職務経歴書の事業内容は、社名の直後に一文で要約するのが基本です。業種・規模感が伝わる客観情報を添えるだけで、採用担当者は前職の環境を正確に把握できます。本記事では業種別の記載例とあわせて、事業内容が分からないときの調べ方、守秘義務に触れずに書くコツを解説します。
職務経歴書の事業内容の書き方|結論は社名の直後に一文で要約する
結論:事業内容欄の基本ルール
事業内容は、職務経歴書の「会社概要」欄に社名・在籍期間の直後に記載します。会社のホームページに載っている説明をそのまま書き写す必要はありません。「〇〇向けクラウドサービスの開発・提供」のように、一言で何をしている会社か伝わる要約にするのがポイントです。
- 会社名の直後、在籍期間や役職の前後に1〜2行で記載する
- 資本金・従業員数・売上高など客観的な数値を1〜2個添える
- 病院なら病床数、ホテルなら客室数など、業種特有の規模感を示す数字があれば加える
【業種別】事業内容の記載例
実際の書き方を、IT企業に勤めていた場合を例に見てみましょう。
良い例文(IT企業の場合)
株式会社〇〇(20XX年4月〜20XX年3月)
事業内容:中小企業向け会計クラウドサービスの開発・運用
資本金:3,000万円 従業員数:120名(東証グロース上場)
NG例
株式会社〇〇(20XX年4月〜20XX年3月)
事業内容:ソフトウェア開発。どんな顧客に何を提供している会社か分からず、業界・規模感が伝わらないため、採用担当者が前職の環境をイメージできません。
エンジニア職の職務経歴書全体の書き方はエンジニアの職務経歴書テンプレートもあわせて参考にしてください。
| 業種 | 事業内容の記載例 |
|---|---|
| 建設業 | 公共インフラ工事の設計・施工管理(資本金5,000万円、従業員80名) |
| 医療機関 | 地域密着型の総合病院運営(病床数200床、職員数350名) |
| 飲食店 | イタリアンレストランの運営(店舗数15店、従業員数180名) |
| 営業・商社 | 化学製品の輸出入・国内販売(資本金1億円、売上高80億円) |
建設業界向けの書き方は建設業界の職務経歴書テンプレート、営業職は営業の職務経歴書テンプレートで、職種別の構成例も確認できます。
採用担当者はここを見ている
- 業界・企業規模が一目で分かるか(同業界か異業種かの判断材料)
- BtoBかBtoCか、扱う商材・サービスが具体的にイメージできるか
- 数字(資本金・従業員数・売上高)が添えられ、実務経験の裏付けになっているか

なぜ事業内容を書く必要があるのか
採用担当者は、応募者が在籍していた会社の業種や規模をすべて把握しているわけではありません。特に異業種・未経験の職種へ転職する場合、事業内容の説明がないと実務経験の価値が正しく伝わりません。同じ「営業」という職種でも、扱う商材や取引規模によって求められるスキルは大きく異なるためです。
- 実績の数字(売上〇億円達成など)が、会社の規模に対してどれほどの成果かを判断する材料になる
- 同業界・関連業界であれば、業務内容の再現性を判断しやすくなる
- 面接での質問(前職の事業内容について)にスムーズにつながる
NG例(事業内容を省略した場合)
株式会社〇〇(20XX年4月〜20XX年3月)営業職として法人営業を担当。会社がどんな商材をどんな顧客に売っているか分からず、実績の数字を見ても規模感が伝わりません。
事業内容が分からないときの調べ方
在籍していた会社の正式な事業内容を忘れてしまった場合や、部署異動で全社の事業を把握しきれていない場合は、以下の方法で確認できます。
- 会社の公式サイトの「会社概要」「企業情報」ページを確認する
- 上場企業であれば、有価証券報告書や決算資料で正式な事業内容を確認する
- 過去の名刺や名刺交換時にもらった会社案内を見返す
- ハローワークや転職エージェントの担当者に相談し、第三者の目で表現を確認してもらう
職務経歴書全体のフォーマットに迷う場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと、事業内容を書く位置も含めて迷わず作成できます。

