職務経歴書に書ける実績がなくても、業務の工夫や担当した規模感を具体的に書けば書類選考は通過できます。「実績がない」と感じて手が止まっている方に向けて、事務・営業・第二新卒など状況別の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントを解説します。
【結論】実績なしでも通る例文|状況別に紹介
結論:実績は「整理」すれば誰でも書ける
「実績がない」と感じていても、多くの場合は経験を実績として言語化できていないだけです。売上目標の達成やMVP受賞のような目立つ成果だけが実績ではありません。担当業務の規模感や、日々の工夫を具体的に書くことで、採用担当者に伝わる職務経歴書になります。
以下では事務職・営業/販売職・第二新卒/未経験の3パターンに分けて、NG例と良い例文を対比しながら紹介します。自分の状況に近いものから参考にしてください。
事務職の例文
事務職は業務が定型的で成果が数字に現れにくいため、「書ける実績がない」と感じやすい職種です。採用担当者が事務職の職務経歴書で確認したいのは、正確性と業務改善への意識です。
NG例
「一般事務として書類作成・データ入力・電話対応を担当。」
業務内容を並べただけでは、他の応募者との違いが伝わりません。
良い例文
「社内書類の作成・管理(月間80〜100件)と電話応対(1日30〜50件)を担当。業務マニュアルが整備されていなかったため自ら業務フローを文書化し、引き継ぎにかかる時間を半分程度に短縮しました。」
採用担当者はここを見ている
- 業務改善を自分から提案しているか
- ミスを防ぐための工夫が具体的に書かれているか
- 周囲と連携しながら仕事を進められているか
書き方に迷ったときは、事務の職務経歴書テンプレートを土台にすると項目の抜け漏れを防げます。
営業・販売職の例文
営業・販売職は数字での実績アピールが重視されがちですが、目標未達が続いていた場合や、チームの成果で個人の数字が把握しにくい場合もあります。そうしたときは最終成果より、過程での工夫を具体的に書くことがポイントです。
NG例
「法人営業として新規開拓を担当。目標達成は難しかった。」
正直な記述ですが、活躍できる人材だと感じさせる材料がありません。
良い例文
「法人営業として新規顧客の開拓を担当(月30〜40件の架電)。契約数は伸び悩んでいましたが、商談化率を上げるためトークスクリプトを自ら見直し、3か月で商談獲得数を約1.2倍に改善しました。」
採用担当者はここを見ている
- 未達の事実だけで終わっていないか
- 改善に向けた具体的な行動が書かれているか
- 数字が使えない場合も工夫の過程が伝わるか
営業・販売職向けの様式は営業の職務経歴書テンプレートにまとめてあります。
第二新卒・未経験の例文
社会人経験が短い第二新卒や未経験職種への転職では、実績の大きさより「早く仕事に慣れ、成長できる人材か」が評価されます。短期間でどれだけ吸収・適応したかを書くことが評価につながります。
良い例文
「入社1年目でOJT期間を終え、以降は担当業務を一人で対応。先輩社員の進め方を参考にしながら自分なりの処理手順を整理し、未経験だった表計算ソフトでの集計業務も独学で習得しました。」
採用担当者はここを見ている
- 短期間での学習・適応力
- 自分から動いたエピソードがあるか
- 入社後も成長が見込めそうと感じさせる姿勢
なぜ「実績なし」と感じてしまうのか
職務経歴書を書く手が止まる背景には、「実績」という言葉のとらえ方に誤解があるケースが多く見られます。
「実績」を大きな数字だけだと誤解していないか
売上目標の達成率やMVP受賞のような目立つ数字だけが実績ではありません。採用担当者が職務経歴書で確認したいのは、入社後も同じように活躍できるかどうかという再現性です。
採用担当者が実際にチェックしている4つのポイント
採用担当者はここを見ている
- 業務の中でどんな工夫・取り組みをしたか
- 困難な状況にどう対応したか(柔軟性・問題解決力)
- 上司・同僚・顧客とどう関わりながら仕事を進めたか
- 状況を論理的に整理して説明できているか
数字に残る実績がなくても、これらを具体的に伝えられれば十分に評価されます。書けないのではなく、経験の中からまだ拾い出せていないだけというケースがほとんどです。ハローワークの求人に応募する場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートの項目立てに沿って書き出すと整理しやすくなります。
実績を掘り起こす4つの自己診断チェックリスト
実績が思い浮かばないときは、次の4つの問いに沿って過去の業務を振り返ると、書ける材料が見つかりやすくなります。
| 書く要素 | 自分への問いかけ |
|---|---|
| 状況 | どんな体制・環境の中で働いていたか |
| 役割 | その業務で自分はどんな役割を担っていたか |
| 工夫・取り組み | 何を意識して、具体的にどう動いたか |
| 結果・変化 | 何か変わったことはあったか(小さくても可) |
表の4項目に加えて、以下の質問も振り返りの手がかりになります。
- 上司や同僚から「助かった」と言われた経験はあるか
- 前任者や周囲と比べてやり方を変えた部分はあるか
- ミスを防ぐために自分なりのルールを作っていたか
- 情報共有や引き継ぎのために工夫したことはあるか
4つの質問すべてに答えられなくても構いません。1つでも具体的なエピソードが見つかれば、それが職務経歴書に書ける実績の種になります。採用担当者はこうした小さなエピソードの積み重ねからも、入社後の働き方を想像しています。

