電気設計・電子回路設計の職務経歴書は、担当した設計工程と製品領域を具体的に書くことが基本です。「設計を担当した」だけでは、規模も技術レベルも伝わりません。電気設計と電子回路設計、それぞれの記載例と採用担当者が見ているポイントを、経験レベル別に解説します。
電気設計・電子回路設計の職務経歴書サンプル|結論は担当工程と設計範囲を具体的に書くこと
結論:電気設計と電子回路設計は分けて、担当工程を具体的に書く
電気設計と電子回路設計は業務内容が異なるため、職務経歴書でも項目を分けて書くのが基本です。電気設計は設備・制御盤・動力配線など「モノを動かす電気の設計」、電子回路設計は基板・センサー回路など「信号を扱う回路の設計」を指します。担当した設計工程(基本設計〜詳細設計〜評価)と、使用したCADやツールまで書き込むことで、採用担当者は経験の深さを正確に把握できます。
- 担当した設計領域(電気設計:動力・制御盤・配線/電子回路設計:基板・センサー回路等)
- 使用CAD・ツール(AutoCAD、E-Plan、CADWe’ll、KiCad、PSpice等)
- 対応した規格・法令(JIS、電気事業法、労働安全衛生法等)
電気設計の記載例(設備・制御盤・動力配線)
良い例文
生産ライン向け搬送設備の電気設計を担当。動力回路・制御盤内配線の詳細設計から、AutoCADによる展開接続図の作成、現地での配線チェックまで一貫して従事。稼働後に発生した誤動作の原因をシーケンス図の見直しで特定し、停止時間を月平均4時間から30分へ短縮した。
NG例
電気設計業務を担当し、制御盤の設計に従事した。担当した設備の種類・規模・自分の役割が書かれておらず、経験レベルが読み取れない状態になっている。
採用担当者はここを見ている
- 担当した設備・盤の規模と役割が具体的か
- 設計フェーズ(基本設計〜現地調整)のどこを担当したかが明確か
- トラブル対応や改善実績など、数字で示せる成果があるか
電子回路設計の記載例(基板・センサー回路)
良い例文
産業用センサー機器のアナログ回路基板設計を担当。信号処理回路の回路方式検討からSPICEによるシミュレーション、試作評価、量産移行までを担当。ノイズによる誤検知を回路定数の見直しで解消し、不良率を2.8%から0.5%へ改善した。
NG例
電子回路の設計業務を担当し、基板開発に従事した。担当した回路の種類や規模、工程が一切書かれておらず、実務レベルが伝わらない。
採用担当者はここを見ている
- 担当した回路の種類・規模(アナログ/デジタル、基板点数等)が明記されているか
- 設計〜評価のどの工程を担当したかが明確か
- 不具合対応や歩留まり改善など、技術的な深さが伝わる記載か
電気設計と電子回路設計、両方の経験がある場合の書き方
両方の経験がある場合は、職務経歴を分けて記載し、応募先が求める領域を先頭に配置します。電気設計と電子回路設計を一つの文章に混在させると、どちらの技術レベルも正確に伝わりません。エンジニアの職務経歴書テンプレートを参考に、業務ごとに項目を区切って整理すると読みやすくなります。
採用担当者が電気・電子回路設計の経歴で重視する3つのポイント
電気設計・電子回路設計は、担当した製品や工程によって求められる経験値が大きく異なります。採用担当者は以下の3つの観点で、応募者の技術レベルを見極めています。
| 観点 | 採用担当者が見ているポイント |
|---|---|
| 担当工程 | 概念設計〜詳細設計〜評価・量産のどこを担当したか |
| 使用ツール | AutoCAD・E-Plan・CADWe’ll(電気設計)/KiCad・PSpice・Verilog(電子回路設計)等の実務経験 |
| 規格・法令対応 | JIS、電気事業法、労働安全衛生法などへの対応実績の有無 |
ツール名だけを並べても、実務力の裏付けにはなりません。どの工程で、どう使ったかまで書くことで、経験の深さが伝わります。
経験レベル別の書き方
経験が浅い場合の書き方
実務経験が1〜2年程度の場合は、担当したプロジェクトの規模が小さくても、学んだ設計プロセスと今後活かせる知識を具体的に示すことで評価されやすくなります。
良い例文(経験浅めの場合)
制御盤内配線の実装・チェックを、先輩社員の指導のもと担当。図面と実配線の照合、絶縁抵抗測定などの検査工程を経験した。配線ミスを事前に発見し、現地調整でのやり直しを防いだ経験がある。
NG例(経験浅めの場合)
電気設計の補助業務に従事した。「補助」とだけ書くと具体的に何を経験したのか伝わらず、実務レベルの判断がしづらくなる。
