この記事では、看護師の転職で使える履歴書テンプレートの選び方と、各項目の書き方を採用担当者の視点から解説します。施設形態別の志望動機例文と、書類選考で落とされやすいNGパターンも紹介します。
看護師の履歴書テンプレート、一般用でも使えるがこう選べ
「看護師専用の履歴書テンプレート」は存在しますが、必須ではありません。一般用のテンプレートでも問題なく使えます。ただし「どのテンプレートでも同じ」かというとそうではなく、選び方によって書きやすさと採用担当者の読みやすさが変わります。
職歴欄の行数で選ぶのが基本
看護師の転職では、複数の医療機関を経験していることが多く、職歴欄の行数が重要になります。市販の履歴書用紙やダウンロードテンプレートには「JIS規格様式A」「一般的なA4版」など種類がありますが、転職経験がある場合は職歴欄が広めのA4サイズのテンプレートを選ぶことで、見やすくまとめやすくなります。
記入できる職歴欄が少なく書ききれない場合は、別紙(職務経歴書)で補足する方法もあります。ただし履歴書本体にはすべての職歴を記載する必要があります。省略すると採用担当者に「何かある」という印象を与えるため避けてください。
転職向けと新卒向け、どちらを選ぶべきか
新卒(初めての就職)であれば、学生向けの一般テンプレートでも問題ありません。社会人経験のある転職者がこのテンプレートを使うと、職歴欄が少なくて情報が詰め込まれて見えやすいという問題があります。
| 状況 | おすすめのテンプレート |
|---|---|
| 新卒・初めての就職 | 一般的なJIS規格様式、または看護師向け就活サービス提供のもの |
| 転職経験あり(1施設以上) | 職歴欄が広いA4横向きタイプ、または転職サービス提供のもの |
| 転職回数が多い(3回以上) | 職歴欄が最も広いフォーマット。別紙(職務経歴書)との併用を検討 |
准看護師として転職活動をしている方は、資格欄の記載方法が異なります。詳しくは准看護師の履歴書の書き方を参照してください。
PC作成と手書き、採用担当者の本音
看護師の転職において、PC作成が圧倒的に主流です。採用担当者の視点で言えば、手書きが熱意の証明になるわけではなく、むしろPC作成のほうが読みやすく内容の確認がしやすいという声が大半です。
「手書き指定」が求人票に明記されている場合のみ手書きにしてください。それ以外はPCで作成して問題ありません。誤字脱字が少なく修正が容易なPC作成は、書類の品質を上げる最も簡単な方法です。
無料で使える履歴書テンプレートの具体的な比較については、履歴書テンプレート無料おすすめでまとめています。

採用担当者が30秒で判断する5つのチェックポイント
「履歴書は合格の決め手にはならないが、落ちる原因にはなる」というのが書類選考の実態です。採用担当者は最初の30秒で書類全体の印象を決めています。履歴書は減点方式という意識を持ち、以下の5点で減点されないことを最優先にしてください。
①看護師免許の正式名称(資格欄で即減点されるNG例)
資格欄への記載は、「看護師」と書くのが正解です。「看護師資格」「看護師免許」「看護師資格(正看護師)」「正看護師」はすべて正式名称ではなく、採用担当者に基本的なことを知らないという印象を与える可能性があります。
採用担当者はここを見ている
- 正式名称:「看護師」(准看護師は「准看護師」)
- 取得年月:「〇〇年〇月 取得」と月まで記載(年のみはNG)
- 免許番号:記載不要(個人情報のため。求められた場合のみ記載)
NG例
「看護師免許」「看護師資格」「正看護師」は正式名称ではないため使わないこと。また「平成〇年」のみで月がない記載は、採用担当者が確認に手間がかかるため避ける。
②関連資格の記載優先順位
看護師免許以外に持っている資格は、応募する施設・診療科への関連度の高い順に記載します。記載量に制限がある場合は以下の優先順位で絞り込んでください。
- 専門看護師・認定看護師(取得している場合は最優先)
- 応募先の診療科・業務に直結する資格(ICU希望ならACLS、在宅希望なら訪問看護師認定看護師 etc.)
