履歴書の長所は、「結論→エピソード→入社後の活かし方」の3ステップで書くのが正解です。長所そのものより、その長所をどう仕事に活かせるかまで書けているかどうかで、採用担当者の印象は大きく変わります。例文をそのまま書き写すと、面接で深掘りされたときに答えに詰まってしまうケースも少なくありません。自分の経験に置き換える具体的なコツと、状況別の例文を紹介します。
履歴書の長所の書き方と例文|結論は3ステップで書くこと
結論:長所は「結論→エピソード→入社後の活かし方」で書く
履歴書の長所欄は、次の3つの要素を順番に並べるだけで整った文章になります。
- 結論:自分の長所を一言で書く(例:私の長所は粘り強さです)
- エピソード:その長所が発揮された具体的な出来事を書く
- 入社後の活かし方:応募先の仕事でどう役立てるかを書く
この3つがそろっていない長所欄は、採用担当者から見ると「言いっぱなし」に映ります。特に3つ目の入社後の活かし方まで書けている応募者は少なく、ここが差のつくポイントです。
良い例文とNG例(転職の場合)
良い例文
私の長所は課題を最後までやり抜く粘り強さです。前職の営業職では、半年間契約が取れなかった取引先に対し、担当を引き継いでから提案内容と訪問頻度を見直し続け、1年かけて契約につなげました。貴社でも、成果が出るまで時間のかかる新規開拓の業務において、この粘り強さを活かしたいと考えています。
NG例
私の長所は粘り強いところです。何事も最後まで諦めずに取り組みます。貴社でも粘り強さを活かして頑張りたいです。エピソードがなく、どの応募者にも当てはまる内容になっている点がNGです。
良い例文とNG例(新卒の場合)
良い例文
私の長所は周囲を巻き込みながら物事を進める力です。大学のゼミでは意見がまとまらない議論を進行役として整理し、対立していた案を組み合わせた新しい提案を作ったことで、発表会で高い評価を得ました。貴社に入社後は、部署間の調整が必要な場面でこの力を発揮したいと考えています。
NG例
私の長所はコミュニケーション能力です。友人が多く、誰とでもすぐ仲良くなれます。仕事にどうつながるかが書かれていないため、入社後のイメージが伝わりません。
すぐに使える長所の例文一覧
代表的な長所のタイプ別に、結論部分の書き出し例をまとめました。ここに自分のエピソードを組み合わせて仕上げてください。
| 長所のタイプ | 結論の書き出し例 |
|---|---|
| 協調性 | 周囲の意見を調整しながら物事を前に進められる点です |
| 行動力 | 気になったことはすぐに行動に移し、結果で示す点です |
| 継続力 | 地道な作業でも手を抜かず、最後までやり切る点です |
| 傾聴力 | 相手の話を丁寧に聞き取り、本音を引き出せる点です |
| 計画性 | 限られた時間の中で優先順位をつけて進められる点です |
例文をそのまま使うと落ちる理由|採用担当者はここを見ている
ネットで見つけた例文をそのまま書き写す人は少なくありません。しかし、採用担当者は同じような文面を毎年何百通と目にしています。文章として整っていても、そこに自分だけの体験が書かれていなければ、印象には残りません。
採用担当者はここを見ている
- 書かれているエピソードが本人にしか語れない具体性を持っているか
- 長所と応募先の仕事内容につながりがあるか
- 面接で「詳しく教えてください」と聞かれたときに、その場で答えられそうな内容か
面接では、履歴書に書いた長所について「具体的にはどんな場面でしたか」と必ずと言っていいほど深掘りされます。例文をそのまま使っていると、この質問に答えられず、履歴書の内容と面接での受け答えが食い違ってしまいます。書く段階で一度、自分の言葉で説明し直せるかを確認しておくことが、書類選考だけでなく面接対策にもなります。
NG例
私の長所は明るく前向きなところです。どんな状況でも笑顔を絶やさず、周囲を元気づけることができます。誰にでも当てはまる表現で、応募先固有の内容がないため、記憶に残りにくい例文です。
自分の長所が見つからないときの探し方
「そもそも自分の長所がわからない」という悩みは非常に多く見られます。長所は特別な出来事の中にあるとは限らず、日常の行動パターンの中に隠れていることがほとんどです。
- 過去に人から褒められたことや感謝されたことを3つ書き出す
- 友人や家族に「自分の良いところ」を聞いてみる
- アルバイトや学校生活で、無意識に続けていた習慣を振り返る
- 短所を裏返して、長所として言い換えられないか考える
特に4つ目の「短所からの言い換え」は、自分では欠点だと思っていた性格が、実は長所として評価されるケースが多い方法です。
| 短所として感じている性格 | 言い換えた長所 |
|---|---|
| 心配性 | リスクを事前に洗い出せる慎重さ |
| 頑固 | 一度決めたことをやり抜く芯の強さ |
| おせっかい | 周囲の状況に気づき自然と手を差し伸べられる面倒見の良さ |
| 優柔不断 | 複数の選択肢を丁寧に比較検討できる慎重さ |