プロジェクトリーダー経験がある場合の書き方
設計チームを率いた経験がある場合は、チーム人数・他部門との調整・スケジュール管理の実績まで含めて書くと、マネジメント力の証明になります。
良い例文(リーダー経験がある場合)
生産設備更新プロジェクトにおいて、電気設計担当4名のリーダーを兼任。設計スケジュールの管理と機械・制御部門との仕様調整を担い、当初計画より2週間早い工程で設計を完了させた。
専門用語の使い方と守秘義務がある案件の書き方
専門用語のレベル調整
職務経歴書を最初に読むのが人事担当者である場合、専門用語だけで埋め尽くすと内容が伝わりません。反対に、噛み砕きすぎると現場の技術担当者から見て経験が浅いと誤解されることもあります。
- 専門用語を使う場合は、直後に一言で役割を補足する
- 職務要約の冒頭は平易な言葉でまとめ、詳細欄で専門用語を使う
- 社内でしか通じない略称・製品コードはそのまま書かない
守秘義務がある案件の言い換え方
担当製品の型番や取引先名、具体的な仕様値は、前職の守秘義務契約に触れる可能性があります。製品を特定できる固有名詞は避け、用途・規模・技術要素の粒度で言い換えるのが実務上の基本です。
良い書き換え例
「〇〇社向け△△型番の制御盤設計」→「産業機械向け制御盤設計(動力容量数十kW級、量産数十台規模)」のように、用途と技術規模がわかる表現に置き換える。
NG例
取引先の企業名・製品の正式型番・回路図の詳細な数値をそのまま記載する。守秘義務違反として前職とのトラブルに発展するリスクがあるため避ける。
保有資格・自己PRの書き方
電気設計・電子回路設計の職務経歴書では、業務に直結する資格を優先して記載します。応募職種との関連が薄い資格まで並べると、かえって専門性がぼやけることもあります。
| 資格名 | 職務経歴書での書き方の目安 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 制御盤・配線工事に関わる実務での活用場面を添えて記載 |
| 第一種電気工事士 | 高圧設備を含む工事経験がある場合は担当範囲とあわせて記載 |
| 電気主任技術者(電験) | 保安管理・設備の運用経験があれば具体的な業務内容を添える |
自己PRでは、資格の名称を並べるだけでなく、資格を実務でどう活かしたかを具体的なエピソードとともに書きましょう。履歴書とセットで提出する場合は転職用の履歴書テンプレートも確認しておくと、書類全体の整合性を取りやすくなります。提出先が指定フォーマットを求める場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、ハローワーク経由での応募にはハローワーク用の職務経歴書テンプレートも参考になります。



まとめ
- 電気設計と電子回路設計は項目を分けて、担当工程を具体的に書く
- 使用CAD・ツールは、どの工程でどう使ったかまで書き込む
- 守秘義務に触れる固有名詞は用途・規模の表現に言い換える
- 資格は取得の有無より、実務での活用場面をセットで書く
担当した設計工程と技術要素を書き出すところから、職務経歴書の作成を始めてみてください。
電気設計・電子回路設計の職務経歴書に関するよくある質問
- 電気設計と電子回路設計、どちらの経験も書いていいですか?
-
両方の経験がある場合は、担当した領域を分けて記載すると伝わりやすくなります。応募先が求める領域(電気設計寄りか電子回路設計寄りか)に近い経験を先頭に配置すると、より効果的にアピールできます。
- 担当製品の型番や取引先名は書いてもいいですか?
-
前職の守秘義務契約に触れる可能性があるため、固有名詞は避けたほうが安全です。用途や規模、技術要素の粒度で言い換えれば、経験の内容は十分に伝わります。判断に迷う場合は、前職の就業規則や誓約書の内容を確認してから記載してください。
- 資格がなくても評価されますか?
-
電気設計・電子回路設計は資格の有無より実務経験の具体性が重視される職種です。資格がない場合は、担当した設計工程や評価工程での経験を厚く書くことで十分にアピールできます。
- 未経験からでも電気設計・電子回路設計の職務経歴書は書けますか?
-
設計そのものの経験がなくても、関連する業務での測定・検査経験や、独学で習得した知識があれば具体的に記載しましょう。電気系の基礎資格を取得している場合は、その学習過程もあわせて書くと評価につながります。

