留学経験は、1年以上の正規留学・交換留学だけが学歴欄に書けます。語学留学やワーキングホリデーは学歴欄ではなく自己PR欄や資格欄に書くのが正解です。この記事では留学の種類別の記載例と、採用担当者が「遊学」と判断してしまう書き方の違いをまとめました。
留学経験は履歴書のどこに書く?種類別の書き方と記載例
結論|学歴欄に書けるのは1年以上の正規留学・交換留学だけ
留学の書き方で迷う原因は、「留学」という言葉が3つのまったく違う経験をまとめて指してしまうことにあります。履歴書では、この3つを区別して書く欄を変えます。
| 留学の種類 | 内容 | 書く欄 |
|---|---|---|
| 正規留学 | 海外の大学・大学院に正規生として在籍し学位取得を目指す | 学歴欄 |
| 交換留学 | 日本の学校に籍を残したまま提携校で学ぶ | 学歴欄 |
| 語学留学 | 語学学校で言語習得を目的に学ぶ | 自己PR欄・資格欄・備考欄 |
| ワーキングホリデー | 就労を伴う滞在制度 | 自己PR欄・備考欄 |
語学留学やワーキングホリデーを学歴欄に書かないのは、価値が低いからではありません。学歴欄は「学校教育としての在籍歴」を書く欄であり、語学学校はそこに含まれないという線引きの問題です。書く欄さえ間違えなければ、6か月の語学留学でも十分に評価対象になります。
正規留学の書き方と記載例
正規留学は日本の大学とまったく同じ扱いで、「国名+学校名+学部学科+入学/卒業」を年月とセットで書きます。
良い例文
2020年4月 アメリカ合衆国 カリフォルニア州立大学 経営学部 入学
2024年5月 アメリカ合衆国 カリフォルニア州立大学 経営学部 卒業
国名を先頭に置くと、採用担当者が一目で海外の教育機関だと判断できます。学校名はカタカナでも英字でも構いませんが、履歴書全体で表記を揃えてください。
NG例
2020年4月 カリフォルニア州立大学 入学
2024年5月 同大学 卒業
国名と学部学科が抜けているため、日本の大学と誤読されたり、学位の内容が伝わらなかったりします。専攻は職種とのマッチングを測る材料なので省略しないでください。
交換留学の書き方と記載例
交換留学は日本の学校に在籍したままなので、日本の大学の入学・卒業の行の間に、留学期間を1行はさむ形で書きます。
良い例文
2021年4月 〇〇大学 国際教養学部 入学
2023年9月 交換留学のためアメリカ合衆国 ミシガン州立大学へ留学(2024年6月まで)
2025年3月 〇〇大学 国際教養学部 卒業
終了年月を括弧で添えるのがポイントです。開始年月しか書かないと、いつ帰国したのか読み手が追えません。
採用担当者はここを見ている
- 入学から卒業までの年数と留学期間の辻褄が合っているか
- 留学によって卒業が延びた場合、その説明が書かれているか
- 国名・学校名・期間の3点が欠けていないか
語学留学・ワーキングホリデーの書き方と記載例
語学留学とワーキングホリデーは、学歴欄の末尾に行を分けて「その他」として書くか、自己PR欄に書きます。使ってはいけないのが「入学」「卒業」という言葉です。
良い例文
2023年4月〜2023年9月 カナダ バンクーバー〇〇語学学校にて語学留学(6か月)
2024年5月〜2025年4月 オーストラリア ワーキングホリデー(12か月)
期間を「〜」でつなぎ、末尾に「語学留学」「ワーキングホリデー」と明記すれば、正規留学と混同されません。
NG例
2023年4月 カナダ バンクーバー〇〇語学学校 入学
2023年9月 同校 卒業
語学学校に「入学」「卒業」を使うと、正規の学位課程を修了したと誤認させる記載になります。悪意がなくても学歴詐称を疑われる書き方なので避けてください。
どの欄に何を書くか迷ったときは、欄の配置が決まったフォーマットを使うと整理しやすくなります。転職なら転職用の履歴書テンプレート、新卒の就職活動なら新卒用の履歴書テンプレートが使えます。
学歴欄に書けるかどうかを判断する2つの基準
基準1|期間が1年以上あるか
1年という目安には根拠があります。海外の大学の学年は基本的に1年単位で編成されており、1学年に満たない在籍は「その大学の課程を履修した」とは扱いにくいためです。半年の交換留学は学歴欄ではなく、自己PR欄で書くほうが誤解を招きません。
ただし1年未満でも、単位が認定されて日本の大学の卒業要件に組み込まれているなら、その事実を添えて学歴欄に書けます。判断がつかない場合は在籍校の教務課に確認するのが確実です。
