契約満了の退職届は、理由欄に「契約期間満了により」と明記し、「一身上の都合」とは書かないのが正解です。契約満了だからと安易に自己都合の書き方をしてしまうと、本来受けられるはずの失業保険の給付が遅れることがあります。契約更新を希望していたかどうかで書き方が変わる点も含め、状況別の例文で解説します。
契約満了の退職届の書き方と例文【結論】
結論:「契約期間満了により」と書き、「一身上の都合」は使わない
契約満了で退職する場合、退職理由欄には「契約期間満了により」「雇用契約満了に伴い」のように、契約が終わることが理由だとわかる表現を使います。正社員が自己都合退職の際に使う「一身上の都合」をそのまま流用してしまうと、実態と異なる自己都合退職として処理されるおそれがあります。
- 理由欄:「契約期間満了につき」「雇用契約満了により」と明記する
- 退職日:契約書に記載された契約満了日と一致させる
- 書式:正社員の退職届と同じ縦書き・横書きどちらでも構わない
ただし、契約更新を希望していたかどうかによって、この後の失業保険の扱いが変わってきます。次の例文を参考に、自分の状況に合った書き方を選んでください。
【状況別】契約満了の退職届の例文
良い例文(更新を希望せず契約満了で辞める場合)
退職届
私儀
この度、契約期間満了につき、令和8年〇月〇日をもって退職いたします。
在職中は格別のご配慮を賜り、誠にありがとうございました。
令和8年〇月〇日
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
氏名 〇〇 〇〇 印
良い例文(契約更新を希望したが更新されなかった場合)
退職届
私儀
この度、契約更新を希望しておりましたが、契約期間満了に伴い更新されなかったため、令和8年〇月〇日をもって退職いたします。
在職中は格別のご配慮を賜り、誠にありがとうございました。
令和8年〇月〇日
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
氏名 〇〇 〇〇 印
NG例
契約満了なのに「一身上の都合により」と書いてしまうのはNGです。この一文が入っているだけで、ハローワークや会社側は自己都合退職として処理を進めることがあります。契約更新を希望していたにもかかわらず更新されなかった事実がある場合は、その経緯を必ず書き添えてください。
総務・人事担当者はここを見ている
総務・人事担当者はここを見ている
- 理由欄の文言と契約書上の契約期間が一致しているか
- 更新希望の有無が明記されているか(離職票の記載内容に直結する)
- 退職日が契約満了日からずれていないか

契約満了なら退職届は本来不要?提出が必要になるケース
契約期間の満了に合わせて退職する場合、法律上は退職届も退職願も必須ではありません。契約が終わる日に自動的に雇用関係が終了するため、あらためて意思表示をしなくても退職は成立します。
- 就業規則で提出が義務付けられている場合:提出する
- 会社から更新意思の確認があり「更新しない」と伝える場合:口頭でも足りるが、書面を求められたら提出する
- 離職票の記載内容に食い違いが出そうな場合:経緯を書面に残しておくと後のトラブルを防げる
提出が任意であっても、更新を希望していたのに更新されなかった経緯は書面で残しておくと安心です。会社都合として扱われるかどうかの判断材料になるためです。
「契約期間満了により」と書くべき理由|自己都合と会社都合の分かれ目
契約満了はすべて会社都合になると思われがちですが、実際は本人が更新を希望したかどうかでハローワークの判断が分かれます。この分岐を理解しておくと、失業保険の受給で不利にならずに済みます。
契約更新を希望しなかった場合は自己都合扱いになりやすい
自分から契約更新を望まず、契約満了のタイミングで退職する場合は、実務上は自己都合退職に近い扱いを受けることが多くなります。会社側に落ち度があるわけではなく、労働者自身の意思で契約を終わらせているためです。
契約更新を希望したのに更新されなかった(雇止め)は会社都合になりやすい
一方、契約更新を希望したにもかかわらず会社が更新に応じなかった「雇止め」の場合は、条件を満たせば特定理由離職者として会社都合に近い扱いを受けられます。ハローワークが確認する主な条件は次の3点です。
- 有期労働契約の期間が満了したこと
- 契約書などに更新の可能性があることが明示されていたこと(当初から「更新なし」と明記されている契約は対象外)
- 労働者が契約更新を希望したにもかかわらず、更新の合意が成立しなかったこと
該当するかどうかは最終的にハローワークの個別判断になるため、雇入通知書や契約書、就業規則など更新希望を裏づける資料を手元に残しておくと手続きがスムーズです。
| ケース | 扱われやすい区分 | 失業保険の給付開始 |
|---|---|---|
| 更新を希望せず契約満了で退職 | 自己都合退職に近い扱い | 待期7日+原則1ヶ月の給付制限後 |
| 更新を希望したが更新されなかった(雇止め) | 特定理由離職者(会社都合に近い扱い) | 待期7日後(給付制限なし) |
参考:マネーフォワード クラウド給与「再雇用契約満了時の退職分類と失業保険の違い」等をもとに作成
契約満了の退職届でよくあるNG行動と対処法
契約満了は正社員の退職より手続きが簡略化されがちな分、あとから「言った言わない」のトラブルになりやすい落とし穴があります。
NG例
- 更新の意思確認に対して曖昧な返事のまま契約満了日を迎える
- 更新を希望したことを口頭だけで済ませ、書面や記録を一切残さない
- 退職理由欄を空欄のまま提出する
- 契約満了日と退職届の退職日がずれたまま提出する
更新の意思確認は契約満了の1〜2ヶ月前に行われることが多いため、迷っている段階でも早めに上司へ相談し、やり取りをメールやチャットなど記録が残る形で残しておくと、後から状況を証明しやすくなります。

