派遣の職歴が書ききれない履歴書は、派遣元ごとにまとめて派遣先を短く列挙するのが正解です。雇用は派遣元、働く場所は派遣先です。入社・退職ではなく登録・就業・派遣期間満了と書きます。短期が多いときは業種や社数で集約し、消さずに職務経歴書へ詳細を移します。無期雇用派遣に切り替わった場合は、雇用が変わる一行を残します。

派遣の職歴が書ききれない履歴書のまとめ方と記載例
結論:派遣元ごとにまとめ、派遣先は短く列挙する
派遣先を1社ずつ「入社・退職」で書くと、欄はすぐ溢れます。残す軸は派遣元(雇用主)です。その下に派遣先を短い行で並べます。派遣元が複数なら、派遣元の塊を時系列で繰り返します。
- 派遣元の正式名称と登録年月を先に書く
- 派遣先は社名・業種・職種・期間を1行に収める
- 短期が続くときは社数と職種で集約する
- 守秘義務で社名が出せないときは業種で書く
- 全部消さず、詳細は職務経歴書へ移す
職歴欄が広い用紙に変える余裕があるときは、転職用の履歴書テンプレートを先に試します。それでも溢れる前提で、まとめ記載の型を決めておくと手が止まりません。
派遣元まとめの記載例
同じ派遣元から複数の派遣先へ出た場合、登録は1行、派遣先は配下に列挙します。各派遣先のたびに「派遣期間満了」を繰り返す必要はありません。その派遣元での就業が終わった行に、まとめて置きます。
良い例文
令和3年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
株式会社△△(製造業)にて生産管理事務として就業(令和3年4月〜令和4年3月)
株式会社□□(卸売業)にて営業事務として就業(令和4年4月〜令和5年9月)
令和5年 9月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和3年 4月 株式会社△△ 入社
令和4年 3月 株式会社△△ 退職
令和4年 4月 株式会社□□ 入社
令和5年 9月 株式会社□□ 退職
派遣元が消え、派遣先が正社員歴に見えます。欄も2倍使います。
採用担当者はここを見ている
- 給与の支払い元(派遣元)が先に書かれているか
- 派遣先の期間が、月単位で途切れていないか
- 職種名が、応募職種と突き合わせられる短さか

登録・就業・派遣期間満了の用語
入社・退職と書かない理由
登録型派遣で雇用契約がある相手は派遣元です。派遣先は就業先です。派遣先に「入社」と書くと、直接雇用に読めます。契約が期間どおり終わったときは派遣期間満了につき退職です。自分から更新しなかったときだけ「一身上の都合により退職」を使います。
用語の対応表
| 場面 | 使う言葉 | 使わない言葉 |
|---|---|---|
| 派遣元に名前を置く(登録型) | 登録 | 入社 |
| 派遣先で働き始める | 就業 | 入社・着任 |
| 契約期間どおり終了 | 派遣期間満了につき退職 | 一身上の都合により退職 |
| 自分から契約を終える | 一身上の都合により退職 | 派遣期間満了(事実と違う) |
| 無期雇用派遣で派遣元と雇用 | 無期雇用派遣として入社 | 登録 |
派遣会社への登録解除は、職歴の行としては書きません。職歴が始まるのは就業が始まってからです。登録しただけで就業していない期間は、職歴欄に並べない方が誤解が減ります。
短期が多いときの集約と守秘義務
「事務職として3社にて就業」の記載例
1〜2か月の就業が続くと、派遣先を全部書くほど行が足りません。同じ職種なら、事務職として3社にて就業のように社数で集約できます。期間の始点と終点は残します。社名と業務の中身は職務経歴書へ移します。
良い例文
令和2年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
事務職として3社にて就業(令和2年4月〜令和4年3月)
詳細は職務経歴書をご参照ください
令和4年 3月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和4年 4月 株式会社□□ 登録
(短期派遣は記載省略)
令和6年 3月 派遣期間満了につき退職
短期を全部消すと、2年の空白に見えます。社数も期間も残らない書き方です。
採用担当者はここを見ている
- 集約した社数と、職務経歴書の社数が一致するか
- 「数社」だけで、職種が消えていないか
- 長期の派遣先まで集約して、応募職種に近い経験を隠していないか
社名が出せないときの業種表記
派遣契約で社名の対外公表が禁じられているときは、社名を空欄にしないで業種を書きます。「某社」だけでは業種も規模も伝わりません。守秘義務がある旨を括弧で残すと、隠している印象が薄れます。
良い例文
令和5年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
大手食品メーカー(社名は守秘義務により非公開)にて総務事務として就業(令和5年4月〜令和6年3月)
