職務経歴書の職歴の順番は、古い順・新しい順・アピールしたい順の3つから自由に選べます。書式に決まりがないため、どれを選んでも減点にはなりません。ただし採用担当者が1枚を数十秒で読む前提に立つと、選び方には向き不向きがあります。この記事では3つの順番の使い分けに加えて、項目の並び順、資格の記載順、提出時に重ねる順番まで整理します。
【結論】職務経歴書の順番は3パターン|迷ったら「古い順」で問題ない
職務経歴書は履歴書と違い、様式が法律や規格で定められていません。そのため職歴をどの順番で並べるかは、応募者が自分で決められます。転職回数が2社以内で、経験してきた職種にも大きな変化がないなら、古い順に並べれば十分です。
3つの順番の違いと向いている人
| 順番 | 別名 | 並べ方 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 古い順 | 編年体式 | 1社目から順に下へ書く | 転職2社以内/経験職種が一貫している人 |
| 新しい順 | 逆編年体式 | 直近の会社を最上部に書く | 直近の仕事が応募先の職種と近い人 |
| アピールしたい順 | キャリア式 | 時系列を崩し職種・分野ごとにまとめる | 転職回数が多い人/職種をまたいできた人 |
この3つはどれかが「正式」というものではありません。読み手が知りたい情報に最短で届く並べ方を選ぶ、というだけの話です。判断に迷う場合は、次のH2で紹介する3つの基準に当てはめてください。
記載例|古い順と新しい順の書き分け
良い例文(古い順・編年体式)
■ 2018年4月〜2021年3月 株式会社〇〇商事
【事業内容】食品系商材の卸売/【従業員数】120名
法人営業として食品スーパー30店舗を担当。既存顧客の深耕を中心に、担当エリア売上を前年比112%まで伸長。
■ 2021年4月〜現在 株式会社△△フーズ
【事業内容】冷凍食品の製造販売/【従業員数】450名
新規開拓営業に従事。年間48件の新規契約を獲得し、2024年度は部内1位。
良い例文(新しい順・逆編年体式)
■ 2021年4月〜現在 株式会社△△フーズ
【事業内容】冷凍食品の製造販売/【従業員数】450名
新規開拓営業に従事。年間48件の新規契約を獲得し、2024年度は部内1位。
■ 2018年4月〜2021年3月 株式会社〇〇商事
【事業内容】食品系商材の卸売/【従業員数】120名
法人営業として食品スーパー30店舗を担当。担当エリア売上を前年比112%まで伸長。
NG例
■ 2021年4月〜現在 株式会社△△フーズ
■ 2018年4月〜2021年3月 株式会社〇〇商事
■ 2024年10月〜現在 株式会社□□(副業)
途中で並び順が入れ替わっている例です。1枚の中で順番が混在すると、経歴の全体像がつかめず読み手の手が止まります。副業や兼業を含める場合も、選んだ順番のルールを最後まで通してください。
並べ方の型が決まったら、実際の枠に落とし込む段階に入ります。職種ごとの記入枠は営業職向けの職務経歴書テンプレートのように、あらかじめ項目が並んだ様式を使うと崩れません。
3つの順番の使い分け|選ぶ基準は「直近の仕事が応募先に近いか」
順番選びで迷ったときは、好みではなく次の3つの基準で機械的に決めてしまうのが早道です。
基準①直近の職歴が応募先に近いなら「新しい順」
今の会社でやっている仕事が、そのまま応募先の求人内容と重なるケースです。この場合は新しい順にして、直近の経験を最上部に置いてください。採用担当者は1人あたり数十秒で書類をさばくため、最初に目に入る情報が判断を大きく左右します。
基準②転職が2社以内なら「古い順」
在籍社数が少なければ、どちらの順でも全体を読み切れます。この規模なら履歴書の職歴欄と並びを揃えられる古い順のほうが、突き合わせの手間が減ります。履歴書は原則として古い順で書くため、職務経歴書も古い順にすれば2枚の見え方が一致します。
基準③職種をまたいできたなら「アピールしたい順」
販売から事務、事務から人事のように職種が変わっている人は、時系列で並べると経験が細切れに見えます。この場合は職種や分野ごとにまとめるキャリア式が向いています。「営業経験(計6年)」「マネジメント経験(計3年)」のように束ねると、断片的だった経歴が一つの強みとして読めるようになります。
採用担当者はここを見ている
- 最初の10秒で探しているのは「直近で何をしていた人か」。そこにたどり着くまでの視線移動が短いほど印象が良い
- 順番そのものにマナー違反の判定はしない。見ているのは、読み手を意識して構成できているかどうか
- キャリア式を選んだ場合は、在籍期間が抜け落ちていないかを必ず確認する
