メーカー・商社の一般事務・営業事務では、受発注や書類処理を「どれくらいの量を、どれくらいの正確さとスピードでこなしてきたか」を数字で示すことが通過の分かれ目になります。業界未経験でも、これまでの事務経験を「調整力」や「処理量」という言葉に置き換えれば十分にアピールできます。本記事では書き方の基本と状況別の例文、採用担当者が実際に見ているポイントを解説します。
一般事務・営業事務(メーカー・商社)の職務経歴書の書き方と例文
結論
メーカー・商社の一般事務・営業事務では、担当してきた業務を並べるだけでは印象に残りません。扱った伝票数や取引先数、ミスを減らすために工夫した点まで書き込むことで、同じ「事務経験あり」でも採用担当者への伝わり方が大きく変わります。
職務要約と職務経歴の両方で、業務量・正確さ・調整力の3点を意識すると、経験が浅くても実務への理解度が伝わりやすくなります。
良い例文(職務要約)
良い例文
物流機器メーカーの営業事務として3年間、受発注処理・見積書作成・在庫管理を担当しました。月間平均120件の受発注をミスなく処理し、Excel関数を活用した進捗管理表の導入により、営業担当者への納期回答時間を平均1日短縮しました。取引先や工場担当者との調整を通じ、正確さとスピードを両立させる業務遂行力を培っています。
良い例文(職務経歴・業務内容)
良い例文
受発注処理(月間約120件、専用基幹システム使用)、見積書・納品書の作成、在庫管理表の更新を担当しました。誤出荷を防ぐため、受注入力後にダブルチェック体制を提案し、入力ミスを前年比で約4割削減しました。営業担当者と工場側の生産スケジュールをつなぐ窓口として、納期調整のやり取りも日常的に行っていました。
NG例
NG例
物流機器メーカーで営業事務として、受発注処理、見積書作成、電話対応、来客対応などを行っておりました。落ち着いて丁寧な対応を心がけ、社内外から信頼されるよう努めておりました。業務の羅列と抽象的な自己評価だけで、担当した量や成果が数字で示されていないため、他の応募者との差が伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 受発注件数や処理スピードなど、業務量が数字で分かるか
- 使用していた基幹システムやExcel関数など、具体的なツール名が書かれているか
- 営業担当者や工場・取引先との「調整役」としてのエピソードがあるか
職務経歴書に書くべき5項目とメーカー・商社事務での書き方
職務経歴書は「職務要約」「職務経歴」「活かせる経験・知識」「資格・スキル」「自己PR」の5項目で構成するのが基本です。メーカー・商社の事務職に応募する場合、それぞれの項目で意識したいポイントを見ていきます。
職務要約
直近の経験を3〜4行でまとめます。業界・職種名、担当業務、実績を1つの実績数値とともに書くと、忙しい採用担当者にも短時間で強みが伝わります。
職務経歴(業務内容)
メーカー・商社の一般事務・営業事務でよく担当する業務には、次のようなものがあります。
- 受発注処理・見積書/納品書/請求書の作成
- 在庫管理・出荷手配・納期調整
- 営業担当者のサポート(資料作成・スケジュール管理)
- 電話・来客対応、部署間・取引先との連絡調整
これらを羅列するだけでなく、担当件数や関わった部署の人数など、業務の規模が伝わる数字を添えることが重要です。職務経歴書全体のフォーマットに迷う場合は、事務の職務経歴書テンプレートで項目の抜け漏れを確認しておくと安心です。

