フィンテック企業の志望動機は、金融知識とIT感度をどう掛け合わせて伝えるかで評価が大きく変わります。片方の経験しかなくても、伝え方次第で強みに変えられます。この記事では未経験パターン別の例文と、採用担当者が実際に見ているポイントを紹介します。
フィンテック企業の志望動機は「経験の掛け算」を一文目で示すのが正解
結論:型は「共感ポイント→経験の掛け算→貢献イメージ」の3段
フィンテック企業の志望動機は、次の3段構成でまとめると採用担当者に伝わりやすくなります。
- その企業のサービスや事業モデルのどこに共感したかを最初の一文で示す
- 自分が持つ金融またはITの経験を、フィンテックの現場でどう掛け合わせられるかを説明する
- 入社後に何を担い、どんな成果につなげたいかを具体的に述べる
「金融もITも両方詳しくないと通らない」と思い込んでいる方が多いのですが、実際は片方の経験を橋渡しできる形に翻訳できれば十分に評価対象になります。以下、状況別に例文を紹介します。
【金融出身・IT未経験】の例文
良い例文
新卒から5年間、地方銀行の窓口業務と個人向け融資審査を担当してまいりました。審査業務で培った与信リスクの見極め方を、より速いスピードで顧客に価値を届けるフィンテックの現場で活かしたいと考え、貴社を志望いたしました。特に、審査プロセスを自動化する貴社のサービスには、従来の枠組みでは融資が難しかった顧客層にも機会を広げられる可能性を感じています。入社後は金融実務の知見を活かし、審査基準の設計や精度向上に携わりたいと考えております。
NG例
貴社のフィンテックという分野に強い魅力を感じ、志望いたしました。前職で培った金融の知識を活かして、貴社の成長に貢献したいと考えております。具体的にどの業務でどう知識を活かすのかが書かれておらず、他の金融出身者にもそのまま当てはまる内容になっています。
採用担当者はここを見ている
- 金融の知識を「その企業のどのサービスに」活かすのか固有名詞で書けているか
- 銀行や証券会社に残る選択肢を捨ててまで転職する理由が伝わるか
【IT出身・金融未経験】の例文
良い例文
SIerでシステム開発に3年間従事し、金融機関向けのシステム保守を担当してまいりました。運用の中で、既存の金融サービスがシステムの制約によって顧客体験を損なっている場面を多く見てきたことから、技術の側から金融サービスそのものを作り変える仕事に携わりたいと考え、貴社を志望いたしました。開発経験を活かしながら、顧客が使いやすい決済導線の改善に貢献したいと考えております。
NG例
プログラミングのスキルを金融業界で活かしたいと思い、貴社を志望いたしました。新しい技術を学ぶことが好きなので、貴社でも積極的にスキルアップしていきたいです。「なぜ金融領域なのか」「なぜこの企業なのか」が書かれておらず、フィンテック以外のIT企業にも使い回せる内容になっています。
採用担当者はここを見ている
- 技術力ではなく「なぜ金融領域の課題に技術を使いたいのか」が語れているか
- 金融は規制や審査の制約が多い分野であることを理解した上で志望しているか
【第二新卒・完全未経験】の例文
良い例文
前職では小売店舗の販売スタッフとして、キャッシュレス決済端末の導入担当も兼任しておりました。導入前後で会計にかかる時間が大幅に短縮され、お客様の待ち時間が減っていく様子を目の当たりにし、決済の仕組みを変えるだけで多くの人の日常が変わることに強い関心を持ちました。現場で得た顧客目線を活かし、貴社のサービス改善に貢献したいと考えております。
NG例
成長市場であるフィンテック業界に将来性を感じ、貴社を志望いたしました。未経験ではありますが、意欲を持って取り組んでまいります。業界の将来性という一般論のみで、自分の実体験や具体的な貢献イメージが一切書かれていない点が弱みです。
採用担当者はここを見ている
- 「将来性がある」という業界評価ではなく、自分の実体験に基づく興味があるか
- 未経験でも学ぶ姿勢だけでなく、前職の経験をどう転用するかまで踏み込めているか
職歴欄の書き方も合わせて見直したい方は、転職用の履歴書テンプレートも参考にしてください。

