エントリーシートの志望動機は、最初の一文で結論を示し、根拠となるエピソードで裏付ける構成が基本です。「なぜこの企業なのか」を具体的な言葉で語れているかどうかで、書類選考の通過率は大きく変わります。この記事では、200字・400字別の例文と採用担当者が見ているポイント、履歴書の志望動機との違いまで解説します。
エントリーシートの志望動機は「結論→エピソード→締め」で書くのが正解
結論:最初の一文で「志望理由」を言い切る
エントリーシートの志望動機欄は、結論・理由となるエピソード・入社後の展望の3ブロックで構成すると、読み手に迷いなく伝わります。最初の一文を「〜だからです」という言い切りにするだけで、続きを読む前提が読み手の中にできあがります。
文字数の指定がある場合は、指定字数の8〜9割を目安に埋めるのが基本です。極端に短い文章は熱意不足と受け取られやすく、逆に指定字数を超える記入は指示を守れない印象につながります。
200字の例文
良い例文(200字)
貴社を志望する理由は、地域密着型の営業スタイルで顧客と長期的な関係を築いている点に共感したためです。学生時代、個人経営の飲食店でアルバイトをする中で、常連客との会話から生まれるリピートの重みを実感しました。この経験から、目先の売上より信頼関係を優先する働き方を志すようになり、同じ姿勢を大切にしている貴社を志望します。入社後は、担当エリアのお客様と長く付き合える営業を目指します。
400字の例文
良い例文(400字)
貴社を志望する理由は、地域密着型の営業スタイルで顧客と長期的な関係を築いている点に共感したためです。大学2年次から3年間続けた個人経営の飲食店でのアルバイトでは、常連のお客様が増えるほど売上が安定することを目の当たりにしました。当初は新規のお客様を増やすことばかり考えていましたが、店長から「一度来た人にまた来たいと思ってもらう工夫」を教わり、来店ごとに好みや会話の内容を記録して次回の接客に活かすようになったところ、常連率が担当時間帯で1.4倍に伸びました。この経験を通じて、短期的な数字よりも信頼の積み重ねを重視する働き方を志すようになり、同じ価値観を掲げている貴社を志望するに至りました。入社後は、担当エリアのお客様一人ひとりと長く付き合える営業を目指し、貴社の持続的な成長に貢献したいと考えています。
文字数の目安や、履歴書の志望動機欄との使い分けで迷う場合は、あわせて確認しておくと書類全体の一貫性を保ちやすくなります。

採用担当者が志望動機で見ている3つのポイント
採用担当者は志望動機を通じて、応募者の入社意欲だけでなく、自社の社風や価値観と合っているかどうかを判断しています。数十枚、数百枚のエントリーシートに目を通す中で、最初の数行で「読み進める価値があるか」を見極めているのが実情です。
採用担当者はここを見ている
- 結論の明確さ:最初の一文で志望理由が言い切れているか
- 再現性:語られたエピソードが、入社後の業務でも活かせる内容か
- 企業とのマッチ度:他社にも当てはまる理由になっていないか
3つの中でも特に見落とされがちなのが「企業とのマッチ度」です。事業内容や規模の大きさだけを理由に挙げると、同業他社にもそのまま提出できてしまう文章になり、採用担当者に使い回しを見抜かれやすくなります。
履歴書の志望動機との違い|エントリーシートで書くべき内容
エントリーシートと履歴書は、どちらも志望動機を書く欄がありますが、求められる内容の深さが異なります。両方を提出する場合は、書き分け方を知らないと同じ文章の使い回しになり、手を抜いた印象を与えてしまいます。
| 項目 | エントリーシート | 履歴書 |
|---|---|---|
| 役割 | 選考資料として詳しく人柄・意欲を伝える | 基本情報の書類として簡潔にまとめる |
| 文字数目安 | 200〜400字程度 | 100〜150字程度 |
| 書く内容 | 結論+具体的なエピソード+入社後の展望 | 要点を絞った結論中心の記述 |
履歴書は保管用の書類としての性格が強いため、志望動機は要点を絞って簡潔に書きます。一方でエントリーシートは選考資料そのものなので、具体的なエピソードまで踏み込んで書く必要があります。同じ内容を使い回す場合も、一言一句同じ文章は避けましょう。
そもそもエントリーシートと履歴書の役割の違いから整理したい場合は、先に読んでおくと書類全体の構成が把握しやすくなります。

