職務経歴書で派遣期間を書くときは、派遣元(派遣会社)と派遣先(就業先企業)を分けて記載し、「入社」「退社」ではなく「登録」「就業」「派遣期間満了」という言葉を使うのが正解です。この基本を外すと、経歴の実態が正しく伝わりません。複数の派遣先がある場合の記載例や、採用担当者が実際にチェックしているポイントまで、状況別にまとめて解説します。
職務経歴書の派遣の書き方【結論】派遣元・派遣先を分けて書くのが正解
結論:派遣元(派遣会社)と派遣先(就業先)を両方明記する
派遣社員として働いた経歴を職務経歴書に書くときの基本ルールは1つです。給与の支払いや社会保険の手続きを行う「派遣元」と、実際に業務の指示を受けて働いていた「派遣先」を、必ず分けて記載すること。この2社を区別せずに書くと、採用担当者は雇用形態を正しく読み取れません。
職務経歴書は履歴書と違い、業務内容や実績を詳しく伝える書類です。だからこそ「誰に雇われ」「どこで」「何をしていたか」の3点を、最初の項目から明確にしておく必要があります。テンプレートを使って項目の抜け漏れを防ぎたい方は、派遣の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
複数の派遣先がある場合の例文
1つの派遣会社に登録したまま、複数の企業へ順番に就業してきたケースです。派遣元を最初に一度記載し、派遣先ごとに職務内容をまとめます。
良い例文
【職務経歴】
2021年4月〜2025年3月 株式会社〇〇スタッフィング(派遣元)に登録
2021年4月〜2022年3月 △△株式会社(派遣先)に派遣社員として就業
一般事務としてデータ入力・請求書処理・電話対応を担当。月間処理件数は平均300件。
2022年4月〜2025年3月 □□株式会社(派遣先)に派遣社員として就業
経理補助として伝票整理・入金確認を担当。Excel関数を用いた集計フォーマットを作成し、月次処理時間を2時間短縮。
NG例
2021年4月 △△株式会社 入社
2022年3月 一身上の都合により退社
2022年4月 □□株式会社 入社
2025年3月 一身上の都合により退社
派遣元の記載がなく、直接雇用の正社員だったと誤解される典型例です。「入社」「一身上の都合により退社」という表現も、派遣では使いません。
1つの派遣先で長期就業していた場合の例文
同じ派遣先に長期間就業していた場合は、担当業務の変化や実績を時系列で書き込むと評価につながります。「異動」「担当替え」があった場合は、その変化も職務経歴として記載してください。事務職としての派遣経験が中心の方は、事務の職務経歴書テンプレートも活用すると項目を整理しやすくなります。
良い例文
【職務経歴】
2019年6月〜2025年3月 株式会社〇〇キャリア(派遣元)に登録し、△△株式会社(派遣先)に一貫して派遣社員として就業
2019年6月〜2021年5月 総務部にて備品管理・来客対応・社内文書作成を担当
2021年6月〜2025年3月 人事部へ担当替え。採用アシスタントとして応募者対応・面接日程調整・入社手続き書類の作成を担当。年間対応人数は約80名。
派遣元・派遣先を分けて書くべき理由|採用担当者はここを見ている
派遣経験が多い職務経歴書を受け取ったとき、採用担当者が最初に確認するのは「雇用形態の正確さ」と「経歴の一貫性」の2点です。派遣先の数そのものがマイナス評価につながることはありません。
採用担当者はここを見ている
- 派遣元と派遣先が両方明記され、雇用形態が正確に読み取れるか
- 同じ職種・業界での派遣が続いているか(スキルの蓄積が見えるか)
- 「派遣期間満了」など、契約上の区切りで辞めたことが分かるか
- 業務内容が具体的に書かれ、応募職種との関連が見えるか
選考で止まりやすいのは、退職理由の記載がなく「なぜ毎回契約が終わったのか」を採用担当者が読み取れないケースです。1行加えるだけで解消できる疑問なので、先回りして埋めておくと通過率が変わります。

