スキルシートは使用ツール名を並べるのではなく、担当した工程と役割を具体的な数値で書くのが正解です。ポートフォリオを見てもらえれば十分だと思われがちですが、担当範囲が曖昧だと実務レベルが正しく伝わりません。この記事では、良い例文とNG例、SES・フリーランス・転職など状況別の書き方、提出前に確認すべきポイントまで解説します。
スキルシートの書き方と例文(デザイナー向け)
結論|担当工程・役割・成果を数値で書くのが正解
スキルシートで評価されるのは、扱えるツールの数ではなく、どの工程を、どの役割で、どんな成果につなげたかです。「Photoshop、Illustrator、Figma」のようにツール名だけを並べても、担当者は実務レベルを判断できません。
- 工程:企画・ワイヤーフレーム・デザイン制作・コーディング・ディレクションのどこを担当したか
- 役割:デザイナー・リードデザイナー・ディレクターのいずれだったか
- 成果:ページ数・制作期間・関わった媒体規模、CV改善率などの数字
良い例文とNG例(Webデザイナーの場合)
良い例文
アパレルECサイトのリニューアル案件(制作期間3カ月・チーム4名)にメインデザイナーとして参画。ワイヤーフレーム作成からトップページ・下層ページ約30ページのデザイン、コーディング指示書の作成までを担当しました。使用ツール:Figma、Photoshop、Illustrator。
NG例
アパレルECサイトのデザイン制作に参画。Figma、Photoshop、Illustratorを使用。担当ページ数や役割の記載がなく、どこまでの範囲を任されていたのか判断できません。
採用担当者はここを見ている
- ツール名の後ろに「何を制作したか」が続いているか
- デザインのみか、コーディングやディレクションまで含むかが読み取れるか
- ポートフォリオへのリンクと実績が紐づいているか
実務経験が浅い・未経験に近い場合の書き方
案件経験が1〜2件しかない場合でも、担当した工程を細分化して書くことで内容を厚くできます。「デザインを担当」とまとめるのではなく、バナーだけか、ページ全体のレイアウトまで関わったかを分けて記載すると、経験の浅さをカバーできます。
スクール課題や個人制作の実績も、実務に近い形で整理すれば評価対象になります。デザイナー職の職務経歴書の構成を参考にすると、項目の抜け漏れを防ぎやすくなります。

スキルシートと職務経歴書・ポートフォリオの違い
スキルシートは、IT・クリエイティブ業界特有の書類です。ポートフォリオが作品そのものを見せる資料であるのに対し、スキルシートは担当工程と実務範囲を客観的に伝えることに特化しています。
| 書類 | 主な用途 | 記載の中心 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 人物像・経歴の全体像を伝える | 学歴・職歴・志望動機 |
| 職務経歴書 | これまでの職務内容を伝える | 業務内容・実績・自己PR |
| ポートフォリオ | 作品そのものを見せる | デザイン成果物・実績画像 |
| スキルシート | 案件参画時の実務範囲を伝える | 保有ツール・担当工程・案件詳細 |
制作会社に常駐する場合や、フリーランスとして案件に参画する場合は、ポートフォリオに加えてスキルシートの提出を求められるのが一般的です。企業に直接応募する転職活動では、職務経歴書だけで足りるケースも多く、提出先によって必要な書類が変わる点は押さえておく必要があります。
スキルシートに記載すべき項目一覧(デザイナー向け)
デザイナーのスキルシートに盛り込む項目は、大きく5つに分かれます。抜け漏れがあると、担当者が実務レベルを判断する材料が不足してしまいます。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名(またはイニシャル)、稼働可能日、希望条件 |
| 保有スキル | Photoshop・Illustrator・Figma・XDなどの使用ツールと習熟度 |
| 資格 | 業務に関連する資格・取得年(あれば) |
| 案件経歴 | 案件名(差し支えない範囲)、期間、規模、工程、役割、使用ツール |
| ポートフォリオ | 作品を確認できるURL・PDFの案内 |
このうち案件経歴が最も重要な項目です。1案件につき、期間・規模・工程・役割・使用ツールの5点をセットで書くと、担当者が実務範囲を短時間で把握できます。
通過率を上げる書き方のポイント
記載項目が揃っていても、書き方次第で伝わり方は大きく変わります。以下の4点を意識すると、同じ経験でも通過率が上がります。
- 直近の案件から記載する:デザインの流行やツールの入れ替わりは早く、直近1〜3年の経験が重視されます
- 定量的に書く:「制作ページ数」「制作期間」「改善できた数値」など、数字で語れる部分は必ず数字にする
- 小規模な案件も削らない:バナー1枚の修正対応でも、担当範囲を明確にすれば評価対象になる
- 言い切り表現を使う:「制作しました」「対応しました」と言い切ることで、実務経験としての説得力が増す
NG例
【使用ツール】Photoshop, Illustrator, Figma, XD, After Effects, HTML, CSS
ツール名を羅列しただけで、どの案件でどこまで使ったのかが不明な状態です。担当者は「実務で使えるのか、触った程度なのか」を判断できません。
採用担当者はここを見ている
ツール名は「案件経歴」の中に組み込み、案件ごとに紐づけて記載すると実務レベルが伝わります。ツール一覧を単独で並べる場合も、経験年数や習熟度を添えるだけで説得力が変わります。

