測量の職務経歴書は、担当した測量の種類と使用機器を数字で示すことが基本です。現場作業を「対応した」で終わらせず、路線延長や誤差率、案件数を明記することで、採用担当者に実務レベルが伝わります。測量士補で実務経験が浅い方や、公共測量中心で数字を出しにくい方に向けて、状況別の記載例も紹介します。
測量の職務経歴書の書き方【結論】と記載例
結論:担当した測量の種類と使用機器を数字で示す
測量の職務経歴書で評価されるのは、「測量をしていました」という抽象的な説明ではなく、どの測量を、どの機器で、どの規模で担当したかという具体性です。国道の路線測量なのか、宅地の確定測量なのか、担当した業務の種類によって求められるスキルは大きく異なります。
トータルステーションやGNSS測量機、UAVなど使用機器を明記すると、即戦力として働けるかどうかを採用担当者が判断しやすくなります。まずは以下の記載例を状況別に確認してください。
記載例①(測量士補・実務経験3年・建設コンサルタント)
建設コンサルタントで公共測量に携わってきた方の記載例です。業務内容を測量種目ごとに分け、規模と精度管理の観点を加えています。
良い例文
【職務要約】
測量士補として建設コンサルタント会社に3年間勤務。公共測量・道路詳細設計に伴う現地測量を中心に担当。
【業務内容】
・国道拡幅工事に伴う路線測量(延長1.8km)において、トータルステーションによる中心線測量・縦横断測量を担当
・GNSS測量機を用いた基準点測量を年間15件担当し、公共測量作業規程に基づく精度管理を実施
・測量データをCAD(AutoCAD Civil 3D)で図面化し、設計担当者との調整業務に従事
NG例
測量業務全般を担当していました。現場での作業を中心に、真面目に取り組んでまいりました。担当した測量の種類・規模・使用機器が一切分からず、他の応募者との違いが伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 案件の規模(延長・件数)が具体的な数字で示されているか
- 使用機器・ソフトの名称が正確に書かれているか
- 精度管理や作業規程の順守など、専門性を示す記述があるか
記載例②(測量士・公共測量中心・実務経験浅め)
測量士の資格は取得済みでも、実務経験がまだ浅い場合は「担当した業務範囲」を明確にすることが重要です。OJT期間中でも、自分が主体的に関わった作業を切り出して書きます。
良い例文
【職務要約】
測量士として測量会社に1年6ヶ月勤務。地籍調査に伴う公共測量(境界確認・基準点測量)の補助業務を経験。
【業務内容】
・地籍調査業務において、GNSS測量機を用いた基準点測量の観測作業を年間8件担当
・現地立会いにおいて土地所有者への境界確認説明を先輩社員と同行し、5件を単独対応
・測量成果のとりまとめ資料をExcel・CADで作成
NG例
まだ経験が浅いため、先輩の指示のもと測量業務の補助を行っていました。「補助」の内容が具体的でなく、何ができるのか判断できません。件数や担当範囲がない書き方は避けてください。
測量の職務経歴書で押さえるべき5つの記載項目
職務要約
冒頭3〜4行で、所属していた会社の業種(測量会社・建設コンサルタント・ゼネコン等)と、担当した測量分野を要約します。ハローワーク用の職務経歴書テンプレートのように書式が指定されている場合も、この職務要約を冒頭に置く構成は共通して使えます。
業務内容(測量種目別の書き方)
測量の種類ごとに求められるアピールポイントは異なります。担当した種目に合わせて、以下を参考に書き分けてください。
| 測量の種類 | 主な作業内容 | 職務経歴書で伝えるポイント |
|---|---|---|
| 基準点測量 | GNSS・トータルステーションによる基準点の設置・観測 | 観測点数、使用機器、精度区分 |
| 地形測量 | 現地の高低差・地物を測定し図面化 | 測量範囲の面積、成果品の種類(等高線図等) |
| 路線測量 | 道路の中心線測量・縦横断測量 | 路線延長、担当区間、CAD化の有無 |
| 公共測量(地籍調査等) | 境界確認・基準点測量を伴う行政案件 | 案件件数、立会い対応の実績 |
| UAV測量・地上レーザー測量 | ドローンや3Dレーザーによる点群データ取得 | 使用機材、点群処理ソフト、対象範囲 |
使用機器・ソフトウェア
測量業務は機器・ソフトの操作経験が即戦力の判断材料になります。建設業界の職務経歴書テンプレートを土台にする場合も、以下のような機器・ソフト名を業務内容の欄に具体的に加えると説得力が増します。
- トータルステーション:角度・距離を同時測定する測量機器。操作年数や機種を記載
- GNSS測量機:衛星測位による基準点測量に使用。RTK方式の経験有無も明記
- UAV(ドローン):空撮による地形測量・出来形管理に使用。操縦経験と対象案件数
- CAD(AutoCAD Civil 3D等):測量データの図面化・成果品作成に使用
- 3次元点群処理ソフト:レーザー測量・UAV測量のデータ処理に使用
資格・免許欄の書き方
測量士・測量士補は検定試験型の国家資格のため、履歴書・職務経歴書ともに「測量士国家試験 合格」のように試験合格の表記で記載します。「測量士 取得」と書くと、実務経験による登録取得なのか試験合格なのか採用担当者が判断しづらくなるため注意してください。