派遣は「職歴」にならない?という不安への答え
「派遣は正社員と違って職歴に数えられないのでは」と感じる方は少なくありません。結論として、派遣社員としての経験も正社員と同様に正式な職歴です。書き方によって評価が下がることはあっても、派遣という働き方自体が減点対象になるわけではありません。
採用担当者が実際に気にしているのは、「派遣だったこと」ではなく「経歴の書き方から実態が読み取れるかどうか」です。派遣元・派遣先が明記され、業務内容が具体的であれば、複数の派遣先を経験していても、幅広い環境に対応してきた経験としてプラスに評価されるケースもあります。
評価が下がりやすいのは「書き方」の問題
- 派遣元・派遣先が区別されておらず、雇用形態が不明瞭
- 業務内容が「一般事務」「軽作業」など曖昧なままで終わっている
- 退職理由が書かれておらず、契約満了か自己都合か分からない
- 派遣先が変わるたびに書式・粒度がバラバラで読みにくい
「入社」「退社」と書くのはNG|派遣で使うべき正しい表現
派遣の職務経歴書では、正社員とは異なる言葉遣いのルールがあります。以下の言葉を覚えておけば、表記でつまずくことはほとんどありません。
| 状況 | 正しい表記 | NG表記 |
|---|---|---|
| 派遣会社への登録 | 登録 | 入社 |
| 派遣先での勤務開始 | 就業 | 入社・着任 |
| 契約期間を終えた場合 | 派遣期間満了につき退職 | 一身上の都合により退社 |
| 契約更新がなかった場合 | 契約終了につき退職 | 退社・解雇 |
会社側の都合で契約が終わった場合は「会社都合により退職」、自分の意志で契約を更新しなかった場合は「一身上の都合により退職」と使い分けます。「派遣期間満了」は自己都合退職ではないため、当てはまる場合は積極的に明記しましょう。
良い例文
2023年4月 株式会社〇〇キャリア(派遣元)に登録
2023年4月 △△株式会社(派遣先)に派遣社員として就業
2024年9月 派遣期間満了につき退職
NG例
2023年4月 △△株式会社 入社
2024年9月 一身上の都合により退社
派遣元の記載が消え、直接雇用の正社員だったと誤解されます。事実と異なる印象を与えてしまうと、入社後の手続き段階で経歴の食い違いが発覚し、信頼を損なう原因になりかねません。
派遣先企業名を書けないときの対処法(守秘義務がある場合)
金融機関や官公庁関連の案件では、派遣元と派遣先の間で秘密保持契約が結ばれ、社名を外部に開示できないことがあります。この場合、社名を空欄にするのではなく、書けない理由を一言添えるのが正しい対応です。
良い例文(守秘義務がある場合)
2022年10月 株式会社〇〇ワークス(派遣元)に登録
2022年10月 大手金融機関(守秘義務のため社名の記載を控えます)に派遣社員として就業
窓口業務・書類確認・データ入力を担当
2025年3月 派遣期間満了につき退職
社名を伏せても、業種・規模・職種の3点を書けば就業環境はほぼ再現できます。書けるかどうかの判断に迷う場合は、提出前に派遣元の担当者へ確認しておくと確実です。会社名の正式表記に迷う場合は、下記の関連記事もあわせて確認してください。

複数の派遣先がある場合のまとめ方のコツ
派遣先が5社、10社と増えると、すべてを同じ粒度で書くと職務経歴書が長くなりすぎます。以下の工夫で、読みやすさを保ちながら経験の幅を伝えられます。書式に迷ったらハローワーク用の職務経歴書テンプレートのようなシンプルな型から始めると整理しやすくなります。
- 同業種・同職種はまとめて記載する:「〇〇株式会社ほか、事務職として3社に派遣就業」のように集約する
- 直近3〜4社は個別に詳しく書く:応募職種に関連する経験は個別に残し、実績や担当業務を具体的に示す
- 短期・単発派遣は件数でまとめる:「同期間中、ほか5社に短期派遣として従事」と補足すればスペースを節約できる
- 共通スキルを別項目で束ねる:職務経歴の下に「活かせるスキル」欄を設け、複数の派遣先で培った共通スキルを整理する
【状況別】派遣から正社員・別の職種を目指すときの書き方と例文
派遣先での直接雇用・正社員登用を目指す場合
同じ派遣先での実績を強調し、「なぜ直接雇用で貢献したいか」まで書くと説得力が増します。
良い例文
派遣社員として3年間、△△株式会社の受発注管理業務に従事してまいりました。在庫システムの入力ミス削減に取り組み、月間の修正件数を約40%削減した実績があります。直接雇用でさらに業務範囲を広げ、長期的に貢献したいと考えています。
未経験の職種へ転職を目指す場合
職種は変わっても、派遣先で培った「正確さ」「対応力」「複数現場への適応力」は共通スキルとしてアピールできます。パートタイムでの派遣就業から書類を作成する場合は、パート用の職務経歴書テンプレートも活用できます。
良い例文
これまで4社の派遣先で事務職を経験し、異なる業務フローやシステムに対して短期間で適応してきました。新しい環境への順応力を強みとして、未経験ではありますが、貴社の〇〇職においても早期に業務を習得し貢献したいと考えています。

まとめ
- 派遣の職務経歴は派遣元(派遣会社)と派遣先(就業先企業)を必ず分けて書く
- 「入社・退社」ではなく「登録・就業・派遣期間満了につき退職」を使う
- 派遣という働き方自体は評価を下げる要因ではなく、書き方の精度が評価を左右する
- 派遣先が複数・書ききれない場合は同業種でまとめ、共通スキルを整理する
- 守秘義務がある場合は理由を一言添え、業種・規模・職種で情報を補う
派遣の職歴は、正しい書き方さえ押さえれば十分に評価される経歴です。職務経歴書を見直し、採用担当者に伝わる記載に整えてください。
職務経歴書の派遣に関するよくある質問
- 職務経歴書に「入社」と書いてはいけませんか?
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派遣先への就業では使いません。派遣会社には「登録」、派遣先へは「就業」、契約終了時は「派遣期間満了につき退職」と書きます。「入社」と書くと直接雇用だったと誤解され、選考後の確認段階で食い違いが生じることがあります。
- 派遣先が多く職務経歴書に収まらない場合はどうすればいいですか?
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すべてを個別に書く必要はありません。同じ業種・職種の経験を「〇社に派遣就業(計〇社)」とまとめ、応募職種に関連する直近の経験だけ具体的に書くと読みやすくなります。共通して培ったスキルは別項目でまとめて整理してください。
- 派遣先の会社名を守秘義務で書けない場合はどうすればいいですか?
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「守秘義務のため社名の記載を控えます」のように理由を一言添え、業種・規模・職種は書ける範囲で記載します。書けるかどうか迷う場合は、提出前に派遣元の担当者へ確認すると確実です。
- 派遣が多いと選考で不利になりますか?
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派遣経験の数そのものが不利になるわけではありません。不利に見えるのは、業務内容や退職理由が書かれず経歴の一貫性が読み取れない場合です。派遣元・派遣先を明記し、「派遣期間満了につき退職」など契約上の区切りを示せば印象は変わります。

