経理事務・財務アシスタントの職務経歴書は、担当していた処理件数とスピード、正確性を数字で示すのが正解です。「実務経験が浅くて書くことがない」と感じる方でも、日々の業務を数字に置き換えるだけで採用担当者に伝わる書類になります。良い例文とNG例、状況別の書き方までまとめました。
経理事務・財務アシスタントの職務経歴書の書き方【結論】
結論:処理件数・スピード・正確性を数字で示す
経理事務・財務アシスタントの求人では、決算や資金調達を任せられる即戦力ではなく、日々の処理を正確かつスピーディにこなせる人材が求められています。そのため職務経歴書も「何を担当したか」の羅列ではなく、「どれくらいの量を、どの精度でこなしてきたか」を数字で伝えることが最優先です。
「経理事務」と「財務アシスタント」はどちらも決算や資金管理の専門職を支える立場ですが、求人票では2つの職種名がセットで書かれていることが少なくありません。この記事では、どちらの求人にも対応できる書き方を、良い例とNG例のセットで解説します。
職務要約の例文(良い例・NG例)
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く3〜4行の要約文です。採用担当者が最初に目を通す部分のため、ここで「処理量」「正確性」「使用ツール」が伝わらないと、以降の職務経歴を読んでもらえない可能性があります。
良い例文
製造業(従業員120名)の経理部にて、経理事務として3年間従事。月次の仕訳入力(1日あたり平均60件)、請求書発行、経費精算処理を担当し、入力ミスによる修正依頼件数を月平均5件から1件未満に削減しました。会計ソフトはfreee会計・弥生会計を使用。日商簿記2級保有。より幅広い決算補助業務に携わりたく、応募いたしました。
NG例
経理事務として3年間、仕訳入力や請求書発行、経費精算などの業務を幅広く担当してきました。会計ソフトの操作も可能です。処理件数・精度・使用ソフトの詳細がすべて曖昧なため、他の応募者との違いが伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 1日・1ヶ月あたりの処理件数が具体的に書かれているか
- ミス削減・処理時間短縮など「改善した実績」があるか
- 使用した会計ソフト名・機能まで具体的に書かれているか
職務要約の骨組みに迷ったら、経理の職務経歴書テンプレートを土台にして、自分の処理件数や実績を当てはめていくと整理しやすくなります。
未経験の場合の書き方と例文
経理事務・財務アシスタントは未経験者向けの求人も多い職種です。実務経験がない場合は、これまでの職歴で培った正確性やコツコツ続ける力を、経理業務に結びつけて書くのがポイントです。
良い例文(未経験)
小売店舗にて販売スタッフとして4年間従事し、日次の売上集計とレジ締め作業を担当しました。金額の照合を1日も欠かさず行い、差異が生じた際は当日中に原因を特定する業務フローを徹底してきました。数字を扱う正確な作業に関心があり、日商簿記3級を取得。経理事務として、これまで培った正確性を活かしたいと考えています。
NG例(未経験)
経理の実務経験はありませんが、数字を扱う仕事に興味があり応募しました。簿記の勉強もしています。前職の経験と経理業務との接点が示されていないため、ポテンシャルが伝わりません。
採用担当者は経理事務・財務アシスタントの職務経歴書のどこを見ているか
経理事務・財務アシスタントの選考では、応募者の多くが未経験〜数年程度の実務経験者です。だからこそ、他の応募者と差がつくポイントは限られています。
採用担当者はここを見ている
- 正確性の裏付け:ミスをどう防いできたか、具体的な工夫があるか
- ツールの習熟度:Excelの関数名、会計ソフトの操作範囲まで書かれているか
- 継続力:同じ業務を長期間、安定した精度でこなしてきたか
逆に、「サポート業務を幅広く担当」「丁寧な対応を心がけました」といった抽象的な表現だけの職務経歴書は、他の応募者と見分けがつかず埋もれてしまいます。具体的な数字とエピソードに置き換えることが、通過率を左右する最大のポイントです。
経理事務と財務アシスタントは何が違う?書き分けのポイント
求人票に「経理事務・財務アシスタント」とセットで書かれていると、どちらの実績を中心に書けばいいか迷う方も多いはずです。2つの職種は業務の中心が異なるため、担当していた業務に合わせて比重を調整する必要があります。
| 職種 | 業務の中心 | アピールすべき数字 |
|---|---|---|
| 経理事務 | 仕訳入力・請求書発行・経費精算などの日次処理 | 1日・1ヶ月あたりの処理件数、ミス削減率 |
| 財務アシスタント | 資金繰り表の作成補助、銀行への提出書類準備 | 資金繰り表の更新頻度、対応した金融機関の数 |
経理事務と財務アシスタントの業務を兼任していた場合は、両方の実績を書いて構いません。ただし職務要約の一文目には、応募先の求人票で重視されている方の業務を先に書くと、採用担当者に業務理解の高さが伝わります。
状況別の職務経歴書の書き方と例文
実務経験がある場合
実務経験がある場合は、業務内容を一覧で示したうえで、改善につながった実績を1つ以上添えるのが効果的です。
良い例文(実務経験あり)
【担当業務】
- 仕訳入力(月間約1,200件、会計ソフト:勘定奉行クラウド)