キャリア式を選ぶときの注意点として、期間の記載を省くと空白期間を隠していると受け取られます。職種別にまとめる場合でも、各社の在籍年月は必ず併記してください。
転職回数が多く、並べ方そのものに不安がある場合は、順番だけでなく1社あたりの分量配分も見直す必要があります。

職務経歴書の「項目」の順番|並び順が決まっている5項目
職歴の並べ方は自由ですが、職務経歴書全体の項目構成にはほぼ定着した順序があります。市販の様式や各社のテンプレートも、おおむね次の並びです。
| 順序 | 項目 | 役割 | 目安の分量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 職務要約(経歴要約) | 経歴全体を3〜5行で要約する | 150〜200字 |
| 2 | 職務経歴 | 会社ごとの業務内容と実績 | 本文の6〜7割 |
| 3 | 活かせる知識・経験・スキル | 応募先で再現できる能力 | 箇条書き3〜5点 |
| 4 | 資格・免許 | 業務に関係するものを取得日順に | 3〜5点 |
| 5 | 自己PR | 実績を人柄・再現性に接続する | 200〜300字 |
職務要約を先頭に置く理由
職務要約は、その後に続く長い職務経歴を読むための地図になります。ここで「何年、どの職種で、何を出してきた人か」が伝われば、以降の記述は答え合わせとして読まれます。逆に要約がないと、採用担当者は1社目から順に読み解く負担を負うことになります。
良い例文(職務要約)
食品業界で7年間、法人営業に従事してまいりました。前職では既存顧客30社の深耕を担当し、現職では新規開拓に軸足を移して年間48件の契約を獲得しております。直近の新規開拓経験を中心に記載するため、新しい順で構成いたしました。
NG例
私の強みは粘り強さです。どんな困難な状況でも諦めずに取り組んでまいりました。貴社でもこの強みを活かして貢献したいと考えております。
自己PRを先頭に持ってきてしまった例です。職歴の全体像がわからないまま人柄の話が始まるため、読み手は経歴を確認するために下へスクロールし直すことになります。自己PRは最後に置いてください。
項目の並びに自信が持てない場合は、順序があらかじめ組まれた様式を使うのが確実です。デスクワーク中心の方は事務職向けの職務経歴書テンプレート、ハローワーク経由で応募する方はハローワーク用の職務経歴書テンプレートが扱いやすくなっています。
資格・免許を書く順番|取得日が古い順が原則
資格欄は取得した日付が古いものから順に並べるのが原則です。取得の経緯が時系列で追え、いつ何を身につけてきたかが伝わります。国家資格と民間資格を分けて記載する必要はありません。
- 取得年月を明記する(「2022年6月 日商簿記検定2級 取得」)
- 正式名称で書く(「簿記2級」ではなく「日商簿記検定2級」)
- 応募職種と無関係な資格は、数を絞るか省く
- 普通自動車第一種運転免許は、車を使う職種でのみ書けば足りる
応募先の職種に直結する資格が下のほうに埋もれている場合に限り、その資格を先頭に置いて残りを取得日順に続ける書き方も通用します。ただし例外は1つまでにとどめてください。並べ替えを重ねるほど、取得時期の把握が難しくなります。
なお、履歴書にも資格欄がある場合は両方に同じ内容を書いて構いません。職務経歴書側では、業務でどう使ったかを1行添えると重複感が消えます。

迷いやすいケース別|社名変更・出向・派遣の順番
並び順の原則が決まっても、実際の職歴には例外がつきものです。判断に迷いやすい5つのケースを整理しました。
| ケース | 順番の扱い | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 社名が変わった | 1社として扱い、在籍開始時点の位置に置く | 株式会社〇〇(現:株式会社△△) |
| 同じ会社で部署異動 | 1社の中で異動を時系列に並べる | 2020年4月 営業部へ異動 |
| 出向していた | 在籍元の職歴内に入れ子で記載する | 2022年4月〜2024年3月 株式会社□□へ出向 |
| 派遣で複数の就業先 | 派遣元を1社として、就業先を下にぶら下げる | 〇〇スタッフ(派遣元)/就業先:△△株式会社 |
| 在職中 | 直近の位置に置き、末尾に現況を書く | 2021年4月〜現在(在職中) |
社名変更は「旧社名(現:新社名)」と併記するのが一般的です。応募先が旧社名しか知らない可能性もあるため、どちらか一方を消す書き方は避けてください。派遣の場合、雇用契約を結んでいるのは派遣元です。順番の起点も派遣元に置きます。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書と職務経歴書で在籍期間がズレていないか。1か月でも違えば確認の連絡対象になる