ESとあわせて履歴書も提出する場合、志望動機欄をどう埋めるか迷うことがあります。無理に別の理由を捻り出す必要はなく、志望動機なしの履歴書テンプレートのように、他の項目で熱意を補う書式を使う選択肢もあります。
状況別の書き方と例文
新卒の場合
新卒の志望動機では、社会人経験がない分、学業やアルバイト、部活動など学生時代の経験から企業とのつながりを見つけることになります。業界研究で得た知識よりも、自分の経験に基づく理由の方が説得力を持ちます。
良い例文(新卒の場合)
ゼミで地域商店街の活性化を研究する中で、小規模事業者ほどITツールを使いこなせず機会損失を抱えている実態を知りました。貴社が中小企業向けに提供するITサポートは、まさにこの課題に応える事業だと感じ、志望しました。
新卒での提出書類全般を整える際は新卒用の履歴書テンプレートを使うと、ESと履歴書のフォーマットを揃えやすくなります。
中途・転職の場合
中途採用では、これまでの実務経験と応募企業の事業をどう結びつけるかが重要です。前職での成果を数値で示し、その経験が応募先でどう活きるかまで具体的に書くと評価されやすくなります。
良い例文(中途・転職の場合)
前職の法人営業では、既存顧客のフォロー体制を見直し、解約率を前年比で6ポイント改善しました。この経験を活かし、貴社が掲げるカスタマーサクセス重視の営業体制づくりに貢献したいと考え、志望いたしました。
転職活動用の書類一式を整える場合は転職用の履歴書テンプレートも参考にしてください。
志望動機が思いつかない場合
志望動機が思い浮かばないときは、いきなり文章を書こうとせず、まず「なぜこの業界に興味を持ったか」「他社ではなくこの企業を選んだ理由」を箇条書きで洗い出すところから始めます。
- 自分がこれまで熱中した経験を3つ書き出す
- その経験で感じた「もっと〜したい」という気持ちを言語化する
- その気持ちに近い事業を行っている企業かどうかを企業サイトで確認する
この順番で考えると、業界研究から入るよりも自分の経験に根ざした理由が見つかりやすくなります。
落ちる志望動機のNG例と改善のポイント
同じテーマの志望動機でも、書き方一つで評価が大きく変わります。よくある失敗パターンと、その改善方法を見ていきます。
NG例
貴社の安定した経営基盤と将来性に魅力を感じ、志望しました。長く働ける環境で貢献していきたいと考えています。
この例文は、業界を問わずどの企業にも提出できてしまう点が問題です。「安定」「将来性」といった言葉だけでは、なぜその企業でなければならないのかが伝わりません。
改善例
貴社が10年間かけて自社開発してきた在庫管理システムは、私が前職で感じていた在庫過多の課題を根本から解決するものだと感じ、志望しました。
企業独自の取り組みや自分の実体験と結びつけることで、その企業にしか書けない志望動機になります。
よくある失敗パターン
- 抽象的な言葉で終わる:「魅力を感じた」「共感した」だけで終わり、根拠となるエピソードがない
- 企業研究の情報を並べるだけ:企業の強みを説明するだけで、自分との接点が書かれていない
- 結論が最後にある:エピソードから始まり、志望理由が最後の一文にしか出てこない
ガクチカ・自己PRと内容が被る時の書き分け方
エントリーシートでは、志望動機・自己PR・ガクチカを同じ項目内で問われることが多く、同じエピソードを使い回すと内容が重複しがちです。役割を分けて書くと、限られた文字数でも重複を避けられます。
| 項目 | 伝える内容 |
|---|---|
| 志望動機 | なぜこの企業・業界を選んだのか(企業への理由) |
| 自己PR | 自分の強みが仕事でどう活きるか(能力の証明) |
| ガクチカ | 学生時代に何にどう取り組んだか(プロセスの証明) |
同じ飲食店でのアルバイト経験を書く場合でも、志望動機では「その経験から生まれた企業選びの軸」を、ガクチカでは「経験の中でどう工夫し、何を乗り越えたか」を中心に書くと、重複を避けながら一貫性のある書類に仕上がります。
自己PRやガクチカを含めたES全体の構成をもう一度整理したい場合は、項目ごとの役割分担を確認しておくと迷いにくくなります。

まとめ
- エントリーシートの志望動機は「結論→エピソード→締め」の順で書く
- 200字なら結論とエピソードを簡潔に、400字なら数値や具体的な行動まで盛り込む
- 履歴書の志望動機とは求められる深さが異なるため、書き分けを意識する
- 自己PR・ガクチカと役割を分けて、内容の重複を避ける
結論を先に示し、自分の経験に基づいたエピソードで裏付ける。この順番さえ押さえておけば、限られた文字数でも伝わる志望動機に仕上げられます。
エントリーシートの志望動機に関するよくある質問
- エントリーシートと履歴書で志望動機を全く同じ文章にしてもいいですか?
-
同じエピソードを使うこと自体は問題ありませんが、一言一句同じ文章にすると使い回しの印象を与えます。履歴書は要点を絞った簡潔な文章に、エントリーシートは具体的なエピソードを盛り込んだ文章にするなど、表現や分量を変えて書きましょう。
- 志望動機の文字数は指定より少なくてもいいですか?
-
指定字数の8〜9割は埋めるのが基本です。半分程度で終わると熱意不足と受け取られやすく、選考で不利になる可能性があります。エピソードの具体性を増やして規定の分量に近づけましょう。
- 複数のエントリーシートで同じ志望動機を使い回してもいいですか?
-
企業ごとに求める人物像や事業内容は異なるため、丸ごとの使い回しは避けましょう。文章の骨格は流用しても構いませんが、企業固有の情報や志望理由の部分は、応募先ごとに書き直す必要があります。