状況別の書き方|SES常駐・フリーランス・転職
SES常駐・受託制作会社常駐の場合
制作会社に所属して現場に常駐する場合は、商流と契約形態を意識した記載が求められることがあります。クライアント企業の名前を出せない場合は「大手アパレル系」「金融系サービス」のように業界・規模感で表現します。
技術職に近い形で常駐している場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートの項目立ても参考になります。
フリーランスとして案件参画する場合
フリーランスの場合、スキルシートは単価交渉の材料にもなります。稼働率(週何日稼働できるか)、リモート可否、直近の空き状況を明記すると、案件を紹介するエージェントも動きやすくなります。
良い例文(フリーランスの場合)
【稼働条件】週4日・フルリモート可・来月から稼働可能
【直近案件】人材系Webサービスのトップページリニューアル(2カ月・単独対応)を企画からデザイン・コーディング指示まで一貫して担当しました。
転職・正社員応募の場合
正社員としての転職活動では、スキルシート単体ではなく職務経歴書とあわせて提出を求められることが一般的です。制作面の詳細はスキルシートに、チームでの立ち回りや組織への貢献は職務経歴書に分けて書くと、内容が重複せず読みやすくなります。転職用の履歴書テンプレートもあわせて確認しておくと準備がスムーズです。
デザイナーとして働き始めたばかりで案件数がまだ少ない場合は、新卒用の履歴書テンプレートの項目構成も参考にすると、書くべき情報の抜け漏れを防ぎやすくなります。

よくある失敗と提出前の注意点
内容が整っていても、細部のミスで印象を落とすケースがあります。提出前に以下の点を確認してください。
- 秘密保持契約の対象になっているクライアント名・案件名を記載していないか
- ポートフォリオのリンク切れ、非公開設定になっていないか
- ツール名・バージョン表記のスペルミスがないか
- A4用紙で1〜3枚程度に収まっているか(長すぎても読まれにくい)
案件が変わるたびにスキルシートを一から作り直すと、更新漏れや表記ゆれが起きやすくなります。ベースとなるフォーマットを1つ決めておき、案件ごとの差分だけを更新する運用にすると、記載漏れを防ぎやすくなります。
まとめ
- スキルシートはツール名の羅列ではなく、担当工程・役割・成果を数値で書く
- ポートフォリオとは役割が異なり、案件参画時の実務範囲を客観的に伝える書類
- 直近の案件から記載し、SES常駐・フリーランス・転職など状況に応じて書き分ける
担当工程と役割を具体的に書き直すだけで、同じ経験でも伝わり方は変わります。次の案件応募の前に、一度スキルシート全体を見直してみてください。
スキルシートに関するよくある質問
- スキルシートとポートフォリオは両方提出する必要がありますか?
-
制作会社に常駐する場合や、フリーランスとして案件に参画する場合は、両方の提出を求められることが一般的です。スキルシートで担当範囲を伝え、ポートフォリオで作品そのものを見てもらう構成になります。
- スキルシートにポートフォリオのURLは必要ですか?
-
可能であれば必ず記載してください。案件経歴に書いた文章だけでは伝わらないデザインの質感やセンスを、担当者が直接確認できるようになります。
- デザインツールの経験年数はどう書けばいいですか?
-
ツール名の横に「実務3年」「案件で使用歴1年」のように具体的な期間を添えてください。案件経歴の中で実際に使った場面とあわせて書くと、より説得力が増します。
- 実務経験が浅い場合でもスキルシートを提出する必要がありますか?
-
経験が浅い場合でも提出を求められることが多いため、スクール課題や個人制作の実績を担当工程ごとに整理して記載してください。

