SEの職務経歴書は、担当したプロジェクトごとに「工程・役割・成果」の3点を軸にまとめるのが正解です。案件数が多くて何をどこまで書けばいいか迷う方や、SES常駐で秘密保持契約に触れる情報の扱いに不安がある方に向けて、採用担当者が実際にチェックしているポイントと、上流・下流の工程別に使える例文をまとめて紹介します。
SEの職務経歴書の書き方と例文【結論】
結論:プロジェクト単位で「工程・役割・成果」を軸に書く
SEの職務経歴書は、時系列の作業日誌ではなく、担当したプロジェクトごとに「担当工程」「役割」「成果」を整理して伝える書類です。プロジェクト名や使用言語を並べるだけでは、採用担当者はスキルレベルや貢献度を判断できません。
特に重視されるのは、要件定義から運用保守までのどの工程を担当したかという情報です。工程・役割・成果の3点がそろって初めて、実務で通用するスキルとして評価されます。エンジニア職向けのエンジニアの職務経歴書テンプレートを使うと、必要項目が漏れにくくなります。
良い例文(システム開発案件の場合)
良い例文
■〇〇業向け在庫管理システム刷新プロジェクト(2023年4月〜2024年3月)
規模:PM1名・SE3名・PG5名
担当工程:基本設計〜結合テスト
役割:SEとしてDB設計とAPI仕様策定を担当
成果:仕様調整の遅延を、週次レビューの導入により平均20%短縮。後続の結合テストでは不具合検出数を前案件比で15件削減した。
NG例(作業内容の羅列で終わる例)
NG例
■在庫管理システム開発(2023年4月〜2024年3月)
Java、Spring Bootを使用した開発業務に従事。設計書の作成、テストを担当。
この書き方は、担当工程・役割・成果のいずれも曖昧なため「何をどこまでできる人か」が伝わりません。規模やチーム内での立ち位置、数字で示せる成果を必ず添えましょう。
案件が複数ある場合の書き方(絞り込み・グルーピング)
SES常駐などで案件数が10件を超えるような場合、すべてを均等に書くと読み手の負担が増え、かえって強みが埋もれます。以下の基準で絞り込むと、読みやすさと説得力を両立できます。
- 直近3〜5年の案件は個別に記載:応募職種に近い技術・工程を優先して詳しく書く
- それ以前の類似案件はグルーピング:「〇〇系システムの保守案件を3件経験(言語:Java、期間合計2年)」のようにまとめる
- 短期・小規模案件は技術要素のみ列挙:プロジェクト単位ではなく「経験技術一覧」の表に集約する
採用担当者はSEの職務経歴書のどこを見ているか
SEの職務経歴書は技術用語が多くなりがちで、書類選考の担当者が非エンジニアであるケースも珍しくありません。専門用語を並べるだけでは評価につながらないため、誰が読んでも「何をどの程度できるか」が伝わる書き方が求められます。
採用担当者はここを見ている
- プロジェクトの概要・規模:業界・システムの種類、開発人数、開発期間が明記されているか
- 担当領域(役職・工程):要件定義〜運用保守のどこを、どの立場(メンバー・リーダー等)で担当したか
- 技術領域(テクニカルスキル):使用言語・フレームワーク・DB・インフラ等が業務内容と紐づいて書かれているか
通過しやすい職務経歴書に共通する3つの特徴
通過率の高い職務経歴書には、共通する型があります。工程・役割・成果を1セットで書き、成果は可能な限り数字で示すという点は、どの案件にも当てはまる基本です。加えて、応募先企業の募集要項に近い案件を冒頭に配置し、専門用語には簡単な補足を添えると、非エンジニアの担当者にも伝わりやすくなります。
SEの職務経歴書に必要な項目
SEの職務経歴書は、以下5項目で構成するのが基本形です。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 経験年数・担当領域・強みを3〜4行で要約 |
| 職務経歴 | プロジェクト単位で工程・役割・成果を記載 |
| 活かせる経験・知識・技術 | 言語・フレームワーク・DB・インフラ等を業務内容と紐づけて記載 |
| 資格 | 基本情報技術者、応用情報技術者など業務関連資格 |
| 自己PR | 職務経歴から読み取れる強みを一貫性のある形で補足 |
職務要約
冒頭に置く職務要約は、採用担当者が最初に目を通す箇所です。経験年数、担当してきた工程(上流寄りか下流寄りか)、得意な技術領域を3〜4行で簡潔にまとめます。長々と書くとかえって強みがぼやけるため、応募職種に直結する情報から優先して盛り込みます。
職務経歴
職務経歴書の中核となる部分です。前述のとおり、プロジェクトごとに規模・担当工程・役割・成果をセットで記載します。ハローワーク経由で応募する場合は、様式が指定されていることもあるためハローワーク用の職務経歴書テンプレートで形式を確認しておくと安心です。

