履歴書の送付状(添え状)に書く自己PRは、2〜3行で「応募の経緯」と「活かせる経験」をつなぐのが基本です。履歴書の自己PRを写すと内容が重なり、何も書かないと定型文だけの印象になりがちです。転職・新卒・パート・未経験の状況別例文とNG例、自己PRを入れなくてもよいケースの判断基準を、採用担当者が送付状を読む流れに沿って紹介します。
送付状(添え状)の自己PRの書き方と例文【結論】
結論:自己PRは2〜3行で「応募の経緯」の直後に置く
送付状は「誰が・何を送ったか」を伝える挨拶状です。自己PRは必須項目ではありませんが、入れる場合は本文の「応募の経緯」のすぐ後に2〜3行で添えます。送付状全体はA4用紙1枚に収めるのがマナーなので、自己PRに使えるスペースは多くありません。
| 順番 | 送付状の項目 | 自己PRとの関係 |
|---|---|---|
| 1 | 日付・宛名・自分の連絡先 | – |
| 2 | 件名(応募書類送付のご案内 など) | – |
| 3 | 頭語(拝啓)・時候の挨拶 | – |
| 4 | 応募の経緯(どの求人を見て応募したか) | 自己PRの前置きになる |
| 5 | 自己PR(2〜3行) | ここに入れる |
| 6 | 面接のお願い・結語(敬具) | – |
| 7 | 記・同封書類の一覧・以上 | – |
送付状の自己PRを2〜3行にまとめる3ステップ
2〜3行の中に詰め込むのは「経験」と「貢献」の2点だけです。次の順番で1文ずつ組み立てると、長くなりすぎません。
- 求人とつながる経験を1つ選ぶ:履歴書の自己PRに書いた強みのうち、応募先の仕事内容に一番近いものに絞る
- 年数・数字を1つ入れる:「3年間」「月〇件」など、読み手が規模を想像できる情報を足す
- 入社後にどう活かすかで締める:「〇〇の業務で貢献したいと考えております」と、応募先の言葉を使って結ぶ
基本の例文(転職・同じ職種に応募する場合)
もっとも多い「同じ職種への転職」の例です。応募の経緯から自己PR、面接のお願いまでの本文部分を抜き出しています。履歴書本体を用意していない場合は、転職用の履歴書テンプレートから作成しておくと、送付状と書類の内容をそろえやすくなります。
良い例文(営業職への転職)
貴社ホームページの採用情報を拝見し、法人営業職に応募いたしました。
前職では5年間、中小企業向けの事務機器の提案営業に携わり、既存顧客約80社を担当してまいりました。顧客の課題を聞き取って提案する経験を、貴社のソリューション営業で活かしたいと考えております。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のうえ、面接の機会をいただけましたら幸いです。
NG例
私の強みはコミュニケーション能力と粘り強さです。学生時代はサッカー部で副キャプテンを務め、前職でも目標達成のために努力を重ね、チームの一員として新規開拓から既存顧客のフォローまで幅広く担当し……(以下5行続く)
履歴書の自己PRと同じ内容を長く書いており、どの求人に応募したのかも伝わらない状態です。
採用担当者はここを見ている
- 封筒を開けて最初に目にするのが送付状。2〜3行で「この人は何ができるか」がわかると、続けて履歴書を読む動機になる
- 応募職種と経験がつながっているかを見ている。強みが職種と無関係だと、使い回しの送付状と受け取られやすい
- 「5年間」「約80社」のような数字があると、履歴書の職歴欄と照らし合わせて読める
【状況別】送付状に入れる自己PRの例文
アピールできる材料は立場によって変わります。職歴が少ない人ほど「何を書けばいいか」で止まりやすいので、状況ごとに材料の選び方と例文を用意しました。
新卒・既卒の場合の例文
職歴がない新卒は、ゼミ・研究・アルバイト・資格の中から志望職種に近い経験を1つ選びます。サークルの役職より、仕事内容と結びつく経験のほうが伝わりやすくなります。履歴書がまだの場合は新卒用の履歴書テンプレートも使えます。
良い例文(新卒・事務職)
大学での〇〇ゼミでは、アンケート約300件の集計とデータ整理を担当いたしました。正確さと期限を守る姿勢を、貴社の営業事務の業務で活かしたいと考えております。
NG例
何事にも全力で取り組む性格です。御社で成長したいです。
根拠となる経験がなく、「御社」は話し言葉です。書類では「貴社」を使います。
パート・アルバイトの場合の例文
パートやアルバイトでは職務経歴書を求められないことも多く、送付状の2行が履歴書以外で経験を伝えられる場所になります。勤務できる時間帯は本人希望欄に書き、送付状には書かないのが原則です。履歴書はパート用の履歴書テンプレートで作ると、希望欄の書き方もあわせて確認できます。
良い例文(パート・スーパーの品出し)
