辞表の意味は、会社役員や公務員が退職を申し出るときに提出する正式な書類のことです。一般社員が使うと、言葉の使い方を誤解されることがあります。この記事では、辞表を使ってよい人とNGな人の違い、音が似た「辞令」との意味の違い、退職届・退職願との使い分けを、採用担当者の視点も交えて具体例とともに解説します。
辞表の意味とは|結論から解説
辞表の定義
辞表とは、会社役員や公務員が、任命されている職務を辞めるときに提出する正式な書類のことです。代表取締役や監査役といった役員、国や自治体に勤務する公務員が対象で、一般の会社員が退職時に提出する書類とは区別されています。
ニュースや役所の会見で「辞表を提出しました」という表現を目にすることが多いのは、対象者の多くが役員や公務員だからです。「辞める」意思を表す点は退職届や退職願と共通していますが、誰が使う書類かという点で明確な違いがあります。
辞表を使ってよい人・NGな人
自分の立場によって、辞表という言葉が正しいかどうかは変わります。以下の一覧で確認してください。
| 立場 | 辞表という言葉の使用 |
|---|---|
| 取締役・監査役などの会社役員 | 正しい使い方 |
| 国家公務員・地方公務員 | 正しい使い方 |
| 国会議員などの特別職公務員 | 正しい使い方 |
| 一般社員・契約社員・パート | 誤用となりやすい(退職届が正しい) |
一般社員が「辞表を出す」と言っても法律で禁止されているわけではありません。ただし、正式には退職届や退職願を使う場面なので、言葉の選び方だけで社会人としての知識を疑われる可能性があります。
なぜ「辞表」の意味は誤解されやすいのか
語源からみる「辞表」の意味
「辞表」は「辞」(辞める)と「表」(意思を書き記した文書)を組み合わせた言葉です。もともとは官職を辞するときに用いられた語で、現在も公的な立場を辞するときの言葉として引き継がれています。日常会話で「会社を辞める」全般を指す言葉として広がったことが、一般社員でも使ってよいという誤解につながっています。
「辞令」との違い(正反対の意味)
「辞表」と音が似ている言葉に「辞令」があります。この2つは意味が正反対です。
- 辞表:本人が会社(任命権者)に対して辞める意思を伝える書類
- 辞令:会社が本人に対して異動・昇進・退職などの人事を通知する書類
提出する側と受け取る側が逆になるため、混同すると意味が正反対に伝わってしまいます。
ドラマ・慣用表現と実務のズレ
ドラマや小説では、立場に関係なく「辞表を叩きつける」という表現が使われることがあります。プロ野球の監督やチームの代表者が辞任する場面でも「辞表」という言葉がよく使われます。こうした表現に触れる機会が多いことも、一般社員が退職の場面で「辞表」を使ってしまう一因です。実務上は、立場によって正しい書類名を使い分ける必要があります。
【対象別】辞表を提出できる人の具体例
役員が辞表を提出するケース
取締役や監査役などの役員は、株主総会での選任によって職務を任されている立場です。任期の途中で辞任する場合や、経営方針の対立を理由に退任する場合に辞表を提出します。役員の辞任は会社法上の手続きが関わるため、辞表の提出後に取締役会や株主総会での報告が必要になる点も一般社員の退職とは異なります。
公務員が辞表を提出するケース
国家公務員や地方公務員は、任命権者から職務を任命されている立場にあります。そのため退職するときは、任命権者に対して辞表を提出する扱いになります。具体的な様式や提出先は省庁・自治体ごとに異なるため、退職を考えている公務員は所属先の人事担当部署に確認する必要があります。
採用担当者はここを見ている
- 退職関連の言葉を正確に使い分けられているか
- 職務経歴書や面接で、自分の立場に合わない書類名を口にしていないか
- 言葉の細部への注意力から、実務での正確さを推測している
一般社員が辞表の意味を誤用するとどうなるか
一般社員が「辞表」という言葉を使う場面は、退職の意思を上司に伝えるときや、転職活動の面接で退職理由を話すときに起こりがちです。良い例とNG例を比べてみます。
良い例文
「来月末での退職を考えており、退職届を提出させていただきたいのですが、お時間をいただけますでしょうか」
NG例
「来月で辞表を出すつもりです」と一般社員が上司に伝えると、本来は役員や公務員が使う言葉を誤って使っていると受け取られることがあります。
採用担当者はここを見ている
転職の面接で前職の退職理由を話す際、「辞表を出しました」と発言する応募者に対し、言葉の使い方から社会人経験の浅さを感じ取る採用担当者もいます。伝えたい内容自体は正しくても、言葉選びひとつで印象が変わる場面です。
一般社員が使うべき正しい書類は退職届・退職願
退職届の意味
退職届は、退職日が確定したあとに会社へ通知する書類です。会社の承諾を必要とせず、提出して受理されると原則として撤回できません。
退職願の意味
退職願は、退職を願い出るための書類です。会社が承諾するまでは労働契約の終了が確定していないため、承諾前であれば撤回できる余地があります。
| 書類名 | 主な提出者 | 撤回の可否 |
|---|---|---|
| 辞表 | 役員・公務員 | 原則不可 |
| 退職届 | 一般社員 | 受理後は原則不可 |
| 退職願 | 一般社員 | 承諾前なら可能 |

退職届そのものについて詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

退職後の次のステップ|転職活動の準備
退職に関する書類の意味を整理できたら、次は転職活動に向けた準備です。応募先に合わせた履歴書を用意しておくと、退職手続きが終わったあとすぐに応募へ進めます。
転職活動全般に使える書式を探している場合は、転職用の履歴書テンプレートから作成すると項目の抜け漏れを防げます。
公的な書式に沿った形式が必要な場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと安心です。
企業によってはJIS規格に沿った履歴書テンプレートを指定される場合もあるため、応募先の指定様式を事前に確認してください。
ハローワーク経由での転職を考えている場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートもあわせて用意しておくと準備が進めやすくなります。

まとめ
- 辞表の意味は、会社役員や公務員が退職時に提出する正式な書類
- 一般社員が使う正しい書類は退職届・退職願
- 音が似た「辞令」は会社側が本人に出す書類で意味が正反対
- 退職の言葉を正しく使い分けられることは、社会人としての印象にもつながる
自分の立場に合った書類名を選び、退職の意思を正確に伝えてください。
辞表の意味に関するよくある質問
- 一般社員が辞表を出すのは間違いですか?
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法律で禁止されているわけではありませんが、正式には退職届または退職願を使う場面です。「辞表」は役員や公務員が使う言葉のため、一般社員が使うと言葉の選び方を誤解されることがあります。
- 辞表と辞令は同じ意味ですか?
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意味は正反対です。辞表は本人が会社や任命権者に辞める意思を伝える書類、辞令は会社が本人に異動・昇進・退職などの人事を通知する書類です。
- 辞表は撤回できますか?
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辞表は届出としての性質が強く、提出後の撤回は原則としてできません。役員の辞任も同様に、提出後は取締役会や株主総会での手続きに進むのが一般的です。
- 公務員が退職するときは必ず辞表が必要ですか?
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公務員は任命権者から職務を任命されている立場のため、退職時は辞表の提出が必要です。様式や提出先は省庁・自治体ごとに異なるため、所属先の人事担当部署に確認してください。