退職の意思表示や提出タイミングそのものに迷いがある場合は、あらためて期限の考え方から確認しておくと安心です。

退職後に転職活動へ進む場合は、応募書類の準備を早めに始めておくと落ち着いて対応できます。転職用の履歴書テンプレートを使えば、職歴欄の書き方に迷わず短時間で仕上げられます。
応募先が指定のフォーマットを求めている場合は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート、会社指定の様式がJIS規格の場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートが参考になります。
志望動機がまだ固まっていない段階なら志望動機なしの履歴書テンプレートから手をつけると準備が進めやすくなります。
まとめ
- 契約満了の退職届は「契約期間満了により」と書き、「一身上の都合」は使わない
- 更新を希望せず退職する場合は自己都合、更新を希望したが更新されなかった場合は特定理由離職者に近い扱いになりやすい
- 契約満了なら提出自体は任意なことも多いが、更新希望の経緯は書面で残しておくと安心
理由欄の一文で失業保険の扱いが変わることを踏まえ、自分の状況に合った書き方で落ち着いて準備を進めてください。
契約満了の退職届に関するよくある質問
- 契約満了の退職届は必ず提出する必要がありますか?
-
契約期間の満了に合わせて退職する場合、法律上は退職届の提出は必須ではありません。就業規則で提出が義務付けられていなければ、口頭の意思表示だけで退職手続きが完了することもあります。ただし会社から提出を求められた場合や、更新希望の経緯を書面に残したい場合は提出しておくと安心です。
- 契約満了なのに「一身上の都合」と書いてしまった場合はどうなりますか?
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「一身上の都合」は自己都合退職を示す表現のため、実際は契約更新を希望していたのに更新されなかった場合でも、自己都合として処理されるおそれがあります。提出前に気づいた場合は訂正を申し出て、契約書や雇入通知書など更新希望を裏づける資料とあわせてハローワークに事情を説明することをおすすめします。
- 契約更新を希望しなかった場合でも会社都合になることはありますか?
-
本人が更新を希望せず契約満了で退職する場合は、実務上は自己都合退職に近い扱いを受けることが多くなります。ただし、賃金の大幅な引き下げや通勤困難になるような契約条件の変更など、更新を希望できない事情が会社側にある場合は、個別の状況に応じて会社都合と判断されることもあります。最終的な判断はハローワークが行います。
- 退職届の退職日は契約満了日と違う日にしてもいいですか?
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原則として、退職届の退職日は契約書に記載された契約満了日と一致させます。日付がずれていると、離職票の作成時に会社側が確認の連絡をすることになり、手続きが遅れる原因になります。契約満了日に不安がある場合は、提出前に契約書を確認しておきましょう。