以前、ドラッグストアで3年間、品出しと発注補助を担当しておりました。売場の在庫を見ながら手早く補充する経験を、貴店の業務でも活かせればと考えております。
学生のアルバイト応募で郵送を指定された場合も、同じ型で書けます。経験がなければ「週〇日、〇年間続けた部活動」など継続できることを示す材料に置き換えてください。履歴書はアルバイト用の履歴書テンプレートが使えます。
未経験の職種に応募する場合の例文
未経験の場合は、前職の仕事の中から応募職種でも使える「持ち運べるスキル」を探します。接客から事務なら「電話・来客対応」、営業から企画なら「顧客の声を集めた経験」といった具合です。
良い例文(販売職から一般事務へ)
前職のアパレル販売では4年間、売上データの入力と在庫表の作成を担当してまいりました。事務職は未経験ですが、Excelでの集計業務の経験を活かし、早期に業務を覚えたいと考えております。
採用担当者はここを見ている
- 未経験者に対しては「なぜこの職種なのか」と「最初の仕事を任せられるか」を気にしている
- 「未経験ですが」と先に認めたうえで使えるスキルを示すと、背伸びしていない印象になる

送付状に自己PRを書かない(自己PRなし)でもいいケース
送付状の本来の役割は、同封した書類を案内することです。自己PRは「入れると印象が良くなる場合がある項目」であって、書かなかったことだけで減点されるものではありません。無理にひねり出した自己PRより、整った定型の送付状のほうが読みやすいこともあります。
自己PRなしで問題ない場面
- 面接日程がすでに決まっている:面接前の書類送付なら、日程へのお礼と送付の案内で十分
- 職務経歴書で強みを詳しく書いている:同じ内容を送付状でくり返す必要は薄い
- 企業から書類の指定が細かく出ている:「履歴書のみ郵送」など指示が明確な場合は、案内だけの送付状で問題ない
- 短期・単発の仕事の応募:勤務条件の確認が中心になる応募では、簡潔な送付状のほうが読みやすい
自己PRを入れない場合の本文例
良い例文(自己PRなし)
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、〇〇(求人媒体名)に掲載されている貴社の〇〇職の求人を拝見し、応募いたしました。
応募書類を同封いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
ご検討のうえ、面接の機会をいただけましたら幸いです。
敬具
自己PRを書いたほうが得をする場面
反対に、次のような場面では2行の自己PRが効いてきます。どれも「履歴書を開く前に、読む理由をつくれるか」が分かれ目です。
採用担当者はここを見ている
- 人気職種・応募が多い求人:送付状だけで応募職種に合った経験が伝わると、書類を読む前から候補として意識されやすい
- 職務経歴書を同封しない応募:パート・アルバイトなどで履歴書1枚だけの場合、経験を補足できる場所が送付状しかない
- 未経験の職種への応募:「なぜ応募したのか」を一言添えると、職歴とのつながりが読み取りやすくなる

採用担当者に敬遠される送付状の自己PR NG例
送付状の自己PRで失敗する人の多くは、「熱意を見せなければ」と考えて書きすぎています。採用担当者は送付状を書類の案内として読むため、ここでの長いアピールはかえって「送付状の役割を知らない」と受け取られます。
履歴書の自己PRをそのまま写している
同じ文章が2回出てくると、採用担当者は同じことを2度読むことになります。送付状では、履歴書の自己PRの結論部分だけを別の言い方で伝え、詳細は履歴書に任せます。
長文になってA4用紙1枚に収まらない
送付状が2枚にわたると、同封書類の一覧(記・以上)が2枚目に回り、案内状として使いにくくなります。自己PRが4行を超えたら、経験を1つに絞り直してください。
希望条件や退職理由を書いている
給与・勤務地・休日などの希望条件は、送付状ではなく履歴書の本人希望欄に書くものです。退職理由や転職回数の事情も、送付状で説明を始めると自己PRの印象が薄れます。送付状に書くのは前向きな情報だけと決めておくと迷いません。
「コミュニケーション能力」など抽象的な言葉だけで終わる
「協調性」「責任感」は多くの応募者が使う言葉で、それだけでは違いが出ません。言葉を使うなら、その強みが表れた経験を1つ、数字付きで添えます。
| NG例 | 直し方 |
|---|---|
| 履歴書の自己PRを丸写し | 結論だけを言い換えて2行に |
| 5行以上の長文 | 経験を1つに絞り、2〜3行に収める |
| 「年収〇万円以上を希望」 | 希望条件は履歴書の本人希望欄へ |
| 「前職は人間関係で退職し……」 | 退職理由は送付状に書かない |