資格欄の記載例
- 2024年5月 測量士補国家試験 合格
- 2026年3月 測量士国家試験 合格
自己PR・活かせる経験
自己PRでは、測量業務で培った「正確性」「現場調整力」を、次の職場でどう活かせるかまで踏み込んで書きます。例えば、境界確認の立会いで土地所有者と円滑にやり取りした経験は、対人折衝力として測量以外の職種でも評価される要素です。
採用担当者はここを見ている|測量の職務経歴書で差がつくポイント
測量業界の採用担当者は、官公庁の公共測量案件と民間コンサルの案件で、求められるアピールの軸が異なることを理解した書き方ができているかを見ています。この違いに触れている職務経歴書は多くありません。
採用担当者はここを見ている
- 官公庁案件では、公共測量作業規程や測量成果の精度基準を理解しているか
- 民間コンサル案件では、工期に対する対応力や設計担当者との調整経験があるか
- 「現場作業=地味」で終わらせず、成果を数字と成果品の種類で説明できているか
官公庁案件が中心だった方が民間コンサルへ転職する場合は、規程順守の実績に加えて「納期意識」や「複数案件の並行対応力」を補足すると、書類の説得力が増します。
【状況別】測量の職務経歴書の書き方
測量士補・実務経験が浅い場合
実務経験が1年未満でも、担当した作業を細かく切り出せば書ける内容はあります。「補助業務」でまとめず、観測・記録・データ整理など自分が実際に手を動かした工程を書き出してください。
良い例文(実務経験浅めの場合)
基準点測量の現場において、GNSS測量機の設置・観測記録を担当。先輩社員の指導のもと、月平均4件の観測データ整理を行い、精度検証にも同行した。
官公庁の公共測量が中心の場合
地籍調査や道路台帳整備など、行政発注案件が中心だった方は、公共測量作業規程に基づく精度管理の実績を明記します。関連する職種の職務経歴書も参考になります。

建設コンサルタント・民間案件が中心の場合
民間コンサルタントでの経験は、設計部門との調整や工期対応の実績を加えると評価されやすくなります。施工管理の職務経歴書テンプレートのように、案件ごとに区切って書く形式は測量業務の整理にも応用できます。
UAV測量・レーザー測量の経験がある場合
UAV測量や地上レーザー測量は近年需要が高まっている分野です。経験があれば必ず独立した項目として記載し、他の応募者との差別化材料にしてください。
良い例文(UAV測量の場合)
河川改修工事の出来形管理において、UAVによる空撮測量を実施。取得した点群データを3次元点群処理ソフトで解析し、従来の人力測量と比較して現地作業時間を約4割削減した。
資格を活かして専門性をアピールする書き方は、測量以外の技術系資格職とも共通する部分があります。測量士の志望動機と合わせて職務経歴書を仕上げると、書類全体の一貫性が高まります。


よくある失敗と改善のポイント
測量の職務経歴書でよくある失敗は、専門用語に頼りすぎて内容が伝わらないことです。以下のポイントを確認してください。
| よくある失敗 | 改善のポイント |
|---|---|
| 専門用語だけを羅列している | 用語の後に「何のための作業か」を一言添える |
| 担当範囲が曖昧 | 「担当した」「主担当だった」など役割を明確にする |
| 成果が数字になっていない | 延長・件数・精度・時間短縮率など数値で示す |
| 異なる案件の実績を混在させて書いている | 案件ごとに項目を分け、時系列で整理する |
また、転職用の履歴書テンプレートと職務経歴書の内容に矛盾がないかも、提出前に必ず確認してください。学歴・職歴欄の勤務期間と、職務経歴書の在籍期間がずれていると、書類全体の信頼性が下がります。
まとめ
- 測量の職務経歴書は、担当した測量の種類・規模・使用機器を数字で示すことが基本
- 官公庁の公共測量案件と民間コンサル案件で、アピールすべき軸が異なる
- 測量士補・実務経験が浅い場合も、担当工程を細かく切り出せば実績として書ける
- 資格欄は「測量士国家試験 合格」のように試験合格の表記で統一する
状況別の記載例を参考に、自分が担当した案件の規模と役割を具体的な言葉に置き換えてください。
測量の職務経歴書に関するよくある質問
- 測量士補でも職務経歴書に書ける実績はありますか?
-
あります。試験合格資格であっても、現場での観測・記録・データ整理などの担当工程は実績として書けます。件数や頻度を添えることで、実務経験が浅くても内容のある記述になります。
- 測量士の資格は履歴書と職務経歴書のどちらに書けばよいですか?
-
基本的には履歴書の資格・免許欄に記載します。職務経歴書には、その資格をどの業務で活かしたかを具体的に補足すると、書類全体の説得力が高まります。
- UAV測量やドローン測量の経験は職務経歴書でどう書けばよいですか?
-
使用した機材名・対象案件の内容・従来の測量方法と比較した効果を分けて書いてください。近年需要が高まっている分野のため、独立した項目として目立たせることをおすすめします。
- 官公庁の測量業務経験しかない場合、民間企業への転職で不利になりますか?
-
不利にはなりません。公共測量作業規程に基づく精度管理の経験は、民間企業でも評価される強みです。加えて、工期対応力や複数案件の並行対応力を補足すると、より伝わりやすくなります。