- 出向・派遣の期間が、正社員としての在籍期間と混ざっていないか
- 説明のない空白期間がないか。順番を入れ替えると空白が見えにくくなるため、そこも合わせて確認する
履歴書と職務経歴書はどちらが上?提出時に重ねる順番
提出時に重ねる順番は上から「送付状・履歴書・職務経歴書」です。基本情報を先に確認してから経歴の詳細に入る、という読み手の流れに沿った並びになります。
郵送する場合
送付状を一番上にし、履歴書、職務経歴書の順に重ねます。書類は折らずに入れられる角形2号の封筒を使い、クリアファイルに挟んでから入れてください。封筒の表には「応募書類在中」と赤字で書き添えます。
面接で手渡しする場合
手渡しでは送付状は不要です。履歴書を上、職務経歴書を下にして重ね、封筒には入れずクリアファイルのまま渡します。渡す向きは相手から見て文字が正面を向くようにしてください。
メールで送る場合
添付ファイルは履歴書、職務経歴書の順に添付します。ファイル名は「履歴書_山田太郎.pdf」のように内容と氏名がわかる形にし、形式はPDFに統一してください。編集可能な状態のまま送ると、レイアウトが相手の環境で崩れます。
2枚の書類で在籍期間や社名の表記が食い違っていると、順番以前の問題として確認対象になります。転職用の履歴書テンプレートを使って、職務経歴書と同じ表記で職歴欄を作り直しておくと安全です。

順番の選び方で落とされる人に共通する3つのミス
順番そのものが不採用の理由になることはまれです。ただし、順番の選び方が原因で読みにくさが生まれ、結果的に評価が下がるケースはあります。
- 途中で並び順が変わる:新しい順で始めたのに、3社目だけ古い順に混ざるパターン。全体像がつかめなくなります
- 履歴書と順番が逆なのに補足がない:職務経歴書だけ新しい順にすること自体は問題ありませんが、職務要約でその意図に触れておくと親切です
- キャリア式で在籍期間を省く:職種ごとにまとめた結果、いつどこにいたかが消えてしまう例。空白期間を隠していると受け取られます
この3つに当てはまらなければ、どの順番を選んでも書類選考で不利になることはありません。順番を決めるのに時間をかけるより、各社の実績を数字で書けているかの確認に時間を回してください。
まとめ
- 職歴の順番は古い順・新しい順・アピールしたい順の3択で、書式が自由なためどれでも減点にはならない
- 直近の仕事が応募先と近いなら新しい順、転職2社以内なら古い順、職種をまたいでいるならキャリア式が向いている
- 項目の並びは職務要約・職務経歴・活かせるスキル・資格・自己PRの順が標準
- 資格は取得日が古い順。正式名称と取得年月を必ず添える
- 提出時は上から送付状・履歴書・職務経歴書。手渡しでは送付状を省く
順番は選択の問題であり、正解探しに時間を使う場所ではありません。並びを1つに決めたら、あとは最後までそのルールを崩さずに書き切ってください。
職務経歴書の順番に関するよくある質問
- 履歴書は古い順なのに、職務経歴書だけ新しい順にしても大丈夫ですか?
-
問題ありません。履歴書と職務経歴書は役割が異なる書類のため、並び順が違っていても矛盾とは受け取られません。ただし在籍期間や社名の表記は完全に一致させてください。職務要約で「直近の経験を中心に記載するため新しい順で構成した」と一言触れておくと、意図が伝わります。
- アルバイト経験は職歴のどこに入れますか?
-
正社員の経歴と同じ時系列の中に、選んだ順番のルールどおりに入れて構いません。応募先の職種と関係が薄いアルバイトは、社名と期間のみの1行にとどめると全体が読みやすくなります。正社員経験がまだない場合は、アルバイトを主たる職歴として通常どおり記載してください。
- 職務経歴書が2枚になる場合、どちらを上にしますか?
-
1枚目、2枚目の順に重ねます。各ページの右上か右下に「1/2」「2/2」とページ番号を入れ、両ページに氏名を記載してください。ホチキス留めは不要です。クリアファイルに順番どおり入れて提出すれば、途中で入れ替わる心配がありません。
- 転職回数が多い場合、古い職歴は省いてもよいですか?
-
省略はできません。職歴の一部を意図的に書かないことは経歴詐称にあたる可能性があります。省くのではなく、応募先と関係の薄い会社は社名・期間・職種の3点だけにとどめ、アピールしたい会社に行数を集中させてください。それでも見せ方に不安が残るなら、キャリア式で職種ごとにまとめる方法が有効です。