数字を「盛らずに」伝えるテクニック
実績を魅力的に見せようとして数字を誇張すると、面接で深掘りされたときに答えに詰まり、かえって評価を下げてしまいます。事実の範囲内で具体的に書く方法を押さえておきましょう。
概算表現の使い方
正確な数字を覚えていない場合は、「約〇件」「〇〇程度」といった概算表現を使えば問題ありません。重要なのは数字の正確さより、業務の規模感が伝わることです。
良い例文
「月20件前後の見積書を作成」「チーム5〜6名で在庫管理を担当」のように、幅を持たせた書き方でも規模感は十分に伝わります。
面接で深掘りされても困らない書き方
職務経歴書に書いた内容は、面接で「具体的にはどのように進めましたか」と質問される前提で準備します。実際に経験した範囲だけを書き、答えられない数字や誇張した表現を避けることが、結果的に採用担当者からの信頼につながります。職務経歴書とあわせて履歴書も見直す場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと様式の抜け漏れを防げます。

実績が書きにくい特殊ケースへの対応
ブランク・フリーター期間がある場合
ブランク期間は職務経歴書上では空白になりますが、書き方次第で印象は変わります。育児や介護によるブランクは記載の義務はありませんが、1年以上の空白がある場合は職歴欄に一行「育児のため休職」などと添えたほうが不信感を防げます。
フリーター期間がある場合は、アルバイト経験として業務内容と工夫を記載することで空白期間の説明になります。何もしていなかった期間と受け取られるより、その間も働いていた事実を具体的に示すほうが印象は良くなります。
転職回数が多い・在職期間が短い場合
在職期間が1年未満の職歴が複数あると、書き方に迷いが生じます。採用担当者が確認したいのは退職理由だけでなく、その期間に何を吸収し、どう貢献しようとしたかです。
- 短期間でも身につけたスキルや知識を具体的に書く
- 期間の短さを詫びるような表現は避ける
- 次の職場でどう活かすかを自己PR欄で補足する
まとめ
- 「実績なし」の多くは、実績を言語化できていないだけ
- 採用担当者が見ているのは数字の大きさでなく、取り組みの具体性
- 4つの質問で振り返れば、書ける実績の種は見つかる
- 数字は盛らず、概算表現で規模感を伝える
職務経歴書は実績の大きさを競う書類ではなく、これまでの取り組み方を伝える書類です。今回の例文と4つの質問を使って、自分の経験を書き出すところから始められます。

職務経歴書の実績に関するよくある質問
- 実績が一つも思いつきません。それでも職務経歴書は書けますか。
-
数字に残る成果がなくても、担当業務の規模感や工夫していた点を具体的に書けば実績として成立します。「月〇件を担当」という規模感と「ミスを防ぐために〇〇していた」という取り組みをセットで書くと、採用担当者に伝わりやすくなります。
- 在職期間が短く、実績と呼べるものがありません。どう書けば通過しやすいですか。
-
期間の長さより、その期間に何を学び、どう貢献しようとしたかが判断材料になります。「入社2か月でOJTを終え、独立して〇〇を担当した」のように、適応力や主体性が伝わる具体的なエピソードを添えてください。
- アルバイト経験しかありません。職務経歴書に書いても大丈夫ですか。
-
応募職種に関連する業務経験や、業務の規模感・工夫が伝わるアルバイト経験であれば記載する価値があります。接客業であれば顧客対応力やチームでの動き方をアピールできます。担当期間と業務内容、取り組みの3点を明記してください。
- 実績を数字で書こうとすると誇張してしまいそうです。どこまで書いていいですか。
-
事実の範囲であれば具体的に書くほど評価は上がります。正確な数字がわからない場合は「約〇件」「〇〇程度」といった概算表現で構いません。記憶より大きい数字や証明できない実績は、面接で深掘りされたときに信頼を損なうため避けてください。