活かせる経験・知識・技術
使用言語やツールを単に列挙するだけでなく、「どの業務でどの程度使ったか」まで書くと説得力が増します。実務未経験の技術は「学習中」「個人開発で使用」など正直に区別して記載します。
資格・自己PR
資格は業務関連のものを取得年月とあわせて記載します。自己PRは職務経歴の内容と矛盾しないよう、実際のプロジェクトで発揮した強みを根拠にして書くと一貫性が出ます。履歴書も同時に準備する場合は転職用の履歴書テンプレートもあわせて活用してください。
SES・常駐エンジニアが職務経歴書で注意すべき点
SESや客先常駐のエンジニアには、正社員として自社開発に携わってきた人とは異なる悩みがあります。ここでは特に相談が多い2点を取り上げます。
秘密保持契約とプロジェクト名の扱い方
常駐先との契約で秘密保持義務がある場合、クライアント企業名やシステムの正式名称をそのまま書くと契約違反になる可能性があります。社名は「大手小売業A社」のように業種と規模がわかる形にぼかし、契約に抵触しない範囲で担当業務を具体的に書くのが基本です。契約書に守秘義務の範囲が明記されている場合は、その内容を確認してから記載してください。
「作業者」に見えないための書き方
指示された作業をこなしてきた経験しかないと感じる方も、視点を変えると書ける実績は見つかります。以下のような切り口で振り返ると、単なる作業者ではなく「主体的に動いた人」としての実績が見えてきます。
- チーム内で提案・改善したこと(レビュー方法の見直し、ドキュメント整備など)
- 後輩・新規メンバーへの指導やフォローの経験
- 不具合対応やトラブル対応で工夫した点、対応件数や解決までの時間

【工程別】SEの職務経歴書 例文集
担当した工程によって、アピールすべきポイントは変わります。自分の担当工程に近い例文を確認してください。
上流工程(要件定義・設計)を担当した場合の例文
良い例文(上流工程)
■〇〇社基幹システムリプレイスプロジェクト(2022年6月〜2023年5月)
規模:PM1名・SE4名
担当工程:要件定義〜基本設計
役割:顧客窓口担当として週次で要件ヒアリングを実施し、要件定義書を作成
成果:要件の齟齬による手戻りを、レビュー体制の見直しにより前案件比で約30%削減
下流工程(開発・テスト・保守)を担当した場合の例文
良い例文(下流工程)
■〇〇業向けWebアプリケーション保守運用(2021年4月〜2023年3月)
規模:SE2名・PG3名
担当工程:詳細設計〜運用保守
役割:障害対応窓口として一次切り分けと恒久対応を担当
成果:障害発生時の平均復旧時間を、対応フローの標準化により4時間から1.5時間に短縮
履歴書の書式にこだわりたい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを職務経歴書とセットで準備しておくと、提出書類全体の統一感が出ます。

まとめ
- SEの職務経歴書は、プロジェクト単位で「工程・役割・成果」をセットにして書く
- 案件数が多い場合は、直近の案件を詳しく、それ以前はグルーピングして整理する
- 秘密保持契約がある場合は、社名をぼかしつつ担当業務は具体的に書く
- 成果は可能な限り数字で示し、上流・下流それぞれの立場でのアピール方法を使い分ける
工程・役割・成果の3点をそろえた職務経歴書は、非エンジニアの採用担当者にも実務内容が正確に伝わります。
SEの職務経歴書に関するよくある質問
- SEの職務経歴書は何ページが適切ですか?
-
目安はA4用紙2〜3枚です。経験プロジェクトが多い場合でも、直近の案件を詳しく書き、それ以前はグルーピングしてまとめることで、この枚数に収められます。4枚を超える場合は、応募職種との関連性が低い案件から削るか要約を検討してください。
- 常駐先の社名やプロジェクト名は書いてもいいですか?
-
秘密保持契約の内容によります。契約で社名や案件名の開示が禁止されている場合は、「大手小売業A社」のように業種と規模がわかる表現に置き換えてください。契約内容が不明な場合は、常駐先や自社の担当者に確認してから記載すると安全です。
- 実務未経験の技術要素は職務経歴書に書いてもいいですか?
-
書いても構いませんが、実務経験と同列に扱うと経歴詐称と受け取られる可能性があります。「個人開発で使用」「学習中」など、実務経験とは異なる形で明記し、業務での使用実績と混同しないようにしてください。
- 転職回数が多い場合、SEの職務経歴書はどう書けばいいですか?
-
転職理由には触れず、各案件で担当した工程と成果を淡々と積み上げて構成するのが基本です。SESで常駐先が多岐にわたる場合は、転職回数ではなく「プロジェクト単位の異動」として扱われることも多いため、在籍していた自社の在籍期間を明記すると誤解を防げます。