令和6年 3月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和5年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
某企業にて就業
令和6年 3月 退職
無期雇用派遣に切り替わったときの書き方
登録型から無期雇用派遣へ変わると、派遣元との関係が「登録」から期間の定めのない雇用へ変わります。ここを登録のまま続けると、雇用が変わった事実が消えます。切替の年月で無期雇用派遣として入社と書きます。派遣先は、これまでどおり就業です。
無期雇用派遣に「派遣期間満了」は使いません。派遣先が変わっても、派遣元の雇用は続きます。派遣元を辞めたときだけ、一身上の都合により退職、と書きます。
良い例文
令和2年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
株式会社△△にて一般事務として就業(令和2年4月〜令和4年3月)
令和4年 4月 株式会社〇〇スタッフに無期雇用派遣として入社
株式会社□□へ派遣就業(営業事務)
現在に至る 以上
NG例
令和2年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
令和4年 4月 (同じ派遣元のまま、切替の記載なし)
令和6年 3月 派遣期間満了につき退職
無期になったあとに満了と書くと、雇用契約の種類が履歴書上で逆転します。
採用担当者はここを見ている
- 切替年月が、派遣元の通知や契約書と一致するか
- 無期のあとも派遣先が「就業」になっているか
- 派遣元を辞めた理由が、満了と自己都合で取り違えられていないか
派遣元が複数のときと、正社員歴が混ざるとき
派遣会社を掛け持ちした期間や、正社員と派遣が交互にある期間は、1つのまとめ行に押し込めません。塊を時系列で分け、派遣の塊だけ派遣元まとめにします。正社員の入社・退職と、派遣の登録・就業を同じ行に混ぜると、雇用主が読めなくなります。
派遣元が2社以上ある記載例
派遣元が変わった年月で、新しい登録行を立てます。前の派遣元での満了(または自己都合)を先に閉じます。両方の派遣元を1行にまとめると、どちらが雇用主だったか分からなくなります。
良い例文
令和2年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
事務職として2社にて就業(令和2年4月〜令和3年9月)
令和3年 9月 派遣期間満了につき退職
令和3年 10月 株式会社△△ヒューマン 登録
株式会社□□(情報通信業)にて総務事務として就業(令和3年10月〜令和5年3月)
令和5年 3月 派遣期間満了につき退職
NG例
令和2年 4月 〇〇スタッフ/△△ヒューマン 登録
数社にて就業
令和5年 3月 退職
派遣元も期間も職種も消えています。集約の範囲を超えています。
正社員と派遣が交互にある記載例
正社員期間は入社と退職、派遣期間は登録と就業です。用語をそろえる必要はありません。そろえると、どちらかの雇用を誤って見せます。行が足りないときは、正社員は1社1行、派遣は派遣元まとめ、と別々に圧縮します。
良い例文
平成31年 4月 株式会社■■商事 入社 令和2年 3月 一身上の都合により退職
令和2年 4月 株式会社〇〇スタッフ 登録
営業事務として3社にて就業(令和2年4月〜令和4年3月)
詳細は職務経歴書をご参照ください
令和4年 3月 派遣期間満了につき退職
令和4年 4月 株式会社◆◆ 入社
現在に至る 以上
採用担当者はここを見ている
- 正社員の会社名と、派遣先の会社名が入れ替わっていないか
- 派遣期間を正社員の「入社」で書いていないか
- 掛け持ちした派遣元の期間が、二重に重なって見えないか
紹介予定派遣は、派遣期間を登録と就業で書き、直接雇用へ切り替わった年月でその会社への入社を別行にします。切替を書かないと、派遣のまま在職中に見えます。
全部消さず、詳細は職務経歴書に移す
履歴書に書く一文
集約してもまだ溢れるときは、職歴欄の末尾に詳細は職務経歴書をご参照くださいと置きます。この一文は、派遣先を消す許可ではありません。履歴書には派遣元と期間、職務経歴書には派遣先ごとの業務を残します。
良い例文
令和4年 4月 株式会社〇〇スタッフに無期雇用派遣として入社
営業事務として2社にて就業(令和4年4月〜現在)
詳細は職務経歴書をご参照ください 現在に至る 以上
NG例
令和6年 4月 株式会社□□ 入社 現在に至る 以上
(直近の正社員だけ残し、派遣歴をすべて削除)
職務経歴書側の役割
履歴書は年表、職務経歴書は業務の中身です。派遣先ごとの使用ソフト、件数、期間は職務経歴書へ移します。派遣の職務経歴書テンプレートなら、派遣元と派遣先の欄が最初から分かれています。