| 「コミュニケーション能力があります」 | 強みが出た経験と数字を添える |
| 「御社で頑張りたい」 | 書面では「貴社」を使う |
履歴書と送付状の自己PRを書き分けるコツ
送付状の自己PRは、映画でいえば予告編です。本編(履歴書・職務経歴書)を読んでもらうための入口なので、全部を見せる必要はありません。
応募書類ごとの自己PRの役割
| 書類 | 自己PRの役割 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 送付状(添え状) | 履歴書を読む理由をつくる | 2〜3行 |
| 履歴書 | 強みと根拠のエピソードを示す | 自己PR欄に収まる範囲 |
| 職務経歴書 | 実績・スキルを具体的に示す | 実績を交えて詳しく |
なお「添え状」と「送付状」は同じ書類を指す呼び方で、書き方に違いはありません。外資系企業などで求められる「カバーレター」は、志望動機や自己PRを中心に書く別の書類として扱われることが多いため、指定がある場合は企業の案内に従ってください。
履歴書の自己PRから送付状の2行版をつくる手順
ゼロから考えるより、書き終えた履歴書の自己PRを縮めるほうが早く、内容もずれません。
元になる履歴書の自己PR
私の強みは、相手の要望を整理して形にする力です。前職の住宅リフォーム会社では、受付から見積もり作成までを担当し、年間約150件の相談に対応しました。お客様の話を図にして確認する工夫を取り入れたところ、見積もり後の追加変更が減り、上司から手順を社内に共有するよう任されました。
良い例文(送付状の2行版)
前職では住宅リフォームの受付と見積もり作成を担当し、年間約150件のご相談に対応してまいりました。お客様の要望を整理する経験を、貴社の営業アシスタント業務で活かしたいと考えております。
- 残すもの:担当業務・数字・応募職種とのつながり
- 削るもの:工夫の過程・周囲からの評価などのエピソード(履歴書で読んでもらう部分)

投函前に確認したい送付状のチェック項目
提出前のチェックリスト
- 自己PRは2〜3行に収まっているか
- 履歴書の自己PRと同じ文章になっていないか
- 希望条件・退職理由が入っていないか
- 「貴社」「貴店」「貴院」など、応募先に合った呼び方になっているか
- 日付は投函日、宛名は会社の正式名称か
- A4用紙1枚に収まり、「記・以上」に同封書類がすべて書かれているか
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まとめ
- 分量は2〜3行:本文の「応募の経緯」の直後に置き、A4用紙1枚に収める
- 中身は経験1つ+貢献1つ:応募職種につながる経験を数字付きで書き、入社後の活かし方で締める
- 履歴書の丸写しはしない:結論だけを言い換え、エピソードは履歴書に任せる
- 自己PRなしでも減点にはならない:面接日程が決まっている場合などは、案内だけの送付状で十分
- 希望条件・退職理由は書かない:条件は履歴書の本人希望欄へ
送付状の2行が決まらないときは、先に履歴書の自己PRを仕上げてから縮めると、内容がぶれずに済みます。
履歴書の送付状の自己PRに関するよくある質問
- 送付状の自己PRは何行まで書いていいですか?
-
2〜3行が目安です。送付状はA4用紙1枚に収めるのがマナーなので、4行を超えるようなら経験を1つに絞り直してください。詳しい内容は履歴書や職務経歴書で伝えます。
- 送付状には自己PRと志望動機のどちらを書けばいいですか?
-
どちらか一方を長く書くより、「応募の経緯(志望のきっかけ)」に続けて「活かせる経験」を2〜3行で添える形がおすすめです。志望動機と自己PRを別々の段落で詳しく書くと、送付状が長くなりすぎます。
- 送付状に自己PRを書かないと失礼になりますか?
-
失礼にはなりません。送付状の役割は同封書類の案内なので、自己PRは必須ではありません。面接日程が決まっている場合や、職務経歴書で強みを詳しく伝えている場合は、案内だけの送付状でも問題ありません。
- 添え状と送付状で自己PRの書き方は違いますか?
-
添え状と送付状は同じ書類を指す呼び方で、自己PRの書き方も同じです。一方、企業から「カバーレター」を求められた場合は、志望動機や自己PRを中心に書く書類として扱われることが多いため、企業の案内に沿って作成してください。
- 履歴書を手渡しする場合も送付状に自己PRは必要ですか?
-
面接の場で直接手渡しする場合は、送付状自体が不要とされることが一般的です。自己PRは面接で直接伝えられるため、書類に添える必要はありません。受付に預ける場合など、担当者に直接渡せないときは送付状を付けておくと親切です。

