退職届を縦書きで作成する場合、日付や在職年数は漢数字で統一し、私儀は本文の書き出しよりやや低い位置に書くのが正解です。会社から便箋への手書きを指示され、どこから手をつければよいか迷っている方に向けて、私儀・宛名の正しい配置と、状況別にそのまま使える例文、よくある書き損じの対処法まであわせて紹介します。
退職届の縦書きの書き方|漢数字と正しい配置を結論から解説
結論:漢数字で統一し、私儀は本文より下げて書く
縦書きの退職届では、日付・在職年数といった数字はすべて漢数字で書きます。書き出しの「私儀」は行の上ではなく、本文の一行目よりやや下げた位置から書き始めるのが基本です。宛名にあたる会社代表者の役職・氏名は、自分の氏名よりも上の位置に大きく書きます。
- 日付・年数:漢数字で統一(例:令和八年八月十八日)
- 私儀の位置:本文の書き出しより一文字分ほど下げる
- 宛名の位置:自分の氏名より上、行の高い位置に書く
縦書き退職届の完全例文
便箋に清書する前に、全体の配置を確認しておくと書き損じを防げます。基本の構成要素は以下の順番です。
良い例文
退職届
私儀 このたび一身上の都合により、令和八年九月三十日をもって退職いたします。
令和八年八月十八日
〇〇部〇〇課 山田 太郎
株式会社〇〇 代表取締役 〇〇 〇〇 殿
NG例
退職届
私儀 このたび一身上の都合により、2026年9月30日をもって退職いたします。
2026年8月18日
山田 太郎
算用数字のまま書いている点と、宛名(会社代表者名)が抜けている点がNGです。縦書きでは西暦・算用数字は使わず、漢数字と和暦で統一します。
採用担当者はここを見ている
- 数字表記が漢数字・算用数字で統一されているか(混在は雑な印象につながる)
- 宛名が抜けていないか、役職と氏名の敬称(殿・様)が正しいか
退職届はなぜ縦書きが基本なのか|横書きとの使い分け
退職届に法律上の書式は定められていません。ただし、手書きの正式な書類は縦書きで作成する慣習が根強く残っており、丁寧で誠実な印象を与えやすいとされています。会社が独自の様式を用意している場合や、パソコンでの提出を認めている場合は、横書きでも問題ありません。
| 状況 | おすすめの形式 |
|---|---|
| 会社から様式指定がない・手書き提出 | 縦書き |
| 会社独自の退職届フォーマットがある | フォーマットに従う |
| データ提出・メール添付が指定されている | 横書き(ワード等) |
提出先の指示がとくにない場合は、縦書きを選んでおけば失礼にあたることはほとんどありません。
縦書きの漢数字ルール早見表【元号・日付・在職年数】
縦書きの退職届でつまずきやすいのが、どこまでを漢数字にするかという点です。以下の早見表で確認してください。
| 項目 | 算用数字(NG) | 漢数字(OK) |
|---|---|---|
| 年 | 2026年 | 令和八年 |
| 月日 | 8月18日 | 八月十八日 |
| 在職年数 | 3年 | 三年 |
| 部署番号など固有名詞の一部 | 第1営業部 | 第一営業部 |
迷ったときの判断基準
- 元号は「令和」を使い、西暦は使わない
- 1つの書類内で漢数字と算用数字を混在させない
- 社名や役職名などの固有名詞はそのまま横書き表記のルールに従う
封筒の宛名や日付にも同じ漢数字のルールが適用されます。表書き・裏書きの書き方は退職届の封筒の書き方で詳しく解説しています。

私儀・宛名・退職理由の正しい位置と書き方
縦書きの退職届は、書く順番と位置が横書き以上に意味を持ちます。ここでは項目ごとに正しい配置を説明します。
- タイトル:用紙の中央上部に大きく「退職届」と書く
- 私儀(本文書き出し):タイトルの次の行、本文よりやや下げた位置から「私儀」と書き始める
- 退職理由:「このたび一身上の都合により」と簡潔に書く。会社都合の場合でも詳細な理由は書かず、人事から伝えられた表現に合わせる
- 退職日:会社と合意した最終在籍日を漢数字で明記する
- 提出日・所属・氏名:本文より一行空けて、提出日→所属部署→氏名の順に書き、氏名の下に押印する
- 宛名:氏名よりも上の位置に、会社の正式名称・代表者の役職と氏名を書き、末尾に「殿」をつける
採用担当者はここを見ている
人事担当者は退職届そのものより、提出時の一連の対応を見ています。訂正液の使用や捺印漏れ、宛名の書き忘れがあると、退職手続きが滞るだけでなく、最後の印象を下げてしまいます。
ペン選びや書き損じたときの具体的な対処法は退職届の手書きの書き方で確認できます。