ハローワーク経由の応募で書式指定があるときは、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートに、集約した社数の内訳をそのまま移します。履歴書の「3社」と職務経歴書の3件が一致しているかが、突き合わせの焦点です。
提出前に見る書類と、履歴書に残す範囲
派遣の源泉徴収票の事業主は、派遣先ではなく派遣元です。履歴書の主語を派遣先にしてしまうと、証明と社名が一致しません。給与明細、契約書、派遣先の入場証を並べ、雇用主と就業先を分けてから圧縮します。
| 見る書類 | 履歴書に残すもの | 職務経歴書へ移すもの |
|---|---|---|
| 源泉徴収票・給与明細 | 派遣元の正式名称 | なし |
| 派遣契約書 | 登録または入社の年月、就業期間 | 業務内容、使用ソフト |
| 守秘義務の条項 | 業種と「社名非公開」 | 社名を出してよい範囲 |
- 派遣元の数と、登録(または無期の入社)の行数が一致するか
- 「3社にて就業」と書いた塊の中身が、職務経歴書に3件あるか
- 無期へ切り替えた年月を、登録のまま放置していないか
- 正社員歴の入社・退職と、派遣の用語が混線していないか
- 参照の一文を書いたのに、職務経歴書が欠けていないか
短期を集約したあとも、期間の始点と終点は履歴書に残します。始点だけ残して終点を消すと、在職中なのか満了なのか判別できません。満了なら派遣期間満了、無期なら現在に至る、と締めを分けます。
学歴欄が中学校から始まっている用紙は、高校卒業以降に切り詰めると派遣の行が戻せます。学校名の略称は職歴の圧縮とは別問題なので、学歴は正式名称のまま残します。
よくある失敗と直し方
| 失敗 | 直し方 |
|---|---|
| 派遣先に入社と書いた | 派遣元は登録、派遣先は就業 |
| 短期を全部消した | 職種と社数、期間の始点と終点を戻す |
| 社名を空欄にした | 業種と守秘義務の一文を置く |
| 無期なのに登録のまま | 切替年月で無期雇用派遣として入社 |
| 直近の正社員だけ残した | 派遣の塊を派遣元まとめでも戻す |
面接で「派遣先が少ない」と聞かれたら、履歴書は派遣元まとめ、内訳は職務経歴書、と先に分けて答えます。社名を出せない先は、業種と期間だけを口頭でもそろえます。源泉徴収票の事業主が派遣元であることも、その場で説明できます。
書ききれないことを理由に、派遣歴を「アルバイト」へ言い換える必要はありません。雇用の種類が変わって見え、職務経歴書と二重にずれます。派遣は派遣の用語のまま、行だけ短くします。

まとめ
派遣の職歴が書ききれない履歴書は、派遣元を軸にまとめ、派遣先は短く列挙します。用語は登録・就業・派遣期間満了です。短期は社数と職種で集約し、社名が出せないときは業種で残します。無期へ切り替わった年月は、無期雇用派遣として入社、と雇用の変化を残します。
正社員歴と派遣歴が混ざるときは、時系列で塊を分けます。派遣先を全部消すと空白に見えます。履歴書の社数と職務経歴書の件数が一致しているか、源泉徴収票の事業主が派遣元になっているかを、提出前に見ます。紹介予定派遣は、直接雇用へ切り替わった年月で入社の行を別に立てます。
- 雇用は派遣元、働く場所は派遣先
- 全部消さず、詳細は職務経歴書へ
- 無期雇用派遣は「無期雇用派遣として入社」と雇用の変化を書く
- 履歴書の社数と職務経歴書の件数を一致させる
- 守秘義務がある先は、業種と非公開の一文で残す
- 源泉徴収票の事業主は派遣元なので、履歴書の主語も派遣元にする
- 短期集約は職種と社数を残し、「数社」だけでは終わらせない。期間の始点と終点も残す
欄が足りないことより、雇用主が消えることの方が後で止まります。派遣元まとめの型を先に固定してから、短期と守秘義務の例外だけ短くします。
派遣の職歴が書ききれない履歴書に関するよくある質問
- 派遣先を履歴書に書かないと空白になりますか
-
派遣元と期間が残っていれば、空白には見えにくくなります。派遣先の社名を集約するときは、職務経歴書に内訳を残し、履歴書へ参照の一文を置きます。派遣歴そのものを消すと空白になります。短期を「アルバイト」へ言い換えると、雇用の種類まで変わって見えます。
- 派遣会社の登録解除は履歴書に書きますか
-
書きません。職歴は就業が始まってから数えます。書くのは登録、就業、派遣期間満了(または自己都合の退職)です。登録しただけで就業していない月は、職歴欄に並べず、聞かれたら口頭で足します。
- 正社員と派遣が混在するときは、どちらを先にまとめますか
-
時系列です。正社員の入社・退職と、派遣の登録・就業を混ぜて1行にしないでください。派遣の塊だけ派遣元まとめにします。行が足りないときは、正社員は1社1行、派遣は社数集約、と別々に短くします。
- 紹介予定派遣はどう書きますか
-
派遣期間は派遣元の登録と派遣先への就業で書きます。直接雇用へ切り替わった年月で、その会社への入社を別行にします。切替を書かないと、派遣のまま在職中に見えます。切替後は派遣期間満了ではなく、その会社の退職理由を使います。