- BLS(一次救命処置)修了(多くの施設で評価される)
- 普通自動車免許(訪問看護・在宅・地方施設への応募では記載必須)
「TOEIC〇〇点」や「調理師免許」など、看護業務と無関係の資格は、スペースに余裕がある場合のみ記載してください。無関係の資格が並んでいると、採用担当者に「応募先をよく理解していない」と判断されることがあります。
③写真で伝わること
写真は3ヶ月以内に撮影した証明写真を使用します。採用担当者が写真から確認しているのは、清潔感と誠実さです。以下はNGとなる具体的なケースです。
- 白衣での撮影(職場の服装と履歴書の証明写真は分ける)
- スマートフォンの自撮り(背景・光量・解像度が不安定になりやすい)
- 前髪が目にかかっている(表情が見えにくく、清潔感が伝わりにくい)
- 派手なアクセサリー(医療機関の採用担当者は職場での安全性も意識している)
コンビニや駅の証明写真機での撮影で十分です。撮影前に髪と服装を整えれば、必要な印象は伝えられます。
④職歴欄に書くべき「施設情報」
看護師の職歴欄で、入職・退職の事実を正確に記載することが原則です。診療科や病床数などの詳細は職務経歴書に委ねるため、履歴書では以下の情報を正確に書けば十分です。
採用担当者はここを見ている
- 施設の正式名称(法人名まで含めた正式名称。略称は使わない)
- 入職・退職の年月(「〇〇年〇月 入職」「〇〇年〇月 退職」)
- 全職歴の記載(短期間でも省略しない)
- 在籍中の場合は「現在に至る」と記載
病床数・診療科・看護配置基準など施設の詳細は職務経歴書に書く内容です。履歴書の職歴欄に詰め込む必要はありません。病院の職歴欄の書き方については履歴書 職歴 書き方 病院でも詳しく解説しています。
看護師の職務経歴書の詳しい書き方は看護師の職務経歴書テンプレートを参照してください。

⑤日付と「使い回し感」
採用担当者が確認していて意外と見落とされがちな要素が「日付」です。履歴書右上の日付は、郵送なら投函日、手渡しなら持参日に設定します。日付が数ヶ月前になっていると「使い回しの書類を送ってきた」と受け取られ、志望度への疑問につながります。
PC作成なら日付を書き換えるのに1分もかかりません。このひと手間が「この施設に向けて準備した書類」という誠実さの証明になります。
履歴書の各項目の書き方と採用担当者の視点
学歴・職歴欄
学歴の記載は中学校卒業から始めるのが一般的です。高校は「〇〇高等学校 普通科 卒業」のように学科名まで記載します。看護師の場合、看護専門学校・看護短大・看護大学のいずれかを卒業しているため、学校名と学科名(看護学科等)を正確に書いてください。
職歴欄は「入職」「退職」の表現を使います。看護業界では「入社」「退社」ではなく「入職」「退職」が正式な表現で、採用担当者もこちらを期待しています。
良い例文
20〇〇年 3月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 卒業
20〇〇年 4月 〇〇看護専門学校 看護学科 入学
20〇〇年 3月 同校 卒業
20〇〇年 4月 医療法人〇〇会 〇〇病院 看護師として入職
20〇〇年 3月 同院 退職(一身上の都合により)
20〇〇年 5月 〇〇クリニック 看護師として入職
現在に至る
NG例
「2015年 〇〇病院 入社」→ 医療機関では「入社」ではなく「入職」が正しい表現。また月の記載がなく年のみになっている、法人名を省略しているのも減点ポイント。
免許・資格欄
免許・資格欄には取得した順(古い順)に記載するのが基本です。複数の資格がある場合の記載例は以下の通りです。
良い例文
20〇〇年 3月 看護師 取得
20〇〇年 6月 BLS(一次救命処置)修了(日本ACLS協会)
20〇〇年 〇月 普通自動車第一種運転免許 取得
志望動機欄