採用担当者がフィンテック企業の志望動機で見ている3つのポイント
フィンテック企業の採用担当者は、金融業界とIT業界の両方を見てきた候補者からの応募が多いことを前提に選考しています。そのため、他の候補者と何が違うのかを志望動機の中で明確にできるかどうかが評価を分けます。
採用担当者はここを見ている
- ①なぜ今フィンテックなのか:銀行やSIerに残る選択肢を捨てる理由が具体的か
- ②変化の速さへの適応姿勢:制度やサービス仕様の変更が頻繁な環境を理解した上で志望しているか
- ③その企業を選んだ理由の具体性:競合フィンテック企業ではなくその企業である理由が固有名詞で語れているか
特に③は見落とされがちです。フィンテック業界にはキャッシュレス決済、資産運用、保険、クラウドファンディングなど複数の領域があり、同じ「フィンテック企業への志望動機」でも中身は大きく変わります。応募先企業がどの領域で、何を強みにしているサービスなのかを押さえた上で書くことが欠かせません。
「なぜウチなの?」に詰まらないための企業研究の仕方
「金融もITも中途半端で通用するのか」という不安の多くは、企業研究の不足からくる自信のなさが原因です。以下の3軸で調べると、志望動機に固有名詞を入れやすくなります。
| 調べる軸 | チェックする内容 |
|---|---|
| サービス理解 | 主力サービスの仕組みと、既存の金融サービスとの違い |
| ミッション理解 | 企業が解決しようとしている社会課題や顧客の困りごと |
| 競合比較 | 同領域の他フィンテック企業と比べた強み・立ち位置 |
特に競合比較は、面接で「他社ではなく弊社を選んだ理由は?」と必ず聞かれる質問への準備にもなります。志望動機の段階で比較軸を持っておくと、面接でも一貫した回答ができます。
従来の金融業界との違いを職歴の書き方にも反映させたい方は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと項目に迷わず整理できます。

志望動機のNGパターンと直し方
フィンテック企業の志望動機で特に評価を下げやすい表現には共通点があります。以下のパターンに当てはまっていないか確認してください。
- 「貴社の理念に共感しました」だけで終わり、自分の経験との接点がない
- 「成長市場だから」「将来性があるから」という業界評価のみで、企業選定理由になっていない
- 金融もITも「勉強したい」で終わり、入社後にどう貢献するかが書かれていない
NG例
貴社の「金融をもっと身近にする」という理念に共感し、志望いたしました。この理念のもとで働けることを楽しみにしております。
良い例文(直し方)
前職の窓口業務では、口座開設の手続きに時間がかかることへの不満を多くのお客様から伺ってまいりました。「金融をもっと身近にする」という貴社の理念は、その不満を実際に解消できる仕組みを持っている点に共感しています。窓口対応で培った顧客対応力を、オンライン上のサポート品質向上に活かしたいと考えております。
IT出身の方で職務経歴書も見直したい場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートもあわせて確認してみてください。志望動機欄と職歴欄を分けて書きたい場合は、志望動機なしの履歴書テンプレートのフォーマットも比較材料になります。

まとめ
- 志望動機は「共感ポイント→経験の掛け算→貢献イメージ」の3段で組み立てる
- 金融・IT片方の経験でも、フィンテックの現場で活かせる形に翻訳すれば評価対象になる
- 「理念への共感」「将来性」だけで終わらせず、自分の実体験と結びつける
企業ごとのサービス領域と自分の経験の接点を具体的に書くことが、他の候補者との差になります。
フィンテック企業の志望動機に関するよくある質問
- 金融もITも未経験ですが、フィンテック企業は目指せますか?
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目指せます。企業側も未経験者を採用するポジションを設けている場合が多く、重要なのは知識量ではなく、自分の経験の中からフィンテックの現場に活かせる要素を見つけて説明できるかどうかです。前職での顧客対応や課題解決の経験を具体的に書くことが評価につながります。
- 志望動機で専門用語は使ったほうがよいですか?
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無理に専門用語を使う必要はありません。用語の使い方を誤ると、かえって理解不足が伝わってしまいます。専門用語よりも、自分がその企業のサービスをどう理解し、何に共感したかを自分の言葉で説明することを優先してください。
- 複数のフィンテック企業に応募する場合、志望動機を使い回してもよいですか?
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企業ごとに書き分けることをおすすめします。フィンテックといっても決済、資産運用、保険、クラウドファンディングなど領域が異なり、志望動機を使い回すと「その企業を選んだ理由」の部分が浅くなりがちです。応募先ごとにサービス内容を確認し、共感ポイントを書き直してください。