採用担当者は、飾った言葉より自分の言葉で語れているかどうかを見ています。無理にきれいな表現を探すより、日常の行動から見つけた長所をそのまま書くほうが、結果として好印象につながります。
長所と短所で矛盾を作らないための整合性の取り方
履歴書では長所と短所を同じ欄、または隣接した欄で聞かれることが多く、この2つの内容がちぐはぐだと、自己分析ができていない印象を与えてしまいます。
整合性を取る一番簡単な方法は、長所と短所を同じ性格の裏表として書くことです。例えば長所を「粘り強さ」とした場合、短所は「一つのことにこだわりすぎて周囲の意見を取り入れるのが遅れることがある」のように、同じ性格特性の別の側面として説明します。こうすることで、採用担当者は「この人は自分の性格を正しく理解している」と判断しやすくなります。
良い例文(長所と短所を対にした例)
長所:計画を立てて着実に物事を進める点です。短所:計画外の変更が入ると対応に時間がかかることがあるため、優先順位の見直しを早めに行う習慣をつけるようにしています。
転職・新卒・アルバイトなど状況別の長所の選び方
長所は同じでも、応募先や自分の立場によって強調すべきポイントが変わります。転職では即戦力としての再現性、新卒では成長のポテンシャル、アルバイトでは職場での協調性が重視されやすい傾向があります。
- 転職の場合:前職での実績や数字を伴うエピソードを選び、即戦力として活かせる長所を強調する
- 新卒の場合:学業・部活・アルバイトなど学生時代の経験から、今後の成長につながる長所を選ぶ
- アルバイト・パートの場合:シフトの融通や周囲との協力といった、現場で役立つ長所を具体的に書く
応募する状況に合わせた履歴書のフォーマットを使うと、書き方の型もそろえやすくなります。転職用の履歴書テンプレートや新卒用の履歴書テンプレートを使えば、長所欄の記入スペースに合わせて文章量を調整しやすくなります。
アルバイトやパートの応募では、書式がシンプルな分だけ長所欄の一言が目立ちます。アルバイト用の履歴書テンプレートやパート用の履歴書テンプレートを使い、記入欄の広さに合わせて具体性を調整してください。
採用担当者は、同じ長所であっても応募先の仕事内容に合わせて言葉を選べているかで、企業研究の深さを判断しています。テンプレートの文面をそのまま埋めるのではなく、状況に応じて活かし方の部分だけでも書き換えることを意識してください。
面接で深掘りされても困らない準備
履歴書の長所欄は、面接の入り口にすぎません。書いた内容について「そのときどう感じましたか」「他にはどんな場面がありましたか」と重ねて質問されることを前提に準備しておくと、書類と面接の一貫性が保てます。
深掘り質問に困らないための準備
- 書いたエピソードについて「なぜ」を3回自問し、行動の理由まで言葉にしておく
- 同じ長所を裏付ける別のエピソードをもう1つ用意しておく
- その長所が応募先のどの業務で活きるか、具体的な場面をイメージしておく
この準備をしておくと、履歴書の長所欄は単なる書類上の一言ではなく、面接まで一貫した自己PRの軸になります。
まとめ
- 長所は「結論→エピソード→入社後の活かし方」の3ステップで書く
- 例文をそのまま使うと、面接での深掘り質問に答えられなくなる
- 長所が見つからないときは、短所からの言い換えを試す
- 長所と短所は同じ性格の裏表として書き、整合性を保つ
自分の経験に置き換えて書いた長所は、書類選考だけでなく面接本番でも自然な受け答えにつながります。
履歴書の長所に関するよくある質問
- 長所は何個くらい書けばよいですか。
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履歴書の記入欄の広さにもよりますが、基本的には1つの長所を深く掘り下げて書く方が印象に残ります。複数の長所を並べるより、1つのエピソードを具体的に書くことを優先してください。
- 長所と自己PRは何が違いますか。
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長所は自分の性格や資質そのものを指し、自己PRはその長所を根拠に「入社後にどう貢献できるか」まで含めてアピールする内容です。長所欄はシンプルに、自己PR欄でより詳しく展開するとメリハリがつきます。
- 長所が思いつかないまま提出期限が近い場合はどうすればよいですか。
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時間がないときは、直近1年で人から褒められたことや、周囲から頼まれることが多い作業を1つ思い出し、それをそのまま長所の候補にしてください。完璧な言葉選びより、具体的なエピソードがある状態を優先する方が、短時間でも説得力のある文章になります。
- 長所欄と短所欄の文字数のバランスはどうすればよいですか。
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特別な指定がなければ、長所と短所はほぼ同じ分量で書いて構いません。長所だけを長く書き、短所を一言で済ませると、自己分析が浅い印象を与えることがあるため注意してください。




