないか
職務経歴書に退職理由を書く必要はありませんが、自己PRや職務要約の文面にネガティブな表現が滲み出ていないかを確認してください。採用担当者は「この人はまたすぐ辞めないか」を意識しながら書類を読んでいます。
| ネガティブ表現(NG) | ポジティブ表現(OK) |
|---|---|
| 上司との関係が良くなかったため | より自律的な裁量がある環境で成長したかったため |
| 給与が低かったため | 成果に見合った評価制度がある環境を求めて |
| 残業が多かったため | 業務効率を重視した働き方ができる環境を求めて |
| 会社の将来性に不安があったため | 事業成長が見込める分野でスキルを積みたかったため |
ポイント③:数字と実績が具体的に書かれているか
「売上に貢献した」「チームを引っ張った」といった抽象的な表現は、採用担当者には響きません。数字と固有名詞で具体的に表現することで、他の候補者との明確な差がつきます。
- 「売上アップに貢献」→「新規開拓で月間売上○○万円を達成(前年比120%)」
- 「チームをまとめた」→「5名のチームのリーダーとして、プロジェクトを予定工期内に完了」
- 「業務を改善した」→「Excel管理からシステム化を提案・導入し、月次作業時間を30時間削減」
「数字にできる実績がない」と感じる場合は、担当した顧客数・案件数・チームの規模・予算規模などを記載するだけでも具体性が増します。
ポイント④:1社目の経験が現在の強みにつながっていると示せているか
2社の経歴に一見つながりがなくても、採用担当者が見るのは「それぞれで何を得て、現在どう活かしているか」です。1社目の経験を「土台」として位置づけ、2社目でどう発展したかをストーリーとして見せることが、書類選考通過の大きな鍵になります。
ポイント⑤:応募先の求める人物像に合わせて内容を調整しているか
同じ2社の職歴でも、アピールすべきポイントは応募先によって異なります。職務要約と自己PRは応募先ごとに書き直すことが、通過率を上げる最も効果的な方法です。
採用担当者はここを見ている
- 職務要約の最後の1文が「応募ポジションへの意欲」で締まっているか
- 業務内容の箇条書きが「やること」ではなく「成果・貢献」で書かれているか
- 自己PRの最後に「次の職場でどう活躍できるか」が書かれているか(「〜したいです」の一言で終わっていないか)
書き上げた職務経歴書をプロの目線でチェックしてもらいたい方には、転職エージェントの無料添削や有料の添削サービスを活用する方法もあります。
プロに添削してもらう方法については、職務経歴書の有料添削サービスの選び方で詳しく解説しています。