【状況別】縦書き退職届の例文|正社員・パート・急な退職
基本の型は同じでも、雇用形態や退職までの期間によって書き方に迷う部分があります。状況別に例文とNG例を紹介します。
正社員の場合
良い例文
退職届
私儀 このたび一身上の都合により、令和八年九月三十日をもって退職いたします。
令和八年八月十八日
営業部 鈴木 一郎
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿
NG例
退職届
一身上の都合で辞めさせていただきます。
令和八年八月十八日
鈴木 一郎
「私儀」の書き出しがなく、口語的な表現になっている点、宛名がない点がNGです。定型の書き出しと結びの言葉は省略しないようにします。
パート・アルバイトの場合
雇用形態にかかわらず、退職届の構成は変わりません。所属を「〇〇店」「〇〇部門」のように、勤務先が特定できる形で書きます。
良い例文(パートの場合)
退職届
私儀 このたび一身上の都合により、令和八年九月十五日をもって退職いたします。
令和八年八月十八日
〇〇店 佐藤 花子
株式会社〇〇 店長 〇〇 〇〇 殿
退職後にパート・アルバイトの求人へ再応募する予定がある場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと書類の準備がスムーズです。
体調不良など急な退職の場合
引き継ぎ期間が短い場合でも、退職理由は「一身上の都合」で統一します。体調や家庭の事情を書類に詳しく書く必要はありません。
採用担当者はここを見ている
退職理由の詳細を書くかどうかで悩む相談は多いものの、人事担当者が書類上で確認したいのは退職の意思と退職日の2点です。事情の説明は面談で伝えれば十分です。
縦書き退職届でよくある失敗と訂正の対処法
清書の途中で間違いに気づいたときの対処法を知っておくと、便箋を無駄にせずに済みます。
| よくある失敗 | 対処法 |
|---|---|
| 算用数字と漢数字が混在した | 書き直す(訂正線での修正は避ける) |
| 私儀の位置を本文と揃えてしまった | 書き直す |
| 宛名の敬称を「様」と「殿」で迷う | どちらでも失礼にはあたらないが「殿」が一般的 |
| 捺印を忘れた・かすれた | 捺印し直す。シャチハタは避け、認印を使う |
退職届は正式な書類のため、修正液や二重線での訂正は避け、書き損じた場合は新しい便箋に書き直します。
退職届の提出と並行して転職活動を進める場合は、転職用の履歴書テンプレートを先に準備しておくと、退職後の応募がスムーズに進みます。
便箋とコピー用紙のどちらを使うべきか迷う場合は退職届の紙の選び方で解説しています。

まとめ
- 縦書きの退職届は日付・年数を漢数字で統一する
- 私儀は本文よりやや下げ、宛名は自分の氏名より上に書く
- 雇用形態にかかわらず基本の構成は変わらない
- 書き損じたら訂正せず、新しい便箋に書き直す
配置と漢数字のルールさえ押さえれば、縦書きの退職届は難しいものではありません。退職後の転職活動に向けて、JIS規格に沿った履歴書テンプレートも早めに用意しておくと安心です。
退職届の縦書きに関するよくある質問
- 退職届は縦書きと横書き、どちらが正解ですか。
-
会社から指定がなければ縦書きが基本です。パソコンでの提出やメール添付が認められている場合は横書きでも問題ありません。
- 縦書きの退職届で西暦を使ってはいけませんか。
-
誤りではありませんが、正式な書類としては和暦・漢数字での統一が一般的です。会社の書式に西暦表記の指定がある場合はそちらに従います。
- 私儀を書き忘れた場合はどうすればいいですか。
-
訂正線で直さず、新しい便箋に書き直します。私儀は本文の書き出しを示す言葉のため、抜けると文章の体裁が崩れて見えます。