志望動機は採用担当者が最も重視する項目です。「なぜ看護師になりたいか」ではなく「なぜこの施設・この診療科で働きたいか」を書く必要があります。採用担当者が志望動機で確認しているのは3点です。
- 応募先の施設・診療科の特徴を理解しているか
- 自分のキャリア目標と施設の方針が一致しているか
- 継続して働いてくれそうか(定着性への懸念がないか)
文字数は200〜300文字が目安です。スペースに対して余白が多すぎる(100文字以下)場合も、採用担当者の印象を下げます。具体的な例文は次のH2で施設形態別に紹介します。
本人希望欄
本人希望欄には「貴院の規定に従います」と書くのが基本です。ただし、本当に譲れない条件(夜勤不可、育児のため特定曜日の休暇希望など)がある場合は明記してください。
正直に書くことで後のミスマッチを防げます。「書くと印象が悪いかも」という心理で書かずにいると、採用後の雇用条件でトラブルになることがあります。ただし「できれば〜したい」程度の軽い希望は書かないほうが無難です。
施設形態別 志望動機例文
以下は施設形態別の志望動機例文です。あくまで参考として活用し、自分の実際の経験と言葉に置き換えて使用してください。採用担当者はコピーしたような志望動機をすぐに見分けます。例文と自分の経験を組み合わせることで、採用担当者に「この人はうちを理解している」と感じさせることができます。
総合病院・急性期病院への転職
急性期病院では、幅広い看護技術の習得と処置スピードへの適応力が求められます。志望動機では「専門的な看護を深めたい意思」と「チームでの高度急性期対応への関心」を前面に出します。
良い例文
前職では200床規模の病院で内科・外科混合病棟を4年間担当し、術後管理や急変対応の経験を積みました。より高度な急性期医療の現場で専門性を高めたいと考え、貴院の救命救急センターへの応募を決めました。貴院が地域の三次救急を担う中核施設であること、また2年ごとに複数診療科を経験できる院内ローテーション制度に魅力を感じています。
クリニック・外来への転職
クリニックは「病院勤務からの逃げ場」と見られることを採用担当者は敏感に察知しています。「なぜクリニックで働きたいのか」を具体的に説明できないと、定着しないと判断される可能性があります。
良い例文
入院病棟での急性期対応を3年経験した後、患者さんの生活全体を継続して支える看護に関心が移りました。外来通院を続ける慢性疾患の患者さんに寄り添い、生活指導や服薬管理のサポートを通じて長期的に関われる環境を求めており、内科中心の貴クリニックへ応募しました。休日を活用して生活習慣病の療養指導に関する研修も受講しており、その知識を貴クリニックの患者さんの支援に活かしたいと考えています。
訪問看護への転職
訪問看護では「一人で判断する力」と「コミュニケーション能力」が特に重視されます。施設環境とは異なり、自宅という利用者のフィールドで看護を行うことへの覚悟と関心が伝わる文章が効果的です。
良い例文
病院での看護を5年経験する中で、退院後に自宅で生活する患者さんの継続支援に強い関心を持ちました。入院中に信頼関係を築いた患者さんが退院後の生活でつまずく場面を見るうちに、生活の場での看護の必要性を実感しました。貴ステーションがリハビリ職との連携を重視した訪問看護を行っていることを知り、これまで培った急性期看護の経験を在宅医療に活かせると考えて応募いたしました。
訪問看護ステーションへの転職でブランク期間がある方は、看護師の職務経歴書 ブランクありも参考にしてください。

介護施設・老健への転職
介護施設や老健への転職では、「医療的な視点を介護の現場に活かしたい」という積極的な意思が伝わると評価されます。「病院勤務が辛いから」という消極的な理由への懸念を払拭できる文章を意識してください。
良い例文
急性期病院の病棟で8年間勤務し、多くの高齢患者さんの入院から退院後の生活への橋渡しに関わってきました。介護度が高い方々の生活を医療的な視点から支えることにより直接的に携わりたいと考え、医療連携を積極的に行っている貴施設への転職を希望しました。これまで培った急性期看護の経験と医療・介護連携への理解を、現場でのケアの質向上に活かせると考えています。