活かせる経験・知識
前職の業界が異なっていても、伝票処理・在庫管理・顧客対応など事務職として共通するスキルは十分に応募先で活かせます。「メーカー」「商社」に限定した経験がなくても、業務の本質を言い換えて伝えれば問題ありません。
資格・スキル
| 資格・スキル | メーカー・商社事務でのアピール例 |
|---|---|
| 日商簿記2級・3級 | 請求書処理や経理部門との連携における数字の正確さを裏付ける |
| MOS(Excel・Word) | 基幹システムと連携した資料作成・関数を使った業務効率化の実績を補強する |
| TOEIC | 商社の海外取引先とのメール対応・書類確認への対応力を示す |
| フォークリフト等の資格 | メーカーの物流・出荷現場に対する理解があることを示す |
自己PR
自己PRでは、事務処理の速さ・正確さに加えて、社内外の関係者と円滑にやり取りできる調整力を1つのエピソードとともに書くと、メーカー・商社特有の「部署間の橋渡し役」としての適性が伝わります。
異業種・未経験からメーカー・商社の事務職に転職する場合の書き方
「メーカー・商社の経験がない」ことは、書き方次第でハンディにはなりません。状況別に、押さえておきたいポイントを例文とあわせて紹介します。
異業種からの応募の場合
良い例文
アパレル小売店の店舗事務として2年間、発注管理・売上データ入力・スタッフのシフト調整を担当しました。複数店舗分の発注データを1つの管理表に統合し、集計時間を月20時間から8時間に短縮しました。業界は異なりますが、正確な数値管理と複数関係者との調整経験は、貴社の事務業務にも活かせると考えております。
NG例
異業種ではありますが、事務職として頑張ってきましたので、貴社でも役立てると思います。「異業種だが頑張った」という主観だけで、前職の経験と応募先の業務のどこが重なるのかが説明されていません。共通点を具体的に言語化する必要があります。
事務職未経験の場合
良い例文
飲食店ホールスタッフとして3年間、日々の発注・在庫チェック・レジ締め作業を担当しました。数量と金額のズレを翌日に持ち越さないよう、締め作業のチェック手順を独自に見直し、金額不一致の発生をほぼゼロに改善しました。細かい数字を正確に扱う姿勢は、貴社の事務業務でも発揮できると考えております。
NG例
事務の経験はありませんが、PCは人並みに使えますし、真面目に取り組む性格です。「人並み」「真面目」といった曖昧な言葉のみで、これまでの仕事のどの部分が事務スキルにつながるのか示されていません。前職の経験を事務業務に翻訳して書くことが必要です。
メーカー・商社の事務職でよくある失敗と採用担当者が落とす理由
メーカー・商社の事務職では、次のような書き方が理由で書類選考を通過できないケースが多く見られます。
| よくある失敗 | 採用担当者が落とす理由 |
|---|---|
| 「〜を行っておりました」の羅列 | 業務の範囲や規模が分からず、即戦力になるか判断できない |
| PCスキルが「Excel使用可能」のみ | 関数・マクロなど実際にどこまで使えるか不明で、基幹システム連携業務の適性が判断できない |
| 数字が一切ない | 担当件数や改善実績が分からず、他の応募者と比較しづらい |
| 誤字脱字・書式の崩れ | 書類作成が業務の中心である事務職において、正確性への懸念材料になる |
資格・スキルの書き方に迷う場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートと職務経歴書をあわせて見直すと、記載項目の抜け漏れに気づきやすくなります。
メーカー・商社事務で使う基幹システム・業界知識の書き方
メーカーの事務職では生産管理システムや在庫管理システムとの連携、商社の事務職では貿易書類や海外取引先とのやり取りが関わる場面があります。担当した業務に合わせて、具体的な言葉を選ぶと実務理解が伝わりやすくなります。
- メーカーの場合:生産管理システム名、在庫管理表の運用方法、工場担当者との納期調整の実例
- 商社の場合:貿易書類(インボイス・パッキングリストなど)の作成経験、海外拠点や取引先とのやり取りの頻度
担当していた業務が応募先の事業内容とどう結びつくかを説明すると、書類の説得力が増します。事業内容欄の書き方に迷う場合は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

職務要約の書き方をさらに詰めたい場合は、営業の職務経歴書テンプレートの実績記載欄も参考になります。

まとめ
- 業務の羅列で終わらせず、受発注件数や処理スピードなど数字で業務量を示す
- 使用した基幹システム・Excel関数など具体的なツール名を記載する
- 異業種・未経験の場合は、前職の経験を事務スキルに言い換えて共通点を示す
- メーカーなら生産管理・在庫管理、商社なら貿易書類など、業界特有の言葉を使う
これらのポイントを押さえれば、経験の浅さや異業種であることを理由に評価が下がることは防げます。
一般事務・営業事務(メーカー・商社)の職務経歴書に関するよくある質問
- 一般事務と営業事務で職務経歴書の書き方は変えるべきですか?
-
担当業務の中心が「社内処理」か「営業サポート」かで強調点が変わります。一般事務は正確な事務処理力、営業事務は営業担当者や取引先との連携力を軸に書くと、違いが伝わりやすくなります。
- メーカーと商社で書き方に違いはありますか?
-
メーカーの事務職は生産管理や在庫管理との連携、商社の事務職は貿易書類や海外取引先とのやり取りが関わるケースが多いため、担当していた業務に合わせて具体的な言葉を選ぶと伝わりやすくなります。
- 事務経験が浅い場合はどう書けばいいですか?
-
経験年数が短くても、担当した業務の種類や工夫した点、覚えたシステム名を具体的に書けば実務理解を示せます。数字で語れる実績が少ない場合は、業務改善や周囲との連携エピソードを補うと効果的です。
- 職務経歴書はどれくらいの分量で書けばいいですか?
-
A4用紙1〜2枚が目安です。メーカー・商社の事務職は担当業務が多岐にわたることが多いため、重要な業務を優先しながら簡潔にまとめると読みやすくなります。