基準2|「入学」「卒業」と書ける課程か
「入学」「卒業」は学位や修了資格が発生する課程にだけ使える言葉です。語学学校の修了証は学位ではないため、この2語は使えません。判断に迷ったら、次の表で自分のケースを確認してください。
採用担当者はここを見ている
- 留学の種類と使っている表現が一致しているか(語学学校に「卒業」を使っていないか)
- 書く欄の判断を間違えていないか。欄を誤る応募者は、業務でも書式やルールの確認が甘いと見られやすい
| ケース | 学歴欄 | 使える表現 |
|---|---|---|
| 正規留学(1年以上) | 書ける | 入学/卒業/中途退学 |
| 交換留学(1年以上) | 書ける | 〜へ留学/交換留学 |
| 交換留学(1年未満) | 自己PR欄が無難 | 〜にて短期留学 |
| 語学留学(期間問わず) | 書けない | 〜にて語学留学 |
| ワーキングホリデー | 書けない | 〜にてワーキングホリデー |
状況別|休学・中退・社会人留学の履歴書の書き方
休学して留学した場合
休学の事実は必ず書きます。休学を伏せると入学から卒業までの年数だけが不自然に伸び、採用担当者には理由不明の空白として映ります。
良い例文
2022年9月 〇〇大学を休学し、カナダ トロント大学へ留学(2023年8月まで)
休学と留学を1行にまとめることで、休学期間が空白ではなく留学に充てられていたことが即座に伝わります。
大学を中退して留学した場合
中退は「中途退学」と書きます。このとき退学理由を括弧で添えると、経歴の断絶ではなく進路変更として読まれます。
良い例文
2021年3月 〇〇大学 経済学部 中途退学(アメリカ合衆国△△大学で情報科学を専攻するため)
2021年8月 アメリカ合衆国 △△大学 情報科学部 入学
中退そのものの書き方に不安がある方は、こちらの記事もあわせて確認してください。

社会人が退職して留学した場合
社会人留学は、職歴欄の退職の行のあとに留学を書きます。留学が学歴欄の対象になる正規留学なら学歴欄に、語学留学なら職歴欄の末尾に「その他」として書くと時系列が途切れません。
良い例文
2023年6月 株式会社〇〇 一身上の都合により退職
2023年9月〜2024年8月 オーストラリア シドニー〇〇語学学校にて語学留学(12か月)
退職と留学開始の間が空く場合も、準備期間だったと分かる時系列になっていれば問題視されにくくなります。
途中帰国・予定より短く終えた場合
体調やビザ、家庭の事情で予定より早く帰国したケースでは、実際の期間をそのまま書きます。予定期間を書いて実績と食い違うほうが後で問題になります。理由は面接で聞かれたときに答えられれば十分で、履歴書に書き込む必要はありません。
採用担当者が「遊学」と判断する履歴書の共通点
留学経験そのものは、採用側から見て歓迎される材料です。それでも「遊びに行っていただけ」と受け取られる書類が一定数あります。分かれ目は語学力の高さではなく、書き方に現れる次の3点です。
採用担当者はここを見ている
- 目的が書かれていない:「〇〇へ留学」だけで、なぜ行ったのかが一行もない
- 成果が形容詞で終わっている:「英語力が向上した」「視野が広がった」で数値も行動もない
- 仕事と接続していない:体験談として完結し、入社後どう使うのかが書かれていない
逆に言えば、この3点が埋まっていれば期間の長短はほとんど問われません。半年の語学留学でも、目的と成果が具体的なら1年の正規留学より高く評価されることがあります。採用担当者が見ているのは滞在期間ではなく、その期間をどう設計して過ごしたかだからです。
厚生労働省の様式に沿った書式で全体のバランスを確認したい場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを、記入欄の広い書式が必要ならJIS規格に沿った履歴書テンプレートを使ってください。
語学留学・ワーホリを自己PR欄で武器にする書き方と例文
語学留学とワーキングホリデーの本当の勝負どころは自己PR欄です。次の4要素を順番に並べるだけで、同じ経験でも印象がはっきり変わります。
- 目的:なぜ行くと決めたのか
- 行動:現地で自分から何をしたのか
- 成果:数値または第三者評価で示せる変化
- 接続:応募先の仕事でどう使うのか