やりがちなNG例と改善ポイント
看護師の転職活動で採用担当者が目にするNG例は、ある程度パターン化されています。以下に代表的なものと改善策をまとめます。
NG例と改善策
| NGパターン | 採用担当者の印象 | 改善策 |
|---|---|---|
| 志望動機が「患者さんのお役に立ちたい」だけ | どの施設にも使える文章。志望度が感じられない | 施設の特徴・診療科・理念への具体的な共感を書く |
| 「職場の人間関係が原因で退職」と正直に書いた | 次の職場でも同じことが起きるのでは?という懸念 | 「一身上の都合により」と書き、理由は面接で伝える |
| 「給与や休日条件が良い」が志望理由のメイン | 条件が変われば即辞める人と判断されやすい | 待遇面には触れず、仕事内容・施設への関心を書く |
| 修正テープで書き直した部分がある(手書きの場合) | 丁寧さに欠ける。誠実さへの疑問が生じる | 書き間違えたら必ず新しい用紙に書き直す |
| ブランク期間の説明がない | 「何があったのだろう?」という疑問が生じる | 志望動機や本人希望欄に一言添える |
医療法人向けの履歴書固有のルール(「入職」「貴院」「入院・退院」などの表現)については、医療法人の履歴書の書き方も参照してください。

まとめ
- 看護師専用の履歴書テンプレートは必須ではなく、職歴欄が広いA4フォーマットを選べば十分
- 採用担当者の判断基準は「落とす理由がないか」という減点方式が基本
- 資格欄は「看護師」が正式名称。「看護師免許」「正看護師」は不正確なため使わない
- 職歴欄は入職・退職の事実のみ記載。施設詳細は職務経歴書に書く
- 志望動機は「この施設で働く理由」を具体的に書くことが通過への近道
書類作成で手が止まりやすいのは志望動機です。本記事の例文を参考にしながら、自分の経験を具体的な言葉に置き換えることで、採用担当者の目に止まる書類に近づきます。
看護師の履歴書テンプレートに関するよくある質問
- 看護師専用の履歴書テンプレートは必要ですか?
-
必須ではありません。一般用のJIS規格様式や転職サービス提供のテンプレートで十分対応できます。転職経験がある場合は職歴欄が多めのA4フォーマットを選ぶと書きやすくなります。
- 看護師免許の資格欄への正しい書き方を教えてください。
-
「看護師」と記載します。「看護師免許」「看護師資格」「正看護師」はすべて正式名称ではありません。取得年月は「〇〇年〇月 取得」と月まで記載し、免許番号の記載は不要です(求められた場合のみ)。准看護師の場合は「准看護師」と記載します。
- 履歴書と職務経歴書の違いは何ですか?どちらを準備すればいいですか?
-
履歴書は学歴・職歴・資格・志望動機など「事実」を記載する書類です。職務経歴書は担当した診療科・処置・習得スキルをアピールする書類で、看護師の転職では両方提出するのが一般的です。病院・クリニック問わず、セットで準備しておくことをお勧めします。
- ブランク期間がある場合、履歴書にどう書けばいいですか?
-
職歴欄には退職と再入職の年月を正確に記載してください。ブランクの理由は職歴欄ではなく、志望動機や本人希望欄に「育児のため一時離職、現在は復帰可能な状態です」などと簡潔に添えると、採用担当者が状況を把握しやすくなります。
- 手書きとPC作成、どちらが好印象ですか?
-
PC作成が主流で、採用担当者も読みやすいため好まれます。求人票に「手書き」と明記されている場合のみ手書きにしてください。手書きを選ぶ場合は黒のボールペン(油性か水性)を使用し、修正テープは使わずに新しい用紙に書き直してください。


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