採用担当者が落とす!2社分職務経歴書のNG例と改善策
2社分の職務経歴書を書く際によく見られる3つのNG例を紹介します。自分の書類に当てはまっていないか、確認してみてください。
NG①:1社目と2社目でページ配分が極端に違う
NG例
1社目の経歴が1ページ半を占めており、2社目(現職)の記載が箇条書き3行だけで終わっている。「現職での成果を隠しているのでは」「2社目で実績が出せていないのでは」と疑われ、書類選考で落とされやすい。
改善策
現職の記載が薄い場合は、業務内容の箇条書きを詳細化する・使用ツールや担当規模を追記するなどして、2社目のボリュームを「業務内容3項目以上+実績1項目以上」は確保してください。在籍期間が短くても「その期間に何を達成したか」を具体的に書けば評価されます。
NG②:職務要約が各社の職歴の単純な繰り返しになっている
NG例
「○○株式会社にて営業を担当し、△△株式会社にて企画を担当しています」という書き方。職歴欄と同じ情報を繰り返しているだけで、採用担当者が30秒で書類を見る中でこの職務要約では素通りされる。
改善策
職務要約は「経歴の紹介文」ではなく「この人を採用するとどんな価値があるか」を伝える場所です。「2社を通じて得た強み」と「応募先でどう活かせるか」をセットで書くことで、採用担当者の目を引く職務要約になります。
NG③:2社の経歴に一貫性がなく、説明もない
NG例
1社目が製造業の現場職、2社目がITスタートアップの営業職と職種・業種がまったく異なり、なぜ転職したのかが書類から読み取れない。「なぜこの転職をしたのか」の文脈がないと、採用担当者は「また次もすぐ辞めそう」と判断しやすい。
改善策
一貫性がない場合こそ、職務要約で「転職の文脈」を自分で作ることが重要です。「1社目で○○の経験を積み、その知見を活かすためにIT業界の営業職に転身しました」のように、2社の間の「意図的なキャリアの選択」を示すことで、採用担当者の不安を払拭できます。
ケース別:2社分の職務経歴書を書くコツ
状況によって、2社分の職務経歴書で注意すべき点は変わります。自分に当てはまるケースを確認してください。
ケース①:2社の業種・職種がまったく違う場合
業種・職種が異なる2社の経歴をそのまま並べると「一貫性がない」と見られるリスクがあります。ただし、採用担当者はキャリアの多様性自体を否定するわけではなく、「それぞれで何を学び、なぜ今の方向に進んだか」が説明できているかどうかを確認しています。
対策として、以下の2点を職務要約と自己PRで明示してください。
- 1社目で得たスキル・経験が2社目・または次の転職先でどう活きるか
- 異なる業界・職種を経験したことで持てた「独自の視点・強み」
このケースには、業務ごとにまとめる「キャリア式」フォーマットも有効です。職種をまたいでも共通するスキル(例:折衝力・プロジェクト管理・データ分析)を軸に構成することで、採用担当者に一貫したキャリアとして見せることができます。
ケース②:1社目が短期離職(2年未満)の場合
1社目の在籍期間が短い場合、採用担当者が気にするのは「またすぐ辞めるのでは」という懸念です。この懸念を払拭するためのポイントは以下のとおりです。
- 1社目の業務内容を省略しない:短期間でも習得したスキルや経験を具体的に記載する
- 転職理由をポジティブに変換:「職場環境が合わなかった」ではなく「より○○な環境でスキルを磨くため」
- 2社目での定着と実績を示す:2社目の在籍期間が長い・または成果があるなら特に詳しく書く
短期離職を隠す必要はありません。隠そうとするより、誠実に説明した書類のほうが採用担当者の信頼を得やすいです。また、すべての職歴を記載することは義務であり、省略すると経歴詐称にあたる場合があります。
ケース③:現在も2社目に在籍中(転職活動中)の場合
在職中に転職活動をしている場合、2社目の在籍期間は「○○○○年○月〜現在」と記載します。在職中であること自体はネガティブにとられません。
- 「退職予定:○○○○年○月」は、面接で確定するまで職務経歴書には書かなくてよい
- 現職の詳細情報が機密に当たる場合は「詳細は面接時にお伝えします」と記載することも可
- 提出日時点の情報で作成し、作成日(「○○○○年○月○日現在」)を必ず冒頭に記載する
職務経歴書の作成を効率化したい場合は、AIを活用した自動作成ツールを使う方法もあります。
ツールの選び方と活用方法については職務経歴書の自動作成ツールおすすめ7選で詳しく解説しています。

まとめ
- 2社分の職務経歴書はA4用紙1〜2枚が適正。どちらの会社を「メイン」にアピールするかで分量比率を調整する
- フォーマットは「編年体式・逆編年体式・キャリア式」の3種類から、キャリアのアピール方針に合わせて選ぶ。迷ったら編年体式が無難
- 職務要約は2社の経歴を3行以内でまとめ、「この人を採用するとどんな価値があるか」が伝わる内容にする
- 実績は数字で表現し、転職理由はポジティブな表現に変換する
- 2社の業種・職種が異なる場合は、キャリアの選択に「意図」があることを職務要約で示す
テンプレートを出発点にして、採用担当者が確認しているポイントを意識しながら内容を磨いていくことが、書類選考を通過するための近道です。
職務経歴書 2社分に関するよくある質問
- 職務経歴書は2社分で何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が標準です。2社分の職歴がある場合は2枚が目安ですが、キャリアが短い・業務内容がシンプルな場合は1枚にまとめることも可能です。3枚以上になる場合は、各社の業務内容を箇条書きで整理してボリュームを圧縮してください。
- 2社の経歴に一貫性がない場合、どう書けばいいですか?
-
職務要約で「なぜ2社目に転職したか」「2社の経験を通じて何を強みとしているか」を明示してください。業種・職種が異なっていても、共通するスキル(折衝力・分析力・マネジメント経験など)を軸にまとめるキャリア式フォーマットを使うと、一貫性のある書類に仕上げやすくなります。
- 1社目が短期離職でも職務経歴書に記載すべきですか?
-
はい、必ず記載してください。在籍期間の長短に関わらず、すべての職歴を記載するのがルールです。短期離職を隠すと経歴詐称にあたる場合があります。在籍期間が短い場合は、その期間に習得したスキルや経験を具体的に書くことで、マイナスの印象を最小限に抑えられます。
- 職務経歴書のフォーマットはどれを選べばいいですか?
-
転職回数が少なく、キャリアに一貫性がある場合は「編年体式」が最も無難です。現職の経歴を前面にアピールしたい・外資系企業への応募なら「逆編年体式」、2社の業種・職種が大きく異なる場合は「キャリア式」がアピール上有効です。迷ったら、まず編年体式で作成してみてください。


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