良い例文(語学留学・6か月)
海外顧客と直接やり取りできる営業になりたいと考え、大学3年次に半年間休学してカナダへ語学留学しました。授業だけでは実践量が足りないと感じ、現地の学生団体に参加して週1回の企画会議で必ず発言することを自分に課しました。TOEICは605点から820点まで伸び、初対面の相手にも臆さず提案できるようになりました。貴社の海外取引先との折衝でも、この姿勢を活かしたいと考えています。
NG例
カナダに半年間語学留学しました。現地では多くの国の友人ができ、異文化に触れることで視野が広がりました。英語力も大きく向上し、コミュニケーション能力に自信がつきました。
目的・行動・数値・仕事への接続がすべて欠けているため、読み終えても応募者の人物像が残りません。留学経験が評価されない書類の典型です。
語学留学に絞った記載欄の使い分けと例文は、こちらでさらに詳しくまとめています。

留学経験を履歴書に書くときの4つの注意点
和暦と西暦を混在させない
海外の学校の年月は西暦で管理されているため、留学部分だけ西暦になりがちです。履歴書は全体で表記を統一します。日本の学歴が和暦なら留学も和暦に直してください。
国名・学校名・期間の3点を省略しない
この3点のどれかが欠けると、採用担当者は経歴を検証できません。学校名が長く1行に収まらない場合は2行に分けて書き、2行目を1文字下げると読みやすくなります。
盛った書き方は詐称のリスクになる
語学学校を大学のように書く、期間を実際より長く書くといった記載は経歴詐称にあたります。厚生労働省のモデル就業規則でも「重要な経歴を詐称して雇用されたとき」は懲戒解雇の事由として挙げられており、卒業証明書の提出やリファレンスチェックで発覚する可能性は低くありません。
英語力は資格欄で数値化する
留学経験を書いても、語学力そのものは伝わりません。TOEICやTOEFL、IELTSのスコアを資格欄に書くことで、はじめて客観的な指標になります。帰国後にスコアを取り直しておくと、留学の成果を数字で示せます。
学歴欄そのものの基本ルールを整理したい方は、こちらもあわせてどうぞ。

まとめ
- 学歴欄に書けるのは1年以上の正規留学・交換留学のみ
- 語学留学とワーキングホリデーは自己PR欄・資格欄・備考欄に書く
- 語学学校に「入学」「卒業」を使うと学歴詐称を疑われる
- 休学・中退は理由を添えて書き、空白期間に見せない
- 評価を分けるのは留学期間ではなく、目的・行動・成果・仕事への接続
書く欄さえ正しく選べば、半年の語学留学でも十分に武器になります。まずは自分の留学がどの種類にあたるかを確認するところから始めてください。
留学の履歴書の書き方に関するよくある質問
- 1か月の短期留学でも履歴書に書いていいですか?
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学歴欄には書けませんが、自己PR欄には書けます。期間の短さより、何を目的に行き何を持ち帰ったかが伝わるかどうかで評価が決まります。逆に、目的も成果も書けないなら無理に触れないほうが書類は締まります。
- 留学先の学校名はカタカナと英語のどちらで書きますか?
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どちらでも構いません。ただし履歴書全体で統一してください。日本語の履歴書ではカタカナ表記のほうが読み手の負担が少なく、正式名称が長い場合は英語表記のあとに括弧でカタカナを添える方法もあります。
- 留学を途中でやめた場合も書く必要がありますか?
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学歴欄に書く正規留学であれば「中途退学」として記載します。半年以上の空白が経歴に生じる場合は、書かないほうが不自然に見えます。理由は面接で説明できれば十分で、履歴書に詳細を書き込む必要はありません。
- ワーキングホリデー中の仕事は職歴欄に書けますか?
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現地企業と雇用契約を結んで働いていたなら職歴欄に書けます。会社名・職種・期間を日本の職歴と同じ形式で記載してください。短期のアルバイトが中心だった場合は、職歴欄ではなく自己PR欄で経験としてまとめるほうが自然です。

