「このたび一身上の都合により、退職いたしたく、お願い申し上げます」——この一文が書ければ、パートの退職願は十分に体裁が整います。シフトに穴を空けたくないという焦りから省いてしまいがちな書類ですが、書式さえ押さえれば数分で仕上がります。退職届との違いや店長へ渡すタイミングまで、状況別の例文で解説します。
パートの退職願の書き方と例文【結論】
結論:退職願はこの5項目で書けば十分
パートの退職願も、正社員と同じ5項目がそろっていれば書式は完成します。難しい言い回しを覚える必要はありません。
- 退職理由:「一身上の都合」で統一する
- 退職を希望する日付:最終出勤日を基準に記載する
- 提出日:実際に渡す日付を書く
- 所属・氏名:勤務先の店舗名や部署名と氏名を書き、押印する
- 宛名:会社の代表者名、または雇用主である店長・オーナー名
手書き例文(縦書き)
良い例文
私儀
この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇店 山田 花子 印
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
パソコン作成の例文(横書き)
良い例文
退職願
私事、この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇店 山田 花子
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様
パソコンで作成しても法的な効力に差はありません。会社から指定がなければ、書きやすい方法を選んで問題ありません。
NG例|退職届と混同した言い回し
NG例
私事、この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします
「退職いたします」は退職届で使う断定の文言です。退職願でこの表現を使うと、承諾を待たずに一方的な通告をした形になります。シフトの調整で店側と話し合う余地を、自分で狭めてしまうケースもあるため注意してください。
パートに退職願は必要?いらないと言われる理由
契約期間の定めがなければ口頭でも退職できる
「パートに退職願はいらない」という情報を見て、書かなくてもよいのか迷う方もいるはずです。雇用期間の定めがないパートであれば、民法627条により、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば口頭だけでも退職は成立します。退職願は法律上の必須書類ではありません。
それでも退職願を書いたほうがいいケース
口頭だけで済ませてよい場面でも、書面を用意しておくと安心できる状況があります。
- 就業規則で「退職願または退職届の提出」が定められている
- 口頭だけでは「言った・言わない」のトラブルが不安
- 退職日を書面で明確にし、シフトの引き継ぎの目安にしたい
職場の担当者はここを見ている
- 書面の体裁が整っているか(急な口頭連絡だけでは引き継ぎ計画が立てにくい)
- 退職日が明確に書かれているか(シフト再編や求人準備の目安になる)
契約期間の途中で辞める場合は、口頭・書面のどちらでも会社側の同意が前提になる点に注意が必要です。この点は下記の記事で詳しく解説しています。

退職願と退職届、パートはどちらを出せばいい?
比較表
退職願と退職届は、似た書類に見えて役割がまったく異なります。
| 項目 | 退職願 | 退職届 |
|---|---|---|
| 性質 | 退職の申し出(依頼) | 退職の通知(宣言) |
| 文末表現 | 退職いたしたく、お願い申し上げます | 退職いたします |
| 撤回 | 承諾前なら可能 | 原則として困難 |
| 提出タイミング | 退職を切り出す最初の段階 | 会社が承諾した後 |
迷ったときの判断基準
基本の流れは、まず退職願で意思を伝え、店長との話し合いを経て了承を得たあとに退職届を提出する、という順番です。ただし多くのパート現場では、この2段階を踏まず最初から「退職届」1枚で済ませる運用になっていることも珍しくありません。迷ったときは、自己流で決めずに店舗の慣習や就業規則を確認するのが確実です。

シフト制パートが退職願を出すベストなタイミング
契約更新の話し合い前に伝える
契約更新のタイミングがあるパートは、更新の話し合いより前に退職の意思を伝えられれば、次の契約を結ばずに契約満了というかたちで自然に退職できます。逆に、更新後に「やっぱり辞めたい」と伝えると、あらためて契約途中の退職として同意を得る手続きが必要になります。
繁忙期・シフトの谷間を避ける
提出時期を選ぶ際は、以下の点を意識すると店舗側の負担が小さくなります。
- 繁忙期(連休前・決算期など)を避ける
- 退職希望日の1〜2ヶ月前を目安に伝える
- 店長が落ち着いて話を聞けるタイミングを選ぶ
状況別の退職願の書き方
契約更新のタイミングで辞める場合
良い例文
私儀
この度、一身上の都合により、契約期間満了となる令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇店 〇〇 〇〇 印
契約期間の途中・家庭の事情で辞める場合
良い例文
私事、この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます
急なお願いで恐縮ですが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます
令和〇年〇月〇日
〇〇店 〇〇 〇〇
契約期間の途中で辞める場合、退職理由に詳しい事情を書く必要はありません。「一身上の都合」で統一し、家庭の事情などの背景は口頭で伝える範囲にとどめると、書類としての体裁を保てます。
店長への渡し方とNG行動
良い伝え方
退職願は、いきなり封筒を渡すのではなく、先に口頭で退職の意向を伝えてから提出するのが基本の流れです。渡す相手は一緒にシフトに入る先輩ではなく、雇用の決定権を持つ店長やオーナーにします。
職場の担当者はここを見ている
- 忙しい時間帯を避け、落ち着いて話せるタイミングを選んでいるか
- 引き継ぎやシフト調整に使える猶予を残して伝えているか
- 直接顔を見て伝えているか(人づて・文字だけの報告は誠実さに欠ける)
NG行動
NG例
- LINEやメールだけで退職の連絡を済ませる
- 契約更新の面談で何も言わず、あとから「やっぱり辞めたい」と伝える
- 退職日を明記せず「近いうちに辞めます」とだけ伝える
「パートだから」と手続きを簡略化しすぎると、かえってマナー違反に気づきにくくなります。退職の意思表示は、対面か電話で行うのが基本です。
退職の目処が立ったら、次の勤務先探しの準備も並行して進めておくと空白期間を短くできます。次もパートを検討している場合はパート用の履歴書テンプレートが役立ちます。
これまでの勤務経験をまとめたい場合はパート用の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。アルバイトへの切り替えを検討している場合はアルバイト用の履歴書テンプレートから書き始めるとスムーズです。

まとめ
- パートの退職願は「退職いたしたく、お願い申し上げます」という依頼形で書く
- 契約期間の定めがなければ口頭でも退職できるが、書面があるとトラブルを防ぎやすい
- 契約更新の話し合い前に、店長へ直接伝えるのが基本の流れ
書式さえ押さえておけば、パートの退職願は身構えるほどの書類ではありません。シフトの状況を踏まえながら、余裕を持って準備を進めてください。
パートの退職願に関するよくある質問
- パートでも退職願は必ず出さないといけませんか?
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法律上は口頭の意思表示だけでも退職は成立します。ただし就業規則で書面の提出を求めている職場も多いため、就業規則を確認したうえで、指示があれば書面を用意するのが現実的です。
- 退職願は出した後に撤回できますか?
-
店長や会社が退職を承諾する前であれば、原則として撤回が可能です。ただし承諾したと受け取れる発言があった後は、撤回が難しくなる場合があるため、伝えるタイミングには注意してください。
- 退職願と退職届、結局どちらを出せばいいですか?
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まず退職願で意思を伝え、了承を得たあとに退職届を提出する流れが基本です。ただし店舗によっては退職届1枚のみで済ませる運用もあるため、迷ったときは店舗の慣習や就業規則を確認してください。
- 退職願はパソコンで作成しても問題ありませんか?
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手書き・パソコンのどちらで作成しても法的な効力に違いはありません。会社の慣習や就業規則に指定がなければ、書きやすい方法を選んで問題ありません。