事業内容欄で失敗しないための3つの注意点
事業内容欄でつまずきやすいポイントは主に3つです。とくに守秘義務違反は、内容次第でトラブルに発展する可能性があるため注意してください。
| 注意点 | 具体的な対処法 |
|---|---|
| 書きすぎ・書かなすぎ | 1〜2行で要約し、詳細は職務内容欄で補足する |
| 専門用語・社内用語 | 社外の人にも伝わる一般的な言葉に言い換える |
| 守秘義務違反 | 取引先名や非公開の数字は書かず「某〇〇業界向け」のように表現をぼかす |
NG例(守秘義務に触れる書き方)
大手自動車メーカー〇〇社向けの部品供給(年間契約額〇億円)を担当。取引先の実名や非公開の契約額は、守秘義務違反にあたる可能性があります。「大手自動車メーカー向け」のように表現をぼかしましょう。
状況別の書き方|転職回数が多い人・複数事業を展開する会社の場合
転職回数が多い場合
職歴が多い場合、すべての会社で事業内容を詳しく書くと長くなりすぎます。直近2〜3社は詳しく、それ以前は社名と事業内容を1行にまとめると読みやすくなります。
良い例文(転職回数が多い場合)
株式会社△△(20XX年〜20XX年)人材紹介事業/株式会社□□(20XX年〜20XX年)ITインフラ構築事業のように、社名の後ろに事業内容を一言添えるだけの簡略表記でまとめます。
複数事業を展開する会社の場合
複数事業を展開する会社では、全事業を並べるのではなく、自分が所属していた事業部の内容を中心に書くのが基本です。
良い例文(複数事業展開企業の場合)
事業内容:総合小売業(アパレル・食品・住関連の複合展開)※所属はアパレル事業部のように、会社全体の事業を簡潔に示したうえで所属部署を明記します。

事業内容を自己PRにつなげる一文にするコツ
多くの職務経歴書は、事業内容を書いた時点で満足してしまいがちです。しかし事業内容と自分の実績を一文でつなげると、採用担当者の記憶に残りやすくなります。会社の説明で終わらせず、その環境で何を成し遂げたかまで一気通貫で示すことがポイントです。
良い例文(事業内容と実績を接続する書き方)
事業内容:中小企業向け会計クラウドサービスの開発・運用(従業員120名)。導入企業500社のカスタマーサクセスを担当し、解約率を年間8%から3%へ改善のように、会社の事業説明の直後に成果を続けて書きます。
まとめ
- 事業内容は社名の直後に一文で要約し、資本金・従業員数などの数字を添える
- 分からないときは公式サイト・有価証券報告書・エージェントへの確認で調べられる
- 専門用語・守秘義務に触れる情報は避け、実績と接続する一文で差をつける
事業内容欄は短い一文ですが、書き方次第で職務経歴書全体の説得力が変わります。
職務経歴書の事業内容に関するよくある質問
- 事業内容は必ず書かないといけませんか?
-
必須項目ではありませんが、異業種への転職や未経験の職種に応募する場合は、記載したほうが採用担当者に前職の環境が伝わりやすくなります。同業界・同職種への転職で会社名から事業内容が明らかな場合は省略しても問題ありません。
- 事業内容と会社概要の違いは何ですか?
-
会社概要は社名・設立年・資本金・従業員数などを含む会社全体の情報で、事業内容はそのうち「何をしている会社か」を説明する部分です。事業内容は会社概要の一項目として書きます。
- 倒産した会社や社名変更した会社の場合はどう書けばいいですか?
-
在籍当時の社名と事業内容をそのまま記載して問題ありません。社名変更があった場合は「現:〇〇株式会社」のように補足すると、採用担当者が照合しやすくなります。