- 請求書発行・入金消込(取引先約80社分)
- 経費精算処理(従業員150名分の月次精算)
従来Excelで手作業だった経費精算の集計をマクロ化し、月次処理にかかる時間を8時間から3時間に短縮しました。
未経験・第二新卒の場合
未経験・第二新卒の場合は、前職での「数字を扱う経験」「正確さを求められた経験」を経理業務に紐づけて書くと説得力が増します。営業事務や販売職でのレジ締め・伝票処理の経験も立派なアピール材料です。
良い例文(第二新卒)
営業事務として2年間、月間約200件の受発注データ入力と請求書作成を担当しました。入力後は必ずダブルチェックを行い、在籍期間中の入力ミスはゼロを維持しています。数字を正確に扱う業務への適性を実感し、経理事務としてより専門性を高めたいと考え応募しました。
派遣・契約社員から転職する場合
派遣・契約社員として経理事務を経験してきた方は、複数の職場で異なる会計ソフト・業務フローに対応してきた「適応力」が強みになります。就業先ごとに担当業務が変わる場合は、就業先を分けて記載しましょう。
良い例文(派遣からの転職)
2社の経理部門にて、派遣社員として合計4年間、経理事務を担当しました。1社目(食品メーカー)では弥生会計を用いた仕訳入力、2社目(IT企業)ではSAPを用いた月次決算補助を経験。異なる会計ソフト・業務フローへの対応力を強みとしています。
派遣先ごとの業務を整理して書きたい場合は、派遣の職務経歴書テンプレートの項目立ても参考になります。
経理事務・財務アシスタントで役立つ資格・スキルの書き方
資格・スキル欄も「保有しています」で終わらせず、どの業務でどう使えるかまで書くと実務イメージが伝わります。
| 資格・スキル | 職務経歴書での書き方 |
|---|---|
| 日商簿記2級 | 仕訳・決算整理の基礎知識がある根拠として明記 |
| MOS Excel | VLOOKUP・SUMIFS・ピボットテーブルなど使用機能まで記載 |
| 会計ソフト操作経験 | ソフト名(freee・弥生・勘定奉行等)と使用年数を明記 |
| 電卓技能検定 | 入力スピードを裏付ける根拠として、級と取得年を記載 |
資格がまだ日商簿記3級のみ、あるいは資格なしという場合でも不利になりすぎるわけではありません。処理件数やミスの少なさなど、資格以外の実績で正確性を示せれば十分にアピールになります。
経理事務・財務アシスタントの職務経歴書でよくある失敗
経理事務・財務アシスタントの職務経歴書で書類選考を通過できない人には、共通するパターンがあります。
| よくある失敗 | 採用担当者からどう見えるか |
|---|---|
| 「幅広く担当」とだけ書く | 処理量も精度も判断できず、他の応募者と差がつかない |
| 会計ソフト名を書かない | 入社後すぐに戦力になるかが読めない |
| テンプレートの丸写し | 会社名と数字だけ差し替えた印象を与え、埋もれる |
| 「経理事務」「財務アシスタント」の区別なく書く | 求人内容と職務経歴書の内容がずれ、理解不足に見える |
特に多いのが、求人票の職種名と職務経歴書の書き方が対応していないケースです。応募前に求人票を読み返し、「処理」中心か「資金管理の補助」中心かを確認してから記載の比重を決めましょう。
事務職全般での例文パターンをさらに確認したい場合は、事務の職務経歴書テンプレートもあわせて参考にしてください。
まとめ
- 職務要約は「処理件数」「正確性」「使用ツール」を数字で示す
- 経理事務と財務アシスタントは業務の中心が異なるため、求人票に合わせて比重を調整する
- 未経験・派遣からの転職でも、前職の「数字を扱う経験」に紐づければアピールになる
- 資格・スキル欄は保有の有無だけでなく、業務での使用場面までセットで書く
経理事務・財務アシスタントの職務経歴書で差がつくのは、業務の長さではなく、採用担当者が「この人ならすぐに任せられる」と想像できる具体性です。



経理事務・財務アシスタントの職務経歴書に関するよくある質問
- 経理事務と財務アシスタント、どちらの書き方を優先すべきですか?
-
応募先の求人票に書かれている業務内容を基準に決めます。「仕訳」「請求書」「経費精算」が中心なら経理事務の書き方、「資金繰り表」「銀行対応の補助」が中心なら財務アシスタントの書き方を職務要約の一文目に持ってきましょう。両方を担当していた場合は、比重の大きい方を先に書き、もう一方は補足として記載します。
- 実務経験が1年未満でも応募して大丈夫ですか?
-
問題ありません。経理事務・財務アシスタントは未経験者歓迎の求人も多い職種です。実務経験が短い場合は、担当した処理件数や、ミスを防ぐために行っていた工夫を具体的に書くことで、経験年数の短さを補えます。
- 職務経歴書はA4何枚にすべきですか?
-
A4用紙1枚が目安です。経理事務・財務アシスタントは即戦力の決算経験よりも日次処理の正確性が重視されるため、情報を絞り込んでコンパクトにまとめる方が読みやすくなります。複数社での経験がある場合のみ2枚まで許容範囲です。
- 資格が日商簿記3級しかない場合は不利になりますか?
-
資格の級数だけで合否が決まるわけではありません。日商簿記3級でも、仕訳の基礎知識がある根拠として記載する価値はあります。それ以上に、処理件数やミスの少なさといった実績で正確性を示せれば、資格の弱さを十分に補えます